楽園事件(ライチェスタ事件) |
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作家 | J・S・フレッチャー |
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出版日 | 2019年04月 |
平均点 | 3.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 3点 | mediocrity | |
(2019/12/26 07:17登録) 1921年出版。全27章。原題のThe Paradise Mysteryで登録しようと思っていたが、出版年を調べていたら戦前に翻訳されていることが判明。そしてなんと今年復刻されたとのこと。併録の『ダイヤモンド』は未読なので『楽園事件』のみの評価。 ライチェスタというのはこの事件の起こった地名である。原題のParadiseは、大聖堂に隣接する囲い地(enclosure)の名前。 冒頭2章を読む限り医師のRansfordが主人公だと思っていたら、一転嫌われ者のBryceが主人公のような感じで話が進むのは少し意外だった。25章までは今まで読んだ数作と同じ感じでワンパターンだなと思ってたら、最後2章でかなり思い切ったことをしてくれた。 相変わらず謎の完全解明はされない。更に非常に重要な事柄で、どう考えても作者のミスだと思われる点があって許容できないのでマイナス2点。いややっぱりマイナス3点。 追記(ネタバレあり) 26章にて、 「主犯のAという人物は、実はあなたもよく知っているBなんです!」 →私「えー!ビックリ!」 「共犯者のCという人物は実はDなんですよ!」「え、あのE(職業)のDですか!」 →私「ポカーン・・・誰それ?」 登場人物をメモしながら読んでいたのにDという人物に全く心当たりがない。Eという職業の人物が出てきたのも覚えていない(Eという単語を調べたら、some of the E's という表記はあった。が、特定の一人が問題になったことは多分なかったはずである)。とりあえずそれは保留して、以下が大問題。 Dという固有名詞を探していたら、20章で見つかった。 The office is in 'D'—secretary's name outside—Mr. Stebbing. もう一ケ所。 He went leisurely out and across the market square and into the narrow, old-world street called 'D', along which・・・・・ そう、Dは人の名前じゃなくて通りの名前だったんです。結局どういうことなのだろう? 全く言及のなかったsome of the E'sの中の一人が共犯者で、彼の名前が、たまたま存在する通りの名前と同じDだったのか、あるいはD通りに事務所があるMr. Stebbingこそ共犯者で、彼の名前を通りの名前と取り違えたか。 読み返せば何かわかるかもしれないが、それはご勘弁を。 |