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ミステリの祭典

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mozartさんの登録情報
平均点:6.02点 書評数:208件

プロフィール| 書評

No.28 7点 奇面館の殺人
綾辻行人
(2012/02/22 16:44登録)
久々の「館」シリーズということで、それなりに期待しながら(前(々)作のこともあるので、「裏切られる」こともある程度覚悟しながら)読みましたが、結果的には、随分と読みやすかった割に、「本格」色も十分濃くて、かなり楽しめました。まだまだ綾辻先生も「現役」なんだ~、と再認識(失礼)しました。シリーズ最後となるであろう次作にも十分期待できそうです。
[ややネタバレになるかも]特に、登場人物に鍵のかかる仮面をかぶせたことが、犯人だけでなく、作者にとっても好都合だった、というところなども秀逸だと思いました。


No.27 5点 生霊の如き重るもの
三津田信三
(2011/08/31 22:06登録)
図書館で予約後、暫く待たされた後、ようやくゲットして1日で読了。
中・短編集なので、驚愕の謎解きやカタルシスはそれほど望めないが、「密室の如き・・・」よりは楽しめた。
「死霊の如き・・・」例によって建物などの配置が文章だけでは分かりにくいが、ちゃんと見取り図もあって、その点は親切。ただ、あの殺害方法はちょっと確実性も低く、現実的ではないような・・・。
「天魔の如き・・・」最後の(お約束の)ホラー部分の出来はイマイチだと思う。
「屍蠟の如き・・・」最後の方でダミーの解を列挙して悉く否定していく様子が刀城言耶のいつものパターンとして楽しめる。
「生霊の如き・・・」中編。内容的にも一番充実している。最後の「解決」->「否定」・・・の繰り返しパターンもいつも通り。ただ、最終解があれだと、生霊の謎や恐怖が、実は・・・となってしまうのがやや残念かな。
「顔無の如き・・・」これも最後は上と同じパターン。ただ、最終解で、被差別者たちが、その暗い生い立ちのため、いくら常人と異なる感性を持っていたとしても、ちょっとあれはないんじゃないかな。それとも、まだまだ、そうした差別意識に基づく冤罪も普通にあった時代だ、ということなのだろうか(「狭山事件」のように)。


No.26 7点 女王国の城
有栖川有栖
(2011/07/30 10:59登録)
伝統的な「読者への挑戦」もあるし、江神の胸のすくような推理も、前半の閉塞感もあって、爽快感が十分だと思います。ただ、UFOとかの「蘊蓄」部分がちょっと冗長な印象があったのが、マイナスポイントかな。


No.25 6点 紅楼夢の殺人
芦辺拓
(2011/07/23 11:09登録)
年のせいか、登場人物をなかなか覚えられず、一覧表にしおりを挟んで適宜参照しながら読むのはちょっと苦痛だったかも。
殺人「現場」の怪異な様相の背後に潜む「ある人物」の意図には(ひとつひとつのトリックには不満がのこるものの)、しかしながら、十分納得させられるものがありました。


No.24 9点 白夜行
東野圭吾
(2011/07/06 11:29登録)
書評サイトでノワール・ミステリーとされていたので、これまで敬遠してきたけれど、読み始めたら1日で読了。文句なく傑作だと思います。
二人の主人公の内面が一切露わにされていないところがこの作品のキモですね。それでも二人の接点について想像力がかき立てられるのは、彼女らの心情に関する伏線が、そこここに鏤められていることによると思います。
唯一の不満は、亮司がここまでして雪穂の「白夜行」を支えるに至った背景について、もう少し伏線が欲しかったということくらいかな(単に自分の読みが浅かっただけかも知れないけど)。


No.23 9点 厭魅の如き憑くもの
三津田信三
(2011/07/01 15:22登録)
「ホラー&ミステリー」として率直に面白かった。結末でのサプライズも十分。


No.22 6点 凶鳥の如き忌むもの
三津田信三
(2011/07/01 15:13登録)
自分の想像力が貧困なせいか、空間的な状況をイメージすることが難しかった(「首無し」もそうだったけど)。前半の雰囲気は非常に良かったけれど、あの「トリック」はいくらなんでもちょっと・・・。


No.21 7点 水魑の如き沈むもの
三津田信三
(2011/07/01 15:08登録)
これまで読んだ「~の如き・・・」シリーズ長編の中では一番読みやすかったと思う。「ホラー」色は随分少ないけれど、最後の方で「謎」の列挙と「誤解答」の提示、そしてその「否定」の連続というパターンはいつも通り。後半、小夜子の身を案じながら読んでいたので、最後は安堵、かな。


No.20 6点 麒麟の翼
東野圭吾
(2011/07/01 14:42登録)
加賀恭一郎モノとしては普通の水準だと思う。前半で悠人たちの犯した罪に関する伏線が読み取れなかったのは、ミステリーとして残念なところです。彼の屈折した人格が形成されるに至った過程こそが「伏線」なのだ、といえるのかも知れませんが。
また、被疑者が、瀕死の状態の被害者を前に、救護を求めるでもなく、警察に通報するでもなく、金品を奪って逃走するだけ、という設定は、いくら彼が窮乏していたとはいえ、ちょっと納得できない。そこが、彼が犯人か否かの判断のポイントとなるだけに、もう少し説得力のある理由が(後付けでもいいから)ほしかった。
ただ、それなりに感動モノではあることは確かで、「死にゆく者の最後のメッセージを受け止めるのは生きている者の義務である」、という言葉は、本当に心にしみ入りました。


No.19 10点 首無の如き祟るもの
三津田信三
(2011/06/28 21:18登録)
自分が刀城言耶シリーズにハマるきっかけとなった作品。「~の如き」で最初に読んだ作品だけに印象が強いのかもしれませんが、他の「~の如き」に比べて頭一つ以上抜き出た傑作だと思います。残りページがあと僅かになった段階での急展開は、まさに「正統的」本格モノならでは、の醍醐味でしょうね。


No.18 7点 聖女の救済
東野圭吾
(2011/06/25 09:36登録)
湯川が虚数解と表現した毒物混入「トリック」はまさに驚愕ものでした。ただ、その「救済」を続ける間の主人公の心情はいまいち理解できなかった。その「救済」にかける労力を考えると、およそ人非人である夫など、さっさと見切りをつけられなかったのかと。


No.17 6点 手紙
東野圭吾
(2011/06/25 09:24登録)
確かにミステリーではないと思いますが、感動させられた、ということでこの点数にしました。絶望的なシチュエーションの中で、由美子はともかくとして、平野社長や寺尾など、主人公をささえる人物のキャラクターがとても良いと思いました(ややクサいかも)。


No.16 5点 眠りの森
東野圭吾
(2011/06/20 17:07登録)
東野圭吾にしては、初期の作品のせいか、やや読みづらい。他の作品にはない、加賀の意外な面が見られた点は良いのだけれど・・・。


No.15 8点 仮面山荘殺人事件
東野圭吾
(2011/06/20 17:05登録)
メインのトリックがアレだと言うことは聞いていたけれど、それを知って読んでも、十分面白かった。「ある閉ざされた・・・」よりもややラストが「暗い」が、ヤられた感はそれ以上かも。


No.14 8点 ある閉ざされた雪の山荘で
東野圭吾
(2011/06/20 16:48登録)
無理矢理に見える舞台設定が秀逸。ヤられた感も結構あって、純粋におもしろい。細かな記述・表現に対する配慮も、ある意味当然なのかも知れませんが、ストーリー展開に気を取られて、見事に騙されてしまいました。


No.13 4点 カッコウの卵は誰のもの
東野圭吾
(2011/06/19 15:00登録)
ミステリー度も低いし、内容も東野圭吾としては「深み」が足りないと思う。


No.12 6点 パラドックス13
東野圭吾
(2011/06/19 14:59登録)
ミステリーとは言えないかも知れないが、緊迫感が持続していて、読み応えはあった。ただ、最後でもう少し登場人物達に救いの手をさしのべても良かったんじゃないかな(特に兄の方へ)。


No.11 5点 真夏の方程式
東野圭吾
(2011/06/17 11:11登録)
場面が行ったり来たりするのがやや気になるものの、そこそこテンポ良く読み進むことができた。「科学ミステリー」のテイストも適度にある方だと思う。少年との交流も新鮮だったし。ただ、過去の殺人も、今回の事件の発端となった「殺人」も動機が不十分だと思う。特に、後者の方は、放っておいても害があるとは思えなかったんじゃないかな。個人的な恨みがあったわけではないし。少なくとも、「殺人」という犯罪は犯人がよほどの「異常者」でもない限り、相当の理由がないとできないんじゃないだろうか。
「献身」に守られた側である「犯罪者」に対する湯川の態度が、「容疑者X」のケースと随分違うのは、単に「献身」した側の人物が、今回は自分の親友でも何でもなかったから、とするのなら、意外とガリレオも私情に流されるのかな、と。


No.10 10点 容疑者Xの献身
東野圭吾
(2011/06/10 16:16登録)
率直に感動しました。何度読み返しても泣けるストーリーです。湯川が最後にしたことが、石神にとっても結果的に良いことであったと信じたいですね。


No.9 4点 赤い指
東野圭吾
(2011/06/10 16:12登録)
扱っているテーマが重く暗い割には、内容はそれほどないような・・・。短編でもよかったかも。それにしても、加賀刑事はカッコ良すぎ。こういう人がそばにいると、むしろ息苦しくなったりして。

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