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[ 本格/新本格 ] 精神分析殺人事件 |
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森村誠一 | 出版月: 1980年04月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
光文社 1980年04月 |
青樹社 1996年07月 |
ワンツーマガジン社 2004年11月 |
No.1 | 7点 | メルカトル | 2022/07/13 22:45 |
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魚住と山下の両刑事は小学校教師の中原みどり殺害事件の聞込み捜査で、被害者の元同僚だった井川英一を訪ねた帰り、バッタやキリギリスの羽や首をバラバラにして、穴に葬っている児童に出会った。二人を送ってきた心理学の講師である井川は、その児童は殺されたみどりの勤めていた小学校の生徒だと教えた。そして彼は一見無意味に思える行動にも精神的原因があり、この子にも精神的葛藤がある筈だという。その話を聞いた魚住はミドリ色の虫と中原みどりという共通項に気づき、二人の関係を調べることにした…。
『BOOK』データベースより。 容疑者、犯人、目撃者の深層心理から事件にアプローチし、真相を暴いていく連作短編集。流石に素晴らしい文章力で、全てに於いて過不足なく描かれているのに好感が持てます。プロットもよく練られており、又エッジの効いたストーリー展開は目を瞠るものがあります。トリック重視の作品ではありませんが、その代わり人間の奥底に眠る性(さが)に迫る、様々な方向からの心理学で事件と対峙します。 今から50年以上前に書かれたとは思えない瑞々しい短編ばかりで、全てが佳作に近い出来栄えだと思います。意外性も備えていて、一寸した反転も味わえます。 |