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ミステリの祭典

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ミステリ初心者さんの登録情報
平均点:6.20点 書評数:388件

プロフィール| 書評

No.148 6点 眼球堂の殺人~The Book~
周木律
(2019/01/16 18:27登録)
 ネタバレをしています。

 
 非常に奇妙な建造物の中で閉じ込められた男女。連続殺人。非常にわくわくしながら読みました。さらに、ラストには叙述トリックありのどんでん返し、意外な結末があり、満足しました。
 ちなみに、自分は、眼球堂に水を入れて移動すること、盲点の柱的なものだけなんとな~く察しました。他のことは予想できませんでした…;; 
 善知鳥神は造道静香かと思ってたり(笑) 驫木は警戒されるので被害者をコントロールできない→協力者→回収していない善知鳥神の存在…まで予想しましたが、深浦は造道を疑っていたんでしたね…もうすこし考えるべきでした(叙述トリックの難易度が高いため、藍子=神までたどり着くのは、自分ではやはり無理か(笑))
 "神"という名の人物を出すことで、神の視点や、普通のゴッドの意味と混同させている点もうまいと思いました。

 以下、好みではなかった部分
 驫木のはやにえまで、退屈でした。私が、頭パープリンのため、インテリっぽい難しい会話が理解できず、150pぐらいまで苦痛でした;;
 各分野の天才達が集まった設定が、あまり活きてないような。好みの問題かもしれませんが。天才達が己の分野の知識を用いて、驫木のはやにえ問題をそれぞれの視点で推理していく…という展開を期待していました。(まあ、あまり難しい話になると、それはそれで私の頭が追いつきませんが)
 叙述トリックとしては目新しいものではないとはいえ、もうすこし作中作を匂わせ(ヒントなど)ないと、難易度が高いように思えました。

 奇妙な建物でのクローズドサークルはやはりワクワクするもので、作風も本格色が強い。シリーズ化されているとのことなので、次も楽しみです!


No.147 6点 そして名探偵は生まれた
歌野晶午
(2019/01/13 14:45登録)
 ネタバレをしています。
 "館という名の楽園で"は過去に書評した事があり、端折ります。

・そして名探偵が生まれた。
 密室物ですが、それ自体は面白くありませんでした(笑)。話として面白く、アンチミステリ?的なお約束を裏切った展開は、ある意味、麻耶作品みたいでした(あまり知りませんが)。
 影浦のキャラが面白く、殺されてしまったのが残念でした。師匠を継いだ助手が名探偵となる熱い展開だったのですが、やったのが助手なのはさらに残念;;

・生存者、一名
 孤島サバイバルのサスペンス要素のおかげで、一気に読み終えました。話としても面白かったです。
 しかし、"生存者が一人で、男性"であることが、途中で明かされる→しかし、島にはどこにもいない→胎児だった・・・という発想の作品は、他の作者の作品でも使われており、ある点でそのトリックに気づいてしまいました。その使い方は、他作品のほうが良いと思います。
 爆破テロをして罪悪感を感じないようなクズ共が悲惨な目にあうのは、後味が悪くならなくてよいのですが、永友の胎児が死んでしまうことだけ心が痛みますね。

・夏の雪、冬のサンバ
 キノシタがショーグンでないことは、なんとなく察しました(笑) 日本史のことはあまりよく知らない私なのですが、木下といえば藤吉郎ですよね。たしか、将軍になれなかったような気がします。
 百万が"円"でないのも、なんとなく察しました。
 後のことはわかりませんでした! まさか、卵が伏線だったのですね。


No.146 7点 皇帝のかぎ煙草入れ
ジョン・ディクスン・カー
(2019/01/13 13:09登録)
 ネタバレをしています。

 ベンが犯人かと思っていました。今回も見事に外れました(笑) 意外な犯人が楽しめる作品でした。
 書斎のドアと絨毯の様子から、トビイが嘘をついているという博士の推理は見事でした。
 145pの、トビイに対しての博士の言葉は、論理と感情が合わさっていて、カッコイイですね。

 以下、いちゃもん点。
 意外な犯人を演出したいがために、犯人に有利な嘘や証言者、偶然の類が多すぎでした・・・。ネッドの"かぎ煙草が見えた"との発言は、鈍い私も流石におかしいと思いましたが、茶色い手袋の人物が犯人と思ってネッドを犯人候補からはずしてしまいました。
 オルゴールの件がちょっとよくわかりませんでした。ベンジャミンの証言から、かなり長時間鳴ったはずでは? 警察が誤って鳴らしてしまった際の、駆けつけたトビイの様子から、トビイがどの辺にいたかの記載が無かったので、音の大きさがよくわかりませんでした。
 イヴが起きている状態で犯行を行うのはリスキー→トビイは犯人ではないと推理したのですが(実際みられてるし)、結局窃盗はしたのね・・・。殺人よりはバレ辛いかもしれませんが。
 
 ジャンル分けするとしたら、何でしょうかね? ワットダニット・・・?


No.145 6点 扉は閉ざされたまま
石持浅海
(2018/12/30 22:32登録)
ネタバレをしています。

 非常に論理的?ロジカル? 当てはまる言葉がわかりませんが、すごかったです。
 探偵は天才ですね! どんなに些細な情報でも記憶し、その中から推理に役立つ情報を洞察し、犯人にたどり着く。人間に思えませんでしたw ホームズばりですね(よく知りませんが)。
 倒叙形式の推理小説は、犯人が犯したミスを発見できるかが、読者が考える問題だと思います。しかし、私は全く分かりませんでした;; 被害者がド近眼ということを心にとどめておいたんですが…。唯一、動機だけ、なんとな~く察しました。

 難癖をつけるようで申し訳ないのですが、200pぐらいまでドアストッパーがどうのこうののシーンが多くて、やや盛り上がりが遅かった気がします。犯人の犯行は最初のページからあり、考える要素やヒントは出ているのですが、物語的盛り上がりシーンも遅い気がしました。
 探偵による犯人特定シーンは、非常に論理的で面白いのですが、帰納的な気がします。だからこそ、あの結末なんでしょうが。特に、安東を犯人から外すシーンは、動機が元になっているような?
 碓氷優佳のキャラクターは、推理小説によく出そうな見た目と性格(?)で、嫌いでしたw

 私は、最後、犯人が自殺すると予想したんですが、死ななかったですね。その意味での、探偵の「私を抱かなかったことを後悔する」発言だったと感じたんですが。犯人は、どうしても優佳とは付き合えないハズでは?


No.144 6点 館という名の楽園で
歌野晶午
(2018/12/28 19:23登録)
ネタバレをしています。

 150ページ前後ながら、楽しめました。個人的には、推理小説としてでなく、通常の小説としての面白さも感じました。

 メイントリック自体はすぐに思いつきましたが、いかに大広間が円形で模様など方角を混乱させる仕組みであろうと、簡単に騙せるものではないと思ってしまいました。つぎに、大広間が回転するのでは?とか考えましたが、動いたら揺れなどで簡単にわかってしまいますね。

 役の人数を増やし、殺人数も増やし、こてこての密室(作中の昔話にはありましたが)なんかあったら、さらに私好みの館ものだったんですがw


No.143 6点 續・日本殺人事件
山口雅也
(2018/12/28 00:37登録)
ネタバレをしています。

 前作に引き続き、独特な世界観が大好きな作品でした。
 巨人の国のガリヴァーは、リューゾーの人力車がバイクに変形するところがお気に入りですw 
 実在の船は、わたしの頭が悪いのか、あまり理解が出来ませんでした。ただ、非常に面白かったのでアリでした。しかし、あのメタっぽい結末は好きではありません。なんだか寂しい気分になるし、あれのせいでシリーズが終了(この続編はありませんよね?)してしまうぐらいなら、全てサムの妄想でよかったと思います。

 エクボさんも出てこなかったし、前作より大分暗い印象でした。もっとたくさん、カンノンシティーの物語を見たかった・・・残念。


No.142 7点 五つの時計―鮎川哲也短編傑作集〈1〉
鮎川哲也
(2018/12/24 19:52登録)
ネタバレをしています。

 非常に濃厚な短編集でした。すべての感想を書くと、無駄に長くなってしまうので、特に面白いと感じたものだけ書きます。道化師の檻は大好きなのですが、過去に読んだ短編集にも収録されていたので、端折ります。

・五つの時計
 この小説で一番でした。蕎麦屋の問題は、あれこれ悩みましたがわかりませんでした。解決まで読み、あっ そーーか!と言ってしまいました。答えを聞いて、むしろ単純に思えるようなトリックは好みです。

・白い密室
 意外な結末で楽しめました。作中作?によるトリックや、被害者が作る密室など、面白い要素がてんこ盛りでした。犯人にとっての偶然や、多人数の嘘や思惑が絡みまくっていて、真相の推理がほぼ不可能なことが、ややマイナス。

・薔薇荘殺人事件
 第一の殺人が人間違いだったと推理するのは難しいと思いました。また、色覚異常関連は推理小説でやったら出てきますが、あんまり魅力を感じません。
 ロープがあるのにサンダルを使わざるを得ない人物が犯人というのは、納得度がたかったです。ただ、犯人は自分に不利な証拠を隠したり、捜査を撹乱するような行為をしているため、"あえてロープを使わずにサンダルを使った"ことも撹乱として考えても問題は無い気はしますが・・・? 第二の殺人は突発的な感じはしますが、他にチャンスは無かったのでしょうか?
 文句ばっかり書きましたが、かなり楽しめました。

・悪魔はここに
 おとの面を逆さにしたのは被害者→ローマ字論者→OTOを逆から読んでもOTO…回文…? と、馬鹿なことを考えていましたw なぜ、OKAMEが思いつかなかったのか…。
 クローズドサークルで、連続殺人。短編にもかかわらず、かなり盛沢山でした。作中の"私"の、絵馬子さんは天使だから殺人するわけない発言は、ヘイスティングズを思い出しましたw

 私は少々、鉄道トリックや時刻表トリックの類が苦手です。しかし、この作品は満足できました。


No.141 6点 魔術師
ジェフリー・ディーヴァー
(2018/12/24 12:44登録)
ネタバレをしています。

 かなり昔に読んでいた本で、大掃除をしているときに出てきました。どうやら書評をつけていなかったようです。

 推理小説というよりも、テレビドラマのような感じで、とても読みやすかったです。
 犯人の真の狙いも予想外でした。

 はっきりとは覚えていませんが、たしか銃の暴発による死亡を装ったシーンがあったような気がします。ちょっと無理がある気もします。


No.140 5点 ぼくらの時代
栗本薫
(2018/12/13 19:53登録)
 ネタバレをしています。

 自分にとっての栗本薫といえば、グインサーガです。120数巻は読んでいました(関係ない話ですいません)。

 かなり文が読みやすく、すぐに読み終わりました。かなり意外な結末で、予想ができませんでした。

 ただ、共犯者がかなり多く、自殺とその幇助?が結末だったため、そのためトリック的なものはなく(何でもできる)、あまり本格推理小説といった感じではありませんでした。
 事件の中心人物の記述による、重要な部分を伏せて謎に見せるトリック(叙述トリック?)は、他にもたくさんあり、いまさら感があります。
 この小説での一番の魅力は、自殺者たちの理由と、"ぼくら"の狙いだと思います。が、自分にはあまりハマりませんでした…。

 あと、第一の自殺は自分で刺したんですよね? しかも一撃死ですよね? あれって、できるものなのでしょうか? 普通に考えると、あまりにも難易度が高い殺人だったため、"もしや自殺?"と一瞬頭をよぎったものの、"自分で背中をさせるわけがない"と思い、すぐ却下してしまいましたw

 こてこての本格が好きな私としては、密室が一番面白かったです。ただ、それも、犯人の意図しない密室でしたが。


No.139 7点 そして誰もいなくなる
今邑彩
(2018/12/10 17:12登録)
 ネタバレをしています。

 すさまじい量の伏線とミスリードがあり、ページを戻して読み返すのが楽しい力作だと思いました。クリスティー作品顔負けのどんでん返しでした(詳しいわけではありませんが)。
 なんで、孤島でも無いのに、こんなに簡単に殺されまくるんだ、警察は無能か?と思っていた自分はもう騙されていたわけですね!

 どんでん返しに次ぐどんでん返しですが、問題の形式(?)はなく、真相の推理自体は不可能かと思われます。ただ、こだわらなければ、非常に楽しめる作品でした。このへんもクリスティー作品顔負けでした(詳しいわけではありませんが)。
 難癖をつけるようですが、最初の殺人で、演劇をめちゃくちゃにしたいだけなら、死ぬ可能性のある毒は入れないのではと思いました。洗剤をまぜるとか、炭酸コーラとかどうですかね? それでも、飲み込んで続行する可能性はありますが・・・
 皆川は、少女を自分の手では殺さないが、殺しを裏で幇助する? 防げた犯罪をあえて見逃す心情は良くわかりませんでした。


No.138 6点 ジェリーフィッシュは凍らない
市川憂人
(2018/12/07 01:37登録)
 ネタバレをしています。

 また、だまされてしまいましたw
 非常に読みやすかったです。ジェリーフィッシュ内の話、事件を追うマリア達の話、インタールードと、場面や時間や人物や真空気嚢式なんたらかんたらの説明の話が飛びながら少しずつ明かされていきますが、とても理解しやすかったです。
 大掛かりなトリックも面白かったです。最初から2機あったとは思いませんでした・・・。

 いくつかの解決を妄想しました。
 エドワードが、全ての犯行を終えた後、あらかじめ止めてある2機目のジェリーフィッシュか気球かなにかの移動する乗り物がある地点へ、乗っているジェリーフィッシュを動かしたのかと思いました。バラバラ死体はあらかじめつんで置くか、その地点においてあるものを使ったと思いました。
 また、マリアのバカ推理(ジェリーフィッシュの中にジェリーフィッシュ)ではないですが、気球的な、小型の移動手段を仕込んでいるとも妄想しました。
 いずれにしても、一人だけで完遂することが難しい点と、ウィリアムがバラバラ死体(サイモンだった)をエドワードと認識した点がわかりませんでした。


 以下、難癖や好みでは無かった点。

 犯人以外に隠し事をしている人物が多すぎ、また亡命組はレベッカの件とは別に壮大な嘘があります。亡命を示唆する伏線はありますが、ちょっと難易度は高かったと思います。

 ウィリアムがサイモンの死体をエドワードと認識した点は少々苦しいと思います。たしかに、死体を発見したときはパニックになっていたし、ややあいまいに書かれていましたが・・・

 犯人の計画が成功するかは、結構、運がいる・・・かもしれない・・・ 


 全体的に、大トリックを実現するために、それにあわせて少々強引な所もあったと思います。そのへんに目を瞑れば、面白かったです。


No.137 6点 ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!
深水黎一郎
(2018/12/03 03:06登録)
 ネタバレをしています。 ちなみに、最後のトリックの方を買いました。
 犯人は・・・俺だ俺だ俺だーッッ

 この作品の前に読んだ本が読み辛い海外作品だったためか、この作品はとても読みやすく感じました。"読者が犯人"がテーマの作品ですが、それを成立させるためには何が問題か? というのがわかりやすく説明されていて、考えながら読むのが楽しかったです。

 また、作中にでてくる、テレパシー姉妹のイカサマは盲点でした。前に読んだ、乱歩の作品を思い出しました。ぶっちゃはなし、これが一番アッとさせられましたw 歌詞を使うとは・・・すばらしいトリックです(実際のマジックであるんでしょうか?)。


 以下、好みでは無かった部分。
 "犯人"は殺意があってほしい。仮に、この結末で、読者が犯人としても、事故死だと思います。
 作中で解説があった"死体が犯人"の話は、あれも死体犯人というよりは、死体が凶器なのでは?と思ってしまいました。ただ、すごい魅力的な話ですが。

 被害者役は、全力で死を回避する行動をとってほしい。

 読者全てに共通する点は、文字を読むことと、ページをめくることなので、それをしたときに被害者役が死ぬことが"読者が犯人"になりえることは予想しました。
 極端な話、"このページをめくると物語の被害者が死ぬ"という文章があるのと同じな気はします。そんな被害者役を、現実世界にいるような人間で登場させられるか期待しましたが、やはりあまり現実的ではありませんでした。
 読者が犯人のトリックがあるんだ! ではなく、読まれると死ぬ人間の話なんだ!という印象があるのですが、まったく見当違いの意見でしたら申し訳ありませんw 

 やや話が暗い。香坂の性格の暗さがちょっとでていて、切ない感じです。
 

 評価点をつけるのを迷いました。推理小説としてみなければ、なかなか満足な作品でした。逃げの6点・・・。


No.136 6点 ギリシャ棺の秘密
エラリイ・クイーン
(2018/11/30 19:39登録)
 ネタバレをしています。※無駄に長い書評をしてしまったため、大幅に短くしました(笑)。

 後半までは、容疑者一人一人を除外していく行為をを楽しめる最高のフーダニットでした。私は何度も読み返し、容疑者がいなくなってしまう事態になり、困りました(笑)。
 解決編を読んだ時は、悪い意味で衝撃でした(笑)。いや、そりゃこの犯人ならば出来るだろう・・・と思ってしまいました。警察まで犯人に含めると、作中全ての登場人物のアリバイ検証をしなくてはならず、本能で犯人候補からはずしていましたね。ただ、この犯人ただ一人にしか犯行ができなかった点は非常にフェアだと思います。好みの話になってしまいますが、フーダニットにおける意外な犯人やどんでん返しは相性が悪いなぁと再認識しました。

 


No.135 7点 夜よ鼠たちのために
連城三紀彦
(2018/11/21 11:41登録)
 ネタバレをしています。

 どの話も、長編でもおかしくないレベルのどんでん返しやミスリードを含んだ短編集でした。非常に面白かったです。

 ただ、1冊の本としてみた場合、推理小説としての質が似ている話が多かったです。
 また、すこしだけ暗い話が多いですね。これはただの好みの問題ですが。


No.134 5点 死びとの座
鮎川哲也
(2018/11/18 06:37登録)
 ネタバレをしています。

 メイントリックと、プロローグによるミスリード部分がよかったです。

 不要に思える登場人物や、話、場面がコロコロかわる・・・など物語の核心に迫るまでが長く、非常に読みづらかったです。読了まで時間がかかりました。何が謎なのが終盤まではっきり見えず、考えながら読むことができませんでした。

 ちょっと好みではありませんでした。


No.133 6点 99%の誘拐
岡嶋二人
(2018/11/16 00:16登録)
 ネタバレをしています。

 今読んでもまったく古さを感じず、一気に読み終えました。

 今日では、キーボードで打った文字などを合成音声でしゃべらすことは、ゲーム実況動画などでよく目にします。"アスカ"の音声が、私の頭の中では、例の声で再生されました。これを80年代後半?で書いていたとは・・・。(私はパソコンについてド素人のため、もしかしたら全くの別物かもしれませんが)

 生駒慎吾の、ダイヤを回収する手段は天才的で、ハッとさせられました。

 慎吾誘拐事件の動機や意外さにかけていたことは、やや不満でした。あとは、どんでん返し的要素に乏しく、その意味では地味でした。


No.132 7点 朱の絶筆
鮎川哲也
(2018/11/13 01:11登録)
ネタバレを含みます。

 良いトリックでした。暗闇祝言の朱の印のトリックは何度も考え、わかったときは快感でした。また園田を毒殺したトリックもなかなか面白かったです(無目的殺人も起こる可能性がありますが)。本全体として、共犯が無いというところが取っても気に入っています。

○以下、好みでは無い部分。
・第一部が長いわりに、本編とはあまりかかわりが無いように思えた。最初、A~Gの主観に名前が無いため、そこに大きなトリックがある期待した。
・めぐみ殺しが成功するとは思えない。
他にもこのようなトリックを知ってますが、犯行現場と思われる部屋に突入するときは犯人が残っていないか注意して見るもんじゃないですか?
・千恵子殺しは難易度が高い。なんとなく想像は出来たものの、絶対に殺せるものですかね?
・警察が無能すぎる。
いる意味がないレベル・・・ッッ あと、毒がどこについていたかぐらいは言えやw

 フーダニットとしてではなく、アリバイ崩しものとして満足です。


No.131 7点 名探偵はもういない
霧舎巧
(2018/11/07 19:28登録)
ネタバレをしています。

 いろいろな仕掛けと、問題点をわかりやすくしている書き方が好ましい作品でした。いい伏線やミスリードがありつつ、時間をかけて謎を検証するのも楽しめると思います。

 自分は、ある程度は真相に近いものを推理しましたが、福永が殺人(事故に近い?)を犯せたと思えず、完全には推理できませんでした。狂人という言葉が作品で使われていましたが、あるところでは下僕のようで、あるところでは殺人し、あるところでは敬虔なクリスチャンで、やや作者に都合がよいキャラクターだと思いました。

 偽エラリー・クイーンを出すために登場人物紹介をだせなかったのでしょうが、わざわざそれを書いたことで別の何かを期待してしまった感じがありました。偽探偵要素はなかなか面白いですが、登場人物紹介のくだりは不要かもしれません。

 ちょっと点数に困っていますw また変更するかもしれません…


No.130 4点 リアル鬼ごっこ
山田悠介
(2018/11/04 14:38登録)
ネタバレをしています。

 文庫版です。さきほど押入れを整理していたら、この作品が出てきました。映画などで有名?で、聞いたことのあるタイトル名だったのですが、読んだことはありませんでした。数時間で読み終えるほど読みやすかったです。

 だれもが知っている"鬼ごっこ"とサスペンス要素が合わさり、独特な世界観に惹かれました。またテンポが良く、すいすい読めました。

 以下、好みでは無かった部分
・王様があっけなく死ぬ。なぜああなったのかとか、もうちょい知りたかった。
・五百万人を殺すのはさすがに現実的じゃない。死体はどうするのか?
・本筋をあまりかかわらない話が多い。伏線ともミスリードともに薄かったです。どんでん返しがほしかったです。

 じいは、捕まえた佐藤さんを裏で改姓し、王様を欺き、クーデターをする・・・という結末の妄想をしました。じいにはがっかりです。教育役がじいならば、じいが一番の元凶ですね。
 また、王様は佐藤姓であるが名前や年齢(最後に出る)が伏せられていて、ここにトリックがあると期待しました。が、特にそういうことも無い・・・。王が佐藤である必要も無かったと感じます。

 設定がよかったけど、うまく広げた風呂敷をたためなかった印象。出落ち感がつよく、どちらかというと短編に向きだと思いました。


No.129 6点 スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎001
アンソロジー(国内編集者)
(2018/11/04 11:46登録)
 押入れを整理していたら出てきて、書評をしていないことに気づきました。いろいろなタイプの短編があり、枠にとらわれない選出が東野さん的な感じがします(それほど知っているわけではないけど)。
 サボテンの花と双子の家が、特に頭に残っていました。

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