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[ 本格/新本格 ]
一本の鉛
佐野洋 出版月: 1959年01月 平均: 6.43点 書評数: 7件

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東都書房
1959年01月

東都書房
1960年01月

講談社
1962年01月

集英社
1963年01月

講談社
1977年05月

角川書店
1996年10月

No.7 6点 蟷螂の斧 2017/08/31 19:11
東西ミステリーベスト100(1986年版)の55位。1959年の作品です。30代の人には、この題名の意味が判らないかもしれませんね。昔はこのような誤りがあったのかも?。今だったら大変なことに?!。題名、動機の隠蔽、犯人像に特徴がある作品でした。

No.6 6点 人並由真 2017/07/24 10:47
(ネタバレなし)
当時としてはかなり垢抜けた作風 の一冊で、作者と読者の一種の暗黙の了解を逆手に取った大技もなかなか。
のちの『十角舘』あたりにも影響を与えているのではと思う。

No.5 6点 nukkam 2015/08/20 23:48
(ネタバレなしです) 佐野洋(さのよう)(1928-2013)は1000を楽に超す短編ミステリーを発表して短編の名手として有名ですが長編もかなりの数があります。また1973年から2012年までの39年間474回に渡って書かれたミステリー評論「推理日記」も高く評価されており、巨匠と言われるにふさわしい存在なのですが作品数が多いことに加えて地味な作風のためか何が代表作なのか私はよくわかりません(そもそもあまり読んでもいないのですけど)。本書は1959年に発表された長編第1作です。作者は本書を「本格派でない」と語ったそうですが、個人的には立派に本格派だと思います。犯人の名前を出してなお読者に誰が犯人かを考えさせる工夫がなかなかユニークです(趣向は違いますが島田荘司の「占星術殺人事件」(1981年)で「読者への挑戦状」の直前にこれ見よがしに犯人を登場させていたのを思い出しました)。アマチュア探偵役を大勢揃えて分業的に捜査させているのも特徴で、その中には事件現場のアパートの住人も混じっています(つまり容疑者でもある)。トリックはそれほど大したものではありませんが、犯人を絞り込む手掛かりが珍しかったのが印象的でした(記憶に自信がありませんがクレイグ・ライスの某作品に似たようなのがあったかも)。

No.4 8点 斎藤警部 2015/06/08 11:21
都会派佐野洋、初期の佳品。 表題の意味は最後の最後に明かされ、同時に事件の真相も一気に収斂します。
秀れた技巧が悪目立ちせず、ひたすら作品の完成だけに貢献する、フランス音楽で言うラヴェルのようないい香りのする若き熟練の一品。事件は女性ばかり暮らすアパートにて、バーのホステス殺し(昭和!)。容疑者は現場で確保。一見ごく当たり前の事件の様ですが。。

それにしても、これだけ洒脱で明るいムードなのに、ここまで強いサスペンスと深い謎めき度合い。かなり踏み込んだエロティック描写を爽やかに描き切る手管。天性と育った環境の存在を感じさせずにはいられません。日本共産党も惜しいシンパを無くしたものです。

No.3 6点 測量ボ-イ 2010/06/17 20:03
氏の作品を初めて読みました。結論として、まずまずという
ところでしょうか。
メイントリックはひとひねりあるもののありきたりで(人に
よってはアンフェアという声があるかも)、密室トリックは
この僕でさえ大体想像つきましたが、論理の破綻はなく、全
体的なまとまりはあると思います。

章毎に日時を記入する手法、古めかしいですが何となくいい
ですね。クイ-ンやヴァンダインの古典作品によくあるので
すが、現在よくある時制を用いた叙述トリックにやられる心
配がないですからね(苦笑)。

No.2 6点 kanamori 2010/05/01 18:31
長編デビュー作。女性ばかりが住むアパート内の殺人を扱っていて、軽い密室トリックも出てきますが、動機の謎がミステリとしての肝で、ちょっと意表をつきます。
オチは、いかにも元新聞社勤務の作者らしいもので、最後にタイトルの意味が浮かび上がるしゃれた作品です。

No.1 7点 こう 2009/01/20 23:35
 いわゆるアパート物で現代では珍しい作品で懐かしさを感じる作品だと思います。女性ばかり住むアパートでホステスが絞殺死体で発見される。恋人が容疑者として逮捕されるがバーのママ及びバーの馴染みの客たちは恋人が犯人と思えず独自に捜査を進めてゆくと意外な真相が、というストーリーです。
 真相は現代ではありがちな真相ですが作品として最後の1ページに余韻が残る作品です。真相には驚かされないかもしれませんが昔懐かしい作風に浸れると思います。


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佐野洋
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一本の鉛
平均:6.43 / 書評数:7