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ミステリの祭典

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どんどん橋、落ちた

作家 綾辻行人
出版日1999年10月
平均点6.14点
書評数98人

No.98 6点 ミステリーオタク
(2020/08/02 18:52登録)
最終話だけわかった。
全部笑える。

No.97 5点 斎藤警部
(2020/01/12 11:00登録)
犯人当てと銘打ってるのは、半分冗談半分本気ってとこでしょうか。
風桜青紫さんのおっしゃる、冒頭二作に対する下記のコメント:
> (前略)トリックを納得させるにゃこれ以上の方法はなかろう(笑)
> (前略)確かにこの形式じゃなきゃ種明かしできないし、犯人当てを組み立てる手法のひとつとして十分あり
本当にその通りで、企画の主旨も確信犯的にくっきりしており、そのくせ比較的つまらない、驚けないという(特に冒頭表題作)。


どんどん橋、落ちた  2点
つまらんw でも本作だけ読んで投げちゃったら損するぞー。 まーこういう構成だからこそ( 中 略 )、という工夫は買います。コレ長篇でやったら伝説のバカミスになりますかね。

ぼうぼう森、燃えた  5点
「どんどん」を踏まえての「ぼうぼう」。いっけん似たようだが、わたし的にはこっちがずっとまし。コレ長篇でやったらどうなっちゃってますかね。あ、いや、だから短篇集の冒頭二作なわけか。

フェラーリは見ていた  6点
中では異色作、しっかり短篇ミステリらしい。私もたまにカラオケする憂歌団の唄を二人で口ずさむシーンがエエ。●●トリックは前二作よりささやかなものだが、その効果がよりきれいに出ていると思う。

伊園家の崩壊  6点
あの二人が既に故人!という先制攻撃にやられた。外郭は悪乗りパロディだが中身はガチガチの本格ですね。まさかの●●トリック無しだったのは。。意外でしたw

意外な犯人  8点
逆”小説ならではのトリック”!! トリック原理はまあアレかも知れないが、こういう構成というか叙述ギミックの中で来られると。。。 エンディングは、味わい深いのに蛇足感だだ漏れという、珍事に!


全体的にせせこましいというか、豪快さに欠けるというか、疲れてそうというか、綾パンらしい覇気が見えないと言いましょうか。 パロディにしては生煮えってか、じゅうぶん一筋縄で行っちゃってるでしょ(一作?除いて)。 でもこの楽屋落ちスピリットは愛おしい。 さいきん犬の名前と言えばやたらショコラとかタケマルってのが多い理由もよおく分かりました(嘘)。 しかし、人間が描けていないな!!(笑)

No.96 6点
(2018/10/30 09:58登録)
フーダニットに特化した、おふざけ短編集。
皮肉はないが、遊び心がたっぷり詰まっていて、東野圭吾氏の『名探偵の掟』の対抗馬と云っていいだろう。
謎解き性のみ有り、物語性無し、動機無しの、こんな短編集は、本格好き、というよりもパズル好きにはたまらん。数独、論理クイズに臨むような感覚です。
でも、表題作で、ちょっと違和感を覚えた程度で、結局、全く解けなかった。
じつは、物語性無しとか云いながら、『伊園家の崩壊』では話に夢中になりすぎて、ミステリであることを忘れてしまっていた。

『どんどん』が7点、『ぼうぼう』が6.5点、『フェラーリ』『伊園家』が6点、『意外な犯人』が5点。

No.95 6点 パメル
(2018/02/16 00:59登録)
読者への挑戦を掲げた遊び心たっぷりの叙述トリック短編集。
アンフェアのように思わせておいて、地の文には虚偽の記述は無くフェアに徹している点は好印象。
ただし、「フェラーリは見ていた」は真相は完全に推理不可能だしオチも今一つ。
表題作では「十角館の殺人」でもおなじみの海外の有名作家が登場してくるし、「伊園家の崩壊」では、あの陽気な家族で有名な漫画がパロディ化されホラー色たっぷりで楽しませてくれる。

No.94 6点 メルカトル
(2017/08/31 22:28登録)
さすがに叙述トリックの名人、綾辻行人。どれもこれも奇想天外な叙述に特化した短編ですね。しかしおふざけが過ぎたせいか、評価が割れているのも納得ではあります。
人が必死に犯人探しに夢中になっているのに、それを足蹴にするようなトンデモトリックには腹を立てる読者も少なくないでしょう。しかしよくよく読んでみれば、決してアンフェアとは言えず、正々堂々とある意味くだらないトリックを仕掛けている辺りは、さすが新本格の旗手と言えると思います(皮肉です)。
表題作は島田荘司編集のアンソロジー『奇想の復活』で読んだんですよ。ですから誰よりも早く読んだのが自慢ではあります。その際このトリックには驚いたと同時に腹立たしさも覚えました。他の真面目な本格ミステリを尻目に、一人異次元の世界で遊んでいるような感覚で、らしくないなと感じました。これが綾辻渾身の一作だったとは・・・残念な気持ちでいっぱいになりましたよ。そんな遊び心に溢れた人だったとは意外でした。
なんだかんだ言っても、結局この短編集のレベルは低いとはいえず、作者の名前と内容のギャップに不評を買っているに過ぎない、不遇な作品集なのではないでしょうか。

No.93 4点 take5
(2017/08/05 07:31登録)
体調がよく、寛容な心があれば、もう少し高い評価でもよいのでしょうが、
ドンドン橋とぼうぼう森だけ読んで、図書館の返却日が来た、私にとって珍しい作品です。
叙述に驚きはあれど感心はしないのは何故でしょうか。主観です(o_ _)o

いずれちゃんと読破して正当に評価致します。

No.92 6点 虫暮部
(2017/07/20 15:32登録)
 額縁部分の妙にダークな雰囲気があまり有効に機能していないせいで、せっかくの叙述トリックも味わいが損なわれている。この“作者の苦悩”は作品の一部として昇華され切っていないように思う。

No.91 5点 nukkam
(2017/07/15 23:30登録)
(ネタバレなしです) シリーズ探偵の登場しない1999年発表の短編集で5つの中短編が収められています。私の読んだ講談社文庫の新装改訂版の巻末解説は大山誠一郎が書いていますがその中で「作者はもちろん、読者に絶対に犯人を当てられないことを目指す」とコメントしていますがまさに本書はそれを突き詰めようとしています。しかし作者勝ちにこだわり過ぎて(青い車さんがご指摘されているように)反則ぎりぎりの技巧頼りになってしまい、しかも小説としての余裕がないように感じます。例えば「犯人以外の人物の証言に嘘はない」というルールは確かに注意を払って守っているのですが、普通なら会話の流れの中で探偵役の勘違いに気づいて(犯人以外の人物は)それを訂正してしかるべきなのにそれをしないまま会話を続ける(そしてミスディレクションが成立する)というのはあまりに不自然に感じました。「鳴風荘事件」(1995年)以降王道的な本格派の作品を発表できず焦った作者がついに異端に手を染めてしまったのでしょうか。

No.90 6点 sophia
(2017/06/27 18:39登録)
綾辻行人の稚気による自虐炸裂の短編集。館シリーズなど、氏の他の作品を読まずにいきなりこれを読んだ人は全く楽しめないのではないでしょうか。これはちょっと他の作品と同じ尺度では評価できませんので、点数は本来「採点不能」にしたいところですが・・・
「どんどん橋、落ちた」「ぼうぼう森、燃えた」「フェラーリは見ていた」とぶっ飛ばして来たのに、「伊園家の崩壊」でいきなり真面目になった感じがします。「伊園家の崩壊」はよく出来ている話であるのに、前3作の後だと「つまらない」と感じてしまうのは何故なのか(笑)

No.89 4点 青い車
(2016/11/09 14:59登録)
 手厳しい意見ですが、あまりに遊びが過ぎて、かつワンパターンな作品集だと思います。反則スレスレの技を奔放に使って「読者の誰が犯人だろうか」と考えて読む楽しみを奪っているように思えてなりません。しかも、それが何発も続くので些かくどくも感じます。いちばん推理小説の王道に近いのは『伊園家の崩壊』ですが、パロディに毒が強すぎて完全に引いてしまいました。総じて綾辻さんの本来の実力には遠く及ばない出来です。

No.88 6点 風桜青紫
(2015/12/21 06:32登録)
メタ視点を交えての仕掛けに重点を置いた作品。作中作の形式で登場人物に作品をフォローさせているのがなかなか新しい。『どんどん橋、落ちた』みたいなせこいトリックを納得させるにゃこれ以上の方法はなかろう(笑)。でもまあ、『ぼうぼう森、燃えた』みたいな作品は確かにこの形式じゃなきゃ種明かしできないし、犯人当てを組み立てる手法のひとつとして十分あり。楽屋裏っぽいネタは嫌いじゃないし、なかなか楽しめた。それにしても『伊園家の崩壊』のやっつけぶりときたら。アーヤの自己嫌悪っぽい「疲れてるな……」がじわじわくる。萎えた表情で民平だのタルちゃんだの書いてたのかアーヤは。

No.87 6点 smk
(2015/10/13 02:09登録)
フーダニットに特化した短編集。
それぞれフェアに書かれてはいるが、よく考えつくなぁと思うぐらいで驚きはなかった。
伊園家の救いのなさもけっこう好きな部類。実際救いがないことっていっぱいあるしね。
普通に楽しめたのでこの点数で。

No.86 4点 CHABI
(2015/03/01 21:58登録)
どんどん橋とぼうぼう森は、真相には納得はしましたが、
「だが、しかし」ですね。
伊園家のインパクトが強烈すぎました。
一番本格的でありながら、一番ふざけすぎという。

No.85 8点 いいちこ
(2014/09/30 20:57登録)
物語としての魅力を敢えて削ぎ落とし、本格の要素だけを剥き出しにした個性的なパズラーが並ぶ。
フェアプレイを意識しつつ、サプライズを両立させることに成功しており、騙しの技術は絶品と言える。
また綾辻行人自身を主役としたメタフィクショナルな構成とすることで、推理作家としての苦悩を描き出す私小説的な雰囲気も漂う。
最近のホラー寄りの作品にはない、本格の稚気が堪能できる作品

No.84 3点 蟷螂の斧
(2014/07/22 16:42登録)
館シリーズを読み終えたころに、手にした一冊。イメージの落差にガックリし、そのまま評価を留保していたものです(苦笑)。お遊びの一冊として捉えています。

No.83 7点 初老人
(2014/06/17 02:00登録)
バラエティに富んだ犯人当てがテーマの作品集として楽しめました。第1話のどんどん橋、第2話のぼうぼう森の人の思い込みを利用したトリックが大変好みです。そして第5話の意外な犯人、アヤツジユキト役の役者が登場するのですが、そう思わせておいて実は○○が…という展開。これも遊び心に溢れていて興味深かったです。伊園家の崩壊は、真相は平凡ですがこれほど救いの無い話は珍しいと思いました。フェラーリは見ていた、が作品の印象としては一番薄いように思いました。

No.82 5点 itokin
(2014/05/01 20:37登録)
単なる謎解きは、頭の悪い私には合わない、もちろん犯人を当てろと言っても謎を解く気にもならないしたがって犯人もわからない。
とにかくこうゆうのは、私には合わない。好きな人には失礼だがこの点数とさせてください。

No.81 8点 ボナンザ
(2014/04/07 01:46登録)
作者の遊び心満載の楽しい短編集。個人的にはスーパーブラックパロディの四作目がお気に入りです。もちろんふざけすぎだという声もありそうですが・・・。
エピローグのメッセージも作者自身に対する皮肉で、綾辻氏の作家生活ももうながくなったのだなぁと思わされます。

No.80 6点 mini
(2013/12/05 09:52登録)
来週に書評するものはもう予定が決まってるんだよね、来週という事からも何が対象かはバレバレでしょうけどね(笑)
ところが今週はタイミング的に何かにちなんでというのが無いんだよね(苦笑)
そこで綾辻さんの『どんどん橋、落ちた』である、これ今後も何らかの”きっかけ”で書評する事は無さそうなので、こういう時に書評したいなと
短編集『どんどん橋』は読んだのはもうずっと前で、以前から書評したくてうずうずしていた、何故か?

それは短編集全体としての評価はどうでもいいんだよね、全体的にはまぁこういうのもありだよな、と私は許容しているので
表題作「どんどん橋」は流石にやられた、こういうのに免疫が無かったので
しかし「どんどん橋」で慣れたせいか次の「ぼうぼう森」はほぼ完璧に真相全体を看破した、伏線に気が付いたのであいつの正体は見破ったしね
「ぼうぼう森」は「どんどん橋」と一見似ているようで異なる発想から出来ていて、トリックにしか興味がなく人物描写や動機に重点を置かない読者は逆に見破り難いでしょうね
言いたかったのは短編集全体の評価についてじゃない、収録作のどの作品に注目するかで私の考えは他の方々とは大きく異なっているからである

他のネット書評でも収録作で最も低評価なのが「フェラーリは見ていた」なんだねえ、10人が読んだら9人がこの短編を収録作中で一番下に置いている
しかしである!!!
私は「フェラーリ」こそ収録作中で最も作者綾辻さんの本質が出ていると感じた
私は綾辻作品は殆ど読んでないので確固たる事は言えないんだけど、綾辻さんという作家は要するに、”これがポイントだと思わせておいて実は狙いは別の所に有る”、というのを大々的に話の中心に置く方なんだと思うわけ
例えばさ、あの「十角館」だってさ、孤島もので怪しげな館に全員が集められて次々に殺されて、というクローズものの王道みたいに思われがちだが、果たしてそうだろうか?
私が思うには「十角館」は孤島もののパロディである、そもそもクローズドサークルなのかも微妙だ
あまり詳しく書くとネタバレになるから書き難いが、十角館という館の構造が全く重要ではなくて、「十角館」の狙いの本質は別の所に有るわけだし

つまり私の言いたかったのはそういう事、「フェラーリは見ていた」という短編はその外し方が、あぁいかにも綾辻さんだなと思うんだよね
しかも全体に漂う私小説的な雰囲気は、綾辻さんという作家は本来はこういうのが書きたいタイプの人なんじゃないかなぁ

逆に収録作中で最も嫌いなのは「伊園家」、こんなの書いちゃ駄目でしょ、笑えない上にただただ不快だった

No.79 6点 バード
(2013/08/03 11:57登録)
一つずつ採点していくと
どんどん橋 7点
ぼうぼう森 6点
フェラーリ 4点
いぞの家  7点
ラスト   5点 といったところ。
個人的にはこういうアホな短編集は好きで問題のパロティー話はおいおい大丈夫か?と笑えた。
ただギャグ重視の短編ミステリとしては東野さん名探偵の掟がすごすぎてそれと比べると凡作。

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