home

ミステリの祭典

login
超短編!大どんでん返し
小学館文庫編集部編

作家 アンソロジー(出版社編)
出版日2021年02月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 6点 ミステリーオタク
(2022/03/23 12:59登録)
錚々たるミステリ作家30人による30のショートショート作品集だが・・・

う~ん、皆さんこれほど短い話は書き慣れていないということだろうか。
概して言えば、正直講談社の一般コンクール入賞作品集だった「ショートショートの広場」と同じレベルにしか感じられなかった。

各作品の表紙の作家名を見ては「おっ、この人なら」と期待して読み始め、4ページ読了すると出るのはタメ息・・・殆どその繰り返し。
何ていうのかなあ、チンケな例えだけど、プロ野球のトップスラッガー達が女子ソフトボールの投手の球を打ちあぐねているというような印象も受けた。

結局30作品中、あっと驚いた作品は・・・ゼロ。
「巧い」と感じたのが、井上真偽の《或るおとぎばなし》1作。
「まあ巧い」と感じたのが、
  青崎有吾 《your name》
  柳 広司 《阿蘭陀幽霊》
  乙  一 《電話が逃げていく》

更に貶すようで恐縮だが、個人的にはツカミも悪い話が多かったように思う。4ページと分かっているから全て完読したが、そうでなかったら2ページ位で放り出していた作品も少なくなかった気がする。
しかし何はともあれ自分にとって「短い」ということは絶大なアドバンテージなので、決して無駄な読書ではなかった。

No.2 5点 まさむね
(2021/11/28 20:55登録)
 30人の作家による掌編30連発。それぞれの作者らしさを感じましたが、出来栄えはマチマチ。
 好きな作品を掲載順に挙げれば、骨なし(田丸雅智)、親友交歓(法月綸太郎)、花火の夜に(呉勝浩)、阿蘭陀幽霊(柳広司)、電話が逃げていく(乙一)ですかね。1作品2000字程度なので、ちょっとした隙間に読めます。使い勝手?はいいかもしれません。

No.1 7点 sophia
(2021/09/27 23:02登録)
初歩的な叙述トリックの作品、期待とは違うあらぬ方向に着地する作品、読者の想像に委ねる味わい深い作品等々、一口に「どんでん返し」とは言っても作風に幅の広さがあり中々楽しめました。各作家の個性もよく表れています。後半に進むに連れて凝った作品が増えていきますが、私が好きな話は前半に多いです。ベストは法月綸太郎「親友交歓」、2番目は蘇部健一「トカレフとスタンウェイとダルエスサラーム」、3番目は葉真中顕「究極の密室」です。あ、似鳥鶏だけは許しません(笑)

3レコード表示中です 書評