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花を捨てる女
夏樹静子 出版月: 1997年07月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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新潮社
1997年07月

新潮社
2000年03月

No.1 5点 E-BANKER 2020/07/12 18:44
2016年に急逝した夏樹静子のノンシリーズ作品集。
テーマはやはり“女”ということかな?
1997年の発表。

①「花を捨てる女」=夫の不倫に気付いた妻がついに・・・。なのだが、その後妻が取った行動が「花を捨てる」行為。そこには妻の深い考えが・・・
②「アイデンティティ」=家出した妻が戻ってきたのだが、親友の女性が別人だと主張し始める・・・。そこにはやっぱり女性心理が潜んでいた。
③「尽くす女」=夫に尽くすことが生きがいだとという女。なんていい妻だ!って思ってたら、実はそれが怖い結果に・・・。まぁいくらなんでもこの計画は甘いよね。
④「家族写真」=これまた不倫に絡む犯罪。そして男と女の心のアヤ・・・。でも、頸動脈を切られるなんて、いくら何でもコワイよ!
⑤「三通の遺言」=これが本作中NO.1。これはいわゆるW不倫絡みの犯罪なのだが、女そして妻を怒らせるとコワイぞーって思わせる。「三通の遺言」っていうのがなかなか効果的。
⑥「線と点」=もちろん清張の「点と線」を意識している。でもレベルは全然違う。まっちょっと意識して書いてみましたというくらいの小品。

以上6編。
不倫、不倫、そしてまた不倫、である。
昨今、例のアン〇〇シ〇の渡〇の不倫が世間を騒がしているけど、やはり犯罪に不倫、そして男と女の愛憎劇はつきものということ。
さすがに作者は百戦錬磨だし手馴れている。
短編だし、あまり込み入ったプロットを用意しているわけではないけど、どれも「そこそこ」のオチが用意されている。

ということなので、この手の愛憎劇がお好きな方は一読をお勧めします。
私のように、日頃から妻に怯えて過ごしている方には・・・あまりお勧めしません。


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