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[ 本格 ]
貴婦人として死す
HM卿シリーズ
カーター・ディクスン 出版月: 1959年01月 平均: 7.29点 書評数: 24件

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早川書房
1959年01月

早川書房
1977年03月

東京創元社
2016年02月

No.4 8点 文生 2012/04/05 14:34
『白い僧院の殺人』と並ぶカー作品における足跡のない殺人の双璧。
メイントリックの素晴らしさでは白い僧院だが、それに対して本作はメイントリック以外にも小技が隅々にまで効いており、ミステリー小説としての総合力ではこちらに軍配を上げたい。

No.3 7点 kanamori 2010/06/26 16:41
関係者の医師の手記の形で、H・M卿が関わる偽装心中事件が描かれています。
断崖まで続く男女の足跡トリックは二重の真相を用意して、そちらに目が行きがちですが、中核のトリックはさらに別にあって、巧みなミスディレクションになっています。
怪奇趣向や派手な展開はありませんが、一人称で語られる物語は淡々とした静かな雰囲気で、カーの作品としては読み心地がいい中期の傑作と言えると思います。

No.2 8点 nukkam 2009/01/14 11:07
(ネタバレなしです) 1943年発表のヘンリー・メリヴェール卿シリーズ第14作で、なるほど中期の傑作と評価されるにふさわしい本格派推理小説でした。崖に向かって続く男女2組の足跡。だが戻ってくる足跡はなく、2人が心中と思われる死体となって発見されるがやがて殺人の証拠が出てくる。しかし殺人となると今度は犯人の足跡がない謎が生じてしまうという厄介な事件です。しかし足跡トリックだけの作品ではありません。事件関係者を語り手にした1人称形式が効果的で、アマチュア探偵の役割も与えて謎解きの面白さを増幅しています。破綻したと思われる推理が決め手への一歩になったりとなかなか技巧的です。どたばたシーンもあってお笑いを演出していますが、一方で人情談としてもよくできています。

No.1 8点 mini 2008/11/27 10:11
「アクロイド」と比較する人も当然居るだろうね、多分カーも想定してこれ書いたんだろうけど
老医師の手記による1人称なので雰囲気は地味だし怪奇趣味も大して無いが、でもある意味カーらしさが存分に発揮された名作だろう
カーは案外と叙述な仕掛けを施す作家だが、この作品は特に作者の企みを前提に書かれた作品で、狙いは良く分かる
どうしても作者の思惑を考えて読んでしまう自分の性格は、作品鑑賞的に素直に楽しめないので嫌いなんだが、残念ながら真相はほぼ見破ってしまった
足跡トリックの方は、ある手掛りとなる物体に気付いて、トリックと関係ある伏線ではと思っていたのでズバリ
むしろなぜそんな足跡トリックを弄す必要があったのかの理由付けの方が巧妙で看破できなかったな、だからこんな場所を舞台に選んだわけね
さてもう1つの狙い、と言うかこっちの方がメインか。
真犯人の正体も単なる勘だけど想定してた通りだった、冷静に考えればこういう可能性も有るよな、と途中からずっと思っていたのでね
でも上手い、1人称だからこそ出来る芸当、まさに叙述トリックそのもので、これを意図的に使う事を思いついたカーのアイデア勝ちだな


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カーター・ディクスン
2001年09月
第三の銃弾<完全版>
平均:6.50 / 書評数:8
1999年12月
かくして殺人へ
平均:4.55 / 書評数:11
九人と死で十人だ
平均:6.47 / 書評数:15
1980年12月
孔雀の羽根
平均:6.29 / 書評数:14
1978年03月
ユダの窓
平均:7.94 / 書評数:32
1976年04月
弓弦城殺人事件
平均:4.00 / 書評数:8
1961年01月
恐怖は同じ
平均:4.33 / 書評数:3
1960年01月
騎士の盃
平均:5.00 / 書評数:6
赤い鎧戸のかげで
平均:5.50 / 書評数:6
1959年04月
パンチとジュディ
平均:4.50 / 書評数:6
1959年01月
貴婦人として死す
平均:7.29 / 書評数:24
仮面荘の怪事件
平均:5.40 / 書評数:10
殺人者と恐喝者
平均:5.62 / 書評数:13
プレーグ・コートの殺人
平均:6.85 / 書評数:27
1958年01月
魔女が笑う夜
平均:5.45 / 書評数:11
一角獣殺人事件
平均:5.00 / 書評数:11
青銅ランプの呪
平均:5.78 / 書評数:9
爬虫類館の殺人
平均:5.93 / 書評数:14
赤後家の殺人
平均:6.38 / 書評数:16
1957年01月
時計の中の骸骨
平均:5.00 / 書評数:7
五つの箱の死
平均:4.88 / 書評数:8
青ひげの花嫁
平均:5.38 / 書評数:8
1955年07月
墓場貸します
平均:5.67 / 書評数:9
1955年01月
読者よ欺かるるなかれ
平均:6.61 / 書評数:18
1951年01月
白い僧院の殺人
平均:6.76 / 書評数:25