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ミステリの祭典

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覆面作家は二人いる
覆面作家シリーズ

作家 北村薫
出版日1991年12月
平均点6.44点
書評数27人

No.27 7点 虫暮部
(2023/07/27 12:09登録)
 “あなたの好きな名探偵は?” と問われると、“好き” の定義について考えてしまう。
 名探偵はその設定上必然的に事件に対応している姿を描かれがちである。役不足な事件だと活躍し切れないから、名探偵の評価は名事件の存在と表裏一体だと言えるかも知れない。しかし両者を抱き合わせで捉えるのは、名探偵に対する純粋な “好き” ではなく、作品に対する総合的な評価なのではないか。
 従って一つの解釈として、冒頭の問いを “ミステリ要素の無い番外編があったら読みたい名探偵は?” と換言することも可能ではないだろうか。
 はい、だったら私はまず一番に、新妻千秋。

 因みに円紫師匠は特に読みたくはない。ベッキーさんならそれなりに。他作家では亜愛一郎と掟上今日子さん。火村英生はアリスも登場すると言う条件付きで。

 ところで、本書。
 読み返してみたら、ぼんやり記憶していた程にパーフェクトと言うわけではなかった。エピソードに色々とムラがある。素直に頷けない部分もある。
 しかしそこはそれ、まさしく名事件は無くとも楽しめる名探偵の作品集として楽しめた。

No.26 5点 斎藤警部
(2021/10/22 13:20登録)
やっぱり、タイトルが引っ張りますよね。いらぬ先回りで憶測してしまうので、その分ミステリ度が嵩上げされましたかね。 時折過多に思えたユーモアも、琴線ヒット率は個人的に高かったッスね。実際けっこう笑ったね。

「 『俺は十九だ』 といって殴りかかってきたんだ」
兄貴は、さらに首をかしげた。
「そりゃあ、おかしな話だな」

にしてもあらためて随分とフェミニンな作風ですこと。表紙絵や挿絵の彼女がいかにも’女性目線で可愛い女性’て感じなのも拍車を掛けてるな。 この彼女、どういう発達障害か知らないが、やっぱ世の中は、真ん丸なんじゃなくどっか引っ込んでどっか出っ張ってる人達が補完し合って成り立ってるんだなあと、中にはこの彼女みたいな凸凹の直径比が極端な人もいていいんだよなと、思いました、半分冗談スけど。

謎解きとしては、最後の表題作はちょっと良かったですね。。 ただ、バードさんおっしゃるように、謎の焦点がばらけてもったいない感じはします。(私なんざ「年増のチンピラに絡まれた事件」も謎インシデントの一つにカウントしてましたよ)

No.25 5点 ボナンザ
(2020/11/29 21:04登録)
ライトミステリの走り・・・というと怒られるだろうか。円紫シリーズよりこっちの方がサクサク読める。

No.24 5点 Kingscorss
(2020/09/04 12:11登録)
何も考えずにサクサク読めて楽しめる寡作。展開とかキャラクター、掛け合いが完全にラノベか漫画なので肩の力を抜いて楽しめる。

そのため、ミステリー部分はどちらかと言うと薄味で、推理を楽しむのではなく、ぶっ飛んだ正確の持ち主である深窓の令嬢とワトソン役の編集者の漫才みたいな掛け合いとかを楽しむだけの作品なので内容自体はあまりない。悪く言えば安っぽいTVドラマを活字化したような作品。

あまりミステリー部分を期待せずに、ラノベとか漫画の活字化と思って読めば楽しめると思います。個人的には可もなく不可もなくという感じ。

No.23 6点 バード
(2020/08/13 22:23登録)
円紫さんシリーズとほぼ同じ感覚で読めるが、あちらのシリーズにある文学・落語ネタが本書には無いので、人によっては味気ないと感じるかも。

疲れている時なんかは、本書のような優しめのミステリが頭によくしみる。逆に刺激が欲しい時に読むと、パンチ力が弱く物足りないだろうな。

<各話の書評>
・覆面作家のクリスマス(6点)
犯人がプレゼントを持ち去った理由は、チェスタトンの『折れた剣』の発想を応用している。あの話が好きな私は本書のしかけも同様に気に入った。

・眠る覆面作家(7点)
事件に特筆点は無いが、アンジャッシュ的な勘違いコントが面白かったので高評価(笑)。

・覆面作家は二人いる(5点)
この話は、焦点が何なのかが分からなかった。「万引き事件」と「覆面作家は二人いる?いない?」という、二つの謎を同時に扱っているにもかかわらず、メインの謎がどちらかが、曖昧なことは不親切と思う。
作者が力点を置いたポイントが分からないと、こちらも楽しみにくい。

No.22 8点 青い車
(2019/08/25 21:12登録)
 国外で僧正・ギリシャ棺・ナイル、国内で獄門島・人形・トランクなど重厚で古典の地位が確立しているような名作に高得点を付けていたのですが、こちらは軽みのあるユーモア推理として非常に面白く読めました。ドラマ化向きだなと思っていたら98年に既にしてたんですね。ミステリ的にもシンプルなロジックで一刀両断に解決する第一話を始め案外と上質です。円紫シリーズより取っつき易く、北村薫を初めて読むという人にオススメしたい一作。

No.21 6点 文生
(2017/11/04 13:18登録)
ミステリーとしては小品で可もなく不可もないという感じですが、編集者の主人公とぶっとんだ設定のヒロインの掛け合いが楽しい作品です。円紫さんシリーズの生真面目コンビのふたりが苦手だったのでそのギャップもあり、こちらのシリーズは思いのほか楽しく読むことができました。

No.20 7点 TON2
(2012/11/20 18:27登録)
角川文庫
ミステリーの謎解きはそこそこですが、主人公の大富豪令嬢のキャラが面白いです。屋敷の中では深窓の令嬢だが、いったん門の外へ出るとヤンキー顔負けの暴れ者に変身する。その変身のものすごさに、自宅に帰ってから自己嫌悪におちいる。ユーモアミステリーとして肩ひじ張らずに読むには最高だと思います。
また、会話が実に自然で、登場人物は頭のよい人間だということが分かります。少し飛躍した内容の会話ですが、小説にありがちな説明口調ではなく、普通の生活の中では確かにこう進むよなという感じです。
エロもグロもなく、中学生の娘にも薦められると思いました。

No.19 6点 まさむね
(2012/05/27 21:14登録)
 現実味のない,漫画的キャラ設定ではあるのですが,私には「割り切って読めちゃう」っていうメリットの方が印象に残りましたね。
 ソフト・タッチとはいえ,ミステリ的味付けも効かせてますので,肩肘張らずに読書したい気分の方にはオススメですね。そんな気分のときに,続編も読んでみようかなぁ。

No.18 3点 ムラ
(2011/02/09 18:59登録)
ドラマみたいな設定で、千秋のキャラが面白い。と思ったらやっぱりドラマ化されているという。
ただトリックが弱いかなぁ。これだと暇つぶしの域を出ない。面白かったですけどね。
あとこれは単に好みだけど、文章もちょっと引っかかってしまった。

No.17 7点 E
(2009/11/14 19:21登録)
何だか漫画みたいなキャラクター設定。
でもミステリー。でも面白い☆続編も読みますぜ!!

No.16 7点 姑獲鳥
(2007/08/04 21:32登録)
雰囲気が好きです。
ミステリーとしても楽しめました。

No.15 5点 vivi
(2007/07/18 02:02登録)
軽いタッチの、ありえないキャラ設定。
あんまり軽いので、ミステリとしての読み方を忘れるくらいです。
双子設定は綾辻氏の殺人方程式シリーズにもありますが、
こちらの方が、そういうものとして読める分、
すんなり入ってくる感じがします。
日常ミステリ・・・気分転換にいい1冊かも。

No.14 5点 如月雪也
(2005/06/05 06:00登録)
ライトノベル?さっくり読めてながら読書にお奨め?

No.13 6点 alp
(2004/11/28 20:15登録)
キャラ立てを主体とした連作で、こういっちゃ叱られるかも知れませんが、少女マンガ版のほうが人に薦めやすいかもしれません。この内容だとライトノベルのような作中挿絵がかなりの数必要だったんじゃないかなぁ。

No.12 7点 なの
(2004/09/22 15:50登録)
完璧であって完璧でない、新妻千秋嬢の設定は見事。
ミステリとしてはライト感覚、真相は予測可能です。
読後感も良く、北村氏の作品では一番好きなシリーズですかね。

No.11 7点 884
(2003/12/22 11:34登録)
おもしろかったです。
お嬢様の二つの人格は内気の現れ方が違うだけなんでしょうね。外のお嬢様が外向的なわけではないですから。

No.10 6点 ギザじゅう
(2003/11/19 13:23登録)
キャラクターや設定はギャグっぽいけど、中味はしっかりした本格。
(円紫師匠と私)シリーズにみられる人情味やちょっとした悪意など北村薫の味もあり、さくさく読めるので(円〜)シリーズがあわない人でも安心して読める。

No.9 8点 なな さんいち
(2003/08/03 12:02登録)
暖かい感じの作品で、好きです。

No.8 5点 えむ
(2003/07/26 21:11登録)
電車の中で読むならちょうどよい。
けれど、どこか物足りない。

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