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ミステリの祭典

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暗闇坂の人喰いの木
御手洗潔シリーズ

作家 島田荘司
出版日1990年11月
平均点7.20点
書評数74人

No.74 4点 文生
(2022/12/29 06:29登録)
話はすこぶる面白いのですが、やはり偶然の要素が多すぎるのはいただけません。
個人的に偶然の要素に対しては必ずしも否定的ではないものの、これだけ立て続けに起きるとさすがにしらけてしまいます。
それに、メイントリックが著者の過去作と同じというのも面白味に欠けます。
小さなトリックのアレンジならともかく、あれだけの大トリックを使い回さないでほしかったです。

No.73 9点 虫暮部
(2021/05/01 12:39登録)
 島田荘司作品で一番好きかも。
 私は、物理的な偶然には寛容なので、あのトリックはOK。但し位置関係が把握出来ず、あまり驚けなかったきらいはある。あと、水の溜まった空間が火事で熱せられたら水蒸気で破裂しない?
 死刑談議がいいね。私も将来ギロチンに掛けられることがあれば実験に協力したい。
 もとより名文美文の人ではないが、英国紀行はなかなか健闘していると思う。

No.72 7点 ボナンザ
(2021/02/15 20:23登録)
島田荘司らしい荒唐無稽な仕掛けと雰囲気満点のホラー風味が合体した良作。

No.71 8点 初老人
(2020/01/11 20:06登録)
雰囲気が良く、大好きな作品です。
巨人の家のトリックを始め、数々の大トリックの前に翻弄されっぱなしでした。

No.70 9点 青い車
(2018/12/10 06:52登録)
 まさに島田荘司ワールド全開といった感じ。細かいリアリティ云々といった批判が通用しない本格推理作家というのはこの人ぐらいじゃないでしょうか。後半の目くるめく展開などは最早ミステリの枠を飛び越えているような気さえします。説明しきれない箇所はすべて偶然で片付けている所など普通なら到底許容されないのですが、それをものともしない勢いが驚異的な傑作です。

No.69 5点 レッドキング
(2018/09/03 08:01登録)
三つの大技中技トリック・・・「北の2/3の~」の二番煎じと「獄門島」のあれの変形と建物「トリック」・・・が豪華に出てくるが「ダマ」になっていて話に溶け込めてない 犯人の動機は横溝風で あの「異国の巨人が来日して巨樹になった」って魅力的な寓話を活かしきれなかった

No.68 1点 ねここねこ男爵
(2017/09/28 22:23登録)
なぜこんなに評価が高いのか全く理解できない。
序盤の雰囲気と魅力的な謎の設定から繰り出される全て偶然の産物という酷い解決。

多少なりとも評価できるのは巨人の家の下りくらいで、メインの方はもう本当にひどい。この作者にありがちの『小学生の思いつきレベルの物理トリック』と『不可解なものは全部偶然そうなった』で、全く持ってお話にならない。デスノートを使っても『こんな死に方はあり得ないから心臓麻痺』になるレベル。
強風にあおられて屋根の上にまっすぐ着席とか意味わからない。バカにしてるのか。

要は、意外な犯人にしたかったけどアイデアが全く思いつかなかったので、『非力な人間にはこんなことは出来ない、よって犯人ではない』というくだらない論法をもってきただけ。しかも偶然によって。よくこれで売り物にしようと思ったな。

煽りでなく純粋な疑問なのだが、本作を高評価する人は「すごい!こんなに不気味で不可思議な謎が全部強風によって起こった偶然だったんだ!しかも何回も!おまけに事件前に描かれた絵と殺人現場が完全に一致するなんて偶然のちからってスゲー!高評価!!」と思うんだろうか。

No.67 9点 ロマン
(2015/10/20 16:45登録)
屋根の上の奇妙な死体。人喰い楠の木。風見鶏のオルゴール。謎の建造物、巨人の家。おどろおどろしい雰囲気、得体の知れない異国人など、雰囲気満点の舞台に引き込まれました。レオナの強気かつ繊細なキャラクターも良い。楠の木から実際に遺体がゴロゴロ発見されるシーンは秀逸。肝心の大胆なトリックには啞然、のちにじわじわ笑いが込み上げて来たけれども。傑作ですよ。

No.66 7点 斎藤警部
(2015/08/09 00:31登録)
薄気味の悪い、歴史が蠢く物々しい筆致が読ませます。
「巨人の家」の心理的物理トリックには頭の血がサーッと引く感動を覚えますが、最後に明かされる「横浜の家」の物理的物理トリックは、、突然のアホアホ大団円を迎えられても困ります。

No.65 9点 sophia
(2014/04/21 22:47登録)
メイントリックがコメディーアニメみたいなテイストでした。
本格ミステリーとしてはもう一つですが、怪奇小説としては最高の作品かと。
あと余談ですが、話の種に現実のくらやみ坂に行ってみましたけど普通の坂でした(笑)

No.64 7点 バード
(2013/07/24 07:48登録)
いくつかある謎の中で一番すっきりできたのは巨人の家の説明だった、あの発想はすごいと思った。
物語の中盤くらいから(刑事がでてきたあたり)は御手洗節も堪能できて大楠木による魔的な雰囲気も悪くなかった。

ただ殺害の方法や動機はだいぶ無理矢理な気がしたのとちょっと話が冗長と感じてしまった。

No.63 7点 TON2
(2012/12/17 16:41登録)
講談社文庫
 まだ御手洗も石岡も横浜・馬車道に住んでいて、ほとんど無名だった頃の話です。事件の最初から最後まで御手洗が登場し、自分で調査してまわります。後の御手洗のように、事件の経過だけを聞いてズバリと犯人とトリック言い当てるというような白けるほどの超人的能力は披露されません。そこが気に入ってます。
 洋館の地下室の秘密というのはルール違反のような気もしますが、殺されていく一族の狂気というものに興味を惹かれました。
 松崎レオナの初登場作品です。

No.62 5点 大泉耕作
(2012/03/23 23:47登録)
ある意味では思い出の一冊。
 横溝の『病院坂~』から通じ、初めて島田荘司という名の作家を知った作品。同様のタイトルがあるのに、敢えて『暗闇坂~』にしたことに作者の意気込みが伝わって来ます。
しかし、トリックはやはり感心出来ない。
なのに、最高傑作だと思えてならない。あらゆる小道具によって演出された雰囲気が独特で好感持てます。
「巨人の家」にはやられた。

No.61 3点 いいちこ
(2012/02/24 19:31登録)
御手洗シリーズを書きたいと思いながらも、社会派トラベルミステリ全盛の時代ゆえに心ならずも吉敷シリーズを書かざるを得なかった作者が、約9年ぶりに書き下ろした御手洗長編と聞いていた。
それがこれだとしたらファンとしてあまりにも残念。
島荘の作品だからハードルを上げた訳ではなく、公正に評価してこの点数であり、正直言ってスコットランド編以外は評価に値しなかった。
島荘中期作品の世評を残念な意味で裏付ける作品。
未読の方は「占星術」「斜め屋敷」「異邦」の後は「北の夕鶴」に向かうべきだろう。
(以下ネタバレを含みます)
プロットとボリュームだけを膨らませた「北の夕鶴」の劣化版と断ぜざるを得ない。
メイントリックは完全に同作からの借用。
しかも同作で物理的に不可能との指摘を受けたからか、実現可能性を高めるためにトリックを複雑化させたことで衝撃は希薄化し大きく劣化した。
2つの殺人の奇怪な状況をすべて●●で片付け、地下室との奇妙な一致についても何ら説明しないなど、論理的解決を放棄している。
さらに第2の殺人における犯人の犯行経緯・状況(特に死体運搬と遺書)は全く説明がつかないもので荒唐無稽と言わざるを得ない

No.60 5点 スパイラルライフ
(2012/02/07 22:57登録)
長すぎるし、島荘ならではのビックリトリックだが流石に無理がある。
世界観は楽しめたが、読みすすめたら残念なオチだったので、この点数です。

No.59 6点 蟷螂の斧
(2011/12/08 16:12登録)
過去の事件と現在の事件の繋がりが徐々に判明し面白く読めた。また、おどろおどろした雰囲気がよく出ていたと思う。メイントリックは残念ながら肩透かしを食らった感じです。「巨人の家」の謎が、御手洗にもその場で解けず、こちらの方が謎としては面白かった。

No.58 5点 misty2
(2011/05/15 14:52登録)
楽しく拝読。
御手洗のキャラクターが手伝い、題名程暗い感じを受けなかった。
見たてかと思っていたが、偶然では納得できない。

No.57 6点
(2010/11/17 23:25登録)
長さもあまり気にならず、どんどん読めてしまう作品なのですが、肝心の物が偶然の産物だったというのはちょっと頂けないです。動機などは非常に良く出来ていたため、余計に残念です。

No.56 6点 toyotama
(2010/10/26 17:20登録)
途中まではワクワクして読んでましたが、最後のトリックにあ然。
推理小説の場合、理論的にOKなトリックであれば、実際に行うことが困難でも良しと考えてますが、これは「斜め屋敷」や「奇想、天を動かす」よりも漫画チックなトリックだと思いました。
いっそのこと、大楠が喰っちゃった、って方がよかった気も・・・

No.55 9点 E-BANKER
(2010/10/05 22:46登録)
御手洗潔シリーズの大作第1弾。
久しぶりに再読しました。
初読時は超長編の割には、レオナ以外インパクトに欠けるような印象でしたが・・・
今回、再読してみて評価が一変。何と言うか、ミステリーやトリック云々ではなく、1編の読み物としての「レベルの高さ」を感じずにはいられませんでした。
他の大作(「水晶のピラミッド」など)に比べて、必要性を疑うようなサイドストーリーも最小限ですし、ある意味、全盛期の作者の力量を十二分に感じることができる佳作でしょう。
ただ、例の物理トリックだけが・・・
方向性としては、「北の夕鶴」や「疾走する死者」と同じですよねぇ。ただ、あまりにもこの偶然はできすぎ!(確率は極めて低いし、あり得ないレベル)
これでは「バカミス」と言われても反論できない。それだけが減点。
でもスゴイ作品。

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