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ミステリの祭典

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まさむねさんの登録情報
平均点:5.88点 書評数:1269件

プロフィール| 書評

No.129 6点 卒業−雪月花殺人ゲーム
東野圭吾
(2011/01/16 15:40登録)
加賀恭一郎の初登場作品。
いやはや,何とも多彩なご学友に囲まれた学生生活だったのですねぇ。
なんだか,加賀サンが可哀相になってきましたよ。

さて,作品としては,WHO,HOW,WHYすべて盛り込むあたり,理論的な説明が可能となっているあたりは,さすがという印象を受けました。
しかし,正直,膝を打って感嘆したり,しんみり考えさせられたり…ってのはなかったですねぇ。よって,採点は辛めに。
この作品に盛り込まれた(盛り込もうとした)要素が,氏のその後の各々の作品で花開いているような気がしますね。
その意味では読む価値は大きいかも。


No.128 5点 夜明けの街で
東野圭吾
(2011/01/12 23:13登録)
 いやぁー,中盤までの展開&巻末ボーナストラック(?)「番外編 新谷君の話」が怖いのなんのって。
 いやはや,下手なホラーなど足元にも及ばないくらい,コワイ。心臓に悪い。
 えっ?謎的なことはどうかって?それは東野氏の作品としては想定の範囲内だったので,正直フツウですよ。(すみません。ミステリとしての印象はそこまで。)
 そんなことより,まぁ,怖いのなんのって…。
【以上,アラフォー男子(妻帯者)の率直な感想】
 ちなみに,主人公(男性)もアラフォー。主人公(女性)は30過ぎ。いやはや,リアリティが…怖いのなんのって…。「新谷君の話」なんて,ビクビクしながら読んだんですから。夏に読むべきだったなぁ。涼しくなれそうだし。
注:冷静な書評になっていないことは自認しております。したがって,何の参考にもなさらず,気持ちだけ察していただけますればコレ幸いです。人によっては,全く怖くない作品だとは思いますが。


No.127 5点 点と線
松本清張
(2011/01/11 22:10登録)
「空白の4分間」を発掘し,活用した点については,当時としては確かに素晴らしいと思う。
ただし,やはり飛行機が普及しまくった現在においては,アリバイトリックの面白さは半減,というか皆減。
(まぁ,携帯電話の普及に伴って,20年ちょっと前の作品ですら現実味が薄れてきてる状況を考えれば,しょうがないのでしょうが…)
あまりにも有名な作品であるし,その後の社会派隆盛の発端となったという意味で「歴史上の記念碑的な作品」ってのが,初読時の私の率直な印象でした。(勿論,楽しんで読ませていただいたのですが。)
今回久しぶりに読んでみましたが,その印象から特段の変化はありませんでしたね。


No.126 7点 殺人方程式
綾辻行人
(2011/01/10 19:58登録)
まさに,教科書的な本格モノ。
トリック&死体切断理由はかなり前の段階で察しがついたが,恥ずかしながら,犯人には驚かされた。
といっても,単に「驚き」のみを追求した作品ではなく,理論的な犯人当てが可能。純粋に楽しめました。
エピローグ読んだ後に,今一度プロローグ読み返したくなる辺りも大好物。
すごく目立つ作品ではないものの,良作だと思います。


No.125 5点 嘘をもうひとつだけ
東野圭吾
(2011/01/09 22:58登録)
加賀恭一郎シリーズの連作短編集。
「これは!」と膝を打つ作品もありませんが,「これは…」と首をかしげたくなる作品もない。
つまりは全作品が水準以上ということで,素晴らしい安定感ですね。
個人的には,「狂った計算」が一番良かったかなぁ…と。

ちなみに,どの短編も「夫婦」ってのがある種キーワードになってますね。
「赤い指」や「新参者」にうまいことつながってますなぁ。


No.124 6点 片眼の猿
道尾秀介
(2011/01/08 16:39登録)
終盤にいくつかの真相が明らかになる訳ですが,いずれも氏の他作品に比べれば小粒ですね。真犯人については,完全に想定内ですし。
でも,優しさには溢れている。決して「やーい騙された」とはならない深さもある。
ハードボイルド調もうまいことハマってると思いますが。
これ以降の氏の作品の指向性を見ると,この作品がひとつの分岐点になったような気がします。


No.123 5点 特急「白鳥」十四時間
西村京太郎
(2011/01/06 23:27登録)
【東北新幹線青森延伸記念(その2)】
 これまた,20数年ぶりにナナメ読み。
 当時は大阪と青森を結ぶ昼間長距離特急だった「白鳥」も,今となっては完全に青函連絡特急の位置づけに。よって,今は14時間も走らない訳ですね。時代を感じますねぇ。
 で,この作品。サスペンスとして読めば,結構悪くないですよ。
 新幹線が函館まで延伸されると,この「白鳥」って名前もどうなることやら。その意味では,ここ数年が読みドキか(笑)?


No.122 5点 終着駅殺人事件
西村京太郎
(2011/01/06 23:23登録)
【東北新幹線青森延伸記念(その1)】
 20数年ぶりにナナメ読み。
 新幹線開業によって,青森の玄関口は「新青森駅」になっちゃうのでしょうか。
 で,この作品。日本推理作家協会賞作品だったんですね。
 ちなみに,アリバイトリックは相当にユルイです。トリックというよりも,何と言うか雰囲気(詳しくは亀井刑事にでも…)を楽しむべき作品かもしれません。
 新幹線開業によって,この“雰囲気”を理解できる方も激減するはず。むしろ今が読みドキか(笑)。


No.121 5点 ミステリー列車が消えた
西村京太郎
(2011/01/06 20:17登録)
 先日,島田氏の「消えた水晶特急」を読んだので,列車消失繋がりで20数年ぶりにこの作品をナナメ読み。
 同じ列車消失モノでも,個人的にはこっちの方が好みですね。
(以下,微妙にネタバレ)
 当時から「現実の管理体制では絶対ムリ」との批判があったと記憶しておりますが,平成23年初頭にして「ああ,もうこの駅はないんだぁ。その意味では絶対ムリになっちゃったんだぁ」ってことに気付き(今頃?),いろんな意味で哀愁を感じることができたことが収穫。


No.120 4点 消える「水晶特急」
島田荘司
(2011/01/06 20:11登録)
 列車消失トリックはバレバレでしたね。巻頭の地図にはちょっと興ざめですね。
 ちなみに,乗っ取り犯が結構かわいそう。最後まで引っ張っておいて,そっちの疑惑がノータッチでは…ねぇ。完全に当て馬(?)じゃないですか。
 女性同士の友情なんかよりも,このことの方が引っかかってしまって…。総合的にこの点数でしょうか。


No.119 5点 なぎなた
倉知淳
(2011/01/03 21:02登録)
「こめぐら」と同時刊行の短編集。
個人的には,こちらの方が出来の良い作品が多いような気がします。
「闇ニ笑フ」は,確かに道尾氏の某短編のネタと被ってますね。そうですか。こっちが先だったのですか・・・


No.118 5点 こめぐら
倉知淳
(2011/01/03 20:17登録)
「なぎなた」と同時刊行の短編集。
同じ短編集でも,こちらは,バカミス度の高い作品が揃ってます。
で,多分バカミスを読みたい気分ではなかったんでしょうねぇ(じゃあ読むなよって自分で突っ込みたくなるけど),ビビッとくる作品はなかったですねぇ。
あっ!あとがきは結構良かったですよ。
悪くはない短編集なんでしょうけどね。


No.117 10点 人形はなぜ殺される
高木彬光
(2010/12/26 10:53登録)
これはすごい。なぜ今の今まで読んでなかったんだろう。
読む動機付けを与えてくれたこのサイトに感謝いたします。

純粋に犯人当てやトリック証しを堪能できました。
タイトルを含め,材料の見せ方が抜群です。
今だったら,もっとヒントを絞って,「驚き」に力点を置く作家もいそうですが,それをやらずに純粋に楽しませてくれます。
いつもは漫然なる読書を続けている自分ですら,この作品は相当念入りに読み進めざるを得ませんでした。
個人的にはめったにないことだけど,トリックや犯人の予想がピタリ賞。ちょっと嬉しい。(その後の類似プロット作品を読んでるからだろうケド…)

でも,第2幕のメイントリック。年代によっては「えっ?」だろうなぁ…。今は物理的に無理だろうしなぁ。
アラフォー世代がギリギリでしょうかねぇ。(私の生まれ育った地方では,小学校くらいまでは,一部のヤツが「それ」だったんですよねぇ。)

ちなみに,近年は年度内ミステリランキングが花盛りですが(ちなみに個人的には大好き),うち何作品が,この作品のように,半世紀を超えて読み継がれる作品となるのだろう。
そう考えても,この作品は素晴らしい!


No.116 7点 暗いところで待ち合わせ
乙一
(2010/12/23 11:56登録)
ミステリとして見れば、ちょっと弱いですね。
「事件の顛末」は序盤で容易に想像できましたし。
しかし、だからと言って途中で読み止めようとは思いませんでした。その点は素晴らしい。
決して仰々しくない、静かな感動を与えてくれますね。
二人を(多分敢えて)淡々と描いたあたりにセンスを感じます。
まぁ、ミステリ性は置いておこうか・・・と単純に納得させられました。
個人的に乙一作品は肌に合わないモノも多いですが、この作品はかなり好印象。


No.115 5点 温かな手
石持浅海
(2010/12/21 22:53登録)
「人間の生命エネルギーを吸収して生きている生命体」のギンちゃんとムーちゃんとそれぞれの同居人が主役の短編ミステリ集。
って紹介されても、なんじゃそりゃって感じですよね。
私も、当初はなんだかな~と眉唾だったんですが、まあ読み始めれば、妙な設定についてそんなには気にならなかったですね。その辺りは作者の力量なのでしょうか。非常に読みやすいですしね。
でも、謎解き自体はイマイチというか、無理くり感が強い。
総合的にこの点数かな。


No.114 6点 地下鉄に乗って
浅田次郎
(2010/12/19 18:27登録)
ミステリかと問われると,弱いんですが…
まぁ,その要素が皆無とも言いがたいので,お許しください。

この作品,「息子」って立場を経験したことがある方にとっては,多少なりともグッとくるのではないかなぁ。
で,「娘」や「妻」って立場を経験したことがある方にとっても,結構グッとくるのではないかなぁ。(共感するか否かは別として。)
そして何より,銀座線に無性に乗りたくなるんじゃないかなぁ。

純粋なミステリではないので,この点数くらいになっちゃいますけど,小説としてはすこぶる良質と思いますね。


No.113 3点 まほろ市の殺人 冬
有栖川有栖
(2010/12/18 09:06登録)
 皆さんの評価が低いことはこのサイトで知っていたのですが,順に読み進めてきた「まほろ市シリーズ」で「冬」のみを未読とする訳にもいかず,思い切って読んでみました。
 確かに,オチは如何なものでしょうかね。ちょっと痛い。「痛快」って意味じゃないですよ。
 でも,このサイトの評価の低さと題名から,個人的には,さらなる「グズオチ」を想像していたので,思ったよりダメージは少なかった(笑)。
 評価の低さは,臣さんのおっしゃるとおり,有栖川氏への期待の大きさの裏返しのような気もします。

で,この「まほろ市シリーズ」の全体評価。
読む価値アリなのは「夏」。
時間に余裕があれば読んでみてもよいのが「秋」。
その他の季節は…うーん…(以下略)


No.112 5点 まほろ市の殺人 秋
麻耶雄嵩
(2010/12/17 22:25登録)
短い中で,うまいこと詰め込みましたよねぇ。
怪盗まで引っ張り出してますしね。
不満もない代わりに,特筆すべき「コレ」って印象もなかったですね。個人的には,こういう“平均感”って嫌いではないですが。


No.111 8点 まほろ市の殺人 夏
我孫子武丸
(2010/12/14 22:50登録)
これは相当に良質の中編。素晴らしい。
もっと長くても…という希望も正直ありますが,これくらいの長さだからこそサクッと騙されたような気がします。(まあ,騙されやすい…というか騙されたい読者ではありますが。)
この長さでの,後半のタタミ掛け具合や切なさの醸し出し具合は,ホントに賞賛に値します。やっぱり,この作者は「この種」の作品で輝くなぁ。
コストパフォーマンスも高いし,どんどん人に薦めたくなる作品ですね。


No.110 4点 まほろ市の殺人 春
倉知淳
(2010/12/13 22:46登録)
いや,サラサラ読めたし,決して楽しめなかった訳ではないのです。最低限のポイントは押さえてますしね。
でもなぁ…相当に微妙なトリックですよねぇ。ちょっと力が抜ける感じですよねぇ…ということで,この点数。

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