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ミステリの祭典

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猫丸先輩の空論 超絶仮想事件簿
猫丸先輩シリーズ/改題『とむらい自動車』

作家 倉知淳
出版日2005年09月
平均点5.50点
書評数16人

No.16 4点 smt419
(2024/05/16 20:04登録)
日常の何気ないことをテーマにしてそこに隠された謎を解明する、というアプローチは、本格推理のひとつの形だとは思うが、今回はその解明された結論に、”切れがない=驚きがない”という印象です。結論を示されても、”ああそうなの”という緩い感想に止まる。尚、猫丸先輩は、様々な謎の場面に偶然?同席するという点で、歌野晶午の小説にでてくる信濃譲二に似てますね。

No.15 6点 まさむね
(2020/06/13 16:25登録)
 タイトルどおり、まさに「空論」って感じの短編集。猫丸先輩シリーズらしく、スルスルと楽しく読んだのですが、「普通、そこまではしないだろう…」とか、「いやいや、途中で気付くだろう…」とかの突っ込みどころも。それと、繰り返しが多く、間延びしてる印象を受けた短編もあったかな。

No.14 4点 ボナンザ
(2020/05/05 16:07登録)
このシリーズは猫丸の推測推理にどこまで納得できるかによるのだが、今作はどれも真相が微妙。それまでの話の持っていきかたももったいぶりすぎの感がある。

No.13 5点 メルカトル
(2019/11/22 22:21登録)
友人が交通事故に遭った都心の街道沿い、電柱の傍らに供えられた花を眺めながら物思いに耽っていた男の前に、呼んでもいないタクシーが次々と…運転手たちが存在しない乗客を取り合う騒動にまで至った不可解な自動車集結事件をめぐる表題作、毎朝ベランダの同じ場所に置かれるペットボトルが謎を呼ぶ「水のそとの何か」など、猫丸先輩の推理が冴え渡る全六編を収めた連作短編集。
『BOOK』データベースより。

いやー相変わらず猫丸先輩は神出鬼没ですね。講談社ノベルスで読みましたが、イラストがまあ可愛いこと。それにしても、最終話で触れられていますが、一体猫丸先輩の身長はどれ位なんでしょうか。誰かと相対しても見下げられている描写は出てこないことから、作者にしてみればあくまでキャラ作りの一環であるという訳なんでしょうかね。

それぞれの短編は魅力的な謎に満ちていて、謎解きよりもその状況の不可解さに魅了されます。しかし、いざ真相(仮の)となるとかなり脱力ものです。例えば『とむらい自動車』なんかは、わざわざある目的の為に何台もタクシーを呼びつけるか?といささか疑問に思わずにはいられませんね。『魚か肉か食い物』も猫丸先輩が指摘するまでもなく普通気付くだろうと思いますよ。
でも、誰でも楽しめるような作品集であるのは間違いないでしょう。猫丸ファンは勿論必読です。

No.12 6点 sophia
(2019/09/11 21:09登録)
●水のそとの何か 6点・・・作中の小説を元ネタにされてもいまいちピンと来ず
●とむらい自動車 7点・・・タクシー運転手たちの口論長すぎませんか(笑)
●子ねこを救え 6点・・・猫モノなら「失踪当時の肉球は」の方が好き
●な、なつのこ 7点・・・アレとアレとでは重量がだいぶ違うのですぐ気付きそうなものですが
●魚か肉か食い物 6点・・・これはちょっと論理の飛躍。レンゲに持ち替えるのなんかも自然な動作であり、伏線として機能しているのかどうか。旧友に気を遣ってプラマイ0にしようとした、の方が綺麗だった気がしますが。
●夜の猫丸 5点・・・何だこりゃ

全体的にまったり(ダラダラとも言う)としており、「幻獣遁走曲」のテイストに近いのかなあと思います。前作「猫丸先輩の推測」の完成度には遠く及ばない感じです。「超絶仮想事件簿」というサブタイトルの意味も全く分かりませんし。

No.11 5点 虫暮部
(2019/08/19 11:04登録)
 再読だが、以前とは随分違った印象。なにより猫丸先輩の台詞回しが“そういう人物を演じている”感じの不自然さで、いっそ丸ごと本人が意識的に作り込んでいる嘘キャラなんじゃないかと言う気分になって来る。各話の謎解きについてもあまり腑に落ちなかった(「夜の猫丸」は解決してないよね……)。

No.10 6点 青い車
(2019/06/23 21:16登録)
 神出鬼没の探偵役・猫丸先輩の奔放さはこの本でも十分に楽しめます。脱力もののネタもあるものの、そこも含めて作風にマッチしているので気になりません。ただし雰囲気はそのままで満足度が落ちるという意味で、前短編集『推測』の下位互換という印象も拭えないです。6.4点を四捨五入して6点と辛めに評価。

No.9 5点 いいちこ
(2016/05/10 10:20登録)
前作の「猫丸先輩の推測」は、真相の飛躍がリアリティと衝撃の絶妙なバランスを保持している点を高く評価した。
一方、本作は真相が予測可能な範囲にとどまり、その衝撃を大幅に減じている点で、凡庸なデキと言わざるを得ない

No.8 5点 505
(2015/10/09 19:55登録)
謎そのものの魅力としては「何故、毎日ベランダにペットボトルが置かれるのか」が白眉。しかし、空論としては平均点以上な感じで無難に収束した、と思いきや連作短編の味わいを堪能できる構成を含めれば、より昇華出来る。しかし、あくまでも単体として評価するならば普通の出来と言っていいだろう。日常の謎そのもので引っ張るだけの力強さはあるが、ここまで落とすと苦しいものはある。
謎の魅力と猫丸先輩の「空論の域を飛び出した発想」のセットで考慮すれば、マイベストはスイカ割り大会を描いた『な、なつのこ』。主人公へのオチと犯人の目星が付き易いのが瑕だが、その動機面に至る伏線が丁寧。犯人の心理が共感できるからこその説得力がある。煙に巻かれる快感が真髄なら外れるかもしれないが、この飄々とした猫丸先輩の存在感こそが『ユーモアと論理』の倉知節を前面に出している面もあるので、なかなか外れることはないと思う

No.7 6点 mohicant
(2013/08/03 22:59登録)
 このシリーズはもっともっと続けて欲しいです。続編に期待。

No.6 5点 E-BANKER
(2012/06/05 15:54登録)
大好評(?)猫丸先輩シリーズの連作短編集。
前作に引き続き、タイトルは他作家の有名作をもじってます(見れば分かるか・・・)。

①「水のそとのなにか」=毎夜、ベランダに1本ずつ置かれる水のペットボトルについての謎。真相はいわゆるメッセージなのだが、でもこんなしち面倒くさいことやる奴いるかぁ!? と思ってしまう。
②「とむらい自動車」=これも実に「空論」らしい推理。まぁ、犯人(?)の方の気持ちは分からんでもないが、何もここまでしなくてもねぇ・・・
本シリーズの名バイプレーヤー・八木沢君がもしや?と思わせたのは読者へのサービスか?
③「子ねこを救え」=実にほのぼのさせられる作品。こういう幼馴染みの関係ってフィクションの世界ではよくあるけど、実際はないんだろうなぁ。(本当にあったら羨ましい・・・)
④「な、なつのこ」=「スイカ割り」に公式ルールがあるというのは初耳。しかし、これも「どうでもいいような」話ではあるなぁー。一応、タイトルが真相をうまく表しています。
⑤「魚か肉か食い物」=確かに、こういう女性の体(内臓)っていったいどうなっているのか興味あるなぁ・・・。やっぱり、細胞レベルで常人とは全然違ってるんだろうなぁーって、本筋はどうでもよくなってる。
⑥「夜の猫丸」=本シリーズには珍しく、多少オカルトタッチの作品(たいしたことないけど・・・)。これも本筋とは関係ないけど、八木沢君が高校の同級生たちのことを心配してる姿がしみじみとしていてよい。

以上6編。
相変わらずの作風&プロットで、ファンならば楽しめることは請け合い。
ただ、本当に「空論」だし、「日常の謎」もここまで下世話なレベルにまで落とされるとちょっとツライ感じにはなった。
まぁ、いまさら猫丸先輩にシリアスな探偵役は似合わないだろうし、これはこれで次作に期待するとしよう。
(ベストはと聞かれると困るが、敢えて言えば⑥かな・・・)

No.5 5点
(2010/04/10 10:49登録)
前作の「推測」同様、日常の謎を猫丸先輩が解き明かす短編集です。
ただ、それが真実かどうかはわかりませんが・・・・・

No.4 6点 vivi
(2010/01/14 01:26登録)
かなり好きなのは「夜の猫丸」ですね。
次は胸が痛くなるけど「とむらい自動車」。
この2作はプロットが冴えてます。

トリック的には「な、なつのこ」。
タイトルは、苦しいところが笑えてGoodです(笑)

No.3 7点 江守森江
(2009/06/02 22:33登録)
当時、各タイトルの元作品で読んでたのが「ななつのこ」だけだった自分がショックだった。
この短編集以降に新作本が出ていないあたりが倉知の倉知らしさだが、ファンにはもどかしい。
猫丸先輩と龍之介君の共演なんて読んでみたいのだが・・・

No.2 6点 itokin
(2008/03/24 10:17登録)
猫丸さんがいつ登場するのか、どんな言動見せてくれるかを期待して読むわけだが奇想天外さは相変わらず面白い。が、テーマが希薄なのか後に何も残らない。

No.1 7点 VOLKS
(2007/12/23 21:05登録)
「推測」同様、スナック菓子のようにサクサクいけて、小気味よいリズムで読み進められた。
挿絵もほのぼの。
“青根街道”という文字を作中で見つけたときには吹き出してしまった。

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