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ミステリの祭典

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連続殺人事件
ギデオン・フェル博士シリーズ/別題『連続自殺事件』

作家 ジョン・ディクスン・カー
出版日1959年01月
平均点6.22点
書評数18人

No.18 6点 ミステリ初心者
(2023/09/01 18:54登録)
ネタバレをしております。

 連続自殺事件というタイトルはインパクトがあって気になっておりましたw あまり前情報を調べずに買いましたが、どうやら連続殺人事件からの改題だったのですね。読んでみると、やっぱり自殺のほうがしっくりきますね。
 
 海外翻訳物に若干のアレルギーがあり、作品によっては読むスピードが著しく落ちる私ですが、この作品はわりとサクサク読めました。
 アランとキャスリンは、最初はいがみ合っていましたがのちに婚約する仲になり、高橋留美子の漫画並みな感じがしましたw アランは酒に酔った時、キャスリンに何を言ったのですかねw 愛の告白でしょうか?
 さらに、火酒キャンベル家の破滅を飲んで酔っ払ったコリンとアランと気の毒なスワン達のドタバタはユーモアミステリ―的に面白かったです。


 推理小説的要素について。
 密室が2つ出てきます。事件は3つですが、最初の2つは同じトリックなので。
 私は、ドライアイスの特性を知っていた(詳しくはないですが…)のですが、全く盲点でした! アイスクリーム事業の話の件でドライアイスがほのめかされており、一瞬ドライアイスを想像しましたが、どうやって何に使ったのかさっぱりわかりませんでした。ただ、あれでアンガスの計画が成功する(自殺成功や殺害成功)のは本当にできるのかわかりませんw 
 2つ目の密室ですが、これも盲点でしたw ただ、ちょっと強引で古さを感じますし、部屋の図は欲しかったところですw 好みではなかったです。

 以下、難癖点。
 カー作品には多く見られますが、証言者がイマイチ信用できないんですよねw エルスパットおばさんの心理の変化は丁寧に説明されていて、証言を急変させたのは理解できますが、私の好みは証言者が嘘や誤りがないことですねw
 さらにちょっと腹が立つことに、フェル博士が保険金詐欺(?)に加担するためか、序盤ではアンガスを殺人と断言していることなんですよねw やっぱり、探偵は間違ったことをしゃべらないほうがすっきりとしていて好きです。

 総じて、これまで見たことがない密室だったのでその点は満足ですw 作風も明るくて読みやすいですし、佳作な印象でした。ただ、密室の大名作!と呼ぶにはちょっとトリックがパワー不足だと思いました。6点で!

No.17 7点 クリスティ再読
(2022/02/24 23:25登録)
「連続自殺事件」の新訳ゲット。誰もがツッコむ訳題がオカシい件がこれで解消し、めでたい。
昔読んだ旧訳はもちょっとおどろおどろしい印象があったけども、今風に読みやすい訳文で読むと、軽妙なコメディ路線といった方がいいんじゃないかなあ。ファースじゃないよ、弾十六さんがビリー・ワイルダーを引き合いに出されているけども、そんなスクリューボール・コメディだよね。だからなかなかゴキゲンなもの。自家製のスコッチウィスキーで酔っぱらってバカする話。女性の強さの前に、オトコが情けない(笑)

(ややバレるかな?)
ミステリとしては、やはり「密室って何のために作るのか?」というあたりをカーが自覚して書いた、というのがポイントじゃないのかな。密室状況で自殺に見えるのならば自殺なんだろう...が世の中のジョーシキ。でもこれがミステリだとその成立上、意図的に無視されることだったりする。
だったら、ミステリがそれを逆手に取る発想をすれば、微妙な状況下なら、自殺と他殺の解釈の出し入れで読者を幻惑できることになる。
それだから本作、リアルとフィクションの狭間でうまいあたりを突いている作品なんだと思う。密室の実現手段は単なるオマケ。ちょっとだけある「怪奇」も小技程度。そういう風にカー本人が「割り切って」書いた作品のように思われる。ちなみにアシモフの指摘の件は新訳では訳注で反映している。気にしなくても成立する話だとは思う。

あと、弾十六さんじゃないけども、トリビアで面白い個所があった。

行儀を知っていると見せつけるような、貴婦人めいたおしとやかな手つきで、エルスパットは注意深く受け皿に紅茶を注いで飲んだ。(新訳p112)

...誤訳じゃないですよ。紅茶はカップに口をつけて飲むのではなくて、受け皿に注いで、受け皿から飲むもの。小野二郎の「紅茶を受皿で」という感動的なエッセイがあるけども、この古臭いマナーをカーの小説の中で発見。スコットランドの田舎の老刀自だから、時代遅れなマナーもキャラ描写になっているわけである。

No.16 5点 文生
(2021/08/31 21:56登録)
SF作家のアシモフが実現不可能なトリックだと指摘したことで有名な作品です。しかし、カーの勘違いがあったのは確かですが、必ずしも実現しえないトリックだとは個人的には思っていません。ただ、それとは別にトリック+偶然で不可能状況が成立してしまう(完全な偶然ならいいのですが作為的なトリックと偶然が混じった結果の不可能状況はご都合主義に感じてしまう)作品はあまり好きではないので点数は低めです。

なお、もう一つ別の密室トリックもでてきますが、こちらは小粒で全体の評価を押し上げるほどではありません。

No.15 6点 レッドキング
(2019/08/17 17:59登録)
鬱然たる塔つきの古城に三つの密室事件。もっとゴシックでオカルト風味な話になってもよいのに、展開は抱腹絶倒コメディ。フェル博士はじめ登場人物ことごとくが面白い。「他殺に見せかけた自殺」「自殺に見せかけた他殺」をめぐる解釈の行く末は、二つの密室「機械」トリックの解明で、そこだけ評価しても「まあまあ」といった感想になってしまうが、フェルの犯人に対するこの決着の仕方が大好きだ。

No.14 6点 ことは
(2019/02/26 02:17登録)
実をいうと、最初に読んだカー作品。なんでこれを最初にとったのかなぁ。ネットもない時代で、情報が少なかったから、本屋の店頭で手にとれるものを選んだだけだったかも。
それにしては、カー入門としてはいい作品を選んだかも。カーの特徴「密室」「怪奇趣味」「ドタバタ」「ラブコメ要素」がいい塩梅に配置されている。佳作。
カーの「ラブコメ要素」はあまりのれないときが多いのだけれど、これは素直に楽しめた。
再読してみると、ミステリ要素としては、プロット展開(自殺?他殺?)で楽しませようとしていて、トリックは添え物に近い感じを受けた。
採点は、最初に読んだカー作品という思い入れを加えないで、この点。点数以上に思い入れはある作品。

No.13 7点 弾十六
(2018/11/25 08:50登録)
JDC/CDファン評価★★★★☆
フェル博士 第13作。1941年出版。創元文庫で読了。
スコットランド愛が溢れた作品。子供時分に読んで、こんなに楽しいスコットランドが大好きになりました。(でも作者のスコットランド知識も登場人物のアランとどっこいどっこいじゃなかったのかな) 最近エマニュエル トッド説を知り、やはりスコットランド万歳です。
前に読んだ、といってもほぼ40年前。話の筋や犯人、トリックなど全部忘れています。呑んだくれて大騒ぎの強烈な印象が残っていただけなので再読がとても楽しみでした。(逆に三つの棺とか火刑法廷はなんだか気が重いんですよ… まだ読めていません。)
constant suicidesの適訳はなんなのでしょう? 連続自殺事件でいいのかな。(A Constant Suicideという小説が出ていました。こっちは単数形なので「常に自殺」?)
冒頭は映画のラブコメ。ビリーワイルダーのセンですな。(いやワイルダーならもう一捻りあるか) ブッキッシュな作者なので歴史トリヴィアからスタートです。(ネタのクリーヴランド公爵夫人は歴史上の実在人物、肖像画を見ると「金髪の小柄」では無いようですね…)
途中の記述でトリックを思い出してしまいました。でもそんなに支障は無いです。
スコットランドヤードをスコットランドに呼ぶ、が一番面白いジョーク。
強烈な登場人物が出てくるとJDC/CDは傑作になる可能性が高いです。奇妙奇天烈な筋だから、それにキャラが釣り合っていなければ。この作品は合格です。
最初の事件に比べて、後の事件が弱いのはいつもの通り。昔読んだときは大傑作!という記憶でしたが、今回読んでみると、破天荒度が高くないので中傑作という評価です。「キャンベル家の宿命」ちょっと飲んでみたいですね。(やめておけ)
さてトリヴィアコーナーですが、原文が入手出来ず、調べが行き届きませんでした。
p8 例のスコッチのダジャレ: よくわかりません。
p30 ぺピース: 現在はピープス(Pepys)でお馴染み。
p34 ロックローモンド: The Bonnie Banks O' Loch Lomond スコットランドの古謡
p38 ネクタイ1ダースで3シリング6ペンス: 0.175ポンド。当時のドル換算で70セント。現在価値は16.751ドル(食パン基準1940/2018) 随分安い…
p45 セドリック ハードウィック(Cedric Hardwicke): 41歳(1934)で卿に叙された英国俳優。シュノッズル デュランテはおなじみ(じゃないかな?)Jimmy 'Schnozzle' Duranteですね。
p80 ショオの“医者のジレンマ”(The Doctor’s Dilemma): G.B.Shaw作、初演1906年。邦訳は『医師のジレンマ -バーナード・ショーの医療論』(中西勉訳、丸善名古屋出版サービスセンター1993)だけ?ショーって相変わらず人気無いですね。(「ウォレン夫人の職業」にミステリ味があったようなおぼろげな記憶が…)
p119 ヒースの美酒の秘密よ/とこしえにわが胸に眠れ: 詩の引用らしいのですが、発見出来ず。
p158 文豪スティヴンソン…(中略)…アレン ブレック(アランじゃないんだから間違えないでもらいたい)… (中略)… 映画になった“誘拐”: Kidnapped(1886)にも出てくる実在のAlan Breck Stewartの発音がアランじゃないらしいです。英Wikiより(Gaelic: Ailean Breac Stiùbhart; c.1711–c.1791) 実はアイリーン?
p220 スコットランドの法律には事後従犯なんて無い: これにはビックリ。調べてみると日本の刑法でも事後従犯は処罰の対象ではないらしい。(犯罪を事前に助けると「従犯(幇助犯)」です。ペリー メイスンの読みすぎで全世界共通の罪だと思いこんでいました…)
p235 いとし娘は、かぼそいおぼこ…: 多分実在の唄。Alan Lomax録音のスコットランド古謡のシリーズ(Jeannie Robertson, Jimmy MacBeathなど)を持ってますが、収録されてるのかなぁ。後でじっくり聴いてみます。
銃は「軽い20口径の猟銃」(p238)が登場。20-bore「20番」ですね。延原先生は正しく訳してるのに… (井上一夫さんは弟子) 「強だま」(p255)はheavy loadのことでしょうね。

(以下2019-6-1追記)
やっと原文を入手出来ました。不明の詩はあっさり判明。
p119 Here dies in my bosom/The secret of heather ale.: Robert Louis Stevenson作のHeather Ale. A Galloway Legend(1890)より。
p235 I love a lassie, a boh-ny, boh-ny las-sie –/ She’s as pure as the li-ly in the dell – ! : ミュージックホールコメディアンHarry Lauderの出世作I Love a Lassie(1905)より。Webに音源あり。
p38の現在価値を、上ではドル換算してますが、英国消費者物価指数基準1940/2019(55.52倍)で計算し直すと1360円。きちんと読むと「一本三シリング六ペンスだに」(They’re three-and-sax-pence each.)となってることに今気づきました。じゃあ普通の値段(やや安いか)ですね。

No.12 6点 ボナンザ
(2017/06/17 11:37登録)
佳作の一つ。
ファース味と恋愛、今の常識から考えるとどうだろうかと思わせるトリックとカーらしい要素が詰め込まれているのでファンは必読。ただ、邦題はどうかと思いますが・・・。

No.11 6点 ロマン
(2015/10/22 21:19登録)
ユーモアに恋愛と、カーにしては珍しい要素が多く盛り込まれている。スワンが哀れ過ぎて笑いが止まらなかった(黒笑)。第一の密室の●●●●●●を用いたトリックは、現代人の感覚からすればやや疑問だが、それらを差し引いた純粋なる意外性という面では非常にレベルが高いものだった。第二の密室は少し単純過ぎか。ただ全体的に伏線がしっかりと張られているので完成度は高い。締めくくりは決して後味の良いものとは言えないが、それまでのユーモア溢れる明るい話の流れにきっちとした対比が立てられているのでこれはこれでアリなのかもしれない。

No.10 6点 蟷螂の斧
(2015/09/07 19:25登録)
裏表紙より~『妖気ただようスコットランドの古城に起きた謎の変死! 妖怪伝説か、保険金目当ての自殺か、それとも殺人か? 密室の謎に興味をそそられて乗りこんだフェル博士の目前で、またもや発生する密室の死。怪奇と笑いのどたばた騒ぎのうちにフェル博士の解いた謎は、意外なトリックと意外な動機、さらに事件そのものも意外なものだった。』~

①密室➁多少の怪奇色③ドタバタ劇④ラブコメ⑤プロット(自殺か他殺か)⑥予想外の解決法とてんこ盛りで、著者作品への入門編に相応しいのでは?という気がしました。著者の作品のうち、私的には怪奇系は苦手で、本作のようなドタバタ・ラブコメ系の作品の方が好みです。

No.9 6点 了然和尚
(2015/05/20 18:19登録)
全体的には物足らない気がしますが、カーの好きな人は、らしい作品なので+1点という感じです。他殺に見せかけた自殺というテーマであれば、方法や結果が混乱した感じですが、続く2つの自殺(にみえる)事件で、原題どおり連続自殺事件が説得力のあるドラマになっています。結末もカーらしい超法規が出てきて、うまくまとまってました。

No.8 7点 斎藤警部
(2015/05/20 15:14登録)
幼き頃に読んだ作品。 いかにもジョン・ディクスンらしい舞台装置ギミックは控え目ですが、ドライなユーモアと適量のサスペンスに支えられて楽しく読めます。トリックも味のうちと言った所。ちょっと再読してみたい。

No.7 6点 りゅう
(2011/04/11 20:08登録)
 真相自体は非常に面白いものですが、謎解きとしては少し不十分な印象です。フーダニットとしては、犯人の必然性に乏しいと思います(犯人の設定に関しては、真相とほぼ同じことが推測出来ていましたが、真犯人は別の人物というか、もう一人の人物だと思っていました)。第1の事件と第2の事件のトリックに関しては、こんな方法で本当に人が殺せるのかなと思いました(カーの勘違いのようですが)。第3の事件における密室のトリックに関しても、手法はわかりませんでしたが、感心するほどのものではありませんでした。また、この邦題は、正確な訳ではなく、作品の内容とも一致していないので適切とは思えません。


(ネタバレをしています。注意!)
 第2の事件で、コーリンはアンガスと同様に塔屋から墜落しているのですが、この真相だと室内で倒れているのではないでしょうか。

No.6 6点 kanamori
(2010/07/01 23:54登録)
フェル博士ものの第13作目。
古城からの転落死という設定から、バンコランもののある作品を彷彿とさせますが、怪奇趣向はそれなりにあるものの、同時にドタバタ劇を挿入したりしています。
メイン・トリックの実現性に関し何かで読んで、トリックは知っていましたが、それなりに面白く読めました。

No.5 8点 ミステリー三昧
(2010/05/15 12:14登録)
<創元推理文庫>フェル博士シリーズ13作目です。
第一の転落事件について少し感想を。これが保険金目当ての殺人だとすると当然、密室トリックの謎を解かなければなりません。細かく現場の状況が記載されるp135~p140にかけての箇条書きは読者にやさしい面もあれば、逆に頭を悩ます種にも成りえることで皮肉の利いた演出になっていました。それによって密室の強固性が増し、自殺ならいいのに、という気持ちにさせられる。肝心な手掛かりも少ないですし、私はさっぱり分かりませんでした。
それにしても犬入れケースの中身には驚いたな。種を明かせば実に単純。なんで気付かなかっただろ。きっと、みなさん周知のトリックなので驚きは少ないだろうけど、この簡単なトリックに少しひねりを利かせて一筋縄ではいかないプロットに仕上げていた点は秀逸かも。おそらく一番の読み所はその質の高いプロットにありそう。それが第二の転落事件でも生かされ、第三の事件でも形を変えて登場する訳ですから、カーの余裕と遊び心が窺える。
タイトルが非常に地味で、第一印象で手に取りにくい作品でしょう(まぁそれ以前に絶版本ですが・・・)。事件も他殺なのか?自殺なのか?という面白みのない話題が中心なのが難点。けど、そこにカーの真骨頂である不可能興味・怪奇趣味・ドタバタ要素・ラブロマンスが盛り込まれ、なかなか奥行きの深い作品に仕上がっていた。読んだ後は、贅沢な気分にさせられる意外面の強い作品として好感色でした。私的にはカーの代表作だと胸張って言いたい。

No.4 8点 nukkam
(2009/04/23 16:13登録)
(ネタバレなしです) 1941年発表のフェル博士シリーズ第13作の本書はカーの特色がてんこ盛りでカー入門書としてお薦めです。つまり不可能犯罪、ユーモア、歴史の薀蓄(うんちく)、オカルト色などが一通り揃っているわけです。スコットランドを舞台にしているからかウイスキーの一気飲み合戦まであるし、時代色(戦時色)も濃厚です。確かアイザック・アシモフだったかが本書のメイントリックは実現不可能だと批判したそうです。もっとも本書を読んだ当時の私はそんなこと全く知らず、面白いトリックだなと感心してました。トリックに減点要素があるにしても傑作のユーモア本格派推理小説だと思います。どたばたとお笑いの連続の中に謎解き手掛かりを巧妙に隠す手段はさすが巨匠ならではです。

No.3 6点
(2008/12/06 19:18登録)
第1の事件におけるトリックの問題については、私が中学生の時に、カーと同じ勘違いをしていた人が、クラスに1/3ぐらいはいたことを思い出します。別の効果を指摘する人もいますが、普通の部屋では、この方法で殺人を行おうとしても全く不可能です。
実は別の作家が、この別の効果をある特殊な状況の下で利用して、殺人をたぶん可能にしています。しかしカーの場合勘違いをしていたことは、p.208~211のトリック説明部分を読めば明らかです。(「たんと××んでよかったなあ!」なんてね)
もう一方の密室構成方法もたいしたことはないのですが、ストーリーはなかなかよくできています。カー名義では、久々に笑いをふんだんに取り入れた作品で、なかなか楽しめます。

No.2 5点 Tetchy
(2008/12/05 20:23登録)
なんとも素っ気無い題名だが、原題は“The Case Of The Constant Suicides”で正確に訳せば『連続自殺事件』となる。
つまり本書では自殺と思われる事件が連続して起こり、それが自殺なのか他殺なのかをフェル博士が解き明かすという趣向。

で、本作は作者カーが大きな勘違いをして、第1の事件の殺人方法は成り立たないと云われている。
まあ、叙述の状況から推測しても、確かにこれはありえないと思う。
でもそれがカーらしいかなぁと思っちゃったりもする。

No.1 5点 ロビン
(2008/10/06 14:47登録)
なんか全てが中途半端。オカルト的雰囲気も、密室トリックも、全然足りない。カー自身のトリックの応用。まあページ数も少ないし、ちょっと長めの中篇と考えれば、それなりのもの……か?
終始展開されるドタバタ劇は正直ウザかった。

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