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[ 本格 ]
猿来たりなば
トビー&ジョージ
エリザベス・フェラーズ 出版月: 1998年09月 平均: 6.40点 書評数: 10件

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東京創元社
1998年09月

No.10 7点 メルカトル 2026/07/25 22:49
イギリス南部ののどかな自然に囲まれた村、イースト・リート。トビーとジョージは、このロンドンから遠く離れた片田舎に誘拐事件を解決するためにはるばるやってきたのだが、そこでふたりを待ち受けていたのは前代未聞の珍事件、なんと、チンパンジーの誘拐殺害事件だった! イギリス・ミステリ界で半世紀にわたって活躍してきた重鎮エリザベス・フェラーズの傑作本格ミステリ。
Amazon内容紹介より。

翻訳物の本格ミステリは久々に読む気がします。期待はしていなかったのですが、予想以上に面白かったです。チンパンジーが誘拐、殺害?されるとなるとやはり気になるのは動機ですね。結論、それは見事にクリアされています。十分納得出来る動機でした。

本作は探偵役のトビーの一人称で語られますが、ホームズとワトソン(ジョージ)が逆転する構図も成程と思いました。しかし、トビーも伊達に探偵役をしている訳ではありません。真相を披露するのも彼ですしね。
チンパンジーの死体が発見されるまではすんなり読めました。そこからの展開は捜査をしているのかしていないのかがハッキリとしない為、いまひとつ入り込めない部分もありましたが、解決編で少なくないカタルシスが得られました。無駄の無い推理、アッと驚く展開にも注目したいところです。

No.9 7点 カプチーノ 2025/07/19 22:09
謎の核はそれほど突出したものではないが、それを悟らせない設定と伏線の張り方が見事だった。

No.8 6点 弾十六 2025/04/09 06:10
1942年出版。トビー&ジョージ第4作。
このコンビのシリーズを読んでると、だいたい先行きが想像出来ちゃうのが欠点。
冒頭は「ほほう」と唸る出来だけれど、もっと田舎ってどんよりしてるのでは?と思った。
キャラは全員ヘンテコで、まあメリハリという意味では良いのだが、ドラマという点ではなんだわざとらしいかなあ、と感じてしまった。
トビーの一人称もあんまり効果はなかった気がする。目先を変えただけ?

No.7 4点 蟷螂の斧 2017/06/02 11:14
謎としては短編向きか?。よって長編としてのプロットに問題があるのかも?。つまり、それほど魅力的ではない謎で終盤まで引っ張っていくので、どうしても退屈な展開となってしまう。謎もだいたいの予想がついてしまう。よって、中盤辺りで謎を明らかにし、そこからもう一つの物語(真相)を構築した方が二度楽しめる小説になったような気がします。

No.6 7点 nukkam 2016/09/25 01:42
(ネタバレなしです) 1942年に発表されたトビー・ダイク&ジョージシリーズの第4作となる本書は、トビーの1人称形式で物語が進むのが特色の一つです。これまでフェラーズ作品を読んでいて感じたことは、謎解きの場面で大胆な仕掛けが明らかになることが多くてこれには大変満足しているのですが、一方で前半から中盤にかけての謎作りという点では地味過ぎに感じてしまうことが多かったです。しかし本書は謎の提示も謎解きもどちらも魅力的です。誘拐を扱った本格派推理小説自体さほど多くありませんがその被害者が猿だったなんてのは前代未聞です。しかも猿事件が決して奇を衒っただけのアイデアでないところが素晴らしいです。

No.5 7点 文生 2015/03/05 21:06
トリックそのものは極めてオーソドックなものですが、殺されたのが猿であるという事実が読者を上手くミスリードさせることに成功しています。
発想の勝利というべき佳作です。

No.4 7点 ボナンザ 2014/09/12 13:35
見事に決まった感のある名作。
ユーモラスな作風と侮ると最後で持って行かれる。

No.3 5点 2012/02/02 15:50
殺猿事件の真相と動機にはなるほどと納得しました。このアイデアはなかなかのものです。
でも、察しのいい読者ならなんとなく想像がつくように思います。そもそも猿が殺されるという不自然さはどうしようもありません。それに、警察ならすぐに解決できるではずですしね。たしかに警察の出番を少なくしたところは上手いといえるのかもしれません。作者の隠し方も問題です。トビー&ジョージは事件の状況を把握していたのだから、もっと早く解決できていたのではとも思います。

『自殺の殺人』でも感じたことですが、中盤にメリハリが感じられないのはこのシリーズの特徴なのでしょうか。読者が物語に嵌まり込むことなく、冷静に推理できるのはメリットでもあるのですが…。かならずしもストーリー・テラーである必要はないとは思いますが、もうちょっとなんとかなりそうな気もします。
それに、トビー&ジョージという凡人型コンビ探偵のスタイルも、天才型探偵に慣れ親しんだ読者にとっては物足りないですね。いっそのことお笑い中心のユーモア本格にしてしまえばよかったのにと思います。

褒める点もおおいにありますが、基本的にこの作家には、あまり合わないのかもしれません。3作目にして気がつきました。でももうちょっと読むつもりです(笑)。

No.2 7点 isurrender 2011/05/05 14:18
面白い、いろんな意味で
伏線の張り方も上手いし
良い作品でした

No.1 7点 kanamori 2010/04/19 18:37
犯罪ジャーナリストのトビー&ジョージ・シリーズ第4作。
ホームズ&ワトソン風の探偵コンビのシステムに軽い遊びを入れていて、本書がシリーズの邦訳1作目ということで、それが効果を上げているかもしれません。
今回はトビーの一人称記述になっていて、読者は彼の思考を辿りながら猿の誘拐殺害事件を推理していく訳で、ミスディレクションの方策としてはどうかなあと思いながらも、巧妙なことは否定できません。
ユーモア風味ではありながら、殺猿事件の動機など意表を突くものがあり、本格ミステリとして充分合格点の出来だと思います。


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