home

ミステリの祭典

login
simo10さんの登録情報
平均点:5.69点 書評数:193件

プロフィール| 書評

No.53 5点 十字屋敷のピエロ
東野圭吾
(2009/11/22 20:31登録)
-ネタばれ含みます-

十字屋敷の構造を利用したトリックはよい意味でシンプルなのですが、そのせっかくのトリックをメインに据えていないせいで、どうにも印象の薄い仕上がりになったように思えてしまいます。
あと、変装に関してはもう少し表現を読者が納得するようにしてもらえないかなと考えてしまいます。
登場人物達もイマイチで香織に関してはワガママもええ加減にせいと思ってしまった。
人形師悟浄はシリーズ探偵モノの雰囲気を醸し出していて面白かったです。


No.52 6点 名探偵の掟
東野圭吾
(2009/11/22 20:27登録)
ウケました。
作者のミステリに対する苦悩が見事に皮肉られている作品です。
自分もちゃんと推理せずに「誰が犯人だったら面白いか」と考えてしまうタイプなので悪い読者だなぁとも思わされてしまいます。


No.51 7点 仮面山荘殺人事件
東野圭吾
(2009/11/22 20:16登録)
-ネタばれ含みます-

面白かったです。
薄々予想はしていたのですが,まさか全員とは思いませんでした。 しかし、前述にTetchyさんがおっしゃるように仕掛け人が多過ぎるとボロも出易くなると思うので,仕掛けをしらない人を何人か混ぜるとか,ボロを匂わす表現を与えてくれるとかすれば、よりシビれる作品になったと思います。


No.50 5点 千年岳の殺人鬼
黒田研二
(2009/10/27 22:48登録)
--ネタばれ含みます--

KillerXシリーズ第二段。
第一弾に続き、これまた雪の山荘ものです。
登場人物達のフルネームが明かされない時点で叙述トリックの予感を感じさせてしまうのが残念。しかもあだ名(?)と本名が何のつながりもないため、叙述の種明かしの場面でも全く納得できない。
タイムスリップのトリックはよく注意すれば推理できるのはフェアだけど、小粒な感じがするし、精密さを欠いていると思う。別に精密じゃなくてもいいからせめて大胆な仕掛けにしてほしい。
第一弾、第三弾に比べ、全体的に作品にのめり込めなかったのが一番痛いかな。


No.49 5点 凶笑面
北森鴻
(2009/10/08 22:08登録)
5つの短編「鬼封会」、「凶笑面」、「不帰屋」、「双死神」、「邪宗仏」から成ります。
どの作品も、調査依頼で『現地に向かう→調査中に殺人事件→那智が解決』と良い意味でパターン化されています。
しかし興味は惹かれるけど、なじみのない民俗学の話が解らないと苦痛でしかない。難しい漢字もふりがなをたまにしかふってくれないし。
助手は立場上、頭悪く設定するわけにはいかないからしょうがないとして、読者のためにもう一人、詳しい説明をうながす素人役が欲しいと思いました。
「双死神」で語られる「だいだらぼっち」の話が、島田荘司の「出雲伝説~」と共通していたので、かろうじてついていけて良かった。


No.48 6点 魔神の遊戯
島田荘司
(2009/10/07 21:00登録)
-- ネタばれ含みます--

私は長編モノを読む時は登場人物の名前と特徴をメモするのですが、プロローグの「御手洗」と、第一章の「ミタライ」をつい別々に表記してしまった瞬間、「しまった!」と思ってしまいました。
もう少し騙されていたかったのですが、一瞬よぎった猜疑心は読み進むほどに膨れ上がっていくばかりでした。
先に「ネジ式」とか出版してくれていれば、このアクシデントは防げたのに、と思ってしまいます。
とはいえ、メインとも言えるロドニーの描く絵の謎の解決には感激しました。
この島田氏独特の「眩暈系」の謎は、私は大好きですね。
引きちぎりの謎はイマイチ。
登場人物は結構面白かったです。


No.47 7点 Killer X
クイーン兄弟
(2009/10/06 21:17登録)
シリーズものとは知らずに三作目の「永遠の館の殺人」を先に読んでしまい、それが気に入ったので一作目である本作を読んでみました。
ベタベタなクローズドサークルもので(個人的に嬉しい)、まさにバカミスの名がふさわしい一品。

--以下ネタばれ--

大きな謎の一つは感付いてしまい(名前がちょっとねぇ)、「なあんだやっぱり」と思ったんですが、後から後から明らかにされる謎の解明に最後は見事に大混乱しました。
よくもまあここまで謎を用意したなという感じです。
謎が完全に解明されていないものがあるんですが、これは読者が考えろってことなんですかね?
(例えば、あの人を突き落としたのは結局どっちなの?とか、連続突き落とし魔に落とされた人の中に大人も混じっているのは何故?とか)


No.46 5点 幻夜
東野圭吾
(2009/09/24 21:21登録)
白夜行を読んでどんな作品は分かっていたので、本格モノだと思い込むことはありませんでした。
登場人物のメモも見切りをつけつつ控えるようにしました。
作風はやはり白夜行にとてもそっくりで惹きこまれる文章です。
前作とは異なり、男性の主人公の視点が追加されており、苦悩の様子が描かれている点が人によって好みが分かれそう。
私はこっちのほうがいいかな。
しかしやはり話の流れも前作同様、主人公(女)が私利私欲のためにえげつないことを繰り返すといったもので、感心しません。
ラストはおいおい何だそりゃって感じ。
前作とのつながりを仄めかす仕掛けはちょっと面白いと思いました。


No.45 4点 白夜行
東野圭吾
(2009/09/20 23:16登録)
本格ミステリなのだろうと勝手に思い込んで読んでしまいましたが、そんなミステリ色強くないんですね。
主人公二人を第三者の視点から描くことのみに徹する文章は、確かに主人公達に対する想像力を掻き立てられるものがありました。
とはいえ主人公達のやっていることは、方法がえげつないのはジャンル上許せるとしても、目的が私利私欲なので、読んでいて気分の良いものでなかったです。
登場人物やその特徴を一人一人メモしながら読んでいくタイプの私にとっては、増殖し続けていく登場人物達が結局何の伏線にもなっていなかったので、読後にちょっと腹立たしくもありました。(逆恨みだけど)


No.44 6点 黒の調査ファイル
今野敏
(2009/09/20 22:49登録)
STシリーズの黒編。
今まで見た本の中で間違いなく寡黙度No.1の男、第一化学担当の黒崎が中心の作品。
一体どうやって話を進めるんだと思いましたが、登場シーンは少ないものの読み終わってみれば抜群の存在感を残してくれました。
いつの間にか、耳打ちしてまでセリフを抑えることに徹しており、その効果もあってかセリフの一言の重みがかなり増している。
完全に物理っぽい分野の現象まで解き明かしてしまい、勤勉さも披露。
ラストの一言は私も気に入った。


No.43 3点 緑の調査ファイル
今野敏
(2009/09/20 22:41登録)
STシリーズの緑編。
物理担当の翠が、ストラディバリウス盗難事件の解決に乗り出す。
期待していた科学系のトリックは出ませんでした。
肝心のSTメンバー達が大人しく、話の流れもイマイチだったので、後半は読み飛ばし状態でした。
クラシックを好きな人は「好きな楽団」ではなく「好きな指揮者」で好みが分かれると言う薀蓄を知りました。


No.42 6点 蒲生邸事件
宮部みゆき
(2009/09/17 21:15登録)
ミステリとはちょっと違う作品だったんですね。
登場人物はイマイチなんだけど、ふきと主人公のやりとりは姉と弟のようでなんだか暖かいものを感じました。
タイムトラベルの特性を活かしてアクロバティックな展開なんかはなかったのですが、良い意味で淡々と落ち着いて話が進んでいくところに安心感を感じます。
シーン毎の描写も雰囲気が出ておりました。
ラストはほろりときてしまった。
読後感の非常に良い作品でした。


No.41 4点 黄の調査ファイル
今野敏
(2009/09/17 20:38登録)
STシリーズの黄編。
僧職を持つ山吹が活躍。
新興宗教内部で起きた事件を坊さんである山吹が解決に乗り出す。
読む前から乗り気ではなかったのだが、やはり宗教に関する用語が飛び交い、少々辛い。
(読まなければいいんだけど、シリーズものなので)
キャラの面白さで何とか乗り切った。
坊さんの修行は過酷なんだなあと思いました。


No.40 5点 赤の調査ファイル
今野敏
(2009/09/17 20:31登録)
STシリーズの赤編。
法医学担当の赤城が活躍します。
大学病院のずさんな医療現場の実態に迫るという作品。
TVや漫画等の医療モノでよく見聞きしますけど、ホント恐ろしさと腹立たしさを覚えてしまいます。
赤木の過去に触れており、また、苦悩する様が描かれているため他のシリーズとは異なり情に訴える作品と言えます。


No.39 6点 青の調査ファイル
今野敏
(2009/09/17 20:25登録)
STシリーズの青編。
文書鑑定の青山に主眼を置いた作品です。
と言っても大体どの作品でも活躍しているので、特にいつも以上に活躍している感じでもありませんでした。
個人的には潔癖症から秩序恐怖症に至るまでの経緯が綴られているのではと期待していたのですが、いつも通りの作風でした。
今回は幽霊の存在を科学で解明してしまうという非常に面白そうな話でした。
納得できる説明だけど、それはそれで怖い。


No.38 6点 黒いモスクワ
今野敏
(2009/09/16 21:05登録)
STシリーズ第3弾。
今回は題名、冒頭の出だしからして黒崎が大活躍しそうな予感。
だと思ったら結局いつものメンバー全員揃っちゃうのね。
黒崎をベースとして、翠、赤城、キャップが解決に貢献。
怪奇現象を科学で解き明かすところは東野圭吾の「ガリレオ」チックな感じで楽しめました。
黒崎が強すぎる。


No.37 4点 毒物殺人
今野敏
(2009/09/16 20:52登録)
STシリーズ第2弾。
今作は前作では印象の薄かった山吹が活躍。
とは言ってもやはり青山が目立ってしまう。
事件のキーワードとなっている「サディズム」なんですが、かなり難解で結局全然解らなかったです。
このシリーズはキャラで押し切るものだと割り切って読んだほうが良いかも。


No.36 8点 長い家の殺人
歌野晶午
(2009/09/15 21:08登録)
新装版を書店で見かけたので懐かしさのあまり、「誤字、脱字の修正のみである」との冒頭の忠告にも関わらず買ってしまった。
十数年経った今もトリックをはっきりと覚えていることからも、そのインパクトは十分だと思います。
トリックを早々に見破った人にとっては面白くない作品かも知れませんが、私は解けなかったので解決編まで楽しめました。
初読時は信濃譲二を含め、登場人物がほとんど好きになれなかった記憶があるのですが、免疫ができた今読んでみると大して気になりませんでした。むしろ信濃譲二が面白いと思えました。
若き日の著者の渾身の一作という感じが伝わります。


No.35 8点 葉桜の季節に君を想うということ
歌野晶午
(2009/09/15 20:45登録)
--ネタばれ含みます--

あの「家シリーズ」の歌野唱午が2004年度の数々のタイトルを総なめにしたというので読んでみました。
ちょっと期待が大きすぎたため、また、運悪く立て続けに叙述モノに当たってしまったためにそれほど衝撃はありませんでした。
上の条件がなければ多分開いた口がふさがらなかっただろうと思います。
ぜひ老後にまた読んでみたい。


No.34 6点 ST警視庁科学特捜班
今野敏
(2009/09/12 01:51登録)
まさにヒーローものといった言葉がふさわしいシリーズですね。
5人全員が揃った時は横並びにそれぞれポーズを取っているシーンを勝手に想像してしまいます。
事件自体は地味なんですがキャラクタが面白いのでさくさく読めました。
実写版があったら見てみたいと思ったけど青山翔の俳優選びが大変かな?

193中の書評を表示しています 141 - 160