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ミステリの祭典

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絶叫城殺人事件
作家アリス&火村シリーズ

作家 有栖川有栖
出版日2001年10月
平均点5.78点
書評数27人

No.27 7点 虫暮部
(2020/12/27 13:23登録)
 作者は表題作と「雪華楼殺人事件」でミステリの悪魔を召喚してしまった。こうやられたら黙るしかない。ジーザス。
 ところが「壺中庵殺人事件」の“壺”は変。自殺に偽装する為のトリックで不自然な自殺体を作っては本末転倒だ。と言う見解が作中でも語られるが、そうまでして使う程の効果的なギミックだとは思えなかった。

No.26 5点 ボナンザ
(2019/08/22 10:17登録)
館もの風のタイトルが6つ揃っているのに一つとして館もの(嵐の山荘的な意味で)ではないという・・・。
どれもアイディア一発勝負ですが、短編集だからこんなものか。

No.25 5点 斎藤警部
(2017/05/22 12:27登録)
黒鳥亭
ほのかーーなミスディレクションが幸せに覆される瞬間が好きよ。ところがそれで全てじゃないってのもほんのり苦くて良いよ。「二十の扉」が絶妙だね。

壺中庵
トリックも物語もつまらんが、、建物の雰囲気はちょっとだけ好み。でもやっぱ俺の好きな物理トリックってのはこういうんじゃなくてなあ、島荘の得意なそれの方なんだなあ、全然違うわ。でも最後の沁みる観念台詞はちょいと好き。やっぱ心理ですよ心理のナニ。

月宮城
このタイミングでの前提変化球はジャストザ立派!と思えば普通水流に素早く呑まれ込み過ぎ。しかし真相はともかく物語の締めは、ダメでしょ。

雪華楼
ミステリ的に深みのない真相にがっくり。物語の雰囲気、その心理劇っぷりはまァ悪くもないが。。どこまでも童貞くさい有栖川よ、いい意味で。

紅南荘
ミソであろうサブ事象の動機が(推理小説として)シケってる。。だがそれを含む事件全体の構図は興味深い。もう一捻り半して長篇にすりゃあ良いものを! そしてラストの本筋動機で一気におじゃん。この青くささは本当どうにかならんのか、いい意味で。 さて、プロローグだが。。。。

絶叫城
変化球は肩透かし。。おぞましい真相にはまずまずの機軸感と感慨有り。
スコット・ロス登場には萌えた!

No.24 8点 ボンボン
(2016/04/23 22:22登録)
どういう加減なのかすっかり嵌ってしまった。一篇一篇が沁み入るように心に残る短編集。どれもサクッとしたトリックのアイディア一つを、しっかりと読みごたえのある物語で丁寧に包み込む、さすがの仕事ぶりだ。
全体に苦しくなるほどの精神的な歪みや悲嘆を夜の情景の中に描くという統一感があり、大変よくまとまっていると思う。
一つ挙げると、「壺中庵」は、(特別好きだとか、良い作品だと言うわけではないのだが)、事件の見た目の間抜けな滑稽さを「人間の尊厳をはく奪する愚劣」と糾弾する火村の台詞につなげるところなど、繊細で微妙な感覚を言葉で説明できる作者の力量がモノを言っていると感じた。
また、アリスの優しさ全開エピソードが満載で、暗澹たる話の中で救いとなる。月光に照らされる「月宮殿」に見惚れたり、子どもと真剣に遊んだり、ベタな恋愛映画に涙するアリスの感性にほっこり。

No.23 7点 青い車
(2016/04/03 16:16登録)
以下、各話の感想です。
①『黒鳥亭殺人事件』 誰が犯人か神経を尖らせて読んだのですが、なるほど、騙されました。意表を突く真相もいいですが、アリスが子供と遊ぶときのやりとりも面白いです。
②『壺中庵殺人事件』 他殺であることはあっさり警察に見抜かれた殺人事件。ポイントは密室トリックの一点ですが、特殊な部屋の構造を利用したトリックには素直に感心。短めにまとまっているのも好ましいです。
③『月宮殿殺人事件』 ある豆知識ひとつを基に組み上げられた話。アイディアは乏しいはずなのにちゃんとミステリーとして成立しています。しかし、ミステリー作家は色んなことを創作に活かしてきますね。
④『雪華楼殺人事件』 そうそう起こらない偶然により成立した不可解な状況。受け付けない人もいそうですが、記憶を失った少女の謎も絡めたストーリーには引きつけられます。
⑤『紅雨荘殺人事件』 トリックはわりとシンプル。しかし、相変わらず「なぜそんなことをしたのか」の設定の上手さは冴えています。証拠の提示もフェア。難点は犯人の心情に入り込めなかったところでしょうか。
⑥『絶叫城殺人事件』 シリアル・キラーものですが、蓋を開けると作者らしいトリックの本格パズラーとなっています。そして、何と言っても連続殺人の動機の不条理さがインパクト大です。

個人的ベストは②か⑤ですが、他の作品も水準以上と思います。特に③のような作品も嫌いじゃないです。さまざまなパターンのトリックが楽しめるお得な一冊。不満があるとすれば、①などはタイトルの雰囲気と内容がマッチしてないところでしょうか。

No.22 6点 メルカトル
(2014/02/27 22:24登録)
再読です。
どの短編もある程度の水準をクリアしており、良質の短編集と言える。平均して面白いので、あとは読み手の好み次第となろう。
個人的には、『黒鳥亭殺人事件』>『絶叫城殺人事件』>『月宮殿殺人事件』の順で評価したい。だがあくまで先にも述べたように好みの問題なので、他の作品が劣っているとは思わない。
土地勘のある大阪や京都が舞台となっている作品が多いので、その点私にとっては情景が浮かびやすかったし、親近感を覚えた。これも好感度がアップする要因となっている。
表題作はこれから読む方にとっては、おそらく想像していたものとは全く違った印象を受けることと思われる。だからと言って、それが悪い方向に向いてしまっているとは言い難い。短編にしては相当構想から練り上げられている感触である。
他の作品にも言えることだが、全体的にプロット、トリック、ストーリーとも充実した一冊となっていると思う。

No.21 6点 バード
(2013/10/06 23:07登録)
どういう本か知らずに有栖川さんの本を読みたかったので買ったら短編集だった(ほんとは長編が読みたかった)
すべてが妙な建物にまつわる話で雰囲気が好み、好きな話を挙げるとしたら1、2、4話目といったところ。

No.20 6点 makomako
(2011/04/11 20:26登録)
有栖川は好みの作家なのだが、トリックのみが目立ったものとなるとがっかりするものもある。氏の短編集はトリックが主体作品となるものが多く私にとってはそのトリックの出来不出来によって作品の評価が決まってしまう。黒鳥亭なんかはかなり好きだが雪華楼のようにあまりに偶然を頼りにしたものはしらけるなあ。全体として読んで悪い印象があるものはないがすばらしいと感じるほどのものもない。ちょっとたったらすぐに内容を忘れそう。

No.19 6点 HORNET
(2011/01/10 12:14登録)
 純粋な謎解き小説で,その謎もそれなりに納得がいく結末でした。氏の作品,とくに短編集は,抜きん出てよいものがそれほどなくても,平均的に楽しめるものばかりなので,安心して読めます。個人的には「月宮殿殺人事件」が好きでした。

No.18 5点 seiryuu
(2010/08/06 15:35登録)
表題の「絶叫城殺人事件」は面白くなかった。
「黒鳥亭殺人事件」「壺中庵殺人事件」「月宮殿殺人事件」
が面白かった。

No.17 5点 まさむね
(2010/04/29 09:16登録)
6つの短編集。すべての短編名が,「『建物名』殺人事件」で統一されています。
ちなみに,建物名が付されているからといって,「密室モノ」に特化しているわけではありません。
一番よかったのは,表題にもなっている「絶叫城殺人事件」。
トリック云々でなく,雰囲気としては「黒鳥亭殺人事件」も好きですね。
その他の短編は…標準レベルでしょうか。

No.16 5点 E
(2010/02/14 19:20登録)
ハードカバー表紙がやたら仰々しく感じる短編集。
いつも通りの有栖川氏っぽい作品でした!!

No.15 5点 E-BANKER
(2009/10/14 21:59登録)
火村シリーズの短編集。
全体としては、短編集らしくこじんまりまとまった作品が多いように思います。
表題作はラストがあまり面白くありません。
「紅雨荘・・・」はラストの捻りが効いており、一番面白い出来。
「月宮殿・・・」はだから何?という感じ。
「壷中庵・・・」は単純な密室物ですが、なかなかの出来。
その他は「うーん」という感想でした。

No.14 6点 こう
(2009/05/04 01:31登録)
 内容は一作一作違うのに同じような雰囲気の作品が集まり特にどの作品が気に入ったということはないのですが作品集全体としては割と気に入っています。国名シリーズの一部のやっつけ仕事みたいなのと比べれば全然良いと思いました。

No.13 4点 いけお
(2008/11/26 12:08登録)
トリックがいまいちな作品が多かった印象。
全体の暗い感じは好み。

No.12 5点 ぴあん
(2008/06/25 22:41登録)
アリス&火村ものにしては、いつもと趣の違う作品集。全体的に重苦しい人間の心が投影されているような印象を受けた。トリック云々よりも雰囲気を楽しめればお勧め。

No.11 6点 白い風
(2008/04/05 18:59登録)
6編の短編集。
ちょっとビミョウな物もあったけどトータルとしては楽しめました。
私的には題名の”絶叫城”より「黒鳥亭・・・」「紅雨荘・・・」が面白かったかな。

No.10 5点 ミステリー命
(2008/01/30 14:54登録)
「黒鳥亭」、「月宮殿」、「雪華楼」はこれぞ短編といった感じで結末が簡素かつ巧みである。
「壺中庵」、「紅雨荘」は欲望は狂気と化す…。人間の醜さが感じられた。ちょっと暗い気持ちになった。人間ってやっぱ金がいちばんなのかなって…。
「絶叫城」は一番面白かった。ホラー・ゲームに登場する怪物が現実に現れ…。あらすじだけで面白いと確信した。
なんか全体的に暗めだった。夜の犯行ばかりだからか?
動機も結末を暗くさせている。ひょんなことで人間って人を殺せるんですね。


No.9 8点 おしょわ
(2008/01/28 22:07登録)
この作品集はいいです。
絶叫城~はせつない。

No.8 7点 姑獲鳥
(2007/08/07 23:19登録)
面白かったのですが、「雪華楼殺人事件」は若いカップルがうざいです。火村さん達もなんであんなに優しくするのだかわかりません・・・

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