皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] そして誰かいなくなった |
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夏樹静子 | 出版月: 1988年10月 | 平均: 6.22点 | 書評数: 9件 |
講談社 1988年10月 |
講談社 1991年07月 |
徳間書店 2009年05月 |
No.9 | 5点 | 了然和尚 | 2015/05/12 12:56 |
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楽しめたポイントとして「クリスティーのあれやな」と思える部分が大きいので、やっぱり本家(タイトル作品以外も)を読んだ後に読むべきでしょうね。本サイトのクリスティー作品の1から3位を意識してるわけですが、船物として4位の「ナイル」も入っているかな。そうくれば、5位のABCも動機面で匂わせて欲しかったですね、結末は好みの世界なので、私的には−1点です。彼女ははっきり殺害されたほうが私好みの結末でした。(より急行列車っぽいので) |
No.8 | 4点 | 谷山 | 2014/09/07 01:54 |
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「そして誰もいなくなった」のパロディだとミスリードさせておいて、実はクリスティの有名作をミックスさせたようなトリックだったってところでしょうか。
まあどっちにしろ分かりやすかったですがw 物語としても正直微妙でした。 |
No.7 | 6点 | E-BANKER | 2013/10/23 22:42 |
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1988年発表の長編。
タイトルから分かるとおり、A.クリスティのミステリー史上に燦然と輝く傑作「そして誰もいなくなった」を本歌取りした作品。 この作品のパロディはいろいろ出されてますが本作は・・・ ~湘南・葉山マリーナから沖縄を目指す豪華クルーザーのインディアナ号が出港した。船のオーナーから招待を受けたのは、会社役員秘書、エッセイスト、医者、弁護士、プロゴルファーの五人。オーナーは御前崎から乗船するという・・・。翌朝、一人の死体が発見され、彼の干支である猿の置き物が消えていたのだ! 騙される快感に酔える傑作長編~ まずまず面白かった・・・というのが、ある程度譲歩した感想。 終盤までは、とにかく本家「そして誰もいなくなった」と同様、船内というクローズド・サークルで次々と人が殺されていく展開。 ひとり、またはひとりと登場人物が少なくなり、当然真犯人候補も狭まっていく・・・ そしてついに二人に絞られ、あろうことかひとりになってしまう・・・ 本作のようなパロディものは本家の骨格や味わいを残しながらも、主眼となるトリックはオリジナリティを出さなければならないというハードルが課せられるのは自明。 本作では最終章に作者の蒔いた仕掛けが明らかにされるのだ。 まぁ手練のミステリー好きなら、「やっぱり!」というレベルかもしれないが、まずまず納得感は得られた気はする。 そして、最後に気づくだろう。本作は「・・・誰もいなくなった」ではなく、「・・・誰かいなくなった」なのだと! トータルで評価するとこのくらいの点数。 でも結局これって、いわゆる「プロバビリティーの犯罪」に属するんだと思うけど、結構リスクあるよなぁ。 お話としては面白いが、かなり無理のあるプロットなのは確か。 (面白けりゃそれでいいんですけどねぇ・・・) |
No.6 | 6点 | 蟷螂の斧 | 2013/08/07 13:12 |
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3つのプロットを組み合わせた努力は買いたいと思います。オマージュもとの作品が傑作であるので、面白くないわけはありませんが、現実味の観点から、この評価で。 |
No.5 | 6点 | touko | 2009/12/10 22:24 |
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(ネタバレの危険性あり)
ミステリに関しては記憶力におおいに難がある私でも、主人公の背後関係のモデルになった有名事件をわかりやすく書きすぎているからか、タイトルとは別のクリスティの有名作品の動機をどうしても思い出してしまい、細かいところはともかく全体の仕掛けは序盤から予想がついてしまいました。 それを回避するには、何も最初から最後まで主人公の一人称になんかしなければいいだけのような……すると作者はむしろ既読の読者には手の内あかした上で、トリックで悩んでもらいたかったのかな? それでも、この作品は、まったく予備知識がない方が、さらに楽しめるんじゃないかと思います。 |
No.4 | 9点 | いけお | 2009/06/03 21:54 |
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ラストで不自然な一人称にも納得。 伏線の加減等プロットもなかなかよかった。 オマージュの部分はもちろん引用元を読んでないと流れに乗れないが、むしろ未読でこれを読んでも楽しめる出来だと思った。 なので、最初からオマージュっぽさを強調しない作品として書かれていてもよかったかも。 |
No.3 | 6点 | nukkam | 2009/05/13 19:29 |
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(ネタバレなしです) 1988年発表の本書はアガサ・クリスティーの名作「そして誰もいなくなった」(1939年)を意識した本格派推理小説で、ぜひクリスティー作品を先に読んでおくことを勧めます。後発作品なので当然ながら単なる模倣に終わらないような工夫がありますがそれがクリスティーの別作品を連想させるのはどう評価すべきかちょっと悩みました。また最後の仕上げを成立させるためにかなりご都合主義的な箇所があるのも気になります。とはいえ難しい注文を付けなければサスペンスに富んだプロットは読み応えたっぷりで、一気呵成に読み終えました。 |
No.2 | 8点 | こう | 2009/01/18 01:31 |
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タイトルだけでなく設定が「そして誰もいなくなった」をかなり模倣した作品です。個人的にはテープレコーダーを利用して登場人物の過去を暴く所が踏襲されているところは気に入っています。
共感できないヒロインの一人称視点で描かれているのも真相、結末を考えれば作者は意図的にやっているのでしょう。 作品中ずっと感じる違和感がありまた現代を舞台にどうやって納得させる結末をつけるのか考えると真相はわかりやすく「それしかない」感じですが後発の類似作があふれたこの時代では仕方ないかなと思います。 ストーリーの展開、結末はある意味オーソドックスですので普通に楽しめると思います。 少しネタばれですが「心停止」の確認の下りは個人的には予想通りでしたがあまり一般的ではないかもしれません。一人称視点が生かされていると思いますしそれが作者の狙いなのかもしれません。 |
No.1 | 6点 | シュウ | 2008/11/30 10:11 |
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タイトル通り「そして誰もいなくなった」のパロディです。社会派の要素が色濃いのでそういうのが好きな人にはより楽しめるかも知れません。
似たモチーフを持つ「十角館の殺人」と同じようにこの作品にも最後にどんでん返しが待っているのですが、「十角館」に比べるとかなり分かりやすいです。 「十角館」が無ければこれはこれで上手いと思えるのですが、「十角館」より後発なことを思うとちょっと物足りないと思ってしまいます。 |