皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 短編集(分類不能) ] 首折り男のための協奏曲 |
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伊坂幸太郎 | 出版月: 2014年01月 | 平均: 6.14点 | 書評数: 7件 |
新潮社 2014年01月 |
新潮社 2016年12月 |
No.7 | 6点 | ミステリーオタク | 2020/12/19 22:17 |
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タイトルは仰々しいが、まぁ伊坂の作品集だからさほどのインパクトは期待せずに・・・
《首折り男の周辺》 読みやすいし「先の見えない感」もよかったが、作者の作風の一つとは言え、もう少しまとめてくれてもよかったかな、とも思う。 《濡れ衣の話》 うーん、結構感情に差し込まれる話だが、これも最後は・・・ 《僕の舟》 これは面白い。最後の最後は分かってしまうだろうが、笑うしかない。 《人間らしく》 延々と続くクワガタの話は少々ウンザリだが、たまにはこういう話も(ある意味伊坂の本質が出ていて)イイね。 《月曜日から逃げろ》 作中で述べられているとおり斬新とは言えないが、面白い試み。 《相談役の話》 「アリーナの写真」だけは少しゾクッとしたが、全体的には(個人的には)あまり面白くない。 《合コンの話》 一番ミステリらしくないツカミで始まり、やがて巧妙なミステリを予感させる流れへ移り、その後ダラダラ感を抱かされた後、フィニッシュは「半落ち」といったところか。 伊坂らしい人間味豊かな無難な短編集と言えるのではないだろうか。 |
No.6 | 5点 | E-BANKER | 2017/02/19 21:32 |
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2014年発表。
もともと独立していた七編を「首折り男」や「黒沢」など、緩やかに繋がった世界観が垣間見える連作短篇集、とでも言えばいいだろうか。 ①「首折り男の周辺」=本作のタイトルとは裏腹に、「首折り男」のことが唯一細かに書かれているのが本編。『疑う夫婦』と『間違われた男』、『いじめられている少年』の三つの視点から語られ、徐々にクロスしていく作者お得意の手法。 ②「濡れ衣の話』=ここでも「首折り男」は登場する。ただし、時間軸が微妙にずらされているところがミソか? ③「僕の舟」=個人的にはこれがNO.1かもしれない。まぁベタといえばベタかもしれないが・・・。こういう「天然系」の女性って実は本質を鋭く付いているケースがあるから要注意だ! でもやるな! 若林夫! ④「人間らしく」=いじめとクワガタが主な話題(?!)となる一編なのだが・・・。クワガタの薀蓄はなかなか面白かった。 ⑤「月曜日から逃げろ」=どんなに書いてもネタバレになりそうな話。ちょっと分かりにくいけどね。 ⑥「相談役の話」=伊達政宗の部下でお目付け役として宇和島へ行かされた男と、現代の本当の「相談役」がシンクロしていく話だったのだが、途中から心霊写真の話がクローズアップ。 ⑦「合コンの話」=これは旨いね。さすが! でも久し振りに合コンしたくなってきた(無理だろうけど・・・)。おしぼりの話ってあるあるなんだろうか? 以上7編。 伊坂らしいといえば伊坂らしいのだが、他の佳作に比べるとワンランク落ちるかなという読後感。 緩やかに、っていうか無理矢理つなげただけなので、連作らしい仕掛けもないし、これなら純粋に独立した短編集と銘打つ方が潔い。 「ラッシュライフ」以来たびたび登場する「黒沢」が今回再登板しているのは、ファンにとってはうれしい限りだろう。 ただまあ、あまり褒めるところが見当たらないのは事実。 「箸休め」的な作品という位置付けかな。 (ベストは上記のとおり③。⑦も世評どおり面白い) |
No.5 | 6点 | haruka | 2017/02/19 12:57 |
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久々に伊坂作品を読んだが、「らしさ」が出ててよかった。 |
No.4 | 6点 | メルカトル | 2016/12/05 21:50 |
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思えば単行本刊行時から文庫化を待ち続けていた気がする。その魅惑的なタイトルに惹かれ、しかし期待を裏切られた時の保険として文庫本を待つ姑息さ。それこそが私の読書に対する姿勢であり本質なのだ。
で結局本作の感想はと言うと、可もなく不可もなくといったところか。タイトルから想像されるようなもっとダークな感じのサスペンスを想定していたことは自分の身勝手ではあるが、考えてみれば伊坂幸太郎がそんな暗い話を書くはずがないではないか。というわけで、この愛すべき短編集は連作と捉えると「ちょっと違う」と思わざるを得ないので、それぞれが独立した短編と考えたほうが都合がいいように思う。下手に首折り男はいったいなぜ次々と殺人を犯すのかとか、どんな残虐な性格の持ち主なのかとか、あまり深追いしないで、それぞれ色の違う短編を楽しむ余裕を持って臨むのが得策ではないだろうか。 個人的には『人間らしく』のクワガタのエピソードが好きだ。本作品集の中ではそれほど重要なポイントではないが、このマニアックさがたまらないのである。『合コンの話』も最もまとまりがあって好感が持てる。 |
No.3 | 5点 | HORNET | 2015/05/17 14:37 |
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「首折り男の周辺」、「濡れ衣の話」、「僕の舟」、「人間らしく」、「月曜日から逃げろ」、「相談役の話」及び「合コンの話」の7つの作品
趣向が凝らされた小粒の短編集。一話目「首折り男の周辺」が面白かったかな。「僕の舟」の話はでき過ぎ感が強かった。「人間らしく」(だったと思うが)塾のいじめの話は何の関係があったのか?私の理解力が追い付いてないのか。「月曜日から逃げろ」の趣向は〇。どこがスタートなのか?「相談役の話」は話の仕掛け以上に、嫌味な幼馴染の描写の方がなんか共感できた。「合コンの話」、見事なオチ。 |
No.2 | 8点 | ayulifeman | 2014/08/25 09:56 |
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作者の仕掛けにすべて反応できているか自信がない。
最期の合コンのはなしが一番好みでした。次点で僕の船。 |
No.1 | 7点 | まさむね | 2014/05/24 10:15 |
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7話から成る連作短編集。とはいえ,各話の繋がりは緩やかです。
個人的なベストは第5話の「月曜日から逃げろ」。ミステリ的にも,これまで読んだ伊坂短編の中でもベストに位置付けたい。敢えて多くは書きませんが,様々な面で綺麗に纏めた秀作です。伊坂作品でお馴染み「黒澤」ファンの方にはさらに楽しめるのではないでしょうか。 他の短編は,いつもの伊坂ワールドは勿論,恋愛モノやホラー風味の作品もあり,さらには作者の主張や遊び心も加わっていて,氏の短編集としては比較的バラエティに富んでいると言えましょう。(ミステリとしては弱いですが。)何を期待して読むかで評価は大きく変わると思いますが,純粋な読書としては十分に楽しめましたね。 |