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ミステリの祭典

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居酒屋「一服亭」の四季
安楽椅子シリーズ

作家 東川篤哉
出版日2021年09月
平均点5.00点
書評数3人

No.3 4点 E-BANKER
(2026/04/12 11:20登録)
~隠れ家のような鎌倉の居酒屋「一服亭」。異常なまでに人見知りの女将は実はとんでもない名探偵だった!~
というわけで、安楽椅子探偵の「安楽椅子(あんらくヨリコ)を探偵役とする連作短編集。
単行本は2021年の発表。

①「綺麗な脚の女」=冒頭はバラバラ殺人事件。密室殺人の現場を窓から覗いたら、バラバラになった胴体だけが部屋にあった。で、通報のために離れた少しの時間になんと胴体が消失!っていう強烈な謎が提示される。これが破綻なくリアリティのある解法が示されればよかったのだが・・・ そもそもアリバイ作りだけでこんなことしないでしょ。
②「首を切られた男たち」=今度は「首無し死体」。当然死体の「入れ替わり」が俎上にあげられるわけだけれど、21世紀の現在に「入れ替わり」なんて成立しない。ではどうする?というのがプロットの肝かな。ただ、その「聞き間違い」はありえんだろ!
③「鯨岩の片足死体」=今回は右足のみ切断された死体が登場。「なぜ右足だけ?」というのが当然に疑問視される。これがかなり衝撃の理由! ただ、全体的には短編らしい切れ味のあるプロットにはなっている。納得感は高い。(ただ、ヨリ子とのやり取りなんかが余計だが・・・)
④「座っていたのは誰?」=全身を10分割されたバラバラ殺人が今回の事件。10分割した理由は意図不明で、これも結局アリバイ作りのためだけにこんな手の込みすぎたことをやるというのが無理やり感満載。もうやりたい放題である。(男性と女性の誤認の件は結局なにがしたかった?)

以上4編。
これはもう、書評は不要だろう。
「講談社」と「放談社」のくだりなんか、4回とも繰り返されるのでゲンナリする。
ただまあ、③なんかは割とマトモなミステリだったので、そこが救い(かな)。
こんな作品をPCに向かってキーボードを叩いている作者の姿を想像すると、それはそれで感慨深いものがある(なんで?)

No.2 5点 まさむね
(2021/12/12 22:07登録)
 極端に人見知りなのに居酒屋の女将を務める「安楽椅子(あんらくよりこ)」が、日本酒片手に事件を解き明かす連作短編集。推理の舞台が居酒屋とはいえ、料理ネタで引っ張ろうとしない姿勢は嫌いではない。
 4短編とも死体の一部が切断されている猟奇的事件。でも、ソコは東川さんですから、陰鬱さがあるはずはない。探偵役の「いかにも」設定も含めて作者らしさを楽しみましょう。全体的に小粒だけれど「鯨岩の片脚死体」のホワイがベストか(現実的ではないけれどね)。
 探偵役の毒舌は作者の十八番ですが、本作のベストは「いいえッ、ぶちクソ間違ってますわッ」。和服姿の居酒屋の女将に叫んでいただきたい。

No.1 6点 文生
(2021/11/06 13:06登録)
初代に代わって2代目安楽椅子(あんらく・よりこ)が探偵役を務める『純喫茶「一服堂」の四季』の続編連作ミステリーです。代替わりしてもやってることは相変わらずで、接客業をしているのが不思議なレベルの人見知りからの毒舌推理は安定の面白さです。また、恒例の猟奇殺人トリックも現実性には乏しいものの、あの手この手で楽しませてくれます。そのなかにあって、個人的には地味な仕掛けながらも盲点を突いたロジックが光る「鯨岩の片脚死体」がベスト。

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