| メルカトルさんの登録情報 | |
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| 平均点:6.03点 | 書評数:2034件 |
| No.354 | 9点 | アクロイド殺し アガサ・クリスティー |
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(2013/11/06 22:13登録) 私が初めて本作を読んだのは確か中学の頃だったと思う。読み終わった後の衝撃は今でも忘れられない。しばらく呆然として何も手につかなかった覚えがある。 勿論その頃は叙述トリックなどというものは全く知らなかったので、その驚きは読んだ方なら想像できると思う。まだ年端もいかない少年がこんな奇天烈なトリックを体験するのは、読書人生でそう何度もあるものではない。 ただ、殺人事件そのものの真相は割と平凡で、こうしたトリックに慣れてしまった現代の読者には物足りないかもしれない。 しかし叙述トリックの先駆者としての歴史的価値は十分に評価されるべきであろうし、クリスティ畢生の大仕掛けだと思う。 |
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| No.353 | 6点 | コミケ殺人事件 小森健太朗 |
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(2013/11/05 22:50登録) 同人誌をそのまま取り込むアイディアはなかなか面白いと思う。 メイントリックも一発勝負の、これっきりでもう二度と使用できないもので、斬新とは言えるだろう。だが、当然こうした無理のあるトリックに関しては批判の声が上がってもおかしくはないと考えられる。それを許容できるか否かで、評価も随分違ってくるのではないだろうか。 ここに書かれている方は、大方好意的にとらえられているようだが、それはこの作品の形体に対しての評価も含まれているのかもしれない。どことなくメタな本作は、その新鮮味においては十分高い評価が与えられてもおかしくはないと思う。 |
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| No.352 | 7点 | 貴族探偵 麻耶雄嵩 |
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(2013/11/05 22:40登録) 「推理などという雑用は使用人に任せておけばいいんだよ」と公言してはばからない貴族探偵。当の本人は何をしているかというと、もっぱら美しい女性を口説くのに精を出しているという始末。 この特異な探偵をどう捉えるかで、作品そのものの評価もかなり変わってくるだろう。安楽椅子探偵を気取って、何もしないどころか推理すらしない、こんな馬鹿げた探偵など評価に値しない、と思えば必然的に採点は低くなるし、いや、これは今までにない新ジャンルなんだと考えればそれなりの点数は入れるだろう。 個人的にはあまり魅力を感じないが、逆に執事やメイド、運転手兼用心棒らの推理力は確かなものがあり、彼らに対しては好印象を受ける。しかし、貴族探偵の存在感はやはり絶大で、何もしなくてもそこにいるだけで許されてしまう感覚は、この作者ならではだと思う。 作品自体は短編集だが、それぞれのトリックもロジックもしっかりしていて、私としては高評価。 特に第三話の首と両手首を切断した理由は奮っている。 |
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| No.351 | 8点 | 仮面山荘殺人事件 東野圭吾 |
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(2013/11/03 22:30登録) 普段ほとんど読まない東野氏の作品を再読しようと思ったのは、他でもない本サイトにおいて、採点者数が多いにもかかわらず平均点が高かったからに他ならない。 が、本棚を探しても一向に見つからない、確かノベルズだった記憶はあるが・・・どうやら『白馬山荘殺人事件』と混同していたようだ。そこで、これはもう購読するしかないと心に決め書店に向かい、無事ゲットできたのである。 さて前置きが長くなったが、本作、大変面白かった。 今の時代なら、これくらいの仕掛けには驚かない読者も多いことと思うが、私は気持ちよく騙されたということで、後味もスッキリしていて悪くないし、とても楽しめたと思う。 ただ、これだけの大掛かりな仕掛けは若干無理がある気がしないでもない。しかし、文章自体には不自然なところがないので、ミステリとしては十分成立しているのではないだろうか。 序盤、登場人物が誰が誰だかやや分かりづらかったのが、個人的には多少不満ではあるが、これは私の読解力のなさによるものだから、これから読まれる方は大丈夫だと思う。 |
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| No.350 | 5点 | 日曜日の沈黙 石崎幸二 |
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(2013/10/31 22:29登録) 再読です。 「お金で買えない究極のトリック」を目の前にぶら下げられて、最後まで引っ張られ、挙句の果てにそのトリックがこれか、と幾人の読者が憤りを覚えたことだろう。 まあ、ミステリィど素人の女子高生コンビと、ぼんやりとした名探偵石崎幸二の掛け合いは結構笑えるので、その意味では面白かったとも言える。 中でも、殺人劇の謎を解くために招待された内の一人である、ミステリィ研の大学生の「ミステリィファンにとってはたまらない名誉だぜ」という発言に対して、女子高生コンビの一人ミリアの「たまらないのはあんたの頭の中よ」という傍若無人な発言には笑えた。 しかし、起こるのが実際の殺人事件ではないので、のんびりピクニックにまで出かける始末。こんな緊張感を欠いたミステリも珍しいのではないか。 そんなわけで結局最後まで消化不良のまま終わって、スッキリしない読後感を味わわされる羽目になる。 ダミーの解答はそれなりに考えられているとは思うが・・・。 |
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| No.349 | 4点 | 探偵作家 江戸川乱歩の事件簿 楠木誠一郎 |
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(2013/10/28 22:37登録) 再読です。 作家江戸川乱歩と編集者横溝正史が探偵役を務め、しかも事件はメキシコミイラとすり替えられた、「美女」の全裸首なし死体。そして、マネキンの首とすげ替えられた生首という派手さで、いやが上にも気分は盛り上がらざるを得ない。 しかし、その期待感も事件が起きるところまでで、後の展開は終始緊張感を欠き、ダラダラした退屈な描写が続く。 せっかくのミステリ界の二大スターの顔合わせだが、それぞれの個性が全く描かれておらず、読み進むにしたがって不満が募る一方だ。 また、動機も弱く、わざわざ派手な事件を演出した理由がこれでは、全然納得がいかない。なんとなく手に取って読み返してみたが、読むんじゃなかったと後悔している。 |
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| No.348 | 6点 | 「夜叉ケ池」殺人事件 楠木誠一郎 |
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(2013/10/27 22:36登録) 再読です。 泉鏡花が潔癖症なのは有名な話で、本作ではそのエピソードが存分に散りばめられていて、失礼ながらその都度笑いを誘わずにはいられない。それにしても、潔癖症というのも大変に精神的苦痛を伴うものだということがよく分かる。 何かを触った後にいちいち手を消毒したり、酒は煮えたぎるくらいの熱燗にしなければ気が済まないなど、結構厄介なもののようである。 物語の舞台は割烹旅館「湖畔亭」。ここで鏡花を囲む会で催された百物語が語り終えられた瞬間から殺人事件が始まる。 いきなりその参加者の一人が暗闇の中死体となって発見される。しかも、右腕が欠損した状態で。 その後次々と体の一部を切断された死体が現れる。一体何のために、それぞれの死体の右腕、左腕、右脚、左脚、胴体が持ち去られるのか・・・ 龍神伝説を絡ませて、明治という時代を感じさせる語り口調は、なかなかの力量を感じさせる。 だが肝心の死体の一部を切断する理由は、十分納得がいくものではなく、その点は残念な気もするが、穏やかな性格の泉鏡花と子犬を抱いたお調子者の編集者鯛之介との掛け合いは面白く、陰惨な殺人事件をうまく相殺している。無邪気な子犬もしっかりと活躍していて、その意味では前作とリンクしていて楽しく読める。 |
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| No.347 | 5点 | 木乃伊男 蘇部健一 |
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(2013/10/24 22:33登録) 再読です。 これ、『秘密室ボン』と同じ密室本だったのね、改めてページを開くまで思い出せなかった。でも一応、内容はうろ覚えながら、ある程度は記憶に残ってはいた。が、こんなに贅沢にイラストを描いていあることは失念していた。 特にラストのイラストはとてもいい味だしていて、小説的にも好感の持てる終わり方だったと思う。 肝心の中身は、第一部は子供向けかと思わせるほど、噛んで含めるような描き方をしており、多少じれったい印象を受けた。 特筆すべきことは何もなく、どこを取ってもイマイチって感じで、何もかもが中途半端である。 鏡の迷路での殺人だが、トリックは反則技スレスレであまり評価は出来ない。 木乃伊男の正体に重点を置いているのか、密室殺人がメインなのか、はたまた絡み合う人間模様を中心に据えたかったのか、その辺りが判然としないため、どこかしら焦点がはっきり定まっていない中途半端な感じを受けた。 |
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| No.346 | 5点 | 心霊写真 吉村達也 |
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(2013/10/22 22:17登録) 再読です。 7編からなるバラバラのジャンルの短編を、無理やり短編集にまとめた感じが見え見え。それもそのはず、ほとんどが小説宝石に掲載された作品を一冊に寄せ集めただけという、発想的にはいかにも貧弱な内容。 一応何作かは氷室が登場するが、全くシリーズとは無関係と思われる作品も半分くらいある。それらに氷室想介の「サイコカルテ」と称する注釈が書き加えられただけ、という感じ。 肝心の中身はホラーっぽいミステリ、本格物、倒叙物、サイコサスペンスなど様々で、よく言えばバラエティに富んでいる、悪く言えば節操がない。 氏にしてはかなりぎっしり詰めて書かれているので、他の作品に比べると若干読みづらかった気がする。その代わり、少しだけ重厚感が感じられる。 全体的にそこはかとなく異色な雰囲気が漂う作品集となっている。 |
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| No.345 | 5点 | 秘密室ボン 清涼院流水 |
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(2013/10/20 22:25登録) 再読です。 主人公のメフィスト翔はいきなり秘密室(ひみっしつ)に閉じ込められて、脱出不可能な状態に追い込まれる。しかもなぜかタイムリミットが90分に設定されていて、その制限時間内に脱出しないと秘密室は爆発してしまう。 そこに密室の神と名乗る老人の声がして、ここから逃れるには、これから出す問題に正解しながら、そこからヒントを得なければならないと告げる。 と言う、目茶苦茶な設定だが、読者は嫌でも翔と共に脱出方法を模索せざるを得ない状況に陥ることになる。 だが、老人の出す問題は密室に関するものばかりだが、抽象的なものが多く脱出の手掛かりになりそうもない。どうすればこの難関を乗り越えられるのか? というわけだが、果たしてそのオチはいかにも拍子抜けするものであり、お世辞にも読者の期待に応えているとは言えない。 面白くないわけではないが、大方のミステリ読みには不満が残るであろう。駄作とまでは言わないが、見るべきところはあまりない。 |
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| No.344 | 6点 | エル 全日本じゃんけんトーナメント 清涼院流水 |
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(2013/10/18 22:30登録) 再読です。 今年も極楽ドームで第13回全日本じゃんけんトーナメント、決勝ラウンドが行われようとしていた。 応募総数のべ3000万人の中から、予選を勝ち抜いた1024名が集結し、今まさに火ぶたが切って落とされるところである。 この中には優勝候補最有力の読心術者ミスター・トジック、過去のデータを解析し相手の出す手を予測するTVでもお馴染みの十津川教授、十代にしてゲームのシナリオライター、若き天才天草翔、そして主人公の木村彰一が一目惚れした名誉あるゼッケン番号1番の少女、京極のぞみなどがいた。 一方、その裏では大会主催者のエルが不穏な動きで暗躍し、大会を思うがままに操ろうとしていた・・・ 彰一の初戦の相手はゼッケン番号777番の水野守。彼は実はのちにJDCの探偵となるピラミッド水野である。 更に過去に、2大会連続で777番を引き当てたこれもJDC第一班の名探偵、龍宮城之介も参加していたというどうでもいいような逸話も残っているらしい。 ひたすらじゃんけん勝負を繰り広げていくという、一見単純なストーリーだが、プロットの妙で読者を飽きさせない工夫がなされていて、最後まで物語に入り込めるようにうまく作られている。 また、じゃんけんだけでなく、主人公を中心にある種の人生ドラマを描いており、その意味でも楽しめるエンターテインメント作品に仕上がっている。 本当は7点付けたかったが、ミステリではないしね、これくらいが妥当かもしれない。 だが、一人また一人とじゃんけんに敗れ去っていく様は、まさにサバイバルゲームの見本のようでもある。 |
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| No.343 | 6点 | おやすみラフマニノフ 中山七里 |
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(2013/10/15 22:15登録) ミステリとしてはかなり弱い、と言うより体裁はミステリに近い形をとっているが、その中身はクラシック音楽に身を預けた若者たちの青春群像劇であろうか。 だから、クラシックの演奏シーンになると俄然生き生きとしてくるのも良いのやら悪いのやら。確かに訳も分からず読んでいても、知らぬ間に感動している辺りは、さすがに描写が優れている故だろうと思う。 しかし完璧な密室からのチェロの消失と言う、魅力的な謎のトリックはいかにもチャチでとても褒められたものではない。 おそらく高得点を付けた方はミステリの部分以外の、小説としての魅力に対して評価されているものと思われる。それはそれで文句はないが、やはりミステリとして評価するとなれば、この程度の点数が妥当ではないだろうか。 ところで、舞台が名古屋だから須垣谷教授と言うのはちょっと安易な気もするが。まあ蛇足だけど。 |
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| No.342 | 7点 | 法月綸太郎の功績 法月綸太郎 |
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(2013/10/11 21:59登録) 再読です。 どの作品もとても丹念に書かれている印象を受ける。じっくり時間を掛けて、ちょっと捻くり回し過ぎのきらいがないでもないが。 しかし、プロットも実に丁寧に練られていると思うし、登場人物が少ないわりに意外性も盛り込んで、実に良く出来た短編集であろう。 個人的に気に入っているのは『=Yの悲劇』と『都市伝説パズル』かな。 さすがにクイーンを標榜しているだけあって、その作風はまさに蘇ったクイーンと言ってもいいだろう。この人は長編より短編のほうが切れ味があって、性に合っているのかもしれないね。 |
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| No.341 | 6点 | 平成の名探偵 50人 事典・ガイド |
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(2013/10/10 21:56登録) 新本格以降の探偵は大方掲載されている。 それも見開き2ページに亘って、ご丁寧にイラストまで載って、それぞれのプロフィールや関わった事件などが比較的詳細に紹介されている。 評論家にもよるが、意外と知られていないエピソードなども書かれていたりして、ガイドブックとしてはそれなりの水準を示しているようだ。しかし、中には明らかに手抜きと思われるような感じで、適当にお茶を濁しているものも見られるのは残念である。 またミステリに飽き足らず、漫画やアニメの探偵まで堂々と紹介されているのは、個人的には不要と感じた。 京極夏彦や清涼院流水らのインタビューも挟まれていたり、他のコーナーも充実していて、コスト・パフォーマンスは優れていると思う。 個人的には、メルカトル鮎のイラストが格好良かったことが最も嬉しかったが、『翼ある闇』で対決した木更津悠也が載っていなかったのが心残りだ。何しろ超絶推理を披露したのは彼なのだから。 |
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| No.340 | 7点 | 消失! 中西智明 |
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(2013/10/07 22:10登録) 再読です。 本作の驚愕ポイントは3ヶ所。それらすべてに驚けるが、段々その度合いが減っていくのが少々残念なところではある。 もう少しうまく料理すればもっと見どころ満載の傑作に仕上がったであろうと思うと、やや複雑な心境にならざるを得ない。 或いは、どんでん返しの連続が存分に味わえたかもしれない、その意味では作者の力量がやや足りなかったのかとも思う。 消失のトリックは正直あまり誉められたものではない。と言うか、はっきり言って子供だましみたいなものかもしれない。 だが、この作品の肝はワン・アイディアの仕掛けにあるので、その点はあまり気にならなかった。 読者によっては「人を舐めるのもいい加減にしろ」みたいに感じるんだろうなと思うが、私は十分楽しめた。初読の際の記憶がすっぽり抜け落ちていたのがかえって幸いしたようだ。 |
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| No.339 | 7点 | 我らが隣人の犯罪 宮部みゆき |
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(2013/10/04 22:04登録) 再読です。 さすがは宮部女史、面目躍如の短編集。初読の際はあまりピンと来なかったが、今回読み直してみてその良さがある程度理解できた気がした。この人の作品としては比較的本格色の濃いものと言えそうである。 とにかく第一話から第三話までの出来が素晴らしい。どれもほぼ文句のつけようがないほどの完成度である。 第四話の死体をバラバラにした理由はありきたりで、新味はないが、それでも全体的にうまくまとまっていると思う。 ただ全編を通じて若干薄味な感じなのが悔やまれる点ではないだろうか。 |
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| No.338 | 5点 | 機巧館のかぞえ唄 はやみねかおる |
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(2013/10/02 22:04登録) 再読です。 まあね、子供向けだから。でもその割には凝った構成にはなっている。あまり作中作の意味はないけれど。 第二部が短すぎて尺が足りなかったのか、第三部は全然本編と関係ないエピソードが放り込まれているのは、不自然というか、無理やり感が見え見え。 解決編は一瞬ハッとさせられるが、それ以外は特筆すべき点はない。 作中作には、島田荘司や綾辻行人、京極夏彦らしき人物がチラッと登場したり、古今東西の名作の題名が出てきたり、その他ミステリに関する何気ないネタが仕込まれていて、ニヤリとさせられる。 また本編以外に、あとがき、小ネタ解説、同作家による二度の解説など、付録が豪華で楽しめる。 |
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| No.337 | 7点 | キョウカンカク 天祢涼 |
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(2013/09/30 22:06登録) これはねえ、何を書いてもネタバレになってしまいそうなので、多くは語れない。本作に少しでも興味を持っていて、これから読もうと考えている人は、私の書評など無視して早速書店か図書館へ行きましょう。 まあ文体としてはいい意味でライトノベルに近い感覚である。 謎の焦点はいわゆるホワイダニットであるが、そこはそれ、特異な設定が用意されていて、一筋縄ではいかない。 探偵役、助手、警察官僚などそれぞれのキャラが生きているので、ややもすると中だるみになりそうなところをうまくフォローしている。 最後に、これはほんとにネタバレなるが、ヘイスティングスは所詮ヘイスティングスだということだ。 |
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| No.336 | 6点 | 六花の勇者 3 山形石雄 |
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(2013/09/27 22:06登録) シリーズ第三弾はこれまで目立たなかった巨漢の少年騎士ゴルドフが、自らが仕える姫ナッシェタニアを救うために、命を懸けて戦う物語が中心となっている。 その戦闘シーンはすさまじく、ファンタジーならではの戦略や武器を駆使し、壮絶とも言える戦いを展開している。 このように書くと、いかにも単純な戦いのように思われるかもしれないが、その裏には敵味方入り乱れての心理戦が繰り広げられて、さらに緊迫感を高めるのに一役買っている。 ただ、あまりにもゴルドフのパートが長すぎて、他のキャラの出番が少ないのが少々不満ではある。がまあ、まだまだ先は長そうなので、今後他の勇者たちの活躍も存分に堪能できることだろう。 |
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| No.335 | 7点 | 脳男 首藤瓜於 |
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(2013/09/25 22:10登録) 異様なタイトルから受ける、暗めのサイコ・サスペンス風の印象とは内容がかなり違っていた。 前半から中盤にかけては、感情のない男、鈴木一郎の脳内を様々な人の証言からえぐっていく、やや学術的な要素を含むサスペンスとなっているが、これはこれでなかなか興味深い。 後半は一転スピード感あふれるアクションシーン満載で、息もつかせぬ急展開に、手に汗握ること必至である。また、警部の茶屋、心を持たない男鈴木一郎、鈴木の人間性についての解明を任された真梨子を中心に、それぞれのキャラがいい味を出している。 思っていた以上に面白く、自分としてはかなり満足しているが、やはり好みが分かれるタイプの作品といえるかもしれない。 まあしかし、一読の価値はあると私は思う。 |
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