皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
viviさん |
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平均点: 6.50点 | 書評数: 327件 |
No.127 | 6点 | 理由- 宮部みゆき | 2007/10/20 19:25 |
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ミステリとしてどうなのか?と言えばこの点数ですね。
まあ、事件そのものは単純なものでしたし・・・ しかし、この作品の背後に宮部氏が書きたかったものに、 圧倒されたという感があります。 ドキュメンタリーを読むのは好きな方なのですが、 これは作為的なドキュメンタリー風ですので、 その点、ちょっとまどろっこしく感じました。 事件の全容が分かってからが、長すぎたかな・・・ |
No.126 | 5点 | 黒衣の女- 折原一 | 2007/10/13 19:33 |
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そんなに評判でもないので、気合入れずに読んでみました。
感想としては、まあそれなりの作品かな、と。 シーンをバラバラにして時系列を変えることで読者の錯誤を誘うという技法は、 種明かしをされても、そんなに大きな衝撃は無いですね。 それを予想して読んでしまったせいでしょうけど・・・ |
No.125 | 5点 | 沈黙の函- 鮎川哲也 | 2007/10/07 00:06 |
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舞台設定はとても古いのですが、人間模様は古さを感じませんね。
SPレコードというのは見たこともないのですが、 作品中で色々説明しているから、困りませんでした。 ただ犯人当てとしては、登場人物が少ない分最初から絞られていて、 新味に欠けたかな~というのはあります。 「黒いトランク」の方が、数段上の気がします。 |
No.124 | 9点 | 女王国の城- 有栖川有栖 | 2007/10/05 01:40 |
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15年ぶりの江神シリーズ。
当然期待値もマックスになっているのですが、 期待を裏切らない、アドベンチャー&ロジック全開の作品でした。 大きく読者の考えを裏切る演出は無いけれど、 「犯人当て」小説としては、高レベルだと思います。 長大な作品ではありましたが、最後まで楽しく読めました。 途中「読者への挑戦」が挿入されます。 現在のミステリの状況の中で「挑戦」を入れることに多少の遠慮を覚えたのか、 かなり控えめな挑戦ではありましたが、 私自身は、こんな本格がいつまでもあってほしいと思いました。 |
No.123 | 4点 | 黒猫の三角- 森博嗣 | 2007/09/29 19:01 |
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キャラクターは、相変わらずものすごい個性的でした。
正直、結構好きな4人組ではあります。あ、根来さんも。 しかし・・・密室の謎を一生懸命に考えた人にとって、 あの解答は・・・許容範囲外ですね、さすがに。 犯人は、論理的にあの人しかいないとは思っていたのですが。 動機がああいうのは、この作者ならありうると思っていました。 天才の論理と言うのでしょうかね・・・共感は到底出来ないけど。 |
No.122 | 7点 | 眩暈- 島田荘司 | 2007/09/29 18:51 |
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冒頭の手記に隠された謎を、一般理解まで引きずり出した御手洗の推理は楽しめました。
中盤以降の手記の著者を探す部分に関するトリックは、 勢いで読まされたものの、よ~く考えるとかなり強引すぎる(^^; ホント、普通気づくよな~という感じですよね。 トリックのためのトリックになっちゃったかな~と思いました。 むしろ、作中最後まで語られなかった実在の両性具有者の正体に気づいたときの方が、 ひえ~っと思いました。 |
No.121 | 8点 | 死体を買う男- 歌野晶午 | 2007/09/26 15:44 |
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乱歩と朔太郎のコンビでミステリ解決なんて、
ものすごくわくわくさせる構成ですよね。 どんでん返しの連続と、論理の説得力を十分堪能できました。 タイトルの意味、私もわからなかったのですが、 「したいをかうおとこ」のアナグラムで「とおいかこをしたう」かな~と。 ちょっとだけ、納得しました。 |
No.120 | 8点 | 嗤う伊右衛門- 京極夏彦 | 2007/09/20 00:23 |
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ちょっと事情があって今まで読んでなかった作品ですが、
読まなかったことを後悔しました。 単純に「四谷怪談」に寄りかかる作品ではなく、 同じ登場人物を使って、物語を再構築した感じですね。 その物語を動かしていくのが又市ですけど、 彼のキャラを知った後では、不自然に思えないから流石です。 物語は1つではないと、再認識した作品です♪ |
No.119 | 7点 | 完全無欠の名探偵- 西澤保彦 | 2007/09/11 01:37 |
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一言で言うと、好きです。
非常に好感の持てる山吹みはるのキャラクターも、 会話の中で思考が高速回転して真相へと転がり落ちていく展開も、 その思考が(思考なんだから当たり前だけど)ロジカルなのも。 山吹みはるの周囲の人が抱えていたそれぞれの真相が、 かなり強引な形で収斂していく後半の展開ですが、 もともとの設定を考えれば「あり」かなと思います。 みはるの能力と彼女の能力とが作り出した解決なのだから。 もっと読みたいキャラクターで、続編がないのが残念です。 |
No.118 | 6点 | 解体諸因- 西澤保彦 | 2007/09/11 01:27 |
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よくもまあ、これだけ「バラバラ」を集めたな~と思いました。
ただ、これだけ解体しているのに、全然生々しさが無いのはスゴイ。 何故かと考えたとき・・・それはこの作品がロジックのパズルだからだと思い至りました。 記号化された登場人物、記号化された事件&死体、それを数式を解くように解明する。 HOWだけが問題なのであってWHYはあんまり関係ないのです。 だから、解いた後事件がどうなるのかにも無責任でいられる。 極端だけど、ミステリとしては1つの姿かな~とも思いました。 「物語」としては面白くなかったけど。 |
No.117 | 6点 | 人形は遠足で推理する- 我孫子武丸 | 2007/09/01 18:22 |
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謎としては密室殺人の解明のみと言ってもいいわけですが、
これが長編になってしまうところが、筆者の腕、キャラの力ですね。 予定調和に進むバスジャック自体に緊迫感はないのですが、 犯人と睦月たちのやりとりが可笑しくて、楽しく読みました。 |
No.116 | 8点 | 99%の誘拐- 岡嶋二人 | 2007/08/31 00:13 |
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面白かったですよ、正直に。
倒叙形式の作品ですが、犯人側に非常に肩入れして読むことで、 事件の進行にスリルを味わえました。 しかも、犯行の手口が全て明らかになっているわけではないため、 最後まで謎解きの要素があったのもポイント高かったです。 |
No.115 | 6点 | 螺旋館の殺人- 折原一 | 2007/08/28 22:51 |
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この作品は『倒錯のロンド』の姉妹作品(?)だということで、
どんなものかと期待を込めて読んでみました。 結論としては、『倒錯のロンド』の方が迫力というか切れがあったな、と。 もちろん、先がどうなるかというストーリーテリングぶりと、 最後の怒涛の展開は息をつかさぬものだったのですが、 パロディになりすぎて、スリルが無かったせいかも。 |
No.114 | 8点 | 倒錯のロンド- 折原一 | 2007/08/28 22:43 |
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こういうジャンルのミステリだと思って読んでいても、
なかなか作者の意図が分からずに最後までドキドキできました。 文章の洒脱さや、展開のスピード、心理描写など、 満足だと思う点はたくさんあります。 後書きまで作品に取り込んでしまうとは、さすがです。 |
No.113 | 8点 | 七回死んだ男- 西澤保彦 | 2007/08/28 22:39 |
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SF設定なのだけれど、ロジックに重点を置いた作品。
設定自体がしっかり構築できていれば、十分に楽しめますね。 ある種達観したような久太郎のキャラクターがナイス! ただ、もう少し伏線があったらなぁと、ちらっと思いました。 |
No.112 | 6点 | 人形はライブハウスで推理する- 我孫子武丸 | 2007/08/25 00:57 |
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当初のように短編集に戻ったのが良かったと思います。
小さくても「あっ」と言わせるような単品のトリックで十分。 キャラクターの良さも失わずに構成できますよね。 「夏の記憶」は、ほのぼのとして、しかも胸にしみるような作品。 こんな話を書く人が『殺戮・・・』も書いたとは! |
No.111 | 5点 | 水に眠る- 北村薫 | 2007/08/25 00:54 |
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ミステリというカテゴリには入らない作品だと思うけど、
日常の隣にある、近くて遠い世界を描くファンタジーですね。 個人的には、とても好きな短編集です。 皆さんのおっしゃるように「はるか」は魅力的です。 でも「水に眠る」の感覚も好きだな・・・ |
No.110 | 6点 | 覆面作家の夢の家- 北村薫 | 2007/08/20 02:47 |
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「目白」の話は、ある意味怖かったです。
アレをされたら、絶対事故るな・・・ 最終話、良かったです。 ああ、そこに落とすのか~と(^^) 血なまぐさい事件に倦んだら、ぜひ♪というシリーズです。 |
No.109 | 7点 | 覆面作家の愛の歌- 北村薫 | 2007/08/20 02:44 |
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表題作が一番「本格」という感じでした。
軽い話なので、さくさくと読むことも出来ますが、 千秋さんの人間観察は、かなりのものですね。 ぽそっとした一言に、真実を感じます。 |
No.108 | 6点 | 人形は眠れない- 我孫子武丸 | 2007/08/13 01:45 |
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キャラクターのシリーズとしては興味深い物語だったけど、
ミステリとしては軽すぎるかも。 それはまあ、睦月達がものすごい密室殺人に急に巻き込まれることもないとは思いますが・・・ |