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ミステリの祭典

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平均点:6.23点 書評数:286件

プロフィール| 書評

No.186 7点 The Talleyrand Maxim
J・S・フレッチャー
(2020/01/23 00:45登録)
1920年出版、全28章
<冒頭のあらすじ>
とある弁護士事務所。ボスのEldrickは既に帰宅して若手弁護士のPrattが一人残っていた。そこに突然、81歳の古本屋が息を切らしてやってきた。
「2年前、遺言を残さず、自社工場の煙突落下によって亡くなった資産家を覚えているだろう。当時、町はその話題で持ちっきりだったからね。さっき彼の相続人に売ってもらった故人の本を調べていたら、中から見つかったんだよ、遺言状が。しかも、作成日時がなんとあの事故の起こった日。とりあえずボスに連絡してくれ。」
PrattはEldrickに電話をかけるが連絡が取れない。諦めて部屋に戻ると・・・・なんと古本屋は突然死(これは自然死)していた。Prattは彼のポケットから遺言状を取り出す。

<少しだけネタバレあり>
今まで読んだこの作家の作品はサスペンスに投票したのですが、これはスリラーでしょう。上のあらすじの後、Prattは遺言書を元に相続人をゆすりにかかります。その後は、重要人物だけでも10人ほどが登場し、視点が刻々と切り替わるので全く飽きません。特に最後の数章は、まさにページをめくる手が止まらない感じでした。
この作家の悪い癖、終結の説明不足感もありません。読後感は爽やかすぎるレベルで良いです。
1つ文句を言うと、遺言書の複製が見つかったタイミングが都合よすぎ。あと、煙突落下事故の裏にもう一ネタあったらもっと良かったのにとは思います。


No.185 7点 探偵さえいなければ
東川篤哉
(2020/01/17 05:39登録)
①『倉持和哉の二つのアリバイ』
倒叙物。ギャグ全開だがストーリーに大きく関わってくるのは良い。
②『ゆるキャラはなぜ殺される』
ゆるキャラが全員語尾にキャラ名を付けてしゃべるのは、ちょっとくどいのではあるマイカ。
③『博士とロボットの不在証明』
倒叙物。最後は笑った。
④『とある密室の始まりと終わり』
絵を想像するとなんだか色々とすごい。かなりグロい。
⑤『被害者によく似た男』
倒叙物。うまくいったと思ったら意外な結末だった。

この本に関しては、トリックを考えていた時間よりギャグを考えていた時間の方が絶対に長いと思う。にもかかわらず全体的に安定している。傑作はないが全て6~7点という感じ。


No.184 4点 理由あって冬に出る
似鳥鶏
(2020/01/15 02:52登録)
よくある学園ミステリ。トリックもまあ想定内。
会話文はライトだが、地の文が妙に重くて癖があるのでリズムが悪く感じた。大したこと書いてないのに文章がまどろっこしいとでもいうか。あとがきは更にその特徴が顕著だ。


No.183 4点 アリバイ崩し承ります
大山誠一郎
(2020/01/13 06:06登録)
まず、主役の時計屋の娘に魅力が感じられない。ビブリア風の設定なんて通常の推理小説以上に登場人物に魅力が求められるだろうに。決まり文句もなんだか寒い。似たようなセリフどこかで見たな・・・。
謎を解くスピードが速すぎるのも人間味を感じられない一因だろう。まるでコンピューターのようにアリバイを解いてしまうから。いいトリックでも、こんなに簡単に解いてしまうと大したことがないように思えてしまう。6話などなかなか良かったのに。

<以下少しネタバレあり>
細かいことで1点だけ言うと、第1話、司法解剖で3時間のズレが見抜けなかったのか不思議。次の話以降は死亡推定時刻が大体1時間に限定されているから余計そう感じた。


No.182 5点 名探偵の証明
市川哲也
(2020/01/08 06:28登録)
高校時代の蜜柑花子の活躍を描いたシリーズ2冊を先に読んでしまったが、この作品が市川氏のデビュー作とのこと。鮎川哲也賞受賞作。
偶然上の順番で読んだが、時系列的には正しいわけだし、むしろこちらの順番で読んで良かった気がする。

さて本作は、高校時代から名探偵の誉れ高い蜜柑花子と往年の名探偵屋敷啓次郎の対決、かと思いきや、蜜柑が屋敷の大ファンであり協力のような形で話が進んでいく。事件そのものとトリックはそれほど目新しい物でもない。事件4割、名探偵談義6割という感じで、名探偵の悲哀の方がメインテーマに感じられた。
異色作で、その辺が鮎川賞審査員の心を捕らえたのだろうが、正直読んでいる分には今一つ良さがよくわからなかった。ただ、続編は読んでみたいという気にはなった。


No.181 7点 冷たい太陽
鯨統一郎
(2020/01/02 05:35登録)
仕掛けは非常に面白いと思います。
ただ、この作品、ライトノベル並みに軽く読めるのに、推理の根拠になった事柄は異様に細かいことばかり。多くの方は1時間半くらいで読み飛ばして、そんな細かい所まで気にしていなかったのではないでしょうか。
アンフェアではないんですが、なんだか予想していた解決と全く違ったので、あっけにとられたとでもいいましょうか。

この本は、推理懸賞クイズとしては満点の作品だと思います。
まだ読んでいない方は犯人当てクイズのつもりで、メモを取りつつ、一字一句に気を配りながら読み進めるのをお勧めします。


No.180 8点 葉桜の季節に君を想うということ
歌野晶午
(2019/12/31 04:15登録)
<ネタバレあり>



冒頭、主人公は50代かな、と考えながら読んでいました。P20で7歳年下の高校3年の後輩がいると判明しましたが、どう考えても25歳だとは思えないので、後輩は定年退職後高校に通っていて60代後半、主人公は75歳くらいと想定して読み進めました。
通常こういう仕掛けが分かってしまうと、それ以後はひたすらつまらないんですが、この作品は他にも仕掛けがたくさんあり最後まで問題なく楽しめました。いや、むしろわかっていたからこそ楽しめたことも多かったような気もします。
過去の事件の謎解きは本当に良かった。あの部分だけでも1作分の価値があると感じました。


No.179 5点 ぺてん師と空気男と美少年
西尾維新
(2019/12/28 08:23登録)
シリーズ2作目。何もなさそうな所に予想外のネタをぶっこんでくるのが楽しい。


No.178 3点 楽園事件(ライチェスタ事件)
J・S・フレッチャー
(2019/12/26 07:17登録)
1921年出版。全27章。原題のThe Paradise Mysteryで登録しようと思っていたが、出版年を調べていたら戦前に翻訳されていることが判明。そしてなんと今年復刻されたとのこと。併録の『ダイヤモンド』は未読なので『楽園事件』のみの評価。
ライチェスタというのはこの事件の起こった地名である。原題のParadiseは、大聖堂に隣接する囲い地(enclosure)の名前。
 
冒頭2章を読む限り医師のRansfordが主人公だと思っていたら、一転嫌われ者のBryceが主人公のような感じで話が進むのは少し意外だった。25章までは今まで読んだ数作と同じ感じでワンパターンだなと思ってたら、最後2章でかなり思い切ったことをしてくれた。
相変わらず謎の完全解明はされない。更に非常に重要な事柄で、どう考えても作者のミスだと思われる点があって許容できないのでマイナス2点。いややっぱりマイナス3点。


追記(ネタバレあり)

26章にて、
「主犯のAという人物は、実はあなたもよく知っているBなんです!」
→私「えー!ビックリ!」
「共犯者のCという人物は実はDなんですよ!」「え、あのE(職業)のDですか!」
→私「ポカーン・・・誰それ?」

登場人物をメモしながら読んでいたのにDという人物に全く心当たりがない。Eという職業の人物が出てきたのも覚えていない(Eという単語を調べたら、some of the E's という表記はあった。が、特定の一人が問題になったことは多分なかったはずである)。とりあえずそれは保留して、以下が大問題。

Dという固有名詞を探していたら、20章で見つかった。
The office is in 'D'—secretary's name outside—Mr. Stebbing.
もう一ケ所。
He went leisurely out and across the market square and into the narrow, old-world street called 'D', along which・・・・・
そう、Dは人の名前じゃなくて通りの名前だったんです。結局どういうことなのだろう?
全く言及のなかったsome of the E'sの中の一人が共犯者で、彼の名前が、たまたま存在する通りの名前と同じDだったのか、あるいはD通りに事務所があるMr. Stebbingこそ共犯者で、彼の名前を通りの名前と取り違えたか。
読み返せば何かわかるかもしれないが、それはご勘弁を。


No.177 9点 ある閉ざされた雪の山荘で
東野圭吾
(2019/12/22 23:55登録)
緩そうな雰囲気と著者のことばに騙された。ものすごく凝っている作品じゃないか。最後どう転ぶのか全く分からなかった。可能性がいくらでもありそうで、あれこれ想像しながら楽しく読んだ。
『仮面山荘殺人事件』も良かったが、こちらの方が複雑で更に読みがいがあった。あちらに8点付けていたので本作は9点で。これが、読者1万人が選んだ東野作品人気ランキング51位というのには驚き。


No.176 3点 ノッキンオン・ロックドドア
青崎有吾
(2019/12/22 01:03登録)
若手の中ではかなり期待されている作家さんということで気になって読んでみました。

<ネタバレ大量にあります>


①『ノッキンオン・ロックドドア』
よく考えられた作品だと感じたが、少し考えると無理があると思った。長さが3センチ違うのはうまく隠せたが、高さが3センチ違うのはまず気付く。最後だけ3センチ高くなってる階段を実際に作ってみたらいい。おそらく多くの人がつまづくと思う。最悪じゅうたんがめくれて細工がばれる。
②『髪の短くなった死体』
この作品は前作以上に突っ込みどころが多い。特に『科捜研の女』のファンから大量に突っ込みが入りそうだ。「指紋消えないだろ!」「化粧の成分残るだろ!」「変装とか顔認証でバレるだろ!」等々。服を脱がせる順番を説明していたが、あれもあくまでそういう傾向があるというだけでしょう。
あと、50センチ切断してまだうなじまである髪の毛っていくらなんでも長すぎないですかね。
③『ダイヤルWを廻せ!』
これができる金庫って実際ほとんど存在しないだろうなあ。足があるのは問題外だし、メーカー名が書いてあるのもダメだし、ダイヤル周りも極力シンプルでないといけないし。
④『チープ・トリック』
狙撃者の執念と腕がマンガにしか思えない。電気が切れるのをずっと待ち続けて見事に仕留めたとか。
⑤『いわゆる一つの雪密室』
2作目と同じで指紋の件が引っかかった。
⑥『十円玉が少なすぎる』
全く良いと思わなかった。作者の用意した結論に向かって作者の知識内で推測を続けて行ってるだけに感じた。
⑦『限りなく確実な毒殺』
これも色々と都合が良すぎるように思えた。30分後に溶けるカプセルならまだわかるけど。


全作けなしてしまった・・・。キャラとか設定とかは嫌いじゃないんだけどなあ。特に表題作は指摘した点を除けば好みだ。学園物の長編はおおむね評判がいいようなので今度読んでみようと思う。


No.175 5点 花の棺
山村美紗
(2019/12/22 00:55登録)
二重密室のトリック、外側(足跡が残らなかった理由)はつまらなかったが、内側の茶室の方は確かに驚いた。これは会心のトリックであろう。
ただそれ以外は特に印象に残った事柄もなく、茶室トリックにステータスを全振りした作品に感じた。キャンピングカーのトリックなど、ゲームの簡単なギミックレベルなのに、なぜあんなに解決に苦労しているのか不思議だった。
本作が代表作と言われると、100冊以上作品を残していて現在書評が17作しかないのも頷ける。


No.174 4点 特急さくら殺人事件
西村京太郎
(2019/12/19 02:09登録)
ストーリーはごく一般的な2時間ドラマという感じ。メイントリックでない方のアリバイトリックはなかなか良く出来ていると思う。
ただ、一番の見どころと思われた死体消失トリックが、鉄道マニアしかわからない部類の解決だったのが残念。この種のトリックをどこまで許容できるかは人によるだろうから、評価する人もいるだろうけど。


No.173 8点 魔球
東野圭吾
(2019/12/18 01:12登録)
東野氏の本は11作目の書評ですが、今回はスポーツものですか。本当に何でも書ける守備範囲の広い方ですね。両翼定位置のフライまで取ってしまうセンターフィールダーみたいです。
内容も超初期の作品とは思えない充実ぶりです。話を置く順番が何だか変わっていて、あっちへ行ったりこっちへ行ったりしている感じはしましたが、逆に新鮮だったかもしれません。
犯人および謎解きも、剛速球投手がいきなりナックルボールを投げてきたかのような意外さでした。何人かの方が指摘されてるように、ダイイングメッセージはなくても良かったように思えます。
ストーリーもいいですね、墓参りのシーンと最後は泣けます。


No.172 6点 四国連絡特急殺人事件
西村京太郎
(2019/12/17 05:26登録)
トラベルミステリとしては長編10作目の初期先品とのこと。
アリバイ崩しはおまけ程度でトリックといえるほどの物でもない。ただ6件の殺人事件の背景は見た目より複雑で、謎解きはなかなか面白い。殊に最後の女性殺人の真相が良い。文章は既に書き散らかしている感がある。


No.171 5点 謎解きはディナーのあとで 3
東川篤哉
(2019/12/14 17:29登録)
①犯人に毒を与えないでください
猫とペットボトルの共通点ですか、なるほど。これがベストだと思います。
②この川で溺れないでください
犯人は、警察がその日の内に家に来ることを想定してあの行動を取ったことになる。そこまでやるだろうか?
③怪盗からの挑戦状でございます
ドタバタしているだけで、それほどでもなかった。
④殺人には自転車をご利用ください
あのアリバイ工作は、事件に関わりがあるということを自白しているようなものだと思うんだけど。
⑤彼女は何を奪われたのでございますか
このネタ2巻にもあったような。
⑥さよならはディナーのあとで
最後の事件にしてはずいぶん地味です。
<おまけ>探偵たちの饗宴
一発ギャグとしてはなかなか。

確かにネタ切れぽいけど、人気シリーズをあっさり終わらせるのはすごいですね。


No.170 4点 In the Mayor's Parlour
J・S・フレッチャー
(2019/12/13 05:45登録)
1922年発表。全25章。
本作の舞台、中世の香りを色濃く残すHathelsboroughは全イングランドで最も保守的で汚職のはびこるborough(バラ)という設定である。John Wallingfordは元々はよそ者だが、前年、市長に当選した(mayorの和訳は市長が一番しっくりくるので、以下市長で統一します)。汚職を何とか一掃しようとしている急進的な改革派だが、守旧派からは当然反発されている。
彼は、毎日夕方になるとMoot Hallという古い建物にやってきて、夜遅くまで部屋(Mayor's Parlour)にこもり何か作業をするのが常だった。事件当日も市長はいつも通りMoot Hallにやってきて、門番のBunningに「いとこのBrentが訪ねて来るはずだが、それ以外は誰も通すな」と言って建物に入る。35分後、Brentがやって来てBunningが部屋に案内すると、そこにはいすに座ったまま動かない市長の姿が・・・。
その後の調べで、背後からレイピアのようなもので刺され即死であったことがわかった。この建物には入り口が3つあるが、どの入り口からも人が入った形跡はない。一応、密室のような状態である。犯人は一体どうやって部屋に入り、出て行ったのだろうか。市長のいとこで、ロンドンのジャーナリストBrentが謎を解く。

<ネタバレあり>

探偵役が被害者の親戚ということを除けば代表作『ミドル・テンプルの殺人』と似たような設定である。
主人公と守旧派ボスの姪とのロマンスなど、半分辺りまでは楽しく読めたが、その後はなんだか退屈なシーンが多く、なかなか読み進む気が起きなかった。連載のために無理やり引き延ばしたような印象を受けた。
密室に関しては、見張りとして機能していた人物が一時的にいなかったというズッコケもののオチである。もっとも、最後に真犯人の供述がないので、実際の犯行については詳述されずに終わってしまう。
前に読んだ2作は、ページ数が足りなくなって最後説明不足に陥ったのだと思っていたが、また同じとなると、これがこの作家のスタイルなのかもしれない。
最後の死因審問は殺人の夜の少し意外な事実が暴露されて面白かったが、それ以外は安っぽい社会派ミステリーという印象。


No.169 5点 美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星
西尾維新
(2019/12/10 06:53登録)
美少年探偵団と言う割にミステリ要素はほとんどなかった。1作目だから顔見世みたいな感じなのだろうか。
あと、イラストがあまり好きじゃない。戯言シリーズの大学生いーちゃんの絵の方が中学生ぽいじゃないか。


No.168 7点 白馬山荘殺人事件
東野圭吾
(2019/12/06 05:45登録)
暗号解読は何だか色々やってたけど、結局縮めただけじゃないか、という気がしないでもない。密室トリックも、図まで付けて説明するほどとは思えない。ただそれ以外の部分、状況設定、雰囲気、ダブルのプロローグ・エピローグ等々、見どころは多かった。
確かに、メイン料理が期待外れなのに、前菜やワインやデザートが驚くほど良くて、妙に記憶に残っているディナーという感じです。


No.167 8点 ゴルフ場殺人事件
アガサ・クリスティー
(2019/12/03 01:46登録)
フランスが舞台だからしょうがないけれど、いつも以上にフランス語が多くて大変だった。今まで読んだものは飛ばして読んでもどうにかなったが、今作は無視すると前後関係がわからなくなることもしばしばあったので、調べざるをえなかった。

あまり評価は高くないが、個人的には今までに読んだ『スタイルズ荘の怪事件』『ABC殺人事件』より好み。推理部分も十分充実していると思うし、それ以外の部分はその2作品より明らかに楽しめた。
ヘイスティングとシンデレラの関係、殊にポワロを押さえつけてしまった辺りは一体どうなるのかとハラハラし通しだった。もう1つの見どころは、ポワロとジローの勝負だろう。最初から敵意むき出しのジローに比べて、ポワロは序盤は感情を表には出さず抑えている。しかし、どんどん感情的になってきて「ジローなんて尊大さで膨らんだおもちゃの風船じゃないか。そして、ジローは私をみくびっているが、私エルキュール・ポワロはその大きな風船を突き刺すピンになるよ」という発言に到ったのを見て、ついに吹き出してしまった。できれば最後の方でもう1回ジローに登場してほしかった。

この作品、どうやら版が2つあるみたいで、最新のペーパーバックよりグーテンベルクで無料で読める物の方が内容が多いようだ。アマゾンの英語レビューで、このペーパーバックは私の持ってる版より1割くらい短い、部分的に1文省略されていたり、場所によってはパラグラフごと抜けている、というようなことを何人かの方が指摘していた。
立ち読みできる1章だけ比べてみたが、実際所々抜けている。和訳版もスマホで2種類立ち読みしてみたが、両方ともやはり省略があった。例えば1章、シンデレラが「私にはイタリアの血が入っている」という記述はどちらにもなかった。また、2章では手紙の前で「どうせまた子犬のことでしょ」とポワロが発言しているが、その少し前で「最近はとことんつまらない依頼ばっかりだ、おしゃれな女性の依頼で子犬探しするはめになった」の所が省略されていたから、なぜ「また」なのか不思議に思うだろう。(何か所か和訳しましたが正確さには自信がないです)

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