舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵 舞田ひとみシリーズ/改題『名探偵、初心者ですが 舞田ひとみの推理ノート』 |
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作家 | 歌野晶午 |
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出版日 | 2007年11月 |
平均点 | 5.36点 |
書評数 | 14人 |
No.14 | 6点 | 虫暮部 | |
(2021/05/07 10:26登録) ひとみが推理しているわけじゃなくて刑事が勝手にヒントを読み取るのは赤川次郎“三毛猫ホームズ”方式? 小粒ながら良質な短編を巧みに並べて中粒くらいにはランクアップさせている。子供の描き方の匙加減も上手く、雰囲気の良さで勝ちだ。 『名探偵、初心者ですが 舞田ひとみの推理ノート』として再刊。新作かと思った。こういう改題はやめて欲しいな。 |
No.13 | 6点 | mediocrity | |
(2020/07/18 02:09登録) なぜかスマホのブックストアで無料だったので、数か月前にとりあえずダウンロードしていたもの。短編集の1作目のみ無料とかはよくあるが、これは1冊まるごと無料だった。今でも無料なのかはわからない。 小学生の女の子が探偵として大活躍するのかと思ったが、主人公は警察官の叔父さんだった。叔父さんが、姪との何気ない会話の中から事件解決の糸口を見つける。 短編だが、前の話の登場人物が、少し違った形で後の作品に登場するのが面白い。3作目までは可もなく不可もなくという感じだったが、4作目、なんだこれは・・・。たまげたなぁ。ジュブナイル風味かと思ってたら、えげつないものぶち込んできましたね。 5作目、6作目はまたごくノーマルなお話。 |
No.12 | 5点 | まさむね | |
(2015/12/05 18:05登録) ノベルス版の「著者のことば」で、「本書を一言であらわすなら、『ゆるミス』、『やわらか本格』―まあそんなところです。」とありますが、まさにそんな感じ。人はガンガン死ぬのですが、何故かほのぼのとしています。これは舞田ひとみ(11歳)のキャラによるところ大なのですが、予想に反して探偵役ではないのですねぇ。勝手に女子版コナンかと思っていたのですが…。出番も叔父の歳三氏の方が圧倒的に多いですね。 作者にしては変化級が少なく,ストレート中心のピッチングといった印象ですが,水準級には楽しめたかな。 |
No.11 | 5点 | 名探偵ジャパン | |
(2014/09/10 17:33登録) 何だか誤解を受けそうなタイトルとカバー。 皆さんも想像されたように、こまっしゃくれたガキがアホな警察の鼻をあかして難事件をズバズバ解決。みたいなものかと思ったら全然違った。 ・黒こげおばあさん、殺したのはだあれ? いきなりこの気の抜けたサブタイトルで「むむっ!」と川平慈英みたいな声が出てしまう。が、内容はしごく真っ当なミステリだった。 挨拶代わりの軽いジャブといったところ。 ・金、銀、ダイヤモンド、ザックザク 第一話から繋がる設定に意表を突かれ、またしても「むむっ!」 後味の悪い、救いがない話だった。 序盤の関節技の攻防か。 ・いいおじさん、わるいおじさん どうやら全作、前の事件の設定を引き継いだ形の短編集のようだと気付く。突発的とはいえ、犯人の工作がずさんな気がした。 投げ技などの大技が炸裂しだす。 ・いいおじさん? わるいおじさん? 収録作の中でもっとも捻った作品だと感じた。犯行のきっかけとなった事故は、こういうことをやるのであれば、万が一に供えて何か対策を事前に練っておくのが普通ではないだろうか。片方に急用が入る、急病ということもありうる。(外にいるほうは立場上特に)これもまた救いようのない話。 これは凶器攻撃だ。 ・トカゲは見ていた知っていた 「黒こげ~」に次いでオーソドックスなミステリ。ラストに向けての箸休め的短編。 締めに入る。カウント2.9の連発。 ・そのひとみに映るもの 最後の事件にして主人公のある秘密が明かされる。しかし、それほど感情移入したキャラクターではないため、それを明かされても「ふーん」といったところ。 事件自体も結構捻っている。でも、小二くらいの年齢なら、犯人と思しき人物が手に持っていたものが、あれだと分かるんじゃないかなぁ? フィニッシュホールドで試合終了。いや、不完全燃焼の両者リングアウトか? 中身を読むと主人公はどう見ても刑事のおじさんのほうで、タイトルにある舞田ひとみは、ただヒントを与えるだけ。しかも本人はそうと意識しないまま。 ミステリとしては軽いノリで、子供向けなのかと言われたら、人はガンガン死ぬし、際どい話も含まれており、特に「いいおじさん?~」など、子供に読ませられないのでは? 一般向けドラマ化も無理だろう。 まさかの続編があるようなので、機会があればそちらも読みたい。 |
No.10 | 5点 | E-BANKER | |
(2011/08/12 23:56登録) 母親のいない11歳の少女、舞田ひとみとのちょっとした会話から事件解決の糸口を得る。 主人公はひとみの叔父で刑事の舞田歳三。 ①「黒こげおばあさん、殺したのはだあれ?」=吝嗇家で金貸しの老婆が殺された。当然ながら、容疑者候補は多数にのぼるが・・・真相はひとみの言葉から逆転の発想で生まれる。 ②「金、銀、ダイヤモンド、ザックザク」=①の事件の焼け跡から純金の延べ棒が発見された途端に殺人事件が発生。しかも、被害者・容疑者とも子供! これも真相は逆転の発想から。 ③「いいおじさん、わるいおじさん」=夜中、公園でスケボーに興じる若者に注意をした市会議員が殺された。容疑者は何と、②の事件の関係者。これまた逆転の発想が真相へ導く。 ④「いいおじさん? わるいおじさん?」=③の事件の被害者が今度の事件の関係者に・・・でも、まさかこんなものがあんなことのために使われていたなんて、まさに「わるいおじさん」でしょう。 ⑤「トカゲは見ていた知っていた」=歳三のトンデモない姉が登場。パーティーの席上での毒殺が今回の謎。ちょっと動機が弱い気がしてならない。 ⑥「そのひとみに映るもの」=ひとみの本当の母親とは? というのが今回の裏のテーマ。事件そのものはちょっと無理矢理感があると思うが・・・ 以上6編。 ①~④は前の事件の関係者が、次の事件に絡んでくるという展開で、連作短編らしく最後に大きな仕掛けがあるのかと思いきや、何もなくスルー。 その辺りが一番の不満点。 どれも短編らしく、ちょっとした逆転の発想から真相へというパターンで、それはそれでいいのですが、どれもインパクトには欠けますねぇ・・・ ひとみのキャラも今ひとつ伝わってこなかったなぁ。 (どれがよかったというものはなし。毒のない歌野はやっぱりつまらない!) |
No.9 | 4点 | simo10 | |
(2010/08/18 21:45登録) 6つの作品がちょっとだけリンクして構成された連作短編集です。 私も他の方の書評にあるように、タイトルからして警察もお手上げの難事件を小学生がコナンさながらに鮮やかに解決してしまうものだと思っていましたが、そうではなかったのですね。 ひとみちゃんの何気ない一言や行動がきっかけで叔父刑事が事件解決のヒントを得るというパターンはそれはそれで良いのですが、ヒントから解決までの論理が飛躍しているように思え、どうにも納得いきませんでした。 歌野氏の短編は私の中ではこれまではずれはなかったのですが、今作は期待はずれに終わってしまいました。 |
No.8 | 5点 | メルカトル | |
(2010/08/17 23:35登録) このタイトルはどうなの、と思ってしまう。 おそらく中身を知らずに買った人は、ひとみちゃんがダンスに探偵にと、大活躍する安楽椅子少女探偵物語みたいなのを期待していたのではないだろうか。 しかし、ひとみちゃんは、ダンスも探偵もしません。 ただ、刑事である叔父の歳三にヒントとなる言動をするのみ。 警察小説としてはまずまずだと思うが、感情移入できるほど登場人物に魅力が感じられなかったのは残念である。 |
No.7 | 5点 | kanamori | |
(2010/07/14 18:57登録) 軽く書き流した感じを受ける連作短編集。 著者としては珍しい作風ですが、同趣向のミステリが多数書かれている中、新味に欠けます。 探偵役の少女に突飛なところがないのも、らしくない。 |
No.6 | 6点 | シーマスター | |
(2009/11/14 23:27登録) 歌野らしからぬ軽めのタッチの短編集。 タイトルから「生意気なガキンチョが大人顔負けの推理で難事件の真相をズバズバ言い当てる話」が並んでいるのかと予想していたが、ぜーんぜんそんなことはありません。 ひとみちゃんの些細な言動がヒントになって、その叔父さんの刑事が(もちろん地道な捜査の上)事件を解決していく全うなパズラー集です。 まぁ少々コジツケっぽい推論が多いのはこの手の短編集としては止むを得ないところでしょうが、みなさん言われているとおり、それぞれの話が少しずつ関連しているのはいい感じです。 しかし自分もabc1さんが仰るとおり、11歳の女の子は普通もう少し大人っぽい話し方をするのではないかと思うが・・ |
No.5 | 5点 | abc1 | |
(2009/09/16 06:23登録) 各編が少しずつ関連し、最後に登場人物間の意外な関係が・・・という連作短編集の王道を行っています。ただ「ユルミス」と作者が呼んでいる割には、陰惨な事件が多かったですね。それからひとみちゃん、これで11歳? 今の11歳はもっと大人みたいな話し方しますよ。これじゃせいぜい7歳くらいだ。 |
No.4 | 7点 | 測量ボ-イ | |
(2009/09/02 19:02登録) 全部で6作ある短編集ですが、それぞれの話しが少しずつ関 連しています。 でも順番通りに読まないと謎が解けないという訳ではないの で、ご安心を。 まずは水準作揃いですが、個人的に一番良かったのは「トカ ゲは見ていた知っていた」でした。 |
No.3 | 4点 | 江守森江 | |
(2009/05/26 17:23登録) タイトル込みで、又新趣向を試してきた。 今回ばかりは成功するには難しい設定だったか? 水準レベルは維持しているのだろうが・・・。 |
No.2 | 5点 | VOLKS | |
(2008/12/31 08:51登録) こういった連作短編の場合、登場人物の魅力が1つの鍵になるように感じる。 だが、個人的には残念なことにその登場人物たちに魅力を感じられず、不完全燃焼(笑) また後味の悪い作品が多かった点も、残念。 |
No.1 | 7点 | なの | |
(2008/08/19 16:02登録) うん、面白かったですよ。 事件同士が少しずつリンクしてる辺り、結構凝ってます。 でも後味悪いっつーか、嫌な話が多かったり。 タイトルは微妙に拡大解釈気味。 |