千年岳の殺人鬼 二階堂黎人との合作/ KillerXシリーズ |
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作家 | 黒田研二 |
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出版日 | 2002年12月 |
平均点 | 6.50点 |
書評数 | 8人 |
No.8 | 7点 | ミステリ初心者 | |
(2023/07/30 20:03登録) ネタバレをしております。たま、シリーズを通しての若干のネタバレもしております。 連続殺人と、殺人鬼側の視点書かれるグロいシーンが多めなKillerX。今回ももちろんありましたが、過去作よりも気持ちグロさが抑えられているかな~? いくつかの視点で書かれております。初めはあまりつながりがないのですが、ラストでつながってきます。 メインの視点はクローズドサークルの連続殺人。ワームホールのよる時間移動の要素があり、誰かが書いた預言の書めいた日記が面白いです。 前半のグロシーン以外ではとても読みやすく、すぐに読了できました。 推理小説部分について。 今回もいつくかの叙述トリックが使われております。警察の視点で書かれる連続殺人と、シズコ・ニコライの視点で書かれる雪山での連続殺人です。 警察のほうは、明らかに男装した女性が犯人っぽく、初めからそんな感じでしたねw 途中で私立探偵が女装した話まで入っておりますので、作者としてもバラしている感じがあります。 メインは、シズエ・ニコライの視点で書かれた人物たちが、同一人物だった叙述トリックです。私は、ニコライとヒロミ妹(自称)が会って復讐を誓う時点で、やっとのことで全体像が見えてきました。話の流れから、チサト・コーリャがニコライ・ヒロミ妹(KillerX)と気づきました。 しかし、どう考えても日記の謎と乾いた服(ジニー証言)の謎が突破できず、悔しい思いをしましたw 星占いと日記の謎→ビデオをみせてラッキーカラーやアイテムを固定することは圧倒的盲点でしたw 乾いた服の謎→液体窒素を使う…のは、被害者に証言させるためにそこまでやるかwって思いっちゃいましたw 不満点。 チサトとコーリャの計画は、やっぱりすべてうまくいくとは思えませんねw 結局、ワームホールはあったのですかね? あと、ラストがちょっとよくわかりません。フミコはワームホールを使って10日前にとんでチサトと対峙。返り討ちに合い、ナイフで顔を傷つけられて死亡。チサト(KillerX=カオリ)は生きて逃げている…ってコトォ!? 総じて、これまでよりもやや小粒なドンデン返しな印象もあります。少々、成功率が低そうなトリックと感じましたが、叙述トリックや日記のトリックをひっくるめて好みでした! 7点は高い気もしますが、7点で! |
No.7 | 6点 | メルカトル | |
(2020/05/17 22:30登録) 千年岳スキー場では、奇妙なタイムスリップ現象が噂されていた。そこへ、オーストラリアの日本語学校のグループが訪れる。ヘリスキーに興じる一行は、ある人物の企みでコースを外れてしまう。突然一人が不可解な死を遂げ、さらに一行の凄惨な最期を記した“未来手帳”が出現。殺人鬼はこの中にいるのか?本格推理の雄、二人による超絶的スキー・ミステリの逸品。 『BOOK』データベースより。 途中、最早これは合理的な解決は無理なんじゃないかと思ったくらい、SFの様な趣向が凝らされています。それをかなり強引にねじ伏せた感じですが、その辺りは評価されて良いと思います。 一つの事件を三方向から迫ってく手法で、一体これらがどのような関連性を持って繋がっていくのか、非常に興味が持たれるところです。最終的に真犯人に迫る過程は、緻密な推理の構築などではありません。そこがやや不満ではありますが、キラーエックスの正体、密室状態からの人間消失、意外性のあるトリックなど読みどころは満載されています。猟奇殺人鬼のキラーエックスを追う刑事達の章をもう少し詳細に描いてもらえるともっと良かった気がしますね。 それにしてもワームホールって結局何だったんだろうというのが心残りではあります。まあそれがあってこその事件だったので、そこは目を瞑るしかないんでしょうかね。 |
No.6 | 6点 | 名探偵ジャパン | |
(2020/03/15 22:36登録) 一作目『Killer X』は趣向を凝らした怪作で、本作も楽しめたことは楽しめましたが、なぜか前作のようには乗れませんでした。 「趣向を凝らしたトリック」は本作にもあるのですが、タネを明かされても、「あっそ」で終わってしまうというか。一作目と比較して、トリックの質自体に大きな差があるとも思えないので、こればかりは読者の趣味、好みの問題でしかないのでしょうね。 思うに、叙述トリック(あー、書いちゃったわ)に最も必要なのは、確か綾辻行人がどこかで書いていたことですが、トリックが明かされる前と後の「落差」です。そう考えると、本作にはその「落差」がなかった(私が感じなかった)のが原因なのかもしれません。 |
No.5 | 5点 | 蟷螂の斧 | |
(2013/11/30 19:49登録) 仕掛け(殺人方法)が犯人にとって危険すぎる(特に雪崩を誘引しかねない)。というよりリアリティに欠けるきらいがある。第1作と同様、○○像が好みでない。完結編の永遠の館殺人に期待。 |
No.4 | 7点 | シーマスター | |
(2012/02/21 22:41登録) 二階堂黎人との合作。 Killer X シリーズ第二弾・・・・と読み始めてから知る。 犯人は分からなかったけど、確かにメイントリックは(こういうのを読んだことがあれば)割と分かりやすい。 またズルやムリもあるし超常現象も残るが、硬いことを言わなければ不可思議性の辻褄合わせの完成度は高い方だと思う。何より(このシリーズの特徴、というより狙いだと思うが)凝りまくりの伏線や仕掛け三昧などミステリの遊び心が満載で楽しめる。 動機なんかどうでもいい。(ことにしておく) ネタバレ追記 アレらは「あだな」ではなく、それぞれの一般的な○称です。 |
No.3 | 7点 | yoneppi | |
(2009/11/06 21:32登録) 前作のキラーX同様に面白い。メイントリックは解りやすいが、多様な伏線が楽しめた。ラストがちょっと減点。 |
No.2 | 5点 | simo10 | |
(2009/10/27 22:48登録) --ネタばれ含みます-- KillerXシリーズ第二段。 第一弾に続き、これまた雪の山荘ものです。 登場人物達のフルネームが明かされない時点で叙述トリックの予感を感じさせてしまうのが残念。しかもあだ名(?)と本名が何のつながりもないため、叙述の種明かしの場面でも全く納得できない。 タイムスリップのトリックはよく注意すれば推理できるのはフェアだけど、小粒な感じがするし、精密さを欠いていると思う。別に精密じゃなくてもいいからせめて大胆な仕掛けにしてほしい。 第一弾、第三弾に比べ、全体的に作品にのめり込めなかったのが一番痛いかな。 |
No.1 | 9点 | T.shimizu | |
(2009/10/03 04:26登録) 良く出来たミステリは、読了後に壁に投げつけたくなります。 やられた感とかで。 実際に投げてしまった本。 超自然な設定もありますが、読みやすいし殺人鬼は怖いし 面白かった! |