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ミステリの祭典

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海のある奈良に死す
作家アリス&火村シリーズ

作家 有栖川有栖
出版日1995年03月
平均点3.88点
書評数33人

No.33 6点 虫暮部
(2020/09/19 11:29登録)
 第2の犯行について。
 犯人と毒入り酒をつなぐ直接の証拠は無い(よね?)。更に、酒を呑んだこととアレの因果関係は立証出来ない(そもそもアレを見た証拠も無い)。仮に立証出来たとしても、それが毒物の存在を踏まえた殺意に基づく行為だとは立証出来ない。つまり“アレの実験をしたところ、偶然、酒の中に毒が入れられていた”と言い張ることも出来なくはない。
 思い返せば、第1の犯行でもポカは失言くらい。“裁判で有罪判決を食らわない”との観点に立てばなかなか健闘したのでは。

 旅行案内としては面白かった。きちんと辻褄を合わせ切れなかった“海のある奈良”と言うネタを未完の作中作として投げ出してしまうのは、工夫と言えば工夫だが、やはりずるい。

No.32 4点 mediocrity
(2019/03/23 00:14登録)
なんか妙な引き延ばしが多くて退屈な場所が散在しているのは何故だろうと思っていたら、著者初の連載小説ということで納得。内容は意外にも内田康夫みたいな感じ。
短編集の中の1作でこの毒殺トリックと「海のある奈良」の秘密ならまだ許容した人も多いだろうが、400ページ近く長々と読まされてこれだけだと低評価もしょうがない。

No.31 4点 ボナンザ
(2019/03/13 23:47登録)
第二の殺人のトリックはまあこの当時としては目新しかったのだろうか。
海のある奈良のトリックは・・・。

No.30 6点 まさむね
(2018/07/25 20:53登録)
 以前から、有栖川作品にしては当サイトでの評価が随分と低いなぁ…と思っておりました。むしろ読みたくなっちゃいますよねぇ。
 で、結論から言えば、個人的にはそれほど悪い印象は抱かなかったですね。確かに、2つ目の殺人については、トリック自体がアレですし、効果も疑問。また、そこまでして実行する意義も理解しがたい等々、指摘したい点は複数あります。
 一方で、全体構成としては、伝説等の絡ませ方も含めて、比較的綺麗に纏まっているのではないかと感じました。終盤の絵解きもなかなか楽しかったし、記憶に残りそうではあります。
 このサイトの平均点の低さは、有栖川作品への一般的な期待値の高さの裏返しなのであろうと、ファンとしては捉えたいと思います。

No.29 6点 HORNET
(2018/03/31 20:25登録)
 なんか本サイトではかなりの酷評みたいで…気が引けます。
 確かに有栖川作品として秀でているとは思わないけど、自分はそこまで悪くはなかったなぁ。

 まぁ確かに小浜が「海のある奈良」と言われていることだけに賭けた一点勝負の感じがあり、短編でも十分では、という気がしないでもないが、歴史的薀蓄や旅情が散りばめられていて、結構倦まずに読み続けられた。

 ただ、どこか忘れちゃったけど(和歌山だっけ?)別方面の人魚伝説や、小浜と奈良とどこやらが一直線上に並ぶとかの話が、単なるフリで終わってしまっていて、何の意味もなさなかったことには確かに不満は残ったが。

No.28 3点 ねここねこ男爵
(2017/10/20 22:55登録)
この作者一の駄作かと。
文章の上手さでそれなりに読めますが、「え?これ!?」感満載。

No.27 4点 ボンボン
(2016/06/13 13:32登録)
最悪、というほどではないが、やはり残念の一言。
粗くて、下世話で、(敢えてなのだろうが)やけに艶っぽさが散りばめられている雰囲気があまりよろしくないため、そもそも小説の出来として有栖川有栖の知的な清潔感からは遠い。
トリックにしても、丁寧に扱えばもう少し印象が違ったかもしれないのに、とにかく肝心の火村がはしゃぎ気味な謎のテンションなので、乱暴過ぎて話にならない。ちょいちょい非常識な行動や現実味のない展開があって引っかかる。結果、本作のヒロイン役がデコボコとグロテスクなことになってしまっている。さらに、いつもは効果的に働く薀蓄の披露が、素材丸出しのまま、度を超して大量投入されるので、生煮え感がいや増す。
とまあ、だいぶ悪く書いてしまったが、赤星楽を弔うために、失われた小説「人魚の牙」を復元するという筋書きは良かったし、特に最後の<一枚の奇妙な地図>は面白かった。

No.26 4点 青い車
(2016/04/26 20:24登録)
 作者のファンですが、こればかりは容認できないかなあ。特に例のトリックは大問題だと思います。同じようなネタは刑事コロンボでもありました。でも、コロンボの場合は冒頭からトリックを明らかにし、それを解く過程を見せるというフォーマットであるからこそさほど違和感を覚えないのであって、このようなストレートな本格として書かれた小説だと最後いきなり突飛な解答が飛び出す構造になってしまい、読者は置いてけぼりを食らってしまいます。
 小説としても不出来な部類で、クリスティーの名作をもじったタイトルはそそられるのに展開は起伏に乏しく、「海のある奈良」である福井などを描いた旅情ミステリーにもなりきれていません。有栖川さんは当たれば大きい作家なのですが、この出来はとても残念。

No.25 2点 風桜青紫
(2016/01/14 03:20登録)
こいつぁ……やべえ。初の連載小説とはいえやっつけすぎるのではないか。人魚のうんちくも読み飛ばしても問題ない程度に不要でくどい。というか何よりトリックがいかん。赤星さんの地図トリックが輝いて見えるレベルです。小夜子たんの初陣以外は取り立てて読むところは……ないなあ。

No.24 5点 斎藤警部
(2015/11/03 16:37登録)
これも言っちゃうとネタバレになるかな、、、 てっきり、韓国語の洒落かと思ったんですけどね、全く違う展開でした。いろいろ勉強になって楽しかったです。ミステリ核心の部分はさっぱり憶えてませんが、何故か忘れられないお話です。まさかの旅情もあった。

No.23 4点 nukkam
(2012/04/29 15:09登録)
(ネタバレなしです) サラリーマン作家だった有栖川が専業になって初めて書いた、1995年発表の火村英生シリーズ第3作の本格派推理小説で、「行ってくる。『海のある奈良』へ」と言い残して去っていった男の死を扱っています。派手な演出を排したプロットで、トリックは色々と用意してあるのですがあまりにも全体が地味で謎自体の焦点が定まっていません。そのためか最後にトリック説明されてもインパクトに欠けてしまうのが惜しいところです。トリックも成功するのかおぼつかないようなところがあって説得力も弱いような気がします。

No.22 5点 spam-musubi
(2012/01/08 10:08登録)
ミステリで見るのは3回目くらいだが、サブリミナルの信憑性については非常に疑問。
しかし「ダリの繭」に続いてこれを読んでしまった。有栖川はやめようかな・・・
旅行好きなので、小浜という場所を知ったのはプラス。

No.21 2点 ウィン
(2010/09/25 12:08登録)
これは旅情ミステリーっぽくもある。
まず有栖川有栖っぽくない。
トリックだって、「ほんとかよ」と思ってしまうようなものだった。
本格ミステリを目指しているのか、旅情ミステリっぽくしたいのか、どちらにもとれず、なんとも中途半端に思えてしまうミステリ。
第一、40歳半ばの女性が20歳に見えるってどういうことなのか。
40過ぎてもキレイと言われる黒木瞳でも20代には、とてもとても見えないぞ?
設定からして色々と無理がある。
「エクソシスト」の話に関しては、なかなか参考になったし面白かった。

No.20 4点 E-BANKER
(2010/07/07 20:52登録)
火村助教授&アリスシリーズ。
正直言って、学生アリスシリーズと本シリーズとではクオリティに差がありすぎる気がしてなりません。(今さらではありますが・・・)
講談社の火村シリーズもイマイチですが、角川で出した数編はさらに面白くない気が・・・
「海のある奈良」とは、一般的には福井県小浜市のことですが、実は・・・というのが本作品のキーになっています。途中、2人が「ああでもない、こうでもない」と行ったり来たりするわけですが、結局あまり盛り上がらぬまま終局へという流れです。

No.19 5点 E
(2009/12/23 12:27登録)
若々しい女社長の存在感がよく分からない。別にあんなふうに描写しなくても良かったのではないだろうか・・・
地域の情景や伝説が出てきたのは良かったけれど、物語に上手く溶け込んでなかった印象・・・;

No.18 3点 いけお
(2009/12/05 01:29登録)
論理性に欠け各トリックが酷いため短篇に纏められていたとしても厳しい。

No.17 5点 測量ボ-イ
(2009/05/19 20:40登録)
皆さんの評価、思いのほか低いですね(笑)。
まあ僕としてはそんなに悪くなかったです。凡作には違い
ないですけど。
僕は関西在住の人間ですが、舞台となった福井県小浜市に
一度しか入っていない(正確には駅前を散策しただけ)の
で、いつかゆっくり行って「海のある奈良」を見てみたい
です。

No.16 4点 こう
(2008/11/05 23:03登録)
 これもシリーズキャラクターを出している意味が良く分からない作品だったと思います。サブリミナルも使用してほしくなかったです。またどうみても「20代にしか見えない40代女性」等は現実味が乏しくこの人物が作品に大きく係わってくるのですが個人的には引き込まれませんでした。
 法月作品が個人的には作品世界が本人に合っている気がするのですが有栖川作品のこれと「ダリの繭」は火村と世界が合ってないかなと個人的に思いました。ただミステリの出来はともかく世界観的には「ダリの繭」よりましかな、とも思います。

No.15 2点 あい
(2008/04/24 15:44登録)
つまらない。ペルシャ猫の方が短いだけましかも

No.14 4点 おしょわ
(2008/01/28 21:56登録)
タイトルの期待値が高い分きついです。
早々にタイトルの意味が分かっちゃってその後の楽しみがなくなってしまいました。

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