[ クライム/倒叙 ] 奪取 |
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真保裕一 | 出版月: 1996年08月 | 平均: 7.77点 | 書評数: 56件 |
![]() 講談社 1996年08月 |
![]() 講談社 1999年05月 |
No.56 | 5点 | ひとこと | 2023/05/29 23:18 |
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面白いけど衝撃成分が少し足りないです。 |
No.55 | 7点 | 雪の日 | 2022/09/30 23:31 |
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疾走感があり読み進めやすい、たまに専門的な解説で詰まるけど |
No.54 | 7点 | HORNET | 2021/11/03 23:20 |
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クライムノベルのお手本みたいな名作。かなりの厚みだが、疾走感のある展開で全く苦にならず読み通せてしまう。
印刷関連の詳細な説明は難解で正直ほとんど読み飛ばしたが、リアリティを感じさせる雰囲気は堪能した。それでも物語を楽しむことに影響は全くないので大丈夫。 エピローグがまた粋でいいね。まさか登場人物の名前にそんな仕込みがあったとは…。綿密な構想のもと書き上げられた作品だということが十分に伝わってきた! |
No.53 | 6点 | バード | 2020/07/29 07:34 |
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久々に評価の難しい本にあたったなぁ。
本書を完成させるには、間違いなく綿密な調査が必要で、この点だけでも作者の甚大な努力を感じる。 「偽札作りの描写は妥協しないから、読者も頑張ってついてこい。」 と作者に言われた気がした。 『不連続殺人事件』の書評でも述べたが、作者のこだわり(本書なら偽札作り描写)が作品ににじみ出ているのは、良作の証だと思っている。ただ、本書はそのこだわりが「諸刃の剣」になってしまっている気もする。 というのも、金属加工、コンピュータのハードおよびソフト、プリンターとスキャナー、印刷技術あたりの知識が無い者にとっては、一番の見所である偽札作りパートが異国の呪文なのである(泣)。実際、私の理数知識ではきつかった。 上にあげた分野に精通した人が読んだら、もの凄く楽しいだろうし、10点がついてもなんら不思議でない作品と思う。今回の私の点数は6点(= 物語の面白さ5点 + 偽札作り描写1~2点)、本書を隅々まで堪能できるような読者になりたいものだ。(勉強、勉強!) //////////////////////////////////////////////////////////////// 最後に偽札作りパート以外の感想を述べ、書評を終える。 ・ストーリー 意外性のある展開は第一部の終盤で謎のじじいが登場するところくらい。ストーリーだけを見たら凡かなぁ。ただし、ハッピーエンドだったのは嬉しかった。最後の方では大分、主人公サイドに感情移入していたので。 ・キャラクター 最終的に大金を逃すも、良輔は笑い、一切気にしない。当然だろう。なぜなら彼は五億円なんてちっぽけと思える程の技術と知識を手にしたのだから。 こういう職人的な格好良さを持つキャラは、私のど真ん中です。彼らを見習い、誇れる技能を習得するべく、私も精進します。 ・エピローグ 小説家になる伏線が無く、エピローグはどうも本編から浮いているという印象。 本文を主人公が書いたという設定だと『ダレン・シャン』を思い出したが、『ダレン・シャン』と比べると、この設定がプラスに働いていないっぽい。あちらは「もし本当なら、バンパイアが実在する・・・?」と読後に興奮を誘起するのに対し、本書の場合「もし本当でも、既存の技術を組み合わせて精巧な偽札を作った奴らがいるだけ」なのよね。 |
No.52 | 4点 | レッドキング | 2019/07/11 16:19 |
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「文句なく面白い!」という世評通り文句なく面白い。苦い味のエンドも含めて傑作映画「大脱走」並みに面白いので、ミステリではないけれども4点おまけにあげちゃう。
追記:そっか!奪取ってdashにかけてんのか、今気づいた。 |
No.51 | 6点 | もち吉 | 2019/05/19 21:26 |
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興味を引く出だしから、薀蓄を絡めて上手に展開していき、ジジイが登場したあたりまではとても面白く読めた。が、如何せん長過ぎる。序盤は興味深かった薀蓄もあれだけ続けられると流石に追うのが億劫になってくる。ただ、そのディテールへのこだわりようこそがこの小説の価値でもあるのだろう。
文体に関しては、自分はあまり好きではなかったが、難しい題材にもかかわらずここまで取っ付き易い作品に仕上げたのは流石と言わざるを得ない。 最後に、作者がこの作品で描きたかったテーマと違うことは分かった上であえて言えば、個人的には、真剣な偽札作りよりも序盤の路線で1作品書き上げてほしかった。 |
No.50 | 7点 | makomako | 2019/04/28 17:58 |
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かなりの長編ですが、スラスラと読むことができました。面白い小説でした。
偽札作りがこんなに難しい、いいかえれば日本のお札はなんとすごいのだろうと感心しました。 謎の要素は少なくサスペンスの要素が高い。登場人物が少なく(ただし名前が変わるのですが)これも読みやすい要因となっているのだと思います。 ただ最後がちょっと軽すぎる。これだけの長編を読ませておいて、最後がこれかよ。といった感じは否めません。 |
No.49 | 7点 | take5 | 2019/03/16 21:14 |
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斜め読みでもどんどんページが進みます。
ミステリー要素は薄いですが、 素晴らしいエンターテイメント作品。 荒唐無稽と言えばそれまでですが、 つらい生い立ちもやくざのしのぎも、 明るく描けばさらっとしたものです。 但し女子中学生の記述は、あれは古すぎますよ。 |
No.48 | 7点 | パメル | 2016/02/08 12:09 |
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偽札作りに挑む若者たちの物語
様々な困難や悲劇に直面しながらも偽札作りの技術を レベルアップしていく過程が面白い ユーモア溢れる軽妙な文体で楽しませてくれる 痛快エンターテイメント小説 |
No.47 | 7点 | いいちこ | 2015/06/16 18:29 |
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多くの方が指摘されているとおり、主人公がスーパースターすぎる、偽札製造に必要な材料が都合よく入手できてしまうなどのご都合主義が散見。
また主人公は、偽札製造には細心の注意を払いながら、対帝都・東建において一貫して不用意・軽率な行動が散見され、その合理性は大いに疑問。 しかし、こうしたディテール以上に、主人公の行動原理(作品の主題とも言える)に大義がない点は重く見たい。 エンタテインメントとしては満点に近い評価だが、以上の点をふまえて7点の下位 |
No.46 | 7点 | ナノ | 2013/06/04 00:29 |
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その長さ故に避けていたものの、思い切ってこの度挑戦しました。
後悔のない選択でした。以下ネタバレあります。 綿密に練られた構成、そしてお札に関する膨大な知識には凄いとしか言いようがありません。 偽札造りの描写は多少ダレてしまいますが、逆に言えばそこ以外の疾走感、そして緊張感がとんでもないです。 偽札がバレないかとこちらまでヒヤヒヤしてしまう場面が多々あり、この感覚を味わわせてくれる本はなかなかないのではと思います。 それでも7点なのは、最後は主人公たちが完全に成功して報われて欲しかったという個人的な思いによります。 成功の結末を、見たかったですね。もちろんあの結末も大いにアリであると思いますよ。 |
No.45 | 10点 | TON2 | 2012/11/11 16:37 |
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講談社文庫
日本推理作家協会賞と山本周五郎賞をW受賞した傑作サスペンス。 ”本物”の偽札をつくるために、紙の原料となるミツマタを山中で栽培したり、日本では手に入らない平板印刷機が終戦直後のどさくさで隠してあったり、透かし作成のために精妙な原版を彫るなどといったややご都合主義なところもありますが、友情、執念、闘いをユーモラスに描いた傑作だと思います。 仲間の裏切りにあっても、再度挑戦しようというラストがすばらしい。 |
No.44 | 8点 | Q-1 | 2012/05/31 18:21 |
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長さの割にテンポが良く、文章も読みやすくてとても楽しかったです。
紙造りの話が想像できない分、私には活字との格闘になって頭が痛くなりましたが、 この拘りがないとこの作品の価値は落ちるのだと思います。 ミステリ成分は飯田に近づいた男は誰なのか?という部分と、エピローグの小ネタくらいでしょうか。 前者はまあ考えるまでもないものでしたが。 不満点を挙げるとすれば、 数カ所の製紙工場や印刷工場に何度も潜入して作業するのに、 見つかったのが一番警備がザルな竹花印刷のみというところでしょうか。 まあ竹花印刷以外で見つかると話が進まなくなるので仕方がないですがw あとは、幸緒がどのタイミングで秀一に惚れたのかよくわかりませんでした。 |
No.43 | 8点 | isurrender | 2012/01/30 23:55 |
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『スティング』のような知的でスリリングで楽しめる作品
落ちまで満足できる良作です |
No.42 | 7点 | concon | 2012/01/30 22:47 |
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第1部の終わり方と、第2部の終わり方がそれぞれ衝撃的だったので、ラストはどうなるんだろうと、期待が高すぎたのかもしれません。少し拍子抜けの感がありました。
ただ一気に読めるのは確かです。 それと男の生き様として共感できる部分も(ニセ札作ろうとは思わないが)多くありました。 |
No.41 | 5点 | 蟷螂の斧 | 2012/01/05 08:51 |
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自分のミステリー概念の範疇外の作品として、面白く、印象に残っているものに「白昼の死角」や「大誘拐」があります。本作も同様の位置づけとなり、このサイトでの評価は5となりました。ラストは「スパイ大作戦」を彷彿させるシーンもあり楽しめました。
(追伸~この当時は、謎がないものはミステリーとは思っていなかった。本サイトでジャンル別が導入され、少しは考えが変わってきましたが・・・。) |
No.40 | 9点 | ナナ | 2011/05/19 10:31 |
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緻密な構成とスピード感のある展開。事前の調査も素晴らしく長い小説だが、苦にならず一気に読めた。ラストまで楽しませてもらい、大満足です。『ホワイトアウト』でちょっとがっかりした分、これで十分取り戻しました。 |
No.39 | 5点 | ムラ | 2010/12/31 03:21 |
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(ネタバレあり)
トリビア的な感じもあり、キャラも展開もいいので面白く見れたのですが、最後がどうも。 これだけ長い話見て最後の最後まで報われないってのはちょっともやもやしちゃいました。 これが上だけだったらこの展開でもまぁ悪くはなかったかもしれませんが、一番制裁を喰らわなきゃいけない小悪党がのうのうとしてるのは納得が出来ない。 |
No.38 | 8点 | あびびび | 2009/10/26 22:50 |
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この作者にすれば非常に砕けた物語だが、はっきり面白い。
でもページ数が三分の二になれば、さらに終わり方がもう少し意外な方向に行けばまたちがった評価になるのでは…と思う。 でも、あのラスト以外の終わり方ならまた文句をいうかな? |
No.37 | 8点 | E-BANKER | 2009/10/24 19:50 |
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作者のエンタメ小説家としての力量を感じさせる作品です。
とにかく、「偽札」の作り方に関する薀蓄や方法がこれでもかというほど出てきますし、主人公の偽札に対する「熱さ」が読み手にもビンビン伝わってきました。 対帝都銀行についての部分はちょっとリアリティに欠けてるし、ヤクザや銀行員に対する描き方があまりにも悪人悪人しすぎて捻りを感じないのがややマイナスでしょうか。 でも高評価なのがよく分かる作品ですし、「真保ワールド」を満喫するには最適かもしれません。”名前”にはそういう意味があったんですね。(ラストシーン) |
真保裕一
- 2021年10月
- 真・慶安太平記
- 平均:7.00 / 書評数:1
- 2019年04月
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- 平均:7.00 / 書評数:6
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- 平均:3.00 / 書評数:1
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- 平均:7.00 / 書評数:1
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- 平均:7.00 / 書評数:1
- 2000年04月
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- 1998年07月
- トライアル
- 平均:6.00 / 書評数:4
- 1998年04月
- 密告
- 平均:5.43 / 書評数:7
- 1997年10月
- 防壁
- 平均:7.00 / 書評数:5
- 1997年05月
- 奇跡の人
- 平均:4.00 / 書評数:13
- 1996年08月
- 奪取
- 平均:7.77 / 書評数:56
- 1996年03月
- 朽ちた樹々の枝の下で
- 平均:5.40 / 書評数:5
- 1995年09月
- ホワイトアウト
- 平均:6.78 / 書評数:36
- 1994年05月
- 盗聴
- 平均:7.11 / 書評数:9
- 1993年10月
- 震源
- 平均:4.57 / 書評数:7
- 1992年10月
- 取引
- 平均:5.75 / 書評数:4
- 1991年09月
- 連鎖
- 平均:6.64 / 書評数:14
- 不明
- ボーダーライン
- 平均:5.00 / 書評数:2