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ミステリの祭典

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居酒屋「一服亭」の四季
安楽椅子シリーズ

作家 東川篤哉
出版日2021年09月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 まさむね
(2021/12/12 22:07登録)
 極端に人見知りなのに居酒屋の女将を務める「安楽椅子(あんらくよりこ)」が、日本酒片手に事件を解き明かす連作短編集。推理の舞台が居酒屋とはいえ、料理ネタで引っ張ろうとしない姿勢は嫌いではない。
 4短編とも死体の一部が切断されている猟奇的事件。でも、ソコは東川さんですから、陰鬱さがあるはずはない。探偵役の「いかにも」設定も含めて作者らしさを楽しみましょう。全体的に小粒だけれど「鯨岩の片脚死体」のホワイがベストか(現実的ではないけれどね)。
 探偵役の毒舌は作者の十八番ですが、本作のベストは「いいえッ、ぶちクソ間違ってますわッ」。和服姿の居酒屋の女将に叫んでいただきたい。

No.1 6点 文生
(2021/11/06 13:06登録)
初代に代わって2代目安楽椅子(あんらく・よりこ)が探偵役を務める『純喫茶「一服堂」の四季』の続編連作ミステリーです。代替わりしてもやってることは相変わらずで、接客業をしているのが不思議なレベルの人見知りからの毒舌推理は安定の面白さです。また、恒例の猟奇殺人トリックも現実性には乏しいものの、あの手この手で楽しませてくれます。そのなかにあって、個人的には地味な仕掛けながらも盲点を突いたロジックが光る「鯨岩の片脚死体」がベスト。

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