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ミステリの祭典

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あびびびさんの登録情報
平均点:6.33点 書評数:669件

プロフィール| 書評

No.629 7点 リピート
乾くるみ
(2018/10/29 18:57登録)
過去の10カ月前だけ帰れるリピート。しかし、年代によって、いろいろな都合を「合わせる」のが大変だったと思うが、そこは抜かりなく良くできている。実際、何次元もの世界があって、その中で生きている「自分」がいるのかも!と思ってしまう。


No.628 6点 龍神池の小さな死体
梶龍雄
(2018/10/19 16:23登録)
舞台設定がワクワクさせる。最後はどんでん返し的に感情が表記され、ついていけない部分もあったが、安心して読める日本特有のミステリだと思う。


No.627 5点 ファイアーウォール
ヘニング・マンケル
(2018/10/19 13:40登録)
ヴァランダー刑事は頑固で、昔気質のスゥェーデンの刑事である。その男が、ITシステムによる金融テロに敢然と立ち向かう。ペンタゴンのコンピューターに入り込むほどの若いハッカーや、後輩刑事などの助けは必須だが、いつのまにか友人も去っていき、孤独な50男の内情をさらけ出す物語の流れは同調せざるを得ない?

スゥェーデンのハリーボッシュ刑事のような印象を受けた。


No.626 8点 香菜里屋を知っていますか
北森鴻
(2018/09/16 00:08登録)
連作だが、この本だけでも楽しめるということで読んだ。ほとんどが、旅立ち、別れの話で、少し昏くなったけど、人生の味わい、転機と言う部分はさすがだと思う。

自分はだいたいE-BANKERさんの書評を参考にして次に読む作品を決める場合が多いけど、最高得点をつけられたのも分かるような気がします。


No.625 6点 月明かりの男
ヘレン・マクロイ
(2018/09/12 23:12登録)
端正でスマートな推理小説。それでいて、こだわりも凄い。ウィリング博士が心理専門家ということで、特に精神、心理学の知識は圧倒される。それが読者に分かりやすく表現されているのも好感が持てる。

この作家の作品も残り少なくなってきた。アガサ・クリスティの時のようにさみしく感じています。


No.624 8点 シリウスの道
藤原伊織
(2018/07/06 23:03登録)
凄く緊迫感があり、ページをめくる手が止まらなかった。しかし、他の有名作品がハードボイルドのジャンルにあるのに、この作品はジャンル分けがなかった。確かに、これはミステリではない。

でも、この本をここで紹介してもらい、読んだことに感謝。本人の経験もあるだろうが、実に熱い作家である。


No.623 7点 七色の毒
中山七里
(2018/06/28 22:40登録)
今乗っている作家さんって、すべてにおいてレベルが高いのかな。短編だが、どの作品も考えさせられた。犬養刑事はなくてはならないキャラだが、最後に明かす結末、さぞかし気持ちがいいだろう。女性の心理は全く読めないが、男性の心理、虚言は瞬く間に見抜けるという設定、そのスパイスが効いている。


No.622 7点 「法隆寺の謎」殺人事件
深谷忠記
(2018/06/24 00:36登録)
図書館でこの作家さんの本棚はいつもスルーしていたけど、今回初めて読んだ。結構読みやすいし、法隆寺の謎も本格的で興味津々。ブルートレインの時差や殺害方法なども良く練られていて、面白かった。

探偵役の数学者と、その恋人の会話や存在感も爽快だった。


No.621 10点 さらば甘き口づけ
ジェイムズ・クラムリー
(2018/06/17 23:52登録)
感激したら、すぐに高得点をつける甘い読者ですが、これはおもしろく、考えさせられ、厭世的になり、人間の性を改めて確認するなど、物語に酔った。あくまでも自分自身の評価ではあるが、ハードボイルドナンバーワンだと思う。

酒を飲みながらこれを書いているので、10点満点。でも酔ってはいない(笑)


No.620 7点 証拠が問題
ジェームズ・アンダースン
(2018/06/09 23:02登録)

(ネタバレ?)一転二転する結末は十分に楽しめた。これが叙述トリックと言う奴かと、改めて苦笑するしかない。まあ、確かに、登場人物の色々な視点から見れば当然そうなるわけで、決して反則技と言うわけではない。さらっと読めて、満足感も十分なら、それで良いではないか。7.5という点数があれば…。


No.619 7点 衣裳戸棚の女
ピーター・アントニイ
(2018/06/04 15:27登録)
読んでいて楽しかった。特に登場人物の挿絵が効果的でよりユーモラスになった。結末はバカミス的なものだったが、それがこの話に一番ふさわしかったのではないかと、同調する自分がいた。

なんか、ほのぼの、爽やかな気分になった。


No.618 4点 倫敦から来た男
ジョルジュ・シムノン
(2018/06/04 15:20登録)
(ネタバレかも知れないが、元々はそういう小説?)

うまく行くのか?いや、それは絶対ない。あとは破滅だけと言う、先行きの見える物語はどうも自分には合わない。その間の苦悩、後悔先に立たずという流れは、多分自分でもそうなったという思いはあるが、倫敦から来た男というミステリアスな題名にひかれてしまった感がある。


No.617 7点 凍氷
ジェイムズ・トンプソン
(2018/05/09 12:53登録)
北欧ぽくない作家の名前。実はフィンランド人の女性と結婚して、フィンランドに住むアメリカ人だった。

冬は毎日が-20度という世界の中で北欧らしいというか、異常なセックスとドラッグ、そしてその中で起こった猟奇的殺人。国家的、歴史的な過去の犯罪が大きな壁になり、捜査が中断されそうになるが、それでもカリ・ヴァーラ警部は軽快なフットワークで犯罪に立ち向かっていく。

最後は余韻を残す幕切れ。その後が非常に気になる。


No.616 8点 聖なる黒夜
柴田よしき
(2018/05/09 12:37登録)
自分にとって、その世界観はかなり異常で馴染めないけど、これは大作。登場人物すべてが絡む展開はお見事としか言いようがない(偶然、強引なところはあるが…)。

解説の三浦しをんさんが激賞しているのも納得。


No.615 8点 ささやく真実
ヘレン・マクロイ
(2018/02/01 10:22登録)
バリバリの本格。最後に、ちょっとしたどんでん返しがあり、これが案外効いてくる。

しかし、相変わらず美しい文章。今回ベイジル・ウィリング博士は目の前が砂浜という小屋風の家(別荘?)に住んでいる(料理人とともに!)が、夏の朝はひと泳ぎして目を覚ますという羨ましい環境。空と海の色合いの描写は、まるで作者がそんな家に住んでいたかのような(おそらく!)表現でワクワクしてくる。

読めば読むほど味わい深い作家で、また次の作品を読んでいます。


No.614 4点 カラマーゾフの兄弟
フョードル・ドストエフスキー
(2018/01/24 01:12登録)
世界的な文豪が命を削って書いた物語を読むのが苦痛だった。この分野の本を読む素養がないのははっきりしていたが、全巻読むのに、2年かかった。だいたいが、宗教に興味がない。世界一の名作を貶める気持ちはまったくなく、素直な気持ちである。自分の無知をさらけ出しただけのことで、投稿しなければ良かったのかな?

「罪と罰」はどうなんだろうか?


No.613 7点 上を見るな
島田一男
(2018/01/23 13:00登録)
島田さんの作品は初めて読んだけど、けっこう本格なんだなと驚いた。犯人のアリバイトリックはすぐに気づいたけど、「結局は誰が得をするのか?」、なかなかおしろい作品だと思った。またちがう作品を読んでみたい。

しかし、当時は長崎に帰るのにも、福岡空港で電車に乗り換えと、時間がかかったんだ?


No.612 6点 死の舞踏
ヘレン・マクロイ
(2018/01/21 22:23登録)
解説者も語っているように、非の打ち所がない文章力。翻訳者もハイレベルな方なんだろう。ただ、結末はそれしかないというか、「誰が得をするか」ではなく、「恨みを持つものは誰か?」だったけど、驚きもなければ、感心することもなかつた。

そのあたりのインパクト不足を感じた。


No.611 8点 あなたは誰?
ヘレン・マクロイ
(2018/01/08 00:02登録)
ヘレン・マクロイを読み始めたのはつい最近だが、本当に外れの少ない作家だと思う。こんな凄いミステリ作家がいたんだと、毎回感謝しています。

この作品も大好きで、E-BANKERさんが書いておられるように、有名作品よりも上のランクだと思う。読み終えると、原題よりも数段いい作品名だと気づく。


No.610 7点 二人のウィリング
ヘレン・マクロイ
(2018/01/07 23:52登録)
伏線は張り巡らせていて、単に自分が鈍いだけだと思うが、まさかそこまで深い真相だとは思わなかった。しかし、このサイトに投稿する方々の8割以上は途中で気づくのだと思う。

これでこの作家は何冊目かだが、毎回思うのは、翻訳家の素晴らしさと、文章のうまさ。何気ない比喩が精緻を極めている。

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