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ミステリの祭典

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回廊亭の殺人
改題『回廊亭殺人事件』

作家 東野圭吾
出版日1991年07月
平均点5.52点
書評数27人

No.27 5点 虫暮部
(2023/07/27 12:13登録)
 主人公の計画の根本、“遺書を奪わねばならない人間とは、心中事件の犯人だ”――このロジックは弱い。心中事件の犯人 “だけ” とは限らない。と言うか実際そうだったわけで、途中で方針変更しても良かったんじゃない?

 心中事件に共犯者がいる、と推測した経緯も根拠が弱く良く判らない。そもそも心中を演出するなら、何故ガラス戸だけでなくドアにも鍵をかけなかったのか。

 回廊亭見取図と照らし合わせると、人の動きにおかしなところがある。回廊には壁と天井があって庭から直接は入れないんだよね?
 主人公がガラス戸から庭に出て川を飛び越える場面。いつの間にか回廊を透過している。
 心中事件の犯人が近道をする場面。現場から直接庭に出て逃げちゃ駄目なの?

 と言った辻褄を合わせてくれれば、プロットとしてはとても面白いんだけどな~。

No.26 4点 じきる
(2020/08/30 15:53登録)
読後感からやられたというよりはがっくり来てしまった。

No.25 6点 ミステリ初心者
(2019/05/04 18:35登録)
ネタバレをしています。

 クローズドサークル風味(?)で、読み易く楽しめました。主人公が過去事件の被害者で復讐者であり、過去事件の犯人探しと現在の発生した事件を追うといった、割と王道系です。資産家の死と遺言、相続問題、隠し子と昔ながらの展開でした。
 トリックも個性があって良かったです。性別を曖昧に書くことや、里中二郎が入れ替わっていた点、偽二郎・殺されていた人物の再登場自体はそれほど珍しくはないですが、主人公の"ジロー"がいわゆる里中二郎・鰺沢弘美でもない、恋人を演じていた鰺沢なところが面白いです(と、私が勝手に思っているだけかもしれないが)。小説上は矛盾していても、主観では矛盾していなくて面白いです(主人公は里中が偽者と気づいていないから、べつに矛盾していないが)。主観と客観でまるで違う事柄でも、感じ方などの差で矛盾でなくなる・・・といった作品が何作かありますね(叙述トリックと相性が良い気がします)。

 以下、好みではなかった点
 主人公が鰺沢と再会したときに、あまりリアクションがないのは不自然。そのため私は、主人公が里中の焼死した死体を見て偽里中の存在に気づいたのかとも思いましたが、その場合は過去事件の真相がバレバレであり、やはり里中鰺沢入れ替わりは知らなかったようですし(だよな・・・?)。
 過去事件、現在事件共に、推理小説としてはいまいち面白みに欠けていた印象でした。動機さがしが主な印象です。ある程度、犯人当てかアリバイトリックの要素があればもっと高得点でした。

No.24 6点 MS1960
(2016/11/16 10:25登録)
≪ネタバレあり≫事件の構図を根底から覆す結末部分はなかなかのもの。復讐の対象が●●ではなく実は正反対?の▲▲であったという事実。▲▲に対する文中の叙述表現の巧みさ(例:「綺麗な人・・」)。但し、冒頭の出火事件の部分は主人公と▲▲との絡みがなく不自然さはぬぐえない。読んでいて状況がイメージできなかったのはマイナスポイント。しかし、総合的にみるとこの点数はあって良いと思う。

No.23 5点 風桜青紫
(2016/01/15 01:35登録)
メイントリックは悪くないとは思うものの見せかたがぎこちなく、小粒な感じが否めない。叙述トリックに関してもやや切れ味がにぶい。くどいような肩透かし感をかかえたまま読み終える。ブスがばあさんに化けるという妙なスリルがあるシュールテイストを楽しむ作品だろう。美人にさりげなくおもらしさせるあたり、東野のなんともチープなスケベぶりがうかがえる。

No.22 8点 ニックネーム
(2016/01/03 23:18登録)
ハサミ男とは逆のパターンですね。かなり驚きました。

No.21 7点 斎藤警部
(2015/08/07 12:54登録)
莫大な遺産相続、偽装心中、火傷の痕、顔面整形、、犯人はきっとこいつだ、真相はアレだな、と早々に目星を付け結末を想像しながらジリジリわくわく読み進めて行くと、、最後に!! 流石の東野圭吾。 
しかし、その結末がそれまでのサスペンスのエネルギーを抱きとめきれなかったのか、若干の「意外な肩透かし」を感じた。

No.20 6点 ボナンザ
(2014/04/08 01:52登録)
トリックの切れ味は鋭い。おそらくこの手の作品はこれが最後では?

No.19 4点 HORNET
(2012/08/13 02:42登録)
 まったくアンフェアではないと感じる。むしろ,トリックとしては確かに意外だったが,「そこに何らかの仕掛けがある」というのはそれまでの描き方で薄々感じていたので意外ではなかった。だから「ミステりー三昧」さんが書かれているように,まさに「あぁそう」と言う感じ。
 面白い,考えられた仕掛けだと思うのでミステりーとしてそれほど不満はないが,ストーリーとして読後感が不快。報われない感じが強く,そういう意味で評価が下がった。

No.18 3点 スパイラルライフ
(2012/02/07 13:33登録)
犯人の隠し方が氏らしくない。
アンフェアと言われても仕様がないかな。

No.17 8点 モグ風
(2011/12/12 13:25登録)
遺産相続で殺人というのはよくあるお話と思いきや、この展開はみたことないです。

No.16 5点
(2011/07/18 01:26登録)
意外な真相、技巧的な叙述。たしかにテクニック的にはすぐれた作品ですが、いくら真相が意外でも、これでは犯人当てとしての面白みはありません。フェアぎりぎりを狙って技巧に走りすぎたかなという印象です。一人称小説なのになぜ、というひっかかる点もあります。ただ、読者を飽きさせない物語性とサスペンスはさすがといわざるを得ません。

No.15 4点 seiryuu
(2010/07/16 21:10登録)
ほかの東野作品と比べるとイマイチに思えました。

No.14 7点 Tetchy
(2010/04/02 22:14登録)
読んでいる最中、どうにか作者の術中に嵌らないことを念頭に読んでいたが、今回もすんなりと騙されてしまった。

叙述トリックはさりげなく物語に溶け込まされているので、最初はそれがトリックだと気付かないほどだった。逆にアンフェアだと思ったくらいだ。しかし読み返してみると、作者の種明しには嘘はなく、実に上手いミスディレクションを仕掛けているのが解る。

しかしそれを加味しても本書は佳作に位置する作品であろう。実業家一族が遺産を巡り、殺人事件を画策するというのはミステリで使い古された設定だ。叙述トリックや犯人の側から描いた倒叙物に犯人探しという趣向を盛り込む、こう書くと非常に贅沢な作品だと思うが、題材から来る俗物性からは免れなかった。

No.13 4点 ミステリー三昧
(2009/07/06 10:58登録)
<光文社文庫>「悲劇の女」をテーマに描いた物語(長編/1991)です。
毎回アグレッシブに多分野に渡って挑戦してくれるのは嬉しいことですが、今回は憶病な東野圭吾氏の顔が浮かびました。結末部分の演出に関してですが、同作家の短篇集で同じプロットの作品を読んだことがありまして、そちらの方がラストの締まりは良かったです。また、この作品ではダイイングメッセージも扱われていますが、それも魅力に欠けていました。短篇でサラッと使う分には良いですが、それだけで犯人を特定するには無理があります。本格色は出てる方ですが、褒めるべき点が見つからなかったです。




(ネタばれです)
ラストは考えもしないサプライズが用意されていました。しかし、驚愕することはなく「だから何?」って感じでした。途中で気付いたわけではないのですが、その人にスポットを当てるのは「逃げ」ですね。そもそも出番少ないし、私的には「空気」な存在でした。

No.12 5点 こう
(2008/06/22 01:05登録)
 正直いくら頑張っても全くの他人の老婆にうまくなりすませるものかどうかは少し疑問ですが、なりすませる、という前提であれば叙述トリックも含めてフェアな作品だと思います。
 ただ個人的に騙されてもやられた、という爽快感は薄いです。またダイイングメッセージは正直不要だと思いますし、個人的には好きではありません。
 本格色は強いのでその点は評価したいです。

No.11 5点 COBRA
(2008/06/13 14:31登録)
衝撃の割にインパクトが弱い本な気がする。

No.10 6点 シーマスター
(2008/01/19 21:08登録)
意外な真相や強烈なエンディングは面白いと思うが、それまではありがちな山荘系ミステリという感じで正直退屈。

この作品は(僭越ながら)主人公がラストまで正体を明かさない形で『ある閉ざされた・・』タイプの視点交代型ストーリーにしたら、最後の驚きが増すだけではなく、〈謎の毛髪、不審な足跡、不可解な絞扼痕〉なども相俟って、全体的にももう少しスリリングな展開になったかもしれない。

No.9 7点 いけお
(2007/10/10 12:44登録)
東野作品という先入観もあり意外なトリック。
設定もそれっぽい感じでそれだけでも十分楽しめた。

No.8 6点 akkta2007
(2007/07/21 20:44登録)
じっくりと落ち着いて読めなかったせいもあるのか・・・・
正直、難しいストーリと初めて感じた。
数々の東野作品を読んできたが、どれもこれも夢中になり先が気になりながら読むのだが、
この作品に限っては、どうだったかな?と前に戻り、
場面、場所、人物を確認することがが何度かあったように思う。
しかし面白いことには変わりなかった!
東野作品では珍しい女性が主人公だからかな?とも思ったりもした。
まだ読んでない東野作品をぜひ読んでみようと思う!

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