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ミステリの祭典

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本格推理③迷宮の殺人者たち
鮎川哲也編

作家 アンソロジー(国内編集者)
出版日1994年04月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 ミステリ初心者
(2019/04/20 12:08登録)
 ネタバレをしています

 ○葵荘事件・・・非常にフェアな作品ですが、少し地味かも。
 ○落ちて死んだ男・・・文章が読みやすくていいですが、謎はバレバレだしいまいち。
 ○狼どもの密室・・・珍しいパターンだし、変わっている凶器が良かったですが、確実に殺せるんでしょうか?
 ○イブ・ステップの殺人・・・犯人の行動が危ういかも。
 ○嵐の後の山荘・・・犯人に殺意が無かったり、偶然が絡んでいますが、これまでに見たことの無いパターンが見られて満足。
 ○嵐の山荘・・・これはいまいちはまりませんでした。
 ○霧の館・・・本格度は低いですが、さすがのクオリティ。詩的な表現がミスリード?だったり、どんでん返しがあったり、満足しました。
 ○密室の矢・・・被害者が犯人に協力するタイプの密室は嫌いです。
 ○欠けたサークル・・・ダイイングメッセージが日本語で、外国人教師が勘違いしたのはすぐわかりましたが、あまり印象には残りませんでした。
 ○酒亭『銀富士』の殺人・・・カニバっている話でグロいはずなのに、コミカル?で読みやすかったです。ただ、作者の言うように、トリック自体は簡単にばれます。
 ○死人に口あり・・・いまいちでした(笑)
 ○マグリットの幻影・・・盲点があるのは知っていましたが、予想できませんでした。が、私がミステリに求めるものとは違いました(笑)
 ○時空館の殺人・・・なかなか面白かったですが、ややありきたりな発想で、すぐにわかりました。あと、他作品のネタバレはやめてほしいです。

No.1 7点 Tetchy
(2010/03/31 21:44登録)
素人の手遊びという印象が読書前にあった。
実際、最初の方は変に凝ったペンネームの人や、無闇に捏ね繰り回した表現を使う文体が散見され、やれやれといった感じだったのだが、後半の数編にはこれは!!と瞠目させられる物もあり、結果的には満足した次第。

しかし、館物、山荘物、密室物が非常に多く、食傷気味である。また40ページ前後の作品にもかかわらず連続殺人が起きたりと贅沢に盛り込みすぎた作品もあり、この辺が逆に素人ぽさを醸し出しているのが皮肉だ。

しかし、現在ミステリ作家として活躍している柄刀氏の短編は、最後に人情のスパイスを仕込むなど、他の作品にないサムシング・エルスがあり、感心した。最も驚いたのは新麻氏の「マグリットの幻影」。何よりも実体験的にトリックを実証する趣向が抜群で、正直度肝を抜かれた。正に「目から鱗」である。

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