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ミステリの祭典

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まさむねさんの登録情報
平均点:5.89点 書評数:1283件

プロフィール| 書評

No.1043 7点 ぼぎわんが、来る
澤村伊智
(2022/12/03 21:56登録)
 家族に強く勧められて読んでみたのですが、大正解でした。ズバリ面白い。他の方も述べられていますが、まずは章立てが絶妙です。「ぼぎわん」の怖さもさることながら、次第に真相(?)に迫っていく過程が良かった。深みもあります。
 日本ホラー小説大賞受賞作で、選考委員(綾辻行人・宮部みゆき・貴志祐介)全員が絶賛したとのこと。デビュー作でこのレベルは、素晴らしいと思いますね。家族の評によれば、シリーズ続編はさらに良作とのこと。続編も読むことになりそうです。


No.1042 6点 スケルトン・キー
道尾秀介
(2022/11/26 22:00登録)
 サイコパスのお話。作者らしい仕掛けはあるのだけれど、サイコパス多すぎだし、死にすぎだし、ちょっと自分には合わない面も。ラストに少しだけ救われたかな。


No.1041 7点 #真相をお話しします
結城真一郎
(2022/11/26 21:58登録)
 マイベストは、日本推理作家協会賞短編部門を受賞した「#拡散希望」。読後、とある米映画を思い出しましたね。世相を表してもいます。
 次点が「パンドラ」。5つの収録短編中、展開的には最も落ち着いている(地味?)と言えますが、深く考えさせられる作品でした。
 他の3作品「惨者面談」、「ヤリモク」、「三角奸計」は、水準級といったところ。結末が想定しやすい面もあったかな。


No.1040 6点 モップの魔女は呪文を知ってる
近藤史恵
(2022/11/20 22:23登録)
 清掃人探偵・キリコシリーズ第3弾。このシリーズは安心して読めるので、個人的にはスキマ読書としても重宝しています。
 相変わらず読み味がよく、人の弱さと優しさの組み合わせ具合が絶妙です。ベストは「第二病棟の魔女」。中編といってもよい長さの中で、うまく転がされました。切ない話ではあるものの、キリコと少女とのラストの交流は印象に残りそう。


No.1039 7点 記憶の中の誘拐 赤い博物館
大山誠一郎
(2022/11/19 22:57登録)
 未解決事件などの捜査書類を保管する、警視庁付属犯罪資料館(通称「赤い博物館」)を舞台としたシリーズ続編。館長である変わり者キャリア・緋色冴子と、凡ミスから捜査一課を追い出された寺田聡のコンピはそのままです。でも、前作と異なり、今回は緋色が博物館の外にも足を運ぶようになっていて、そのことが作品に奥行きを与えているような気がします。
 どの短編も、謎自体はシンプルで、入り込みやすいもの。短編によっては、ネタの一部が想定しやすそうではあるものの、着地点はそれを完全に超えてきます。短編集としての質は高いのではないでしょうか。第一話「夕暮れの屋上で」と、最終話の表題作が良かった。
 個人的には、「アリバイ崩し承ります」シリーズよりも、このシリーズの方が好み。続編を期待したいところです。


No.1038 5点 名探偵は誰だ
芦辺拓
(2022/11/15 22:10登録)
 「変則フーダニットの見本市」という触れ込みに惹かれたのですが…。うーむ。確かに狙いは分かるし、短編ごとの工夫も伝わってくるのだけれども、短編集全体の面白みに繋がっているのかというと、そうでもない気がします。虫暮部さんと同様、私も一話目の「犯人でないのは誰だ」が、フーダニットとして最もシンプルかつロジカルで最もフィットしましたね。


No.1037 6点 秘境駅のクローズド・サークル
鵜林伸也
(2022/11/13 20:59登録)
 作者の名は、2010年刊行の学園ミステリのアンソロジー「放課後探偵団」への収録短編(ボールがない)で存じ上げておりました。この短編集を手に取ったのは、既読の当該短編が含まれていたこともあるのですが、何より短編集のタイトルに惹かれちゃいました。秘境駅もクローズド・サークルも大好物なものですから。
 いずれの短編も小粒でしたが、皆でわちゃわちゃ推理する過程は楽しかったかな。
①ボールがない:青春ミステリとして佳作。
②夢も死体も湧き出る温泉:犯人の心理としてちょっと無理がないか。
③宇宙倶楽部へようこそ:これも青春ミステリとして好印象。
④ベッドの下でタップダンスを:コメディとして悪くないが、強引すぎないかな。
⑤秘境駅のクローズド・サークル:これも無理がある真相なのだけれど、その筋には有名な駅や実際のダイヤを用いている時点で、個人的には興味深く読ませていただきました。


No.1036 5点 カミサマはそういない
深緑野分
(2022/11/10 22:21登録)
 短編集。「カミサマはそういない」というタイトルどおり、救いようのないダークな短編がほとんど。でもこのタイトルは「カミサマがいないわけではない」とも読めるわけで、最終話の「新しい音楽、海賊ラジオ」だけは爽やかな気持ちになれましたね。


No.1035 7点 風琴密室
村崎友
(2022/11/05 21:18登録)
 ああ、びっくりした。純粋に驚いちゃいました。確かに、よく考えればそうだったのだろうけどもねぇ。過去の密室も印象深かった。ハウのみならず、「なぜ密室となったのか」という点がストーリーに綺麗にフィットしていることに感心しました。ラストのシーンもいいな。
 でも、突っ込みたくなる点も。

(以下、未読の方は注意)
 まず、現在の密室について。密室にする必然性がよくわからない。プールに運んだ点も同様。針金は何だったのかもスルー?(私が読み飛ばしたのかな)
 そして、犯人に関しての驚きはなかったですね。いくらなんでも、あまりにアレ過ぎて不自然でした。読中「で、どうなったのさ」と気になってしょうがなかった。
 とはいえ、久しぶりに印象深い青春ミステリを読ませていただき、感謝です。


No.1034 6点 天井裏の散歩者 幸福荘殺人日記
折原一
(2022/10/31 22:46登録)
 入れ子構造の中、現実と虚構の境目が不確かなまま終盤へ。でも、結末に衝撃的な驚きがあったかと問われると、消極的な返答になりそう。そういった展開で延々読まされましたしね。各短編?は、個々としてはバカバカしさが嫌いじゃないのだけれども、似たものを何遍も読まされると辛い。結末も含めて「しつこさ」を感じた面は、正直ございます。
 とはいえ、「結末を知りたい」と気になったのは事実だし、作者らしさを存分に感じることができたので、楽しめたとは言えるかな。


No.1033 8点 密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック
鴨崎暖炉
(2022/10/28 21:41登録)
 これでもかと密室ハウをぶち込んできたド直球の本格作品。一方で語り口は軽快でコミカル。好き嫌いは分かれると思うのですが、私は支持したいですね。純粋に?トリックを味わう読書は、個人的には久しぶりのような気がします。ドミノ密室が特にお気に入り。密室愛に敬意を表して加点します。


No.1032 6点 動機探偵
喜多喜久
(2022/10/22 23:07登録)
 人工知能を進化させるため、人間の行動の「なぜ」を解き明かそうとする准教授・名村&特任助手・若菜。動機、というか行動の理由を追い求める調査を行っていきます。名村は人間の感情が理解できないというオマケ付き。その設定はなかなかに面白いと思います。
 4つの短編とも、特筆すべき程の驚きの展開はないのですが、読み心地の良さを評価してこの採点とします。


No.1031 7点 その殺人、本格ミステリに仕立てます。
片岡翔
(2022/10/18 19:50登録)
 本格モノとして純粋に面白かったですね。ユーモアタッチも嫌いじゃないです。映画監督や脚本家として活動されている方だけに、ミステリとしての見せ方も達者で、飽きさせません。(でも、館内部の描写がもっと分かり易いとよかったかな。)内容について敢えて多くは書きませんが、個人的には好きなタイプの作品。
 ちなみに、探偵役のキャラクターがなかなかに楽しく(逆に嫌な印象を持たれる方もいらっしゃると思うけど)、続編を期待したいところですが、難しいのかな。


No.1030 6点 モップの精は深夜に現れる
近藤史恵
(2022/10/12 22:59登録)
 前作「天使はモップを持って」は、連作短編として一応完結しているのだけれども、好評だったからなのか、続編が作られた模様。
 前作の語り手は、会社員である梶本大介。社内で出くわした事件を、出入りのビル清掃員キリコに相談し、解決していくというストーリーでしたが、本作で梶本大介が語り手として登場するのは最終話の「きみに会いたいと思うこと」のみ。あざといと言えばあざとい短編なのだけれども、それはそれで悪くなかった。
 で、他の3短編については、語り手が一話ごとに変わります。キリコが清掃員として様々なビルに派遣されているという設定で、それぞれのビルで働く方々が語り手を務めるわけですね。キリコは、探偵役としてはもちろん、それぞれの語り手の悩みや心の疲れまでをも解決する活躍ぶり。作者の別シリーズ(整体師探偵シリーズ)に近寄っているような気もするのですが、読み心地もよいので、こちらのシリーズも読み進めることになりそう。


No.1029 6点 殺人偏差値70
西村京太郎
(2022/10/08 22:51登録)
 ノンシリーズの短編集で、1964年から1982年までに発表された8短編が収録されています。短編集への初収録作品は「高級官僚を死に追いやった手」のみで、他の短編はこれまでの何らかの短編集に収録済みです。清張風の作品が多く、小品揃いとはいえ、味わいはあります。
 マイベストは1作品目の「受験地獄」か。2作品目の「海の沈黙」のテーマは、短編集「歪んだ朝」収録の「蘇える過去」と同じでした。作者として強い問題意識を持っていたのでしょう。


No.1028 6点 入れ子細工の夜
阿津川辰海
(2022/10/04 19:46登録)
 ノンシリーズの短編集。バラエティに富んでいて、読み得ではあるのですが、こねくり回し過ぎでは?と感じる短編もあって、好き嫌いは分かれるかもしれません。
1 危険な賭け
 ハードボイルド調。転換も含めて好きなタイプの作品ではある。ちなみに、副題は「私立探偵・若槻晴海」。作者は若竹七海ファンか。
2 二〇二一年度入試という題の推理小説
 作中作である「煙の殺人」は、大学入試問題として書かれた犯人当て小説という設定。その扱いが秀逸で面白い。
3 入れ子細工の夜
 うーむ。考えられているのだろうけど、だから面白くなっているのかといえば、そうでもないような気が。
4 六人の激昻するマスクマン
 学生プロレスを題材にした作品。コミカルで嫌いではないけれども、飛距離は短め。


No.1027 5点 時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2
大山誠一郎
(2022/09/28 21:52登録)
 テレビドラマ化された「アリバイ崩し承ります」の続編。死亡推定時刻が都合よすぎるだろうとか、こねくり回しすぎではとか、なぜ犯人はそこまでするのかとか、突っ込みたくなる部分はあるものの、その辺りを割り切って、アリバイクイズものといった感覚で読めば、楽しめると思います。サクサク読めるのもいい。


No.1026 6点 出版禁止
長江俊和
(2022/09/25 21:15登録)
 グイグイ読まされました。一方で、何かスッキリしない印象もあったかな。根本となる設定の一部に釈然としない所があるのですよねえ。敢えて多くは書かないですけど、私だけなのかなあ?それとも私の読み方が足りなかっただけなのかな。


No.1025 5点 隠花の飾り
松本清張
(2022/09/24 21:06登録)
 昭和53年から54年にかけて、小説新潮に連載された11作品を収録した短編集。晩年期の作品集ですね。
 テーマは女性と愛。私のセンスの問題もあろうかと思うのですが、平凡と評さざるを得ない短編も正直ありました。一方、いかにも清張といった短編もあって、そういう観点では読みごたえがあると言えるのかも。一定の齢を重ねて読むのがいいような気がしますね。


No.1024 6点 ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~
三上延
(2022/09/20 23:36登録)
 扉子シリーズも3作目。「扉子と虚ろな夢」との副タイトルも付されているのだけれども、メインは扉子の後輩に当たる「樋口恭一郎」か。いや、扉子の母・栞子なのか。否、祖母の智恵子が正解かもしれない。
 その点は別としても、まぁ綺麗に纏めていますね。その纏め具合(綺麗さ加減)の好き嫌いはありそうだけれども。次作への繋ぎ(と思われる)も織り込んでいたので、シリーズ読者としては、次作も期待したいと思います。

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