home

ミステリの祭典

login
kanamoriさんの登録情報
平均点:5.88点 書評数:2516件

プロフィール| 書評

No.816 6点 ホッグ連続殺人
ウィリアム・L・デアンドリア
(2010/07/21 18:43登録)
この当時の海外本格は低迷していたので、本書は一部で話題になったと思いますが、ミッシング・リンクものを逆手にとったアイデアは面白いものの、結末はどうしても拍子抜けの感を拭えない。


No.815 7点 試行錯誤
アントニイ・バークリー
(2010/07/21 18:30登録)
皮肉なユーモアが全編を覆う、倒叙ミステリとアンチミステリを融合させたバークリーの集大成といえる傑作。(別題は「トライアル&エラー」)
まず、主人公トッドハンター氏の犯罪を後押しする輩の言い分が(笑うところでないが)笑える。また、物証に別の意味を持たせるのは、「毒チョコ」と同じ多重解決ものの理屈といえる。
中盤なかだるみの展開があるが、最後までブラック・ユーモアが効いていて楽しめた。


No.814 7点 黒後家蜘蛛の会1
アイザック・アシモフ
(2010/07/21 17:30登録)
安楽椅子もののバー・ミステリは好みで、提示される謎や推理が薄味でも、その雰囲気で心地よい読書を提供してくれる。
鮎川哲也の「三番館」や北森鴻「香菜里屋」、鯨統一郎「森を抜ける道」(笑)まで、もはやミステリの一つのジャンルでしょう。
本書は、知的エリートのメンバーを差し置いて、給仕のヘンリーが名探偵役というのが痛快で、収録作のなかでは「会心の笑い」が印象に残っています。


No.813 6点 813
モーリス・ルブラン
(2010/07/21 17:30登録)
アルセーヌ・ルパンの長編だと、冒険小説風の「奇岩城」とか「水晶栓」が代表作かもしれませんが、個人的には本書が気に入っています。
ネタバレ気味ですが、これを比較的最近読んで、あるミステリの趣向に騙されてしまいました。ルパンものの定番のトリックなんですが、ルパン=公爵が明白だったので、作者のミスリードにまんまとはまったようです。


No.812 5点 もっとも危険なゲーム
ギャビン・ライアル
(2010/07/21 17:30登録)
「東西ミステリーベスト100」海外編、ギャビン・ライアル2作目の登場は、もっとも危険なゲーム=マンハントを扱った冒険サスペンスです。
普通の狩猟に飽きた大金持ちが、人間を標的にした狩猟ゲームを画策する。死力を尽くした一対一の銃撃戦が読みどころでしょうが、嗜好から外れた作品でした。


No.811 7点 野獣死すべし
ニコラス・ブレイク
(2010/07/21 17:30登録)
私立探偵ナイジェル・ストレンジウェイズが登場するシリーズ第4作ですが、本作はプロットが凝っていて、従来とテイストが違う異色作です。
前半は、息子をひき逃げ事故で亡くした推理作家の手記で語られる復讐サスペンス、一転して後半が本格ミステリ。
現代では、斬新な叙述ネタとはいえないかもしれませんが、心理描写の精緻さと先駆的な試みは評価できると思います。


No.810 8点 ギリシャ棺の秘密
エラリイ・クイーン
(2010/07/21 17:29登録)
パズラーとしての出来はともかく、国名シリーズの中では本書が一番楽しめた。
これまでのロジック重視の作品は、小説として味気ない感じを受けるものもあるが、本書は”名探偵の失敗”を始め、二転三転するプロットがリーダビリティを高めている。
まあ、意外な犯人像のための、無理をしたどんでん返しという感じもありますが。


No.809 7点 ウィチャリー家の女
ロス・マクドナルド
(2010/07/20 21:38登録)
「さむけ」と並んでロス・マクの代表作といわれることも多い作品ですが、個人的にはちょっと落ちるかなという印象。
やはり、よく指摘されるメイン・トリックが力技過ぎる点がひっかかり、それまでの家系の悲劇的メロドラマと相容れない感じがしました。しかし、作者の作品の上位に位置する秀作には違いありません。


No.808 8点 災厄の町
エラリイ・クイーン
(2010/07/20 21:26登録)
国名シリーズなどのロジック重視のパズラーになんとなく小説としての物足りなさを感じていたので、クイーンがライツヴィルを発見したのと同様に、本書で新しいクイーンを発見した気分だった。
初期の作品群に比べればプロットも単調で真相も分かり易いですが、人間の謎に踏み込んだ内容は厚みがあり、読み応え充分でした。


No.807 7点 百万ドルをとり返せ!
ジェフリー・アーチャー
(2010/07/20 21:00登録)
ベストセラーとなったコンゲーム小説の古典が「東西ミステリーベスト100」(旧版)海外編の52位に。
この原題もしゃれていて面白い。"Not a Penny more,Not a penny less"、石油開発の投資詐欺に遇った4人が、首謀者からきっちり百万ドルを取り戻す、そう1ペニーも多くなく、1ペニーも少なくなく。
しかし、作者の実人生のほうが、小説より波乱万丈でスリリングだった気がする(笑)。


No.806 7点 ドーヴァー4/切断
ジョイス・ポーター
(2010/07/20 20:40登録)
史上最低のお下劣男・ドーヴァー警部シリーズの第4弾。
原題は「Dover and Unkindest Cut of All」で、直訳すれば本書のキモがなんとなく分かってしまいますが、これを書いたのが女性作家だから尚更スゴイ。しかし、この動機!!最高のブラック・ユーモアミステリだろう。


No.805 8点 利腕
ディック・フランシス
(2010/07/20 19:07登録)
隻腕の元騎手・シッド・ハレー再登場の本書が「東西ミステリーベスト100」海外編の48位。
基本的に、冒険スリラーなどで、同じ主人公を使用したパートⅡの出来が前作を凌ぐのは難しいと思っていますが、本書は例外に入るでしょう。
屈服と再生、男の不屈の精神というテーマを極めていますし、ミステリ趣向としても読みごたえのある傑作でした。


No.804 7点 喪服のランデヴー
コーネル・ウールリッチ
(2010/07/20 18:27登録)
恋人を死に至らしめた可能性のある人々を標的にした、ある青年の連続復讐ものサスペンスです。
プロットは、冒頭のエピソード(泡坂妻夫「乱れからくり」に匹敵する!)を始め無茶が多いのですが、ウールリッチを理屈で読んではいけません。
青年の短絡的な行動は理解しづらいと思えるが、いつの間にか主人公に感情移入してしまう。抒情的な文章の魔力というべきか。


No.803 8点 毒入りチョコレート事件
アントニイ・バークリー
(2010/07/20 18:27登録)
作者のほとんどのミステリでテーマとしている「アンチ・名探偵」ものでは、「ジャンピング・ジェニイ」と並ぶ傑作だと思います。
本書は、短編「偶然の審判」を下敷きに、犯罪研究会の面々による多重解決をより過剰にし、推理することの曖昧さと名探偵自体をおちょくっています。
本格ミステリに対して斜に構えた作者の姿勢は、独特のものがありますね。


No.802 6点 バスカヴィル家の犬
アーサー・コナン・ドイル
(2010/07/20 18:26登録)
ホームズ譚は長編になると推理の妙味が薄く、怪奇・冒険譚になってしまいますが、長編の中では本書が一番楽しめた気がします。
物語の主舞台になるダートムアの荒涼とした情景描写が印象に残る作品でした。


No.801 7点 時の娘
ジョセフィン・テイ
(2010/07/20 18:26登録)
グラント警部シリーズの第5作は、ベットディテクティブによる歴史ミステリという異色作。
まず、「真理は時の娘」という英国のことわざが掲げられていて興味を惹きます。
薔薇戦争時の英国王室やリチャード3世のエピソードの知識があれば、より楽しめたと思いますが、グラントが肖像画をみた直感と文献のみで既成事実を覆していくプロットは、けっこうスリリングでした。
作者の邦訳作品の中では訳文も一番読みやすい。


No.800 8点 消されかけた男
ブライアン・フリーマントル
(2010/07/20 18:26登録)
「東西ミステリーベスト100」海外編の41位は、エスピオナージュの傑作、チャーリー・マフィンシリーズの第1作。
昨年久々に新作「片腕をなくした男」が出たから、なんと30年以上続いているシリーズだ。一時期出版がとだえ、作者自身が新潮文庫から「消されかけた男」だったが、見事復活したようでなによりです。
本書は、終盤の大どんでん返しで話題になったが、一見さえない男・チャーリーの置かれた立場が、リストラ寸前の中間管理職サラリーマンの共感を呼び、この結末に喝采を送ることになるのは当然でしょうね。


No.799 8点 キドリントンから消えた娘
コリン・デクスター
(2010/07/19 21:06登録)
モース主任警部シリーズの第2作。
2年前の女学生失踪事件に関して、モースの結論が四転五転するところが最大の読みどころで非常にスリリングで面白かった。
ただ、よりプロットを錯綜させているものの、基本的に前作「ウッドストック行最終バス」の焼き直しと思えるのも事実。
本格ミステリといっても、直感型の探偵役のため、ロジカルなパズラーとは一線を画する作風といえます。
なお、原題の”Last Seen Wearing"は、ヒラリー・ウオーの名作と同じですね。


No.798 6点 はなれわざ
クリスチアナ・ブランド
(2010/07/19 20:46登録)
大胆なアリバイ・トリックがタイトルの由来ですが、それほど感心するトリックではなかった。
コックリル警部自身がツアー客全員のアリバイ証言者というところが面白いが、シリーズ愛好者でないと、なかなか進展しないプロットが退屈に感じられると思います。


No.797 6点 あなたに似た人
ロアルド・ダール
(2010/07/19 18:01登録)
”奇妙な味”系の短編ミステリの名手といえばダールでしょうが、作品によって結構出来不出来(というより、好みに合う合わないかもしれないが)の差が大きい作家だと思った。
この作品集では、有名どころの「おとなしい凶器」と「南からきた男」しか印象に残っていない。

2516中の書評を表示しています 1701 - 1720