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[ 警察小説 ]
震度0
横山秀夫 出版月: 2005年07月 平均: 7.12点 書評数: 8件

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朝日新聞社
2005年07月

朝日新聞出版
2008年04月

No.8 7点 いいちこ 2017/03/17 16:04
警察組織の幹部が、組織の防衛と自己の栄達のみを至上原理とすることで、その思考回路が部分最適に陥り、遵法意識が磨滅していくさまは、これほどまでにコンプライアンスやコーポレート・ガバナンスが叫ばれながら、企業不祥事の続発が止まらない硬直的な官僚制組織の病魔を見事に抉り出している。
視点人物を刻々と変えながら、サスペンスを盛りあげる筆致の妙も評価。
ミステリとしては平凡な真相に終わっているが、著者の本領がいかんなく発揮された佳作

No.7 8点 E-BANKER 2012/12/06 20:30
2005年発表。ある県警察本部を舞台とした作者得意の警察小説。
長く続いた沈黙を破った最新作「64」が好調な作者だが・・・

~阪神大震災の前日、N県警警務課長・不破義仁が突然姿を消した。県警の内部事情に通じ、人望も厚い不破が、なぜいなくなったのか? 本部長をはじめ、キャリア組、準キャリア組、たたき上げ組、それぞれの県警幹部たちの思惑が複雑に交錯する・・・。組織と個人の本質を鋭くえぐる本格警察サスペンス!~

まさに「横山秀夫の世界」だな、これは。
県警内部の各セクションのトップ(=部長)たちが繰り広げる権力闘争。それぞれが自身の欲望や見栄、保身、妙なプライド・・・そんなもののために事件そっちのけで組織を動かし、暗躍する。
これは、日本国家という名の「組織」の縮図ということなのだろう。
終盤、登場人物の1人がようやく「団結」や「協力」の重要性に気付き、発言するという場面があるが、たいていの読者は「今さら・・・」という感覚になるだろう。

ストーリーの白眉は、ラストの約20ページ程度に集約される。
県警トップの1人1人がようやく思い出す、警察官或いは1人の人間としての己の矜持。
そして、事件と並行して語られる「影の主役」が阪神大震災・・・
『震度0・・・。N県警の本部長室はそうだった。』というほんの1行が本作のすべてを物語るのかもしれない。
衆院選挙を見据えた昨今の政治ショー(または茶番劇とも言えるが)を見ても思うが、本当に大事なものは何なのか、「選挙に勝つことなのか」、「国を良くすることなのか」・・・こんな青臭いをことを書くのもどうかと思うが、そんなことを考えさせられた。

組織に与する人には是非手に取っていただきたい作品、という評価。
「己の矜持」というものを一度考えてみるのも良いのではないか?
(登場人物を好感度順に並べると・・・堀川→藤巻→だいぶ離れて椎野→冬木→間宮→倉本、という感じかな。あくまで個人的にですが・・・)

No.6 6点 haruka 2012/06/24 11:51
影の季節や第三の時効といった警察小説の集大成といった感じの長編。めまぐるしく視点を変えながら、緊迫感を失わずに最後まで読ませる筆力は相変わらず。

No.5 7点 HORNET 2011/01/16 12:35
 警察内部(上層部)の腐敗した権力構造,その中で立身出世していくための権力闘争などが描かれていて非常に面白かったです。しかし,フィクションとはいえこうした作品は警察に対するイメージを私たちの中に形作ってしまいます。
 何はともあれ,警察小説第一人者の代表作といえるでしょう。

No.4 7点 E 2009/07/11 16:54
警察内部の陰湿さ、権力への執念と傲慢が垣間見える小説でした。フィクションなのでしょうが、果たして本当に想像上の出来事なのだろうか?と感じた。男も汚いが、女は怖い。

No.3 7点 マイル0327 2008/04/08 12:33
警察内部の人間模様を描写する筆力は見事。ヒューマンドラマとして楽しめました。ミステリーとしてはご都合主義?

No.2 8点 itokin 2007/12/31 10:30
警察上層部の内部抗争を大震災に合わせ息詰まる展開を見せる横山作品の真骨頂が良く出ている。最高に楽しめた。

No.1 7点 akkta2007 2007/10/02 12:50
横山作品の中では印象に残る作品であったと思う。
人間関係、警察内部での人物の相関関係等、非常によく書けているなと感じた。
読んでいて東野圭吾の「幻夜」に何となく感じが似ている気がした。
楽しめる作品であった。


横山秀夫
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