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ミステリの祭典

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暗いところで待ち合わせ

作家 乙一
出版日2002年04月
平均点7.26点
書評数38人

No.38 7点 パメル
(2021/11/30 09:04登録)
視力を失くし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るために知らない振りをしようと決める。そして奇妙な同棲生活が始まった。
ミチルの心理描写がとても巧み、特に暗闇に対しての描写。子供の頃は恐怖の対象だったが、視力を失ってからは「毛布のように心地よく」なり、アキヒロが潜むようになってからは「顔見知りといってもいいほどの親しかった暗闇が、わずかに緊張をはらんでいる」に変わっていく。
ミチルもアキヒロも人付き合いは苦手で不器用。そんな二人なので距離はなかなか縮まらない。しかし、少しずつ手探りしながら近づいていく。最初は緊張感をはらんでいた二人の関係が、些細なきっかけで変化していき、お互いの存在を認め合う過程が読ませる。二人のぎこちないやり取りが、どう落ち着くのか想像がつかない不安定な展開、そして心温まる清々しい結末と楽しむことが出来ました。

No.37 6点 take5
(2019/02/22 23:32登録)
叙述の腕は流石の一言。
関係者の変化していく心理描写が
素晴らしいです。
二百数十頁、お風呂で読めてしまいました。
見える人が見えない人を書くのは、
相当取材されているのだと思いますが、
最後にHPが一つ示されているだけでした。
見えていない私達を見えると錯覚させる腕ですね。

No.36 7点 レッドキング
(2018/10/27 10:08登録)
「知る者と知らない者」から「知る者と知る者」へ、「知られていることを知らない者と知られていることを知っている者」から「知られていることを知っている者と知られていることを知っている者」すなわち「知り合っている事を知り合っている者たち」への二人の変化 単なるわたし個人から私たちへ「WHO?」ダニットの「純」文学。

No.35 5点 風桜青紫
(2016/07/13 00:16登録)
なにやら高得点だったので目を通してみた。想像以上に上手い作りになっていて驚いたが、その上手さに釣り合うほど楽しむことはできなかった。というのも、このいかにも若者が書いたようなあまっちょろいテイストが、私にはどうにも辛かったのである。善人臭さただよう盲人ってそれだけで胡散臭さを感じちゃうんだもの。乙一の実力を感じさせる作品ではあったが、氏は暗黒小説のほうがずっと面白いと思った。

No.34 7点 いいちこ
(2016/05/02 10:56登録)
ミステリとして至って弱いのは事実。
ただ、トリッキーな舞台を活かして、抑制の利いた叙述でありながら、主人公2人の心の交流とサスペンスを描き出した筆致に、確かな筆力を伺わせた。
無駄のない硬質なストーリーテリングと高いリーダビリティも加点材料

No.33 7点 ニックネーム
(2015/12/20 17:02登録)
ミステリは期待しないほうがいいです。
感動物です。

No.32 5点 smk
(2013/10/21 20:58登録)
ミステリとしては普通の部類。
テンポなのか会話が無いせいなのか、文章は平易なのになぜか読み難く感じた。
設定もちと強引かな。

No.31 8点
(2013/03/18 21:15登録)
乙一氏の作品を読むのが本作が初めてです。
あまり期待せずに読んだだけに好印象でした。

No.30 7点 蟷螂の斧
(2012/08/20 17:02登録)
甘く切ないファンタジーにミステリーをまぶしたような感じで、読み心地は良かったです。見知らぬ男が潜んでいるなかで、入浴しなければならないシチュエーション(女性心理)がなかったのはちょっと残念でした(笑)。

No.29 7点 スパイラルライフ
(2012/02/07 21:06登録)
ミステリと意識して読むと確実に犯人は分かります。でも、静かな感動があります。
この手の感動作品は乙一だけかも。

リーダビリティも高いので、すぐ読めます。

No.28 8点 itokin
(2011/12/28 12:29登録)
無理のある設定ではあるが先を読ませる力がある。今まで出会った乙一さんの中では一番。最後の感動がもう少し強ければ最高なんだが・・・。

No.27 8点 okutetsu
(2011/08/22 02:45登録)
そもそもミステリだとあまり認識して読んでなかったので
最後の展開には正直驚きました。
とてもハートフルで心に響く作品だったので満足です。

No.26 1点 ムラ
(2011/01/12 02:02登録)
わかってる情報を何度も何度も繰り返し聞かされて読むのが辛かった。
それでも最後まで読んだけど展開も普通だしテンポも悪い。
表紙が一番インパクト合った気がします。

No.25 7点 まさむね
(2010/12/23 11:56登録)
ミステリとして見れば、ちょっと弱いですね。
「事件の顛末」は序盤で容易に想像できましたし。
しかし、だからと言って途中で読み止めようとは思いませんでした。その点は素晴らしい。
決して仰々しくない、静かな感動を与えてくれますね。
二人を(多分敢えて)淡々と描いたあたりにセンスを感じます。
まぁ、ミステリ性は置いておこうか・・・と単純に納得させられました。
個人的に乙一作品は肌に合わないモノも多いですが、この作品はかなり好印象。

No.24 8点 Q-1
(2010/10/17 03:57登録)
登場人物が少なく犯人はもうアイツしかいないじゃないかとミステリーとしてはイマイチですが、
とてもオリジナリティ溢れるストーリーだと思います。

No.23 6点 メルカトル
(2010/07/03 00:01登録)
もっと感動させる事もできるストーリー展開なのに、描写の仕方は意外と平坦である。
個人的にはやや起伏に欠ける、感情を押し殺したような文体が若干残念な気がする。
もう少し盛り上がりが欲しかったし、二人の感情にさらにもう一歩踏み込んでも良かったのではないかと思う。
だが、静かな感動を読者に与える佳作であるのは否定できない。

No.22 6点 touko
(2010/02/15 20:21登録)
ミステリ的要素は希薄ですが、いわゆる「いい話」として破綻なくまとまっている乙一の優等生的作品。

No.21 8点 VOLKS
(2008/04/09 22:29登録)
不必要に高揚せず抑え気味な表現、無駄がないわりに必要部分は丁寧に描かれている文章。読み返す度、スムーズにその登場人物に感情移入が出来る。
「あからさまなハッピーエンド」という終わり方はいかにも小説っぽくて気に入らないのもあるが、「今後はちょっとハッピー?」といったこの作品のような終わり方は、やっぱりいい。

No.20 8点 深夜
(2007/11/25 22:11登録)
ミステリーとしては微妙なのだが、良い話だったな、というのが感想。孤独を抱えた2人に感情移入できたのが読後感をよくした理由だと思う。

No.19 7点 なの
(2007/11/13 20:41登録)
ミステリじゃないですね、これ。
登場人物が少ないし、物凄く偶然に頼ってる話。
でも、作品としてはなかなか楽しめたので7点。

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