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ミステリの祭典

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名探偵に甘美なる死を
〈竜泉家の一族〉シリーズ

作家 方丈貴恵
出版日2022年01月
平均点8.50点
書評数8人

No.8 8点 蟷螂の斧
(2023/09/24 12:36登録)
再度、ミステリーを読むきっかけとなった「インシテミル」のような展開。そして「現実世界」と「VR空間」を行き来するという特殊設定。二つの世界で密室殺人が発生。その謎を解かなければ現実の「死」が待っている。VRならではのトリックが秀逸です。ただ、その密室自体は古典にあるバカミス的なものでした(笑)。惜しいところは、後半の謎解きがやや複雑で難解な点ですね。ラスト、主人公と犯人とのやり取りが意外とあっさりし過ぎと感じたが、エピローグで納得。これは前作の2冊を読んでいないとピンとこないかも。

No.7 9点 点と点
(2023/08/30 18:04登録)
1作目と2作目でネタを使い果たしたのではないかという疑念。しかし3作目でも方丈は期待にしっかり応える。複雑で難解な設定を理解したご褒美に必ず瞠目の仕掛けを用意している。
そりゃあごく一部の変な奴からしかウケないわけだ。

No.6 9点 mozart
(2023/07/25 15:03登録)
シリーズ三作目とのこと、某作家の某シリーズで順番を間違えたことを激しく後悔したので今回は順番に読み進めました(余り影響はなかったですが)。本作もなかなか凝った「特殊設定」でした。「執行人」とかの設定もユニークで緊迫した展開にも目が離せなくなって一気読みしました。読後感も良かったです。
「特殊設定」はある意味作家からすると便利なのかも知れませんが読者を納得させるためにはその設定の意義というか物語のコアとしての位置づけに相当工夫しなければならず、その意味でも本作者の優れた才能には感服します。

No.5 10点 ひとこと
(2023/06/13 23:20登録)
いや凄すぎでしょこの密室トリック カーが生きていたら嫉妬するんじゃない?

No.4 9点 みりん
(2023/06/02 17:45登録)
「時空旅行者の砂時計」「孤島の来訪者」に続く竜泉家の一族シリーズ第三弾。今作に限っては絶対に前2作品を読んでからにしましょう。

毎度作者の発想力には驚愕してしまう。今回も魅力的なキャラクターであるマイスター・ホラの挑戦状が付いていますが、「いや、こんなの当てられるわけないだろう」と同時に「逆にこんなのどうやったら思いつくの?」というトリック×2で大満足でした。

【ネタバレ】




ラストの犯人の改心があまりに唐突で少しガッカリしていたら、なんとエピローグでとんでもない事実が明かされる。「孤島の来訪者」では果たしてシリーズ物にする意味があるのだろうかと書いてしまったが撤回したい。竜泉家の一族シリーズの4作目が出たら発売日に購入するだろうなあというくらいに楽しみなシリーズになってしまった。

No.3 10点 密室とアリバイ
(2023/05/10 19:38登録)
時空旅行者でタイムトラベル 孤島の来訪者で未知の生命体 そして今作は仮想現実 全てにそれぞれの良さがあり甲乙つけ難い。
レビュー数が少ないので少し心配になるが、次作以降で作者・シリーズ共に注目度が上がることを期待。このシリーズはもっと続いてほしい

No.2 4点 虫暮部
(2022/03/24 12:16登録)
 ごちゃごちゃし過ぎ。それも “読み解くのが楽しい複雑さ” とはちょっと違うんだよなぁ。
 VRだからこそ成立するトリック、と言うアイデアはまぁいい。
 復讐者側が何故こんな回りくどいやり方をしたのか、色々説明しているが結局よく判らなかった。特に、グレーゾーンには踏み込みつつも “嘘は吐いていない” とフェアプレイに固執する理由(更なる上位者が居てフェアプレイを強要されているのかな……なんて思ったんだけど)。

 第九章。ライトを使うトリックはダミーとはいえ酷い。穴の真下にライトがぶら下がるんだから物を落としようがないだろう。

No.1 9点 sophia
(2022/02/09 18:41登録)
VRゲームと現実世界の両方を舞台にした、全く新しい最先端の館ものミステリー。「インシテミル」のようなデスゲームものが好きな人へも是非お勧めします。使われる数々のトリックは「そんなの分かるわけないだろう」と怒ってもいいレベルのぶっ飛んだものなのですが、怒らずに済むのは考え抜かれた二つの館の構造やさり気なく出されている数字など、伏線に対する感心が勝るからなのです。ゲームのルールは複雑で、ゲームマスターの気分による後付けルールも続出します。こういう頭を使う凝った作品は本来ページがなかなか進まないものですが、ほぼ一気に読まされてしまいました。
なお本作はシリーズ第3作ですが、第1作と第2作の主人公が共演するという、夢のような(?)作品となっています。二人に最大限に感情移入するために是非第1作から読んでいただきたいと思います。

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