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[ 本格/新本格 ]
秘密パーティ
佐野洋 出版月: 1961年01月 平均: 6.25点 書評数: 4件

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新潮社
1961年01月

集英社
1978年04月

勁文社
1991年05月

No.4 7点 人並由真 2023/08/30 22:05
(ネタバレなし)
 昭和30年代の東京。バー「ソルボンヌ」の女給・夕子とその仲間3人の女性は、ママの小町芙美子に頼まれて、料亭「弥生」で夜半に開催される秘密の宴に参加する。そこには名前も素性も明かさない中年男5人と、別の女性たちが集っており、いかがわしい雰囲気が蔓延だ。だがその中のひとりがいきなり吐血して倒れ、中年男のなかのひとり、瀬川医師は、毒を呑むか呑まされるかで死んだ、と一同に告げた。その場に緊張が走り、一同、特に社会的な地位のあるらしい中年男たちは、瀬川に強引に、その死を自然死と診断するように願うが……。

 ヤフオクでまとめ買いした国産ミステリの文庫本の中古セット(ある一冊が欲しかった~相対的に相当、安く買えた)の中に入っていた、集英社文庫版で読了。

 初期の作者の代表作のひとつ、くらいの認識はあったので、どんなかな、と思いながら読んでみる。

 ……なるほど、nukkamさんのおっしゃる種類の不満は、まったくもって同感で苦笑。

 でもその一方で最後まで読んで「ああああ……こういう種類の作品だったのか!」という方向のサプライズは満喫できた。
 もちろんあんまり書けないけれど、これが原体験のひとつになったらしい斎藤警部さんのミステリライフは、ちょっとうらやましいほどで(笑)。
 佐野洋が旧クライムクラブを好きだったとかいう話は、なるほどよくわかる。

 中盤、ちょ~っとだけ、かったるかたったし、後半の切り返しが良くも悪くも唐突すぎる(キーパーソンをもっと早く前面に……とも考えたが、まあそれだと、いろいろ読み手に勘付かれてしまってよくないんだろうな・汗)などの弱点もないではないが、この真相のインパクトは確かに絶大であった。
 まあ現実世界だったら、nukkamさんのご指摘のように「そんなの最後までうまくいかないでしょ」でしょうけどね(笑)。

 佳作の上~秀作。

No.3 5点 nukkam 2020/01/24 22:00
(ネタバレなしです) 1961年発表の本格派推理小説です。タイトルがミステリーらしくないと考えたのか「完全殺人の完全なトリック」と読者の謎解き挑戦意欲をそそるようなサブタイトルが付いていますが、まあこれをあまり真剣には受けとらないほうがよいかと...(笑)。料亭に男女が集まって怪しげな映画を見ながら雰囲気が盛り上がりそうなところで事件が起こって秘密パーティは中断されます。脛に傷持つ面々は事件を自然死に見せかけることで合意し、隠蔽工作は上手くいったかに思えますが彼らの元に脅迫状が舞い込むというプロットです。怪死事件が起こったら殺人かどうか、殺人なら誰が犯人なのかという謎解きがミステリーの王道パターンですが本書についてはそれは完全に後回し、脅迫にどう応じるかと誰が脅迫者なのかが物語の大半を占めているのが特徴です。犯行はかなり無理筋かつご都合主義で、仮に犯行が成立したとしても(一応成立するのですが)後から秘密がばれてしまうリスクが常につきまとっているように思えます。

No.2 8点 斎藤警部 2015/07/08 07:08
暗闇の中、卑猥な映像が映し出されて始まる、男女入り乱れた怪しいパーティー。。その中で一人の女性が殺害されるが、参加者の中に政治家がいた事もあり、事を小さく収めるため病死という扱いに。ところがその「インチキ」を脅迫する者が現れた。。
若い時節に読み、その結末に うぁっ! となった忘れ得ぬ作品です。

No.1 5点 kanamori 2010/05/23 21:12
小料理屋の一室で開かれた秘密パーティでの毒殺事件を扱った初期の長編ミステリ。
もみ消しを図る出席者たちに脅迫状が送られてきて・・・というプロットで、いつもながらスラスラ読めます。ある仕掛けによるどんでん返しを狙っていますが、現在どれだけの読者が騙されるか疑問です。


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佐野洋
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終の希み
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秘密パーティ
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1960年01月
ひとり芝居
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脳波の誘い
平均:5.00 / 書評数:1
1959年01月
第4の関係
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高すぎた代償
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一本の鉛
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