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ミステリの祭典

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なぎなた

作家 倉知淳
出版日2010年09月
平均点5.12点
書評数8人

No.8 5点 いいちこ
(2016/03/01 16:41登録)
メタミス的なアプローチを活かした「こめぐら」より本格テイストを増し、嗜好にはフィットしているが、その分だけ小粒感が増し、インパクトでは見劣りするとも言える。
ユーモアあふれる筆致の楽しさとリーダビリティの高さは「こめぐら」と同様。
両作とも最低限の水準にはあるものの、作者の本来の力量から期待する水準には遠く及んでおらず、五十歩百歩の印象

No.7 5点 E-BANKER
(2014/04/18 10:45登録)
【倉知淳ノンシリーズ作品集成第一弾】と題された短篇集。
姉妹篇である「こめぐら」とともに、作者の企みに満ちた作品世界が展開する。

①「運命の銀輪」=倒叙スタイルで書かれた作品。で、探偵役として登場するのが「死神」のようなルックスをした警部。雰囲気はかなり違うが、某福家警部補を想起させるキャラで、是非シリーズ化してもらいたい。本筋もロジックがきれいに嵌っていて爽快。
②「見られていたもの」=ちょっと懲りすぎて分かりにくいのが玉に瑕・・・って印象。最初は仕掛け自体よく分からなかった。巻末の作者あとがきで、本編を「ミステリー入門編」と称しているが、これは入門編に相応しくないだろう。
③「眠り猫、眠れ」=猫丸先輩ではないが、作者の猫好きがよく出ている一編。幼い頃離別した父親が死亡。その際、なぜか神社のしめ縄を体に巻きつけていた、というのが本編の謎。猫=父親ってことなのかな?
④「ナイフの三」=こちらはあとがきで「シリーズ化しそこなった作品」として書かれている。キャラもそうだが、作品自体が相当小粒で切れ味に大いに欠けてるのでどうしようもない。
⑤「猫と死の街」=いなくなった飼い猫を殺してしまったと主張する初老の男性。彼はなぜあっさりと罪を認めたのか・・・というのが本編の謎。まぁこんな解法になるよねぇ・・・。(またまた猫)
⑥「闇ニ笑ウ」=別に「笑ウせぇるすまん」ではないけど・・・。これはまさに“最後の衝撃”が決まった作品。確かに道尾秀介の某短編と被ってるがそれほど気にはならなかった。
⑦「幻の銃弾」=衆人環視のなかで発生した銃殺事件。しかし、死体には銃痕が残っていなかった?? と書くと魅力的なミステリーみたいだけど、それほど凝ったプロットがあるわけではない。

以上7編。
冒頭の紹介どおり、非猫丸先輩シリーズの作品集がコレ。
一番古いのは1996年ということで、実に10年以上も経って作品集に編入された作品もある。
(何しろまだ公衆電話でしか連絡できなかった時代背景ですから・・・)

ただ、やっぱり猫丸先輩シリーズと比べると一枚も二枚も落ちるなぁというのが正直な感想。
短篇らしいワンアイデア勝負の作品が並んでるし、リーダビリティについては申し分ないのだが、如何せんインパクトは弱い。
その中で取り上げるならば、やはり①か⑥ということになるかな。後はそれほどでもない。
(姉妹篇「こめぐら」も一応手に取るんだろうなぁ、やっぱり・・・)

No.6 5点 虫暮部
(2013/12/12 11:29登録)
妙に出来不出来の差が激しい短編集。ねこちやんネタに共感。映画ネタは私に知識がないためさっぱり伝わらず。

No.5 5点 mozart
(2013/01/06 15:02登録)
全編を通してインパクトはそれほどありませんが、気楽にサクッと読み通すことができました。

No.4 5点 HORNET
(2011/09/18 20:55登録)
それぞれに趣向の違った仕掛けがあって、楽しめる。アンソロジーなどでお目にかかった作品もあったが、読んでいるうちに「何か覚えがあるなあ」と思い出した。「ナイフの三」「闇ニ笑フ」がよかった。

No.3 5点 まさむね
(2011/01/03 21:02登録)
「こめぐら」と同時刊行の短編集。
個人的には,こちらの方が出来の良い作品が多いような気がします。
「闇ニ笑フ」は,確かに道尾氏の某短編のネタと被ってますね。そうですか。こっちが先だったのですか・・・

No.2 5点 江守森江
(2010/12/22 19:19登録)
落ち穂拾いな二分冊でも此方の方がレベルが高いとは思うのだが、アンソロジーやら小説誌やらで読んだような気がする作品ばかりで、皮肉にもファンである弊害は拭えない。
思い出し読書は時間を要さないので助かるが、ヤッパリ新作を読みたい欲求が強くなるのでファンには罪作りだと思う。
たいした事ない過去の遺産で食いつなげる作者を別の意味で尊敬している。
まがりなりにも初代の本格ミステリ大賞作家なのだから忘れ去られる心配は無いとタカを括っているのか?!
「仕事しろ!!!倉知淳」とロクに仕事もせず隠居爺みたいな生活をしている私が檄を飛ばそう。

No.1 6点 kanamori
(2010/10/24 17:18登録)
ノン・シリーズの短編集。
アンソロジーで既読の「闇ニ笑フ」が編中の個人的ベスト。道尾の某有名短編とネタが被ってますが、こちらが先。
ほかに、刑事コロンボ第1作へのオマージュだという倒叙ミステリ「運命の銀輪」、完成度の高い非ミステリ「眠り猫、眠れ」、長文の「あとがき」(笑)が印象に残りました。

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