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[ クライム/倒叙 ]
世界をおれのポケットに
ハドリー・チェイス 出版月: 1960年01月 平均: 7.00点 書評数: 2件

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東京創元社
1960年01月

創元新社
1965年01月

東京創元社
1965年01月

No.2 6点 クリスティ再読 2018/08/04 17:53
古典的なケイパー小説である。4人のギャングに身元不詳のヒロインが仕事を持ちかけてきた。テキは企業の現金輸送車である...がそれは、難攻不落を誇る戦車まがいの装甲車だ。ヒロインの襲撃プランとその成否は?
このヒロイン、銅色の髪とその髪色を活かしたグリーン系のファッション、という設定で何か目に浮かびそうなくらい個性的でお洒落である。しかも男たちをビビらせるほど「タフ」で、「男に惚れない」ハードボイルドである。訳された1965年だと、時代がまだ追いついていなかったかな。今新作でこの設定だったら人気が出るんじゃないかと思うよ。そういうヒロイン・ハードボイルドとして楽しむのがナイス。
まあ計画は計画で、実際やってみるとなかなか思いの通りには動かない。ヒロインを巡って男たちは鞘当てするし、予想外の出来事に翻弄される。全体的なリアリティはなかなかあって、渋い映画向きな感じ。実際「悪の報酬」というタイトルで、ロッド・スタイガー主演(渋いなおい)で映画になっている。なぜか西ドイツ映画(1960)。チェイスって実は結構映画原作の帝王だからねえ。

No.1 8点 kanamori 2012/10/08 17:50
特殊合金製の現金輸送装甲車で運ばれる百万ドル強奪計画を描いたクライム・サスペンスの古典的名作。
ギャングの頭目、キザ男のチンピラ、老金庫破り、元ボクサーに謎めいた女を加えた、男女5人組の犯行グループの面々が魅力的です。多視点描写のため、中盤までは誰を主人公に据えているかも分からないのだけど、チェイスらしい”容赦のない展開”によって徐々に明らかになります。
計画・実行・犯行後と物語が進むにつれて、犯行に対する温度差が生まれ、それぞれの個性が書き分けられてゆくところが巧いと思う。同類の襲撃小説・悪党パーカー・シリーズと一番違う点は恋愛を上手く犯行に絡ませている所だろうか。ぶった切りのようなラスト・シーンが非常に印象に残る作品。


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ハドリー・チェイス
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不明
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貧乏くじはきみが引く
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