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[ 本格/新本格 ]
双孔堂の殺人~Double Tours~
堂シリーズ
周木律 出版月: 2013年08月 平均: 6.00点 書評数: 5件

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講談社
2013年08月

講談社
2016年12月

No.5 6点 まさむね 2019/08/25 21:46
 「堂」シリーズの第二弾。スケール感は前作に及ばず、密室の真相には拍子抜け感も残ります。とはいえ、全体としてはシリーズの「肝」を押さえつつ、最終盤の捻りも含めて巧く纏めていらっしゃるなぁ…という印象。ポイント自体はシンプルで、それが判明した時点でスルスルと解けていくようなスタイルって、個人的には好きなんですよね。
 でも、数学的な記述は、私には難しすぎるというか、ちょっと苦しい。いや、作品として記す意義は分るのだけれども、ソッチ系の部分をかなり軽めに読み飛ばした同志(?)も多いような気がするなぁ。

No.4 6点 makomako 2019/01/06 16:53
眼球堂が好みの作品だったので期待していたのですが、これはちょっと。
 難しい数学のお話は私には全く理解不能。放浪の数学者十和田は眼球堂の時よりさらにはるかにへんな人となり、これまた理解不能。第1作ではもうちょっとまともだったのになあ。これでは精神鑑定にかけられて無罪になりそうです。
 語り手として登場の警察庁のキャリアが極めてやさしい普通の人で、これで何とかこの話がもっているのでしょう。
 善知鳥神はこの作品でも感情が全く消失した殺人鬼としか思えない行動をとっていますが、作品の中では結構友好的な人物として描かれています。
 要するに全く現実から離れたお話であることは間違いないので、あまり目くじらを立ててもいけないということなのでしょうかね。

 堂シリーズはさらに変化しているとのことです。
 ついていけるか心配ですが、実は次作五覚堂も一緒に買ってしまったので読んでみましょう。。

No.3 5点 E-BANKER 2018/02/25 11:49
「眼球堂の殺人」につづく、『堂』シリーズの第二弾。
今回も一風(かなり?)変わった建物、そして新たなシリーズキャラクターも登場。
2013年の発表。

~二重鍵状の館“Double Torus(ダブル・トーラス)”。警察庁キャリアである宮司司(ぐうじつかさ)は放浪の数学者・十和田只人に会うため、そこへ向かった。だが彼を待ち受けていたのはふたつの密室殺人と容疑者となった十和田の姿だった。建築物の謎、数学者たちの秘された物語。シリーズとして再構築された世界にミステリーの面白さが溢れるシリーズ第二弾~

「眼球堂」よりもスケールではワンランク下・・・っていう感じだ。
前作につづき今回も「堂」にまつわる“大掛かりな”トリックが十和田の推理のもと詳らかにされる。
図面もふんだんに挿入されていて、その点はいいんだけど、どうにも分かりにくいような・・・
文章を追っているだけでは、「いったいどういう仕掛けor建物?」っていう疑問が湧いてきた。
まぁ、ものすごく単純化して表現するなら、そのむかし、推理クイズなんかであった「崖の上に立つ建物」(○Fが実は・・・ってネタバレか?)のようなものか?

密室は・・・肩透かしといえば肩透かし。
なんとなく「入れなくちゃいけないんで入れました」というような開き直りを感じてしまう。
動機やラストのどんでん返しは・・・こんなもんかな。ちょっと陳腐かもしれない。
数学の話は・・・まぁ必要か不必要かと問われれば「不必要」なんだろうけど、作品の世界観にかかわることだからねぇ・・・。十和田が探偵役を務める以上は付き合わざるを得ないでしょう。

全般的には他の方も触れられているとおり、綾辻の「館」シリーズと森の「S&M」シリーズをハイブリッドして数学風味をプラスしました、っていうことなんだろう。
そう聞くだけで背を向ける読者も多そうだけど、難しい分野に敢えて踏み込もうとするチャレンジ・スピリッツは買いたい。
上から目線っぽいけど、そんなことを感じた次第。
(シリーズキャラが今ひとつ弱いのがねぇー地味な理由かな)

No.2 6点 メルカトル 2017/05/16 22:22
前作が7点に近い6点だったの対し、本作はそれよりやや落ちる感じは否めません。
早い段階で密室殺人が起こり、テンポよく話が進むので相変わらず読みやすく、好感触。しかも探偵の十和田が自首するという意外な展開で、どうストーリーを進行していくのか興味が持てます。
あとがきにもあるように、数学に関する衒学趣味が横溢しているのは意見の分かれるところかもしれません。確かに我々素人にはさっぱり理解が追い付かず、退屈を強いられます。まあ我慢できないほどのボリュームではないので、一つのアクセントと考えれば許容できるのではないかと思いますが。
さらには名探偵不在の中での地味な捜査、というか調査が延々と続くので、その意味でも冗長さをどうしても感じてしまいます。
しかし、いかにもな本格ミステリの「雰囲気」は十分に味わえます。どうやら作者は作品ごとに工夫を凝らし、新たなトリックを提供しようとしているようで、その姿勢は大いに買えます。作風は変えず、新たなアイディア(建造物)を加えながら、新風を吹き込もうという意欲は称賛すべきものだと思います。

No.1 7点 虫暮部 2013/11/25 14:21
順調に風呂敷を広げたこの2作目で、作者は綾辻行人のアレと森博嗣のアレを組み合わせたようなシリーズ展開を宣言していると言ってもよいだろう。1~2作目の水準を維持出来るなら、なかなか楽しみなことである。徒に大長編化せずによい塩梅の長さにまとめられている点も好感が持てる。


周木律
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