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月と蟹
道尾秀介 出版月: 2010年09月 平均: 5.11点 書評数: 9件

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文藝春秋
2010年09月

文藝春秋
2013年07月

No.9 5点 sophia 2021/04/18 00:26
「球体の蛇」を純文学寄りと評しましたが、本作はもはや純文学の域ではないでしょうか。「球体の蛇」に増して心情描写が多く、終盤になってやっと面白くなってきたと思ったら特に何もなく終わりました。直木賞より芥川賞の方が合っているような気さえします。手紙の犯人など予想通りでしたが、さしたる理由もなかったことの方に驚きました。昭和の終わりの時事ネタが主人公世代の自分には懐かしく感じられたのですが、そもそもなぜ時代設定を昭和にしたのでしょうか。

No.8 6点 zuso 2020/04/24 18:31
主人公は父親の故郷である海辺の町で、祖父、母親と暮らしている小学五年生の慎一。
子どもが生きている世界はとても狭くて逃げ場がない。だから、いろんな逃げ道を有している大人から見れば、些細な葛藤や悩みだって、小さな世界に閉じ込められている子供たちにとっては一大事。この小説の行間からは、そんな子供の行き場のない思いや声にならない悲鳴が聞こえてくるのです。
的確かつ新鮮な比喩を巧みに織り込んだ繊細な文章と、人間心理に対する深い洞察力に驚いた。

No.7 7点 いいちこ 2016/10/19 16:52
純文学への指向性が極めて強く、ミステリの色彩が希薄であるため、本サイトで高く評価されない点や、賞狙いの作品と邪推されてしまう点には納得。
ただ、少年の触れれば斬れるような繊細の心を抉り出す作者の手腕は健在。
誰しも心に他人に言えない闇を抱え込んでおり、それがある日残酷な言動を惹き起こす危うさ。
そうした闇を「殻」に押し込めて大人になっていく現実。
こうした少年の成長の日々には共感できるものがあった。
それだけに、やや拍子抜けとも言える結末だけは残念さが残る。
本作にはより破局的な結末こそが似つかわしいと思う

No.6 3点 風桜青紫 2015/12/29 02:46
ミステリ作家としての道尾秀介は認めてるんだが、「ブンガク」の書き手としての道尾秀介はそうでもない。先行きを期待させる筆運びがなきゃ、少年のヤドカリ焼き世界をよく描いていたところで退屈。面白さも小説としての技術も落選した『龍神の雨』のほうが充実してるんじゃないかと思う。作家としてキャリアを積むうちに優れた「ブンガク」を描いてみたいって気持ちが生まれてきてしまうのかもしれないが、あまり歓迎すべきことじゃないです。

No.5 5点 yoneppi 2013/09/04 22:18
ミステリでなくても意外と楽しめた。賞は別として。

No.4 4点 白い風 2011/04/24 22:11
直木賞受賞作品なので、初めて道尾さんの作品を読みました。
う~ん、期待外れだったかな。
ミステリ作品だと思って読んでいたけど、子供の不安な心理状態を描いた文学作品だった…。
ちょっとオイラには合わなかったな。

No.3 6点 虫暮部 2011/03/07 09:37
 ミステリを、少なくともミステリ的な仕掛けのあるものを期待していたので、肩透かしを食らってしまった。
 初期作品には感じられたのにだんだん薄まってきていた悪意のようなものが、今作では割と復活している点は良かった。
 しかし、直木賞のせいで今後こっち方向に進んでしまうなら、私にとって重要な作家ではなくなると思う。

No.2 4点 まさむね 2011/02/20 15:22
まずは,直木賞受賞おめでとうございます。
で,率直な感想ですが,「表現したいことはよく分かったけれども,その良さはよく分からなかった」ですねぇ。
いや、少年少女の心の葛藤やその推移の表現は巧いと思います。それは認めつつ,「だから、それで?」って首を傾げている自分がいました。
単に私の読解力又は感受性が不足しているのか、それとも直木賞とはそういうものなのか。
採点としては,ミステリでない上に,特に心動かされることもなかったので…直木賞ご祝儀を含めてもこの点数。

何はともあれ,直木賞受賞おめでとうございました。満を持しての受賞なのでしょうが、今後どちらに向われるおつもりなのでしょう。注目しております。

No.1 6点 kanamori 2010/10/23 21:43
例によって暗いトーンの物語。なにせ、二人の小学生が神様に見立てたヤドカリを火で炙って、願い事をするという話だから。
中傷の手紙の犯人特定のロジックとか、”操り”の構図などにミステリの要素がないこともないですが、純文学寄りの傾向がより強くなっていると感じました。
少年視点で語られる物語ながら、とても小学4年生の思考とは思えない大人っぽい心情描写が、時々出て来るのが多少気になりました。


道尾秀介
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