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ミステリの祭典

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悪魔の手毬唄
金田一耕助シリーズ

作家 横溝正史
出版日1961年01月
平均点7.60点
書評数40人

No.20 7点 ミステリ初心者
(2012/07/13 15:07登録)
ネタバレしてるかもしれません


 あるミステリー系のTVドラマの結末が、この小説の結末と同じだったため、ネタが割れた状態でみました。かなり後悔しました。

 ミッシングリンク的な楽しさがありました。的外れだったらすいません。

No.19 6点 いいちこ
(2012/04/26 20:23登録)
ハウダニットを捨ててフーダニットとホワイダニットで攻める。
横溝正史の王道を行くサスペンス寄りの作品だろう。
明かされた真相とメイントリックの衝撃度と必然性はさすが。
しかし人間関係が複雑で地理要件が肝にも関わらず読者へのサポートは0。
その点が大きな減点。

No.18 10点 大泉耕作
(2011/11/24 18:03登録)
もはや探偵小説の域を超えて、文学です。
 この四百八十頁に及ぶ文章の背景に潜むこの圧倒感は、いったい何処から溢れているのでしょうか。
構成の巧妙さ、プロットの凄み、論理を追求してゆく方に限ってこの作品は、横溝正史のなかでも最高作だと信じています。マイベスト小説です。

No.17 8点 りゅう
(2011/09/06 20:39登録)
 再読です。人間関係が複雑で、互いの関係を追いかけるだけでも大変ですが、表面に現れていない人間関係の謎をいかに解くかが主眼の作品です。3つの見立て殺人よりも、約二十年前の殺人・失踪事件の真相の方がこの作品の肝と言えるでしょう。殺害方法やアリバイには特にトリックが使われておらず、アリバイに関しては謎の老婆の存在によって、問題にもされていません。
 よく言われる金田一耕助の犯行阻止率の低さの観点からみると、せめて最後の殺人だけでも阻止すべきでした。金田一耕助が峠で老婆とすれちがう場面など、ミステリーとしての雰囲気は横溝作品の中でも最高ランクの作品です。

(ネタバレをしています。注意!)
 見立ての理由は、失踪を偽装した人物に罪をなすりつけるためのものであり、個人的には必然性がないとは思いません。
 約二十年前の殺人・失踪事件の真相に関しては、時間的な重なりや人との接触などの面から、このトリックが成立するかどうかを読者が判断するのは困難に感じます。また、金田一耕助は泰子殺しの犯人を、一つの道が崖くずれで不通になっていることを知らない人物であると推理して絞っていますが、文章を読んでいるだけでは周辺の地理的関係がわかりにくいのが難点と言えます。

No.16 5点 nukkam
(2010/10/01 22:18登録)
(ネタバレなしです) 1959年発表の金田一耕助シリーズ第18作の本書は横溝正史の代表作の1つとされ、TVドラマ化も映画化もされた本格派推理小説です。ただ重厚に作りすぎたというか登場人物が多くて人間関係も複雑に過ぎて誰が誰だかなかなか理解できませんでしたし、物語のテンポも遅めです。それだけに再読するだけの価値は十分ある人間ドラマではありますが。

No.15 8点 kanamori
(2010/07/31 16:51登録)
鬼首村の手毬唄による連続見立て殺人。
理屈抜きでいいですね、横溝正史の世界を満喫できます。
シリーズ初期作のようなおどろおどろしい怪奇趣向こそ薄味ですが、おぞましい過去の人間関係が、あるものが登場することによって現代に惨劇を引き起こすという定型のプロットが健在で、いくつかのミスディレクションも巧妙です。プロットの複雑さではシリーズ随一ではないでしょうか。

No.14 8点
(2010/07/30 21:51登録)
私にとって、童謡の見立て殺人の初体験本です。ミステリー読者として初心者のころに、手毬唄に興奮しながら読んだ記憶があります。「犬神家」の次ぐらいに読んだので、まだまだ横溝のストーリー・テラーぶりには驚かされましたね。
当時は(今も)横溝作品の中で本書が最高峰だと思っていましたが、「犬神家」よりも記憶が薄れているぐらいなので、今回の評点は、とりあえずこの程度にとどめておきます。再読してから9点か10点を付けるかもしれません。
横溝の他の主流作品(金田一モノや映像化作品)は無条件にオール8点にしてもいいぐらいですが、記憶が全くない作品の書評は書きようがないですね。

No.13 7点 E
(2010/06/13 23:12登録)
横溝氏世界満載の一作。
見立て殺人とドロドロした雰囲気に緊張感が張り詰めています。
でもその"見立て"があまり頭のイメージにあがってこなかったのが残念;もっとこの時代を知ってから再読してみたい。

No.12 8点 STAR
(2010/02/10 23:22登録)
童謡による殺人は、西洋風よりも日本風のほうが圧倒的に怖い。こういう作品、ホラーの要素も入れて海外で売れないのだろうか。
手毬歌・顔がわからない死体などうまく組み合わさっていて、おもしろいです。

No.11 8点 spam-musubi
(2010/01/23 21:17登録)
序盤、金田一と老婆が峠ですれ違うとこで、なんか名作の予感にぞくぞくした。
やっぱりこの人には、瀬戸内の村が一番似合う。

本よりテレビで先に見た(古谷一行のTVドラマ)ので、本を読みながら頭の中に
テレビの映像が甦ってきて、読み進める手助けをしてくれた。
見立て殺人の現場もくっきりと浮かぶし、土蔵の壁にうつった犯人の影も覚えていた。
さらには手まり唄のメロディーもはっきりを覚えていて、「うち~の裏の~」と頭の中で
唄いながら読むことができた。テレビで見たのは30年も昔のことなのに…

欲を言えば、最後はできれば金田一らしく、関係者を全員集めて犯人当てを
してほしかったかな~。
犯人が何も語らずじまいだったのが少々残念。

No.10 7点 E-BANKER
(2009/12/10 22:36登録)
言わずと知れた金田一耕助シリーズ。
横溝作品でいえば中期の代表作的存在。
本作のキーは当然ながら鬼首村に伝わる手毬唄どおりに殺人が起こる、いわゆる「見立て殺人」ですが、正直、作品の雰囲気作りが主眼で必然性は感じません。
その他にも、氏の作品ではお馴染みの「顔のない(焼かれた)死体」や「被害者の出生に関する秘密」といったギミックがたっぷり出てきており、金田一シリーズの総決算といった趣きすら感じます。
もちろん「名作」には違いないですし、一読する価値は十分でしょう。

No.9 9点 だい様
(2009/09/25 09:31登録)
金田一耕助シリーズ

手毬唄の見立て殺人と腰の曲がった老婆が山道を疾走していくシーンが印象的な一作。
幼い頃テレビで見てミステリに興味を抱くきっかけとなった作品でもあります。

No.8 7点 ミステリー三昧
(2009/09/20 00:38登録)
(激しくネタばれ)<横溝正史自選集6>金田一耕助シリーズの代表作です。
特に目新しい発見(驚き、感心)もなく正直「単調さ」を感じました。「見立て殺人」は原作よりも映像の方がインパクトあるだろうし、横溝作品においては「サスペンス」を湧かせる小道具の一部でしかない。との結論に達した。
私的には「犬神家」>「獄門島」=「手毬唄」の順で「見立て」に対して納得がいった。
横溝作品は「犯人は?トリックは?」ではなく「惨劇の奥底に見え隠れする背景(動機)」に重点が置かれている作品が多いです。ただ、その部分に単なる「読み物」とは言わせぬ緻密性が凝縮されているので評価が難しい。特にラストで明かされる奇跡に近い「偶然の一致」が絡む真相に対してパズラー要素を見いだすことができます。この作品には<「四人の婦人が同じ年に子供を産む」→しかも「全員女の子」→さらに「すべて異母姉妹」>という悪魔的な一致が惨劇を産むというプロットが根本にあり、これが本来推理小説にない大きなカタルシスを産むため万人受けする名作に成り得たのではないかと思います。

(謎の中心となる「十カ条」に対して少し触れます)
おりんに扮した「謎の老婆」の存在は蛇足でした。私的には『獄門島』の焼き回しとしか思えず、評価に苦しむ。
一見どうでも良さそうな「魚」の謎→ホントにどうでもよい。けど、少し笑った。
「死体は恩田or源次郎?」の真相は一番の読み所となりました。直接、動機にも繋がるプロットの緻密性が濃厚でした。

No.7 7点 測量ボ-イ
(2009/05/23 18:50登録)
童謡の見立て殺人は前例ありますが、これはこれで良かった
です。でも「獄門島」や「本陣殺人事件」に比べると横溝氏
特有のアクの強さが薄いような気がして、氏のファンならも
の足りなく感じるかも知れませんね。

No.6 6点 江守森江
(2009/05/22 14:46登録)
小説も悪くはないが、初期の古谷版ドラマは非常に良いデキ(但し、制作の都合で後半引き伸ばし感がある)
見立て殺人に注目させ犯人隠蔽を狙ったフーダニットだが、解決は入り組んだ人間関係を紐解くタイプなのでドラマがより楽しめる。

No.5 9点 マニア
(2008/10/13 19:16登録)
外界から隔離されたように佇む寒村で、その地に伝わる手毬唄になぞらえた戦慄の連続殺人が・・・!!23年前の惨劇が!地元出身の女性スター歌手の凱旋!突如、謎の老婆が現れ殺人劇の幕を切る!一癖ありそうな登場人物達・・・誰が犯人か!!
自分の最も好きな舞台設定の連続でドキドキワクワクしっぱなしだった。

事件を大きく・恐しく・戦慄なものに見せるためのエンターテイメント性を追求する描写の仕方に関しては、国内では横溝正史に並ぶ作家はいないと思う。特に本作中にある、葬儀の席上において、五百子刀自が参列者の前で事件の核心となる手毬唄の存在を明かす戦慄の場面は、横溝作品名場面ベスト3に入る程の見所!

ミステリ的には不満なところもあるけど、そんなものはふっ飛ぶほどの素晴らしい小説世界を提供してくれた。優しいラストも好き!

No.4 10点 シュウ
(2008/09/23 23:26登録)
横溝作品で一番好きです。戦後10年以上経ってからの作品だけに、他の田舎を舞台にした有名作と比べると、
人気歌手や映画など娯楽的な小道具が出てくるのが印象的です。獄門島と比較されることが多い作品ですが、
被害者にちゃんと感情移入できる点で僕はこちらの方が好きです。犯人の哀しさや磯川警部の恋心など見所が多い作品です。
多々良放庵の独特なキャラクターにも注目です。あと、この作品読んで無声映画に興味わきました。

No.3 9点 rintaro
(2008/09/07 16:14登録)
横溝シリーズの中でもかなり悲劇的な事件、だけど最後の大円団に救いがありますし、最終的には雨降って地固まるがごとく村の因習に縛られていた若者が開放されていく終わり方もいいです。ミステリー的な部分は正直「獄門島」の方が優れてると思いますが、そろぞれの登場人物の書き込みも秀逸ですし、ミステリー部分だけでなく物語としてもちゃんと収拾してる点はこちらのほうが上だと感じました
「失礼しました。警部さん。あなたはリカを愛していられたのですね。」という金田一の別れ際の台詞も個人的にはかなり好きです

No.2 6点 vivi
(2008/01/30 02:00登録)
童謡への見立て殺人ですが、日本風になると恐ろしいですね(^^;
しかも、肝心の歌詞の続きがなかなかわからないもどかしさ・・・
金田一耕助シリーズは、人が死にすぎだとよく言われますが、
彼もベストは尽くしてるんだけどな~・・・と
この作品を読むと思ってしまいます。

No.1 9点 白い風
(2008/01/28 20:17登録)
マザーグース張りの”手毬歌”による見立て殺人。
映画・ドラマにしても素晴らしい作品。
犯人の心情に一番心を動かされました作品でした。

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