ハサミ男 |
---|
作家 | 殊能将之 |
---|---|
出版日 | 1999年08月 |
平均点 | 7.22点 |
書評数 | 137人 |
No.117 | 8点 | バード | |
(2013/09/02 10:12登録) ハサミ男が名乗らないからそこに引っ掛けがあるのは確実と思って読み進めたのでハサミ男=日高とは考えなかった。が、ハサミ男の雰囲気については完全にさえない男だと思って読まされていたので見事に叙述トリックにかけられていた、正体がわかった後に前半の描写を振り返ると確かに納得のいく書き方をしていてすばらしい。 終盤まで8点か9点か悩む面白さだったが、ハサミ男が自身をデブと表現するのは少しミスリード狙いにしてもアンフェア気味なのと真犯人は他に怪しい人物がいなかったので予想どおりだったのが残念だったのでマイナス1点。 |
No.116 | 7点 | ニセミチ | |
(2013/08/06 07:36登録) ネタバレ注意! 設定がところどころ雑というか。 8ヶ月振りの犯行(三人目の)を企てていたら模倣犯による殺人の遺体発見者になるってのが確率的にあまりにも現実離れし過ぎかな。主人公と模倣犯が近い関係だったならともかく。 あと、ライターの扱いがミスリード狙い過ぎて残念だったのと、デブの彼が主人公の住所を知り得たのが『ハサミ男ホームページに載ってた』だけというのもなあ。 勿論それらもひっくるめて叙述トリックは楽しめたけれども。 |
No.115 | 7点 | 星屑の仔 | |
(2013/06/10 23:11登録) 非常に読みやすかった。サスペンス要素が高く、次の展開次の展開とどんどんページが進んでいった。分量は決して少なくなかったが、それでもほんの数日で読み終えることができたのは作家の腕であろう。またミステリとしての側面も面白く結局「偽ハサミ男」の正体は?、と言う点に焦点を絞って論理的に推理を進めていく点はとても評価できると思った。しかし、いかんせん解答編(ネタばらし)のタイミングというか盛り上げたかが今ひとつだった印象がある。 「え? もっと劇的な解答発表の仕方あっただろ!」と痛くなるような内容だったのでそこは残念だった |
No.114 | 8点 | Tetchy | |
(2013/02/25 21:30登録) 何を書いてもネタバレになりそうなので、逆にここではネタバレ感想を書かせてもらう。 実にミステリの定型を裏切った物語だ。探偵役が連続殺人鬼であり、しかも真犯人は警察。結末ではハサミ男が生きながらえ、世間には実に収まりの良い真相がフェイクストーリーとしてまかり通る。そしてタイトルの『ハサミ男』。実に企みに満ちた作品だ。 あの真相は実に基本的な叙述トリックながら、実に簡単に騙されてしまった。ただ納得いかないのはハサミ男=安永知夏が美人と表現されており、一人称叙述では自分のことを太っていると云っている記述だ。 これについては以下の2つが考えられる。 1つ目は体格はデブであっても容姿は美人である。 2つ目は大概の女性は均整がとれた身体をしていても太っていると気にしてダイエットに励んでいる傾向にある。従ってデブだと思っているのはハサミ男自身の捉え方に過ぎないというもの。 恐らく女性心理としては2が一番近いのだろう。でもやっぱりアンフェア感はぬぐえない。 しかしこういうしたたかなテイストは大好きなので他の作品も大いに期待! |
No.113 | 7点 | TON2 | |
(2013/01/03 20:57登録) 講談社NOVELS トヨエツが出た映画を先に見た上での読書です。 異常殺人鬼(シリアル・キラー)の内面の動機を探ろうとしても何もそこにはないが、一般大衆は安心するために理由を欲するという話は、ほかの作品でもよくある話です。 題名もひっかけになっています。 |
No.112 | 8点 | HORNET | |
(2012/12/01 16:54登録) スリリングで退屈しない展開が真相解明に向かう結末でさらに畳み掛けるように加速し、しかも気持ちよく騙される。事件は猟奇的な内容でありながら、そうした色で引っ張るのではなく、視点人物を入れ替えながら非常にうまく事件の様相や背景を明らかにしていく構成に魅せられる。結末の衝撃度は◎で、しかも納得(内容や必然というよりはこれまでの伏線が回収されていくさまに)してしまう。 氏の作品はこれしか読んでいないが、クオリティーの非常に高い作品だと感じた。 |
No.111 | 7点 | ミステリ初心者 | |
(2012/05/28 16:56登録) ネタバレあります。 犯人の主観で進んでいく系の作品です。どこで驚いていいのかな~と思っていると最後に驚かされるタイプです。そういう作品は複数ありますが、この作品もオリジナリティーが高いと思います。 家族からネタバレされた後に読んだため、驚きが皆無だったんですが、ネタバレが無い状態で読めばびっくりしたことだと思います。 この作品で一番好きなポイントは、犯人が自分を「デブ」と思っているの対し、他人は「美しい」と思っている点。文章は矛盾しているけど実際は矛盾していない。実際はそんなことがたくさんありますが、気がつきにくいです。 |
No.110 | 6点 | スパイラルライフ | |
(2012/02/14 15:06登録) 叙述モノと身構えたので、何とかオチは想定できた。が、もう少し伏線を大胆に設置されていれば、さらに良い作品になったと(贅沢な希望ですが)思います。 やはり叙述モノは見落としてた!!ではなく、なんとなく違和感をかんじさせておいてオチで文字通り落とされたほうが感動しますので。 本作品をエピソード0として、犯人とシタッパ刑事が主役の続編がでたら、面白いかも笑 |
No.109 | 8点 | NAP | |
(2012/02/13 22:42登録) 最後の方までキチンとだまされたけど、だまされる部分になんでわざわざ?と正直思った。 内容的にはけっこうおもしろかったです。 |
No.108 | 6点 | いいちこ | |
(2011/12/24 11:23登録) トリックの衝撃度が高いのは間違いない。 ただ、死体の状況からして当然警察が考慮すべき可能性が疑われていない点は大きな難点。 明かされた真相には特にメッセージ性もなく、ただ読者を騙すために考えられた物語という印象が拭えない。 犯人に何の制裁も課されないラストにも強い違和感。 驚かされたこと、リーダビリティを最大限評価してこの点数 |
No.107 | 7点 | 蟷螂の斧 | |
(2011/12/01 09:46登録) 面白かったが、騙され具合はあまりスッキリしたものではなかった。伏線、手掛かりは前半に2,3行の記述あるものの、それ自体忘れてしまうようなものであり、逆にもう少し印象に残っていれば、驚きは倍増したと思う。 |
No.106 | 6点 | frontsan | |
(2011/06/02 10:59登録) 叙述トリックものだと分かって読んでいたせいか、先が読めてしまったのが残念。薀蓄も多すぎたような気がします。 |
No.105 | 9点 | haruka | |
(2011/04/30 00:11登録) 二重、三重のミスリードに悉く引っ掛かり気持ちよく騙された。一発ネタに頼ることなく、サイコパスの描写や余韻を残すラストなど全体的にも良くできた作品だと思う。 |
No.104 | 9点 | 3880403 | |
(2011/04/04 00:59登録) ミステリにまだ耐性がついてない時期に読んだので衝撃だった。 |
No.103 | 8点 | まさむね | |
(2010/11/23 12:35登録) 何の前知識もなく読みました。 いきなり序盤から叙述系の臭いがプンプン。極めて典型的な叙述トリック二重奏でしたね。 …とか書きながら,実は,騙されてました。典型的なヤツなのに…悔しい。でも楽しかった。 作品のクオリティは,相当に高いと思いますね。 伏線も練られているし,表現も巧い。(ミートパイ食いたくなったし) すごく好きな作品ですが,以下が気になったので気持ち減点。 目黒西署が最後の最後に見落とすのかなぁ…。最後の現場の状況からすれば,かなり不自然な「思い込み」と思うが。 それと,医者との会話(言い換えればサイコ的要素)ってそんなに大切な要素だったのかな?ミスリードにそんなには資していないような気も…。 |
No.102 | 8点 | シレン | |
(2010/11/16 17:54登録) 読みやすい文章でページ数の割りにさらっと読めた。 作者はミートパイが好きなのかな。 |
No.101 | 10点 | Q-1 | |
(2010/10/17 03:00登録) 私が初めて読んだ叙述トリックものでまんまと騙されました。 殺人事件が起きてそのトリックを暴くだけが推理小説だと思い込んでいた私には衝撃的でした。 そんな経緯もあり最高点とさせて頂いていますが、 叙述トリックものは最初に読んだ本が未来永劫一番であり続ける気がします・・・w |
No.100 | 7点 | kanamori | |
(2010/08/27 17:42登録) この作品も、叙述の工夫によって読者を誤誘導させるタイプのミステリでした。非常に典型的な叙述ミステリですが、前知識なく読んでいたので、まんまと騙されました。 再読すると作者の巧妙な書きぶりがよく分かります。文章も手慣れた感じで、スラスラと読める点が好印象でした。 |
No.99 | 7点 | E-BANKER | |
(2010/07/25 18:06登録) 作者デビュー作&第14回メフィスト賞受賞作。 出版直後に初読してましたが、今回再読。中味はほとんど忘れてたので、再読してよかったです。 まずは、デビュー作とは思えないほど高いクオリティにビックリ。 分類するなら「叙述トリック」なのでしょうが、最初は「これって本当に成立するの?」「アンフェアじゃない?」と思わされます。 というわけで読み返してみると、作者の仕掛けと騙しのテクニックに驚嘆&納得させられる・・・という流れ。(基本といえば基本ですが、これぞまさに”ミスリード”) 惜しむらくは、本作以降作品が徐々にレベルダウンしてしまうこと・・・これ以外あまり再読しようという気にならないんですよねぇ・・・ |
No.98 | 8点 | メルカトル | |
(2010/07/22 23:35登録) ネットで本作を検索していたら、いきなり見てはいけないネタバレが目に飛び込んできたという、苦い思い出のある作品。 叙述トリックの目玉を分かっていて敢えて読んだ訳だが、やはり予備知識なしで読みたかった。 そうすればもっと高得点になったはず。 でも、その他にも驚愕があったので許せた。 尚、最後の結び方はなかなか味のある結末だと思う。 |