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ミステリの祭典

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獄門島
金田一耕助シリーズ

作家 横溝正史
出版日1949年01月
平均点7.91点
書評数70人

No.70 3点 ひとこと
(2023/05/28 18:14登録)
読んでいて金田一耕助の行動が歯痒く感じました(笑)

No.69 9点 密室とアリバイ
(2023/05/02 19:31登録)
期待値が高すぎた。

No.68 6点 みりん
(2023/02/01 20:48登録)
戦後すぐに書かれた小説ということで覚悟していたけれど、とても読みやすい。

No.67 8点 じきる
(2020/08/30 13:33登録)
非常に良く纏まったミステリだが、個人的に世評レベルの満足感にはあと一歩足りなかった。

No.66 7点 虫暮部
(2019/10/09 16:00登録)
 「大変です、在日米軍が街の中で演習しています!」「基地外じゃが仕方がない」

No.65 9点 モンケ
(2019/03/15 12:42登録)
日本ミステリー史上に輝く記念碑。
一つめのアリバイトリックの祠と提灯、二つめの釣り鐘、三つめの手拭い。三つめのが、ちとしょぼいですが。
「真」の真犯人と「手足」なった実行犯の分離がトリックとなっているところが凄いですね。

No.64 9点 ALFA
(2019/03/04 11:40登録)
作者固有の世界観の中にいかに合理的なプロットを組み込めるかがミステリ成功の鍵になると思う。
クリスティならイギリス中上流社会の人間模様、清張なら昭和の重く濃い人間関係や社会情勢。それぞれにお得意の世界観がある。そして横溝の場合は閉じられた空間での濃い血縁と地縁模様。

ネタバレします


ともすればおどろおどろしい雰囲気や奇怪なギミックが突出しかねない横溝作品の中にあって、ここではとても自然なバランスでプロットが組み込まれていると思う。したがってミステリとして読みやすく楽しめる。
犯人(主犯)の器の大きいキャラクターも秀逸。太閤と呼ばれた当主の晩年の狂気も秀吉さながらで、これも作者の「見立て」か。対照的に初めは腹黒そうに描かれた分鬼頭の当主の、実は重厚で落ち着いた人柄の描きかたもうまい。
犯人が複数になるのはストーリー上やむを得ないが、従犯?二人はもう少し動機を補強しておきたいところ。
三姉妹だけが極端な船場風大阪弁なのも違和感あり。

No.63 10点 mediocrity
(2019/02/27 21:42登録)
何かが突出しているのではなく、登場人物の魅力、島の雰囲気、ストーリ運び、トリック、犯人の意外性、殺人動機、読みやすさ等々全項目において95点くらい付けたい作品。
私には欠点らしい欠点が見つけられない。

No.62 6点 take5
(2018/09/24 08:59登録)
戦争の影響が残る時代背景と
インシュラリズムばりばりの島の様子という
雰囲気を楽しめました。
特に『きち◯い』を巡る金田一の考察に唸らされました。
…で、6点なのは、やはりこちらの側がミステリーの刺激に馴れてしまったのでしょうか。

No.61 7点 レッドキング
(2018/08/30 15:40登録)
「悪魔の手毬唄」同様の見立て連続殺人。「手毬唄」では特になかった「見立て自体」の意味が、ここでは強い意志をもって与えられている。が、「手毬唄」にあった連続殺人のやむにやまれぬ動機が、ここではあまり感じられない。「手毬唄」には、過去の顔無し殺人との連結と言う骨格の妙味があるが、こっちには、三つの殺人それぞれにアリバイトリックが付いてて豪華。犯人は〇〇という読者の先入観を逆手にとったトリック。これと「悪魔の手毬唄」どっちがベスト横溝かずっと迷ってる。

No.60 4点 tocky
(2017/04/10 17:34登録)
意外性と説得力はミステリーの両輪と言えるが、「獄門島」では後者が極端に軽視されている感が否めない。工夫が足りないのではなく、工夫に凝り過ぎた結果という気がする。

No.59 7点 パメル
(2017/02/15 01:00登録)
小学生か中学生の頃金田一耕助シリーズがテレビで放映しており見た記憶がある(もちろん金田一耕助は古谷一行)個人的には金田一耕助は古谷一行一択です
読み進めていくうちに先が見えてしまうのでは?と心配したが無用だった(記憶力の無さに愕然)
海賊や流刑者の末裔が暮らす瀬戸内海の孤島・陰惨な人間関係や因習・牢獄に閉じ込められた狂人とその三人娘など雰囲気と登場人物は魅力に溢れているし飽きさせない展開力と楽しめる要素が満載
ただ犯人は何故危険を冒してまでも俳句を見立てる殺人を犯したかが明確では無いしこの島の封建的な意識で起こるべき起こったとはいえ殺人動機は納得出来ない

No.58 10点 名探偵ジャパン
(2016/08/03 16:01登録)
久方ぶりに再読しました。
面白かったです。
確かに、他の方が言われている通り、本格ミステリとしては弱い部分はあります。しかし、なぜ未だに「日本の名探偵」といえば金田一耕助なのか、「日本の推理作家」といえば、「横溝正史」なのか、それは、本格としてのテイスト云々以上に単純に作品が面白いからです。

本格ミステリは基本映像化に向きません。本格度を増せば増すほど、「アリバイ聴取」やら「ディスカッション」やら、映像で見せるには退屈きわまりない場面が多くなってしまうためです。これらは映像化に至らずとも、「そういう場面をテキストで読むのも面倒」という読者も大勢いらっしゃるでしょう。

本作「獄門島」は、上記の「退屈な場面」に裂いているページはほとんどありません。常に誰かしら、何かしらの状況が動いており、読者にページをめくる手を休ませないのです。こういったタイプの作品が映像化と相性がよいことは明白です。
ここに目を付けた角川春樹はやはり凄かった。ご存じの通り、正史の「金田一シリーズ」は「角川映画」を皮切りに幾度も映像化され、完全に我々日本人のDNAに刻み込まれてしまったのです。
「名探偵=金田一耕助」この方程式が破られる日は、恐らく来ないでしょう。(島田荘司が本気になっていたら、もしかしたら「金田一から御手洗」への世代交代は成されていたかもしれませんが)

本格ミステリとしての体裁を気にする余り、物語としての面白さ、楽しさを損なってしまっては、コアなマニア以外の一般の人たちに普及など到底しません。
「獄門島」は、「本格ミステリの物語」ではなく、「面白い物語の中に本格ミステリを取り込んだ」作品なのです。物語がミステリの上位に位置しています。

正史は「クイーンやヴァン・ダインも面白いのだが、記述に味がない」というコメントを残しています。(自身はカーが一番好きだったそうです)正史のバランス感覚を持って生み出されたのが「味のある小説と本格ミステリの融合」本作から始まる「金田一長編シリーズ」だったのでしょう。

本邦本格ミステリの父は何と言っても江戸川乱歩ですが、今や乱歩はミステリというより、サブカルの象徴のようになっています。
乱歩を皮切りに幾人ものミステリ作家が輩出されましたが、正史だけがミステリマニアを超えた一般の読者にまで普及し、未だに読み継がれている。「ミステリにだけ拘泥することなく、物語としても飽きさせず面白い」正史のセンスが為し得た技でしょう。

No.57 7点 風桜青紫
(2016/02/11 15:32登録)
『悪魔の手毬唄』や『犬神家の一族』のほうがよほど粗が多くて見立て殺人の必然性が薄い作品ではないかと思う。少なくとも『獄門島』は犯人にもアリバイ作りというそれなりの理由があったし。

横溝的なおどろおどろしさが本格ミステリとよくマッチングした作品。横溝って(割と細部描写を正確に書くし)読みやすい文章ではないんだろうけど、さくさく人が死んでくれるからどんどん読めるww。「きちがい」の四文字であっさり殺されていく女の子たちはかわいそうな限り。いかにもといった道具で雰囲気を作るだけじゃなく、それをトリックに絡めていくあたりがすぐれた作品の所以か。後の方の作品になると、道具ばかりが前にくるんだよなあ……。話の都合上、耕介がなんとも無能なんだけど、奴はもとの性格がへぼっちい感じだから、『人形はなぜ殺される』のカミーよりは納得がいきました。アイデア豊富だからかそこまで長い作品でもないのに、かなりボリュームがあったような読後感。

No.56 10点 青い車
(2016/01/21 10:54登録)
 金田一耕助もので最も本格度が高い作品。連続殺人ではありますが、おどろおどろしさは控えめな代わりに華やかなイメージを与える点がシリーズでは異彩を放っています。大小のトリックや伏線を駆使しており、フー、ハウ、ホワイすべての要素も含んでいる完成度の高さ、そして読み易さから、初めて横溝を読むという人にオススメです。
(以下、ネタバレ気味)

 犯人の設定の特殊さもさることながら、和尚の呟いた言葉、ハリボテの釣り鐘、首絞めのトリックと各事件それぞれに魅力があり、一つとして無駄のない造りとなっている所が完成度を高めています。映像化向きの作品ですが、上記で触れた和尚の言葉「季(気)違い」のネタが放送コードの問題で使えないのは面白さが半減してしまい残念です(この位いいと思うのですが…)。



No.55 9点 ロマン
(2015/10/20 14:22登録)
横溝作品の中でも、とりわけ評価の高い一作。登場人物、真犯人の正体、動機、使われたトリックと小道具、エンディング、どれも「獄門島」という舞台が存分に活用されている。終戦直後の時代と古さを感じさせない展開、読みやすさは流石。飛び抜けた何かがあるわけではないが、全てにおいてレベルの高さを感じる所はやはり不朽の名作と呼んで差し支えないと思う。

No.54 9点 斎藤警部
(2015/07/09 13:28登録)
相撲で言う心・技・体の充実を感じる作品です。

読んでみると、意外とあっさり爽やかな口当たりに驚かれる方も多いのでは。

それにしても、島の雰囲気が最高にいいですよね。。。 (住みたくはありませんけど) 

No.53 7点 谷山
(2014/08/17 02:56登録)
戦後の横溝作品の特徴は「死体を使って読者を怖がらせる」で、これを映像化すると非常にインパクトがあるというのが70年代に横溝ブームが巻き起こった要因の一つだと思います。
本作は恐らく最初のそういう作品なので、後の悪魔の手毬唄や犬神家などの印象的な見立て殺人に比べるとちょっと地味でしかも見立て殺人の必然性も薄いかもしれません。
金田一耕助にしても、元々事件の真相を暴くことに関しては天才的なのですが、事件を阻止することには少々無能な部類に入る探偵ではあるのですが、本作では特に戦争帰りで疲れてたからか特にどうしようもなく、狙われてる人物が分かっているにも関わらず3人とも殺されてしまいます。

ということで、確かに面白い作品ではありますが、粗も多く、個人的には横溝黄金時代への助走という位置づけの作品だと思ってます。

No.52 8点 初老人
(2014/05/22 10:18登録)
ネタバレあり


犯行がそれぞれ別の人物による独立したもので、しかもそれらの犯行を計画した首謀者は既に亡くなっている、という着想自体万人には到達しえない領域である事に疑いの余地はない。しかも主となる三つの犯行それぞれに工夫が凝らされていて、まるで良く出来た精密機械を見るようである。にもかかわらず点数を若干減らしたのは了然和尚の犯行が推理出来てしまったためである。

No.51 10点 sophia
(2014/04/14 18:37登録)
本格ミステリーとしての完成度の高さのみならず、鐘を使った演出や結末に明かされる運命の大いなる皮肉がこの作品の評価を押し上げていると思います。
子供の頃テレビで石坂浩二主演の映画を先に観たんですが、原作とは犯人がちょっと違っておりました。
ストーリー上「○○○○」という四文字がどうしてもカットできないので現在は映像化できないかもしれないですね。
稲垣吾郎主演のドラマシリーズでも確かやってないと思います。

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