異邦の騎士 御手洗潔シリーズ |
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作家 | 島田荘司 |
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出版日 | 1988年04月 |
平均点 | 7.75点 |
書評数 | 133人 |
No.113 | 5点 | とんぴろ | |
(2013/10/01 22:29登録) まあまあ |
No.112 | 8点 | バード | |
(2013/07/14 14:12登録) 初期の御手洗シリーズ占星術、斜め屋敷、異邦の騎士の中で1番面白かった。トリックの鮮やかさ、大胆さでは占星術に及ぶことはないが読み物としてはこちらのほうがよくできていると思う。 普段純愛要素などミステリにおいてどうでもよいというスタンスの自分でさえ読了後は美しい話と思えた。 御手洗はいいやつだな、ただ自分みたいな人間じゃ全く興味も示してくれなさそう。 |
No.111 | 8点 | メルカトル | |
(2013/03/25 22:27登録) 再読です。 島荘の作品は本格ミステリが多いのだが、どことなく文学の香りがするんだよね。 本作はそれが如実に表れた形になっていると思う。ミステリでありながら文学作品でもあるといった具合で、ミステリ・ファンばかりでなく、一般の読者にも十分受け入れられるものと考えられる。 それにしても氏は主人公が痛めつけられるのがよほどお好きと見えて、幾度となく暴行を受けたりしている。そればかりか、ただでさえ記憶喪失なのに、精神的にもかなりのダメージを負うシーンが散見される。 御手洗もよくうつ状態に陥っているしね。 それはさておき、私は序盤の主人公と良子が仲睦まじく同棲生活をするシーンが一番好きである。 だから、その後の展開はかなりつらいものがあり、最後は結構落ち込んでしまった。まあそれだけ物語にのめり込んだということであり、そのリーダビリティはさすがだと思う。 いつもは御手洗の陰に隠れた感じであまり目立たない石岡だが、本作ではなかなか男らしいところを見せているのが、意外な感じがして、その意味でも貴重な作品と言えるのではないだろうか。 また、御手洗の「僕もひとりぼっちだ」というセリフがやけに印象に残っている。 |
No.110 | 6点 | mozart | |
(2013/02/17 17:56登録) 改訂愛蔵版をン十年ぶりに再読しました。前回読んだときは不覚にも涙するほど切なくなってしまったのですが、改めて読み直すと、石岡と良子の関係が「夢の中の物語」に押し込められてしまった結末は、やはり後味の良いものではないですね。これから間もない頃の事件であるはずの「占星術殺人事件」での石岡の饒舌ぶりを見るにつけ、良子との「純愛」が何だったのか、とため息をつきたくなってしまいます。とは言っても、御手洗の石岡に対する「騎士道」とも言うべき想い(「散弾銃の前に身を投げ出すのだって楽じゃなかったぜ」という御手洗の告白!)には率直に感動しました。 |
No.109 | 10点 | apurolateru | |
(2013/02/16 22:11登録) トリックとしてどうだ、といわれるとつらい部分がありますが、 本当に恋愛・青春小説だと思います。そこにカッコイイ御手洗がいます。読んだときの胸の熱さが良い思い出です。 占星術殺人事件を読んでからこれを読んでほしいです。 |
No.108 | 7点 | TON2 | |
(2012/11/11 17:13登録) 講談社文庫 御手洗潔は、現実生活になじます変人として描かれているが、後の作品のようにでしゃばる場面がなく好感が持てました。天才型名探偵の悲劇として、最初から事件にかかわると、天才ゆえに何もかもが見えてしまい、読者がついていけなくなることがあります。この作品では、物語の中心は石岡であり、御手洗は友人としての立場で抑制がきいていました。 |
No.107 | 9点 | ろーてくろいつ | |
(2012/08/23 07:30登録) 御手洗シリーズの中で一番好きな作品。 ある男が記憶喪失になり、彼の視点で物語が展開していく。彼は妻や子の復讐のために殺人を計画するのだが・・・御手洗の活躍で真相に辿り着く。 ミステリーの謎解きより、石川良子とのラブストーリーの方が、印象に残る作品。 |
No.106 | 7点 | HORNET | |
(2012/03/25 07:26登録) 「本当はそういうことじゃないんだろう・・・」とまでは思ってはいたが,「そういうことだったとまでは分からなかった」。真相が分かり,安堵する思いと,なんとなく悔やまれる思いがない交ぜに。ミステリの仕掛け,ヒューマンドラマ両面から評価できる傑作。ちょっと都合よすぎる点もあり差し引いたが,全体の面白さ,読後感のよさからこの評価。 |
No.105 | 7点 | 大泉耕作 | |
(2012/03/08 21:54登録) 恋愛もしかたことない奴がミステリとは言え恋愛小説を読むのだから、自分の無神経にもほどがある。 達筆な文章に、際立つキャラクターから中盤のプロットに至るまで恋愛小説かとも思っていましたが、こういうなんでもないところに著者は伏線をまぎれさせるのだから油断ならない。 しかし徐々に後半に近づくにつれ・・・。 鋭い点をつく御手洗の推理にも、プロットから考えるとやはり強引な真相の前には質が下がってしまいましたが、あの強引さがなければ、ラストの感動もなかっただろうと思う。微妙な釣り合いが上手い。 なるほど、二人の出会いの経緯がわかったような気がしました。 |
No.104 | 10点 | スパイラルライフ | |
(2012/02/07 16:04登録) 甘い採点と自覚しつつも。 名コンビのラストシーンは鳥肌もので 感動できます。 幸運にも占星術、斜め屋敷、暗闇坂という順番で手にした四冊目で感情移入もひとしお。 御手洗シリーズ未読の方には、 まず別のシリーズ本から読むことを おすすめします。 ミステリというより御手洗ファンのための 珠玉の一冊。 |
No.103 | 7点 | いいちこ | |
(2011/12/27 19:42登録) みなさんのご指摘どおり。 ミステリとしては強引さと無理が目立ち水準程度のデキ。 しかし恋愛小説として他にない強い感動を残す。 島田荘司はこんな作品も書けるのか・・・ 立技でも寝技でも超一流の作者の凄みを感じた |
No.102 | 5点 | 蟷螂の斧 | |
(2011/09/13 15:17登録) 「占星術・・・」が強烈な印象があるため、この評価です。前半は恋愛ものでチョッと長すぎる感じ。結末もあまり後味がよろしくない。 |
No.101 | 8点 | isurrender | |
(2011/07/05 23:14登録) 傑作ですね 御手洗の友情心が一番の驚き(笑) 島荘らしい大掛かりなトリック |
No.100 | 5点 | ムラ | |
(2011/06/07 21:43登録) プロットが上手く石岡のと御手洗の出会いもあって楽しめた。 トリックはさすがに昔の作品だからわかりやすい(というよりも手記ネタは完全にパターンな気が) ストーリーとして単純によかったので満足。 |
No.99 | 10点 | ぷにぷに | |
(2011/06/07 18:01登録) ミステリーというより、もはや純愛小説。 僕の島田先生のイメージは、豪放磊落なトリック!なのですが、それを期待しているとがっかりするかもしれません。 まだ純粋だった頃の自分を思い出させてくれる、そんな作品でないかと。 故に、女性の方は、バカな男ね、で終わってしまう恐れもありそう。 異邦の騎士とは、風車に戦いを挑んだドンキホーテのことでしょうか? 言い得て妙です。 こういうミステリーがあってもいいのではないでしょうか。 切ない話です。 |
No.98 | 8点 | haruka | |
(2011/04/29 23:31登録) トリックに不満は残るが、記憶喪失の主人公と同じ目線で物語の世界に没入でき、喜び怒り悲しむことができた。 |
No.97 | 4点 | 清涼水 | |
(2010/09/16 00:21登録) これで感動できる奴がうらやましい。 |
No.96 | 7点 | テレキャス | |
(2010/08/01 02:00登録) ベタベタなお涙頂戴展開ではあるけれど、好きなんですよね。 斜め屋敷を読んでれば石岡の事だとすぐに分かるはず。 トリックに関してはは個人的に島田氏に求めるものではないんですが、それよりも単に読み物として評価したくなる作品。 |
No.95 | 5点 | seiryuu | |
(2010/07/16 17:48登録) トリックはイマイチなのですが 度重なるストーリー展開と心情が丁寧に書かれていて心惹かれる。 展開は面白いけど 設定はやや強引な気がしました。 読後感は悲しい・なんだかなあですね。 |
No.94 | 6点 | りゅう | |
(2010/03/30 00:14登録) (ネタバレあり) プロットのおもしろさに引き込まれるようにして読んだが、謎解きとしては期待はずれ。 良子が石岡に接近する過程があまりにも見え透いていて、自然と良子に疑いを持ってしまった。 真相は意外だが、御都合主義が目立つ。 (記憶の再生障害があったとしても、その要因以降の病室での記憶までは消去されないと思う。) 犯行計画は相当大掛かりだが、成功の確実性という点では甚だ心もとない内容だ。石岡に記憶障害があることを考慮しても、石岡の不注意に助けられて成立したような犯罪である。 (ノートに書いてあることを鵜呑みにして一切自分の目で確認しない、鏡恐怖症で他人の免許証を自分のものと間違えるなど。) 読者に与えられた材料だけでは真相のすべてにたどり着くことは不可能であり、御手洗潔の超人的推理にはただ平伏するのみであった。 |