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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
プレイボーイ・スパイ2
マーク・ガーランド
ハドリー・チェイス 出版月: 不明 平均: 7.00点 書評数: 1件

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東京創元社


No.1 7点 人並由真 2023/01/20 16:06
(ネタバレなし)
 パリの市街で、若いブロンドの、そして記憶を失った美人が見つかる。女性のヒップには漢字らしい三文字の入墨があり、その情報にパリのCIAと駐留している米軍は騒然となる。というのもCIAは、新兵器を開発してるらしい中国のミサイル学者、豊厚公(フェン・ホー・クン)を監視していたが、同人には所有物には鍋でもヤカンでも愛馬でも、とにかく自分の名前を書き込む性癖があった。そして彼の元からは、スウェーデン人の美人の愛人が最近いなくなった、との情報が入っていたのだ。記憶喪失の美人が、豊の愛妾のエリカ・オルセンだと認定したパリCIAのジョン・ドーレイ支局長は、自分と不仲だが女の扱いに長けたフリーのスパイ、マーク・ガーランドを呼び、記憶のないエリカの前で、僕が君の夫だよ、と称して情報を聞き出す作戦を立案した。だがそんななか、エリカの身柄の価値を認めたソ連のスパイたち、そして彼女の口封じにかかる中国の暗殺チームも動き出していた。

 1966年の英国作品。マーク・ガーランドシリーズの2冊目。

 よくもまあ、これだけクダラナイ設定を考えられるものだと大いにホメたくなる作品。女の体に自分の所有サインを刻むヘンタイって、小林まことの『それいけ岩清水』(『1・2の三四郎』の外伝)か!
 
 お約束の展開、予期せぬヒネリ、ツッコミどころ、それらが全部満載で、それぞれの側面で楽しめる。007もので言えば、前作が原作初期だったのに対し、こっちは昭和後半の映画版のノリだ。とにかく全編の各所が、好調なときのチェイスらしい、サービス精神に満ちている。

 大ネタはもちろん察しがつくが、その上でサプライズには独特の観念のソースがかかっており、終盤の見せ場までワクワク、とそのあとの余韻にもシミジミ。
 60年代スパイもの黄金期の中で、オレならこんなものを書くぞという作者の意気込み? と、ほくそ笑みが、覗けるような佳作~秀作。
 だからツッコミどころもまた、本作の場合お楽しみポイントだよ。

 評点は、0.3点くらいオマケ。


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ハドリー・チェイス
1980年02月
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1963年01月
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1957年01月
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不明
プレイボーイ・スパイ2
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カメラマン ケイド
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貧乏くじはきみが引く
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射撃の報酬5万ドル
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