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ミステリの祭典

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私が彼を殺した
加賀恭一郎シリーズ

作家 東野圭吾
出版日1999年02月
平均点6.25点
書評数48人

No.48 5点 ボナンザ
(2022/08/16 12:51登録)
どちらかが~に比べると読了時点では犯人の特定は容易。ではあるが、最後のページ以前の推理はあまり意味がないような・・・。

No.47 1点 Fヴァンス
(2019/07/12 17:05登録)
読んだ後不快感しか残らなかった。まるで解答のないクイズを出されたようなもの。(しかも最後になってそれがわかる)。ミステリー作品の基本として、最後に犯人と動機と犯行方法が明かされるべきだろう。そうでないミステリーの体をなしてないこのような作品を、「既成の形式にとらわれない斬新な試み」などと良いことのように言うのは詭弁以外の何物でもない。評価にも値しない論外の対象だ。そのような作品が氏には2,3あるが、それら以外の作品はすばらしいだけに氏の残念な汚点だと思う。

No.46 6点 いいちこ
(2019/01/04 15:09登録)
本格ミステリとしては毀誉褒貶もあろうが、3人の容疑者に等しく犯行動機と機会を与え、一般の読者が到達できるレベルの真相を用意し、という本作の制約を考えれば、出色のデキと評価してよいのではないか。
終盤に向けて徐々に各章の尺を縮めていくことで、サスペンスを盛り上げていく手際も見事。
ただ、このテの趣向の宿命として、作品の焦点を「犯人当て」のみに絞り込んだ結果、人物が描けていない、登場人物に魅力が感じられない点が大きな難点。
趣向そのものに歴然とした限界があり、著者の相当な苦労にもかかわらず、それが十全に報われたとは言えない作品

No.45 7点 りゅうぐうのつかい
(2017/07/24 19:19登録)
最後まで読んでも、「犯人はあなたです」と加賀刑事が指摘した人物が誰なのか、わからなかった。さらに、「推理の手引き《袋綴じ解説》」を読んでも、わからなかった。ネットでネタバレ検索をして、「ああ、そうだったのか」とようやく理解できた次第。この作品のように解答を示さないままで終了、というのは一つの趣向だとは思うが、正解がわからないままではモヤモヤ感が残る。ネットで調べることができて、良かった。
登場人物の数は限られており、その中で殺人事件を引き起こす愛憎関係が巧く構築されている。毒入りカプセルの数合わせの問題だったり、カプセルの入手とすり替えの可能性など、魅力的な謎が盛り込まれている。関係者が集められてからの論争によって、二転三転する展開も面白い。視点を容疑者の間で次々と変えていき、複数の人物が自分を犯人だと思い込んでいるところは、連城三紀彦氏の某作品に似ていると感じた。
犯人を特定する決定的な手掛かりが最後のページで示されるので、読者挑戦ものにするのであれば、最後のページに挑戦状を挿入するのであろう。最後のページの手掛かりから犯人を特定するのに必要な情報があちこちにさりげなく盛り込まれているので、パズルとして、結構難しい問題ではないだろうか。

No.44 5点 パメル
(2016/09/09 10:51登録)
フーダニットに特化した作品で物語自体に面白みは感じられない
「犯人は誰だろう」と推理しながら読み進めることに一番の魅力を感じる方にはオススメ
物語の雰囲気や世界観・スリルなどを味わいたい方には物足りなさを感じるでしょう

No.43 6点 風桜青紫
(2016/01/15 02:41登録)
二番煎じであるから『どちらかが彼女を殺した』のようなインパクトはなかったものの、なかなか充実した内容だった。容疑者三人の妙な後ろ暗さがなんだか面白い。「せまいベットでひとつになった――」というのは東野圭吾の新たな趣味なのかと思ったが、後の作品を見る限りそうでもないようだ。

No.42 7点 斎藤警部
(2015/10/06 06:58登録)
フロンティア精神溢れる挑戦企画には拍手を送ります。

「どちらか」とは違い、犯人明かさずという巨大ギミックを採用する事によって犠牲になる別のギミックも挙げるほどは感じないし、そういう点ではスッキリとこの特別形式推理小説の世界に乗っかれました。
となると「どちらか」の痛いようなやりすぎ感がやっぱり恋しくなって来たりして。読者は勝手なものです。

「私が」の感想とかぶりますが、結果的にこの小説が一般的な読者に促がすのは「ちゃんと推理すること」以上に「たまには再読すること」だったりしないでしょうか。

ふと思うのですが、この小説の様な犯人明かさない形式に「驚天動地の叙述トリック」を噛ませたら、どうなるかしら??

No.41 6点 バード
(2013/06/22 15:36登録)
比較対象にされがちな「どちらか?」と比べるといろいろと良くなってたと思う。今回もまた犯人を当てられなかったが前回のように根拠に納得できないということもなく素直にやられたと思えた。

7点か6点かで迷ったが軽めの謎解きで長編ほどの満足感はなかったので6点で。

No.40 5点 ドクターマッコい
(2013/04/15 16:30登録)
何度も読み返すとか細かな点を読み尽す人には好都合かもしれ
ませんが、すぱっと結論が欲しい私の様な人間には正直なところ、無理な作品でした。初版とかはラストに袋とじがあったようですが、私のものはそれがなかったので尻切れトンボ的で読了後もすっきりしませんでした。

No.39 6点 蟷螂の斧
(2012/08/27 18:36登録)
毒入りカプセルの数だけを追って読んでいたので、3点(バック、瓶、ピルケース)はスルーしてしまいました。判るわけないです(笑)。「流星の絆」の兄妹愛が良かっただけに、本作の兄妹愛は受け入れがたいものでした。

No.38 7点 Tetchy
(2012/06/25 20:49登録)
本書のメインの事件の被害者穂高誠という脚本家はこれまでの東野作品の中でも一、二を争う卑劣漢だ。この穂高誠の設定を読んで思い出したのは『悪意』に出てくる小説家日高邦彦だ。しかし日高がいわば作られた偶像だったのに対し、穂高は真性の自己中心男である。
つまり読者の共感を覚えるのには極北に位置する人物であり、私も含め読者の大半は彼が殺されたことに快哉を挙げたことだろう。そんな死んで当然の男を殺したのは誰かというのが今回の謎だ。

そして今回も惨敗。ただし今回の真相はウェブ上の推理を読んでもいささか歯切れが悪い所があるようだ。
本当の真相は作者のみぞ知るのだろうが、これを是とするか否とするかは読者次第なのだろう。謎は解かれるからこそミステリと考える読者はもやもや感が残るだろうし、逆に謎は謎のままだからこそまたいいのだと考える読者は是とするだろう。私は『秘密』の後に書かれた(発表された)作品として本書を捉えると真相は一つでなくてもいいのではないかという作者の声を感じてしまう。

No.37 6点 STAR
(2012/04/02 11:43登録)
『私が彼を~』は未読ですが、こちらの方が評判がよかったので、読んでみました。
伏線が張り巡らされていておもしろかったです。一度3人全員に犯行の機会はなかったとなるところがいいです。
あえてラストを袋とじにしているのは、作者からちゃんと考えてってメッセージなのかなと。

No.36 7点 スパイラルライフ
(2012/02/07 13:29登録)
氏の作品で一番好きです。
初めて読み返した作品でもあります。

前回では弱かった推理の前提条件や伏線を分かりやすく提示されており、氏の筆力に尊敬。

あるべき、そしてあってはならない指紋の存在に1日かけて唸れたのは良い思い出。

純粋な推理が楽しめる佳作です。

No.35 6点 haruka
(2011/05/07 00:19登録)
「どちらかが彼女を殺した」よりは犯人特定のロジックに説得力があった。容疑者全員に動機と犯行機会があり、各容疑者の視点で物語が進行する点も緊迫感があり面白かった。

No.34 9点 3880403
(2011/05/05 22:25登録)
(文庫版読了)読み易く面白かった。
袋とじを読むまで犯人が分からなかった。

No.33 9点 E-BANKER
(2011/04/15 23:08登録)
加賀刑事シリーズ第5弾。
「どちらかが彼女を殺した」に続く、"最後まで犯人の名前が明かされない”究極のフーダニット!
~婚約中の男性の自宅に突然現れた1人の女性。男に裏切られたことを知った彼女は服毒自殺を図った。男は自分との関わりを隠そうとする。醜い愛憎の果て、殺人は起こった。容疑者は3人。事件の鍵は女が残した毒入りカプセルとその行方~

いやぁ、これはスゴイ作品ですね。
「どちらかが・・・」にもかなり感心させられましたが、今回はそれ以上。
前回の「三人称一視点」から、「一人称一視点」に変わったことも、読者をさらに煙に巻く効果を発揮しているようです。
加賀刑事シリーズには何かしら毎回感心させられてますが、今回の「毒入りカプセル」の推理もかなりのもの。
毒入りカプセルを被害者に仕掛ける機会ばかりを考えているところへ、「○○物」自体の伏線まで張られていたとは・・・(袋綴じ解説を読んで初めて気付いた)
ネタバレサイトもいくつか閲覧したため、一応真犯人については理解しましたが、個人的にはもうちょっと飛躍して考えてたので、やや拍子抜け感はありますけど・・・
とにかく、ミステリー作家としての作者の「腕」の確かさを改めて感じることのできる「必読の書」という評価で間違いなし。
(そんなに短いわけでもないのに、あっという間に読了してしまいました。さすが東野圭吾・・・)

No.32 7点 まさむね
(2011/04/12 23:00登録)
スピード感,終盤の捻りと緊迫感,犯人特定のロジック,全てにおいて前作「どちらかが彼女を殺した」を上回っている印象を受けました。
相当に楽しめましたねぇ。究極の読者挑戦モノ,第3作目はないのかなぁ。
【以下,ネタバレ的?】
犯人は確かにあの方しかあり得ず,その点の論理性には何ら異議はないです。ただなぁ…警察はソレの指紋調査をしているのだから,もっと早く真犯人にたどり着けたはずですよねぇ。重要視すべきは「とある指紋の存在」よりも「あるべき指紋の不存在」のはずだが…ってことで1点減点。

No.31 7点 HORNET
(2011/01/16 07:44登録)
 「私が彼を・・・」を読んだ多くの人が次にこの作品を読むことを踏まえて,容疑者の範囲,謎解きの質をレベルアップいます。そのように,読者に向けてレベルを上手に調整している所がすごいなと思います。前作が「物足りない」と感じた人も,とりあえずは読んでしまうでしょうし,多くの人が「前作よりも面白い」と感じるでしょう。
 一人一人の容疑者主体で書かれている章があって,それぞれが「私が殺した」と言っている,その構成も面白かった。謎解きも前回以上に楽しめました。

No.30 4点 ムラ
(2010/12/16 03:45登録)
前作よりも一人増えてさらに構造が深まっていた気がします。
全員が全員殺したと言うところも、そそられる展開で楽しめました。
ただ、トリックがやっぱりどうも微妙な気が。そんな甘い方法で成功するのかという疑問

No.29 7点 seiryuu
(2010/08/16 17:27登録)
「どちらかが彼女を殺した」よりこちらの方が
ロジックが面白くて納得できるので好きです。

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