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ミステリの祭典

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不連続殺人事件
巨勢博士

作家 坂口安吾
出版日1954年01月
平均点6.92点
書評数39人

No.19 6点 ボナンザ
(2014/04/07 22:56登録)
某有名作のぱくりではないか問題となるが、それほど気にならない。
坂口が意気揚々と書いているのが目に浮かぶ。

No.18 7点 TON2
(2012/11/05 22:52登録)
(ネタバレ)
昭和22年に発表された、第2回探偵作家クラブ賞受賞作。
終戦後間もない夏、山奥の豪邸に集まった、作家、画家、詩人、女優たちの男女。それぞれの愛憎うずまく中、8つの殺人が起きる。
不連続殺人とは、真の動機を明らかとしないために、関係のない殺人を織り交ぜるということ。
終戦後すぐの時期に、よくこんな刺激的な作品が書けたものだと思う。
ATGで映画化されたようなので、映像も見てみたい。

No.17 6点 E-BANKER
(2012/10/03 23:12登録)
「堕落論」などで戦後文学界に足跡を残す作家・坂口安吾。ミステリー好きが高じて発表されたのが本作。
昭和24年、高木彬光の傑作「刺青殺人事件」を抑えて探偵作家クラブ賞を受賞した作品。

~戦後間もないある夏、詩人・歌川一馬の招待で山奥の豪邸に集まったさまざまな男女。作家、詩人、画家、劇作家、女優などいずれ劣らぬ変人・奇人ぞろい。邸内に異常な愛と憎しみが交錯するうちに、世にも恐るべき8つもの殺人が生まれた。不連続殺人の裏に秘められた悪魔の意図は何か? 鬼才安吾が読者に挑んだ不滅のトリック。多くのミステリー作家が絶賛する日本推理小説史に輝く傑作~

瑕疵も多いが、個人的には評価して(あげたい)作品、っていう読後感。
「瑕疵」については敢えて言うまでもない気はするが・・・
登場人物の多さ&未整理は気になるところ。名前を覚えるという基本的なことの他に、登場人物同士の相関関係がなかなか呑み込めないので、できればメモ帳でも横にして読むのがベターなのだろう。
読みにくさは想像したほどではなかったが、時代背景的なエログロ的頽廃感はちょっと鼻につく。

そう長くもない分量のなかで、合計8名もの人間が次々に殺されるという本作。
メインテーマはずばり「ミッシングリンク」ということなのだろう。
ただし、「九尾の猫」のような“開かれた”世界でのミッシングリンクではなく、一軒の邸宅の中という“閉じた”空間のなかでのミッシングリンクというのが興味深い。
当然「動機」が推理の遡上に上げられるのだが、前例として踏まえているがA・クリスティの某有名作。
あまり書くと思い切りネタバレになりそうだが、「不連続」というタイトルは、8名の殺された「動機」に起因している。
(ただ、最初に殺された人物についての動機は今一つ理解できなかったが・・・)

そして、探偵役の巨勢博士が指摘した真犯人当てのキーポイントが「心理の足跡」。
これは確かにトリックというか、本作のプロットのキーポイントだろう。
アリバイの証明役が全く別の立場に反転するというプロットと、それを不自然なく行わせるための伏線の撒き方には唸らされた。

名声ほど評判はよろしくないようですが、個人的には十分楽しめる作品ではないかと思います。
(角川文庫版の法月綸太郎氏の巻末解説も一読の価値あり。)

No.16 3点 ムラ
(2012/06/01 22:09登録)
純粋に推理のみの本として考えるなら悪くなのかもしれない。
けれど人数の多さや、外国の文章を直訳したような文体(これは読んでればある程度慣れたが)、キレやすい人たちがなんとも慣れない。
まず推理以前に人物の整理が大変という作品だったかなぁ。当時読んでればまた別の感想を抱けたのだろうか。

ここからネタバレあり
不自然に○○するということだったけど、正直全体的に人物の行動がちぐはぐだったせいで、違和感あったけど普通に流してしまった。
心理の足跡というのは面白いと思うけど、それだって前者と後者じゃ状況もだいぶ違ったし…というか登場人物全員変人すぎて心理とか掴みにくい…という不満もあるので点数は低め。

No.15 7点 大泉耕作
(2012/03/30 17:12登録)
 物語や登場人物には少しばかり不満はありますが、著者のゲーム性とフェアプレイを重んじる精神はプロの探偵作家と比をとりません。日本に於いてこの時代に、この様な小説は、おそらくとても斬新だった筈なので、リアルタイムで読むのが一番だったでしょう。
論理を一貫させるために文学性が排除され、余計な描写なども控えられているので推理を楽しみたい方や犯人当てに専念したい方にはウッテツケの小説だと思います。

No.14 6点 kanamori
(2010/07/28 17:38登録)
作者が”犯人当て”を意識しすぎたために、こちゃごちゃと登場人物をいたずらに増やしたので、せっかくのトリックの鮮やかさが埋没してしまった感じがします。
その辺が、同じトリックを使ったクリステイのプロット創りの巧みさに遠く及ばない点で、本格好きのアマチュア作品と言えるかと思います。

No.13 7点 あびびび
(2010/04/30 11:12登録)
純文学の坂口安吾が楽しんで書いているような本だなと思った。読んだのは20年以上前だが、いま思えばそのトリックはアガサクリスティのあの本と同じではなかったかと思う。

確か、当時誰かの批評でそんな事を書いていたような気がする。

No.12 10点 dei
(2010/04/30 00:11登録)
本格好きなら間違いなく読むべし。
ミステリ作家ではない作者の生んだ快作。

No.11 10点 りゅう
(2010/04/03 09:41登録)
 再読。現時点での私にとってのオールタイムベストの作品であり、フーダニットの傑作。高校生の時に初めて読んだが、巨勢博士が指摘した「心理の足跡」に感心したことを今でも憶えている。このサイトを見て不思議に思ったことの一つが、この作品に対する評価の低さであった。
 登場人物が多過ぎるという指摘はそのとおりで、登場人物一覧表を付けたほうが良かったと思う(フーダニットが目的なので登場人物が多いのは仕方がないことなのだが)。安吾の文体は独特で、人によって好き嫌いが分かれるのであろうが、私にとっては読みやすい文章だ。 謎解きミステリーとしては紛れもなく一級品であり、特に「心理の足跡」に関わる殺人トリックは秀逸だ。
 この時代の作家に差別表現に関する厳格な規律を求めるような人にはお薦めできないが、謎解きを志向する人には絶対のお薦めである。

No.10 6点 STAR
(2010/02/18 11:24登録)
(ネタバレあり!)
登場人物が多すぎて、ややこしいです。あまりに仲が悪い人物2名がいるので、トリックが読んでいるうちにわかってしまいました。

No.9 4点 文生
(2010/01/22 13:06登録)
本格ミステリの名作ということで期待して読んだのですが、とにかく癖のある文章、会話が読みにくいことこのうえない。その上、登場人物が変人ばかりなので感情移入できず、バタバタと殺されてもサスペンスをまったく感じないのはまいった。
トリック自体はクリスティばりの巧妙なものだが、作者の押し付けがましいミステリー観が鼻について今ひとつ感心できない。
これならばクリスティの平均作を読んだ方がよっぽど面白いと思う。

No.8 8点 isurrender
(2009/07/22 00:59登録)
いかにも、推理小説が好きな人が書くような作品
人を殺しすぎだろってツッコミたくなるくらい
それも専門のミステリ作家でないのだから許せてしまう
言葉の汚さは時代を考えれば文句ないです

No.7 6点 江守森江
(2009/05/24 01:40登録)
読書への挑戦状は懸賞小説の為付されていないが、どこまでが問題編かは解説にあるので立ち止まって犯人当てに挑戦できる。
しかし、読みにくい。
発表当時ならまだしも現在読みながら推理するのは苦行だろう。
あえて挑戦を薦めない。

No.6 9点 測量ボ-イ
(2009/05/03 16:54登録)
「堕落論」などの評論文で知られる坂口氏の唯一書いた推理
小説ですが、名作です。登場人物が多く犯人も判りにくいで
すが、独特の世界がある作品です。
でもここに出て来る人たち、実際にいたら困るでしょうね
(笑)

No.5 5点 nukkam
(2009/01/26 09:23登録)
(ネタバレなしです) 純文学畑の坂口安吾(1906-1955)は推理小説愛好家でもありましたが1948年発表の本書は何と犯人当て懸賞小説で、作者の「正解者選後感想」によれば完全正解1名を含む8人が犯人を的中したそうです。江戸川乱歩や松本清張も絶賛し、もはや伝説化した本格派推理小説ではあるのですが今でも読む価値があるのかというと微妙かもしれません。個性的な登場人物が揃っていますがみんな変人ばかりのためか却って誰が誰だかわかりにくく、しかも人数が無駄に多いです。互いのののしり合いに終始するようなプロットも案外と変化に乏しくてサスペンスが盛り上がりません。言葉遣いの汚さが極端過ぎで、本書に比べると同時代の横溝正史はエログロ表現は使っていても節度をわきまえていたなと今更ながらに見直しました。

No.4 6点 ロビン
(2008/08/28 22:57登録)
あまりにも多い登場人物、読解困難な会話、ごちゃごちゃした館の見取り図。つい不平を並べてしまったけど、そんなことはどうでもよくなるくらいトリックは秀逸……だったら良かったんですけど。
ある些細な事象に対する、人間心理的に考えるホワイも、完全に納得できるものではない。「そういうことだってあり得る」と思わずにはいられない。二つの出来事を比べてみて初めて見えてくる違和感には、なるほどと思えるんだけど。

それに、いくらフィクションとはいえ、男尊女卑や人格侵害の言動(中にはトリックの伏線も含まれてはいたが)のオンパレード、殺人が起きているのに冗談を言って笑いあう無能な警察と容疑者たち。正直、終始腹が立ったままでした。(それも時代性なのか?)

No.3 6点 白い風
(2008/05/14 20:08登録)
確かに登場人物が多いですね。
まっ、8人も殺されちゃうので仕方が無い面もありますが、まず人物関係を整理するのが大変。
8人もの人間がテンポ良く(?)殺されていきます。
だから一人ひとりを検証する間が少ないですね。
ミステリとしては面白いと思いますが、心情などはあまり味わえなかったです。

No.2 9点 にくきゅう
(2008/04/11 22:12登録)
虚無への供物に次ぐ日本推理小説史上第2位の大傑作。

心理の足跡からの推理も納得。

No.1 5点 vivi
(2008/02/15 23:48登録)
坂口氏の信じる「探偵小説」の姿がここにあります。
いわゆる「犯人当て」なのですが、
そう、小説を読んだという気が全然しなかったです(^^;

始まって20ページあまりで、
主要登場人物(つまり犯人候補)が20人を超えますから、
ちょっと疲れました。
また、今だったら絶対にそのまま出版できないような、
差別用語満載の文体にも疲れました。

う~ん。あえて今の時代に読まなくてもいいかも・・・

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