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[ 社会派 ]
腐蝕の構造
森村誠一 出版月: 1972年11月 平均: 7.50点 書評数: 2件

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毎日新聞社
1972年11月

角川書店
1974年05月

講談社
1977年03月

勁文社
1995年02月

角川春樹事務所
1998年03月

KADOKAWA/角川書店
2015年03月

No.2 8点 斎藤警部 2015/06/22 16:08
社会派と言うより、社会悪を最高のスパイスに(恋愛を下地のサワークリームに)使った本格推理。
離れ離れになった一組の夫婦(夫は原子力研究者)を中心に、山を背景にした人間ドラマあり、ホテルでの密室殺人あり、巨悪への研ぎ澄まされた憤り(といつもの左翼演説)あり、様々なレベルで森村氏、キャリア最初期の集大成トライアルと言った趣がある。 物語の途中で主人公が切り替わり、誰が「腐食」しているのか、の見え方も変わる。 ずっしり重いエンタテインメント巨篇。
義父から借りて読みました。

No.1 7点 2012/08/25 11:56
森村誠一が日本推理作家協会賞を受賞した大作ですが、なぜか『高層の死角』や『人間の証明』に比べると知名度は低いようです。
しかしこれは読みごたえがありました。森村が社会派的な傾向を強めるきっかけになった作品とも言われていますが、作者は以前の作品でも事件の社会的背景、特に企業の悪辣な駆け引きを何度か取り上げてきました。ただ、以前にはアリバイや密室などのトリックをメインにした謎解き要素が強く、警察の捜査が中心になっていたのに対して、本作ではダイナミックで意外なストーリー展開が読みどころになっています。作者お得意の登山が繰り返し、季節を変えながら描かれ、話を盛り上げてくれます。
まあ、実のところ本作唯一の殺人は密室的状況ではあるのです。しかし作中の図を見る限りでは、実行不可能と言わざるを得ませんし、不可能状況を作り出した理由をちょっと考えれば犯人は明らかです。


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森村誠一
2011年04月
鬼子母の末裔
平均:7.00 / 書評数:1
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1997年11月
刺客請負人
平均:6.00 / 書評数:1
1997年02月
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1994年10月
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1993年05月
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平均:4.00 / 書評数:1
1992年12月
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1989年10月
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終着駅
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1989年01月
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平均:5.00 / 書評数:1
1984年12月
螺旋状の垂訓
平均:5.50 / 書評数:2
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1980年07月
空洞星雲
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1980年04月
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太陽黒点
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1978年07月
青春の証明
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致死海流
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1978年03月
超高層ホテル殺人事件
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1978年01月
野性の証明
平均:7.00 / 書評数:3
1977年09月
凶水系
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1977年05月
日本アルプス殺人事件
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1977年03月
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1976年12月
魔少年
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1976年11月
むごく静かに殺せ
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1976年02月
幻の墓
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1976年01月
森村誠一自選傑作短篇集
砂の碑銘
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異常の太陽
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1974年11月
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1974年08月
黒魔術の女
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1973年02月
真昼の誘拐
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1973年01月
虚構の空路
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1972年11月
腐蝕の構造
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1971年03月
密閉山脈
平均:7.25 / 書評数:8
1971年01月
東京空港殺人事件
平均:5.50 / 書評数:4
1970年08月
新幹線殺人事件
平均:5.89 / 書評数:9
1969年01月
高層の死角
平均:6.56 / 書評数:18
1968年01月
分水嶺
平均:8.00 / 書評数:1
1967年01月
不良社員群
平均:2.00 / 書評数:1