home

ミステリの祭典

login
VOLKSさんの登録情報
平均点:6.75点 書評数:351件

プロフィール| 書評

No.331 6点 マリオネットの罠
赤川次郎
(2018/08/27 20:52登録)
久し振りに赤川次郎の作品を読んだ。
彼の文体は本当に読みやすくて馴染みやすい。
これも才能の1つなのだな、と痛感した。
作品自体もなかなか面白かったのでサクサク読めた。
「マリオネット」の意味がラストになってようやく解ったが、ヒロインがなんとも可哀想でいたたまれない。


No.330 7点 人魚の眠る家
東野圭吾
(2018/08/17 19:46登録)
非常に考えさせられました。
娘の水難事故による、脳死と臓器移植。
すごく難しい内容のものをとても読みやすく、また読者に考える余裕を与えながら仕上げてあるあたり、さすが東野圭吾だなー、とつくづく感じます。
臓器移植について、我が家でもこれから話し合っておこうと思いました。
ミステリーではないのかな?と思いましたが、読み物としてとても大切なものを投げ掛けている作品だと感じます。


No.329 6点 検事の本懐
柚月裕子
(2018/08/13 08:47登録)
佐方が検事の頃の短編集。
どーゆー生い立ちで、どーゆー人と関わって今の佐方弁護士になったか、が解る一冊。
どの話も熱く心を揺すぶられる半面、佐方は冷静であることが多いが「恩を返す」では、稀にみる一面を垣間見ることが出来て印象に残った。


No.328 5点 マツリカ・マジョルカ
相沢沙呼
(2018/08/10 09:32登録)
キャラクターも、内容もそんなに悪くはなかったのだけれど、文体がどうもしっくりこなかった。
短編集だったのも手伝ってか、最後までのめり込むことが出来なかったことが残念。
柴犬が、好き(笑)


No.327 9点 検察側の罪人
雫井脩介
(2018/08/09 18:22登録)
重い。
ものすごく重たくて、切なくて、考えさせられる作品だった。
なぜこの本を手にしたのか、読み始めた頃はすっかり忘れていたのたのだが、このほど木村拓哉と二宮和也のW主演映画、ということで話題になっている原作。
読んで納得、すごい作品。
これはW主演も有り得るなー。

最上と沖野、どちらの正義もそれぞれに理由があり、その意義も解る。
最後になって沖野に見せた松倉の態度。
驚きもしたが、逆にあれがあって何だかほっとした。
あれがあって最上の行動が許せるような、理性と感情の狭間の切なさが理解出来るような気がした。
また、沖野が最後に思う「本当に救いたかったのは…」の一節と咆哮、その気持ちもまた本当だと感じた。

最上の家族がまた結束出来たこと、前川という親友がいたことが唯一の救いかな。


No.326 5点 臨床真理
柚月裕子
(2018/07/30 21:52登録)
序盤、引き付けられる展開、文章で期待し過ぎてしまった分、ラストのラストで悲しいかな、失速。
気分が悪くなる…(泣)
司の特殊能力なども好きだったし、美帆の単純な性格も良かっただけに残念だった。
が、ラストのラストに辿り着くまでは楽しむことが出来た。


No.325 7点 恩讐の鎮魂曲
中山七里
(2018/07/29 01:36登録)
作者のコラムに「睡眠も、入浴も、食事も惜しんで読んでもらえる作品を書きたい」そんなことが書いてあった気がするが、まさにそーなりつつある(笑)
またもや、一気読み。
助けたい、なんとか無罪にしたい、それを本人が望まないにしても、それでも貴方は間違っていない、と思いながらページをめくっていた。

ドラマで御子柴の役を三上博史がやっていたらしい。
それを知ってから、もう、御子柴が三上博史にしか見えない、というか、三上博史の声で御子柴の台詞を語っている幻聴が聞こえてくるくらいにまで侵されている、私。
すごく楽しめています。


No.324 6点 ジェリーフィッシュは凍らない
市川憂人
(2018/07/29 01:19登録)
色々な矛盾は楽しめたし、キャラクターも楽しめたし、設定も楽しめたのだけど、とにかくその背景というか、ジェリーフィッシュの構造やらなんやら、その部分の理解がなかなか追い付けなくて、読んでは戻り、2度読み返し、3度読み返し…。
どうもそこが私には引っ掛かってしまい、どんどんと読み進むことが出来ず、読み終えるのに4日もかかってしまった。


No.323 7点 私の頭が正常であったなら
山白朝子
(2018/07/23 17:23登録)
インパクトのあるストーリーが多く、短編集にしては心に残る作品ばかりだった。
切ない内容だったけれど「首なし鶏、夜をゆく」
あぁ、よかったね…と思えた「子どもを沈める」
こちらもホッとすることが出来た「トランシーバー」
などが印象に残った。

前の方の書評…
「おっ、いちページ目から…」
「おー、ついちからが…」
「甲乙、一編たりとも…」
って、思いっきりじゃないですかー(笑)↓↓↓


No.322 6点 最後の証人
柚月裕子
(2018/07/22 17:03登録)
安心して読める法廷ミステリー、といった感じだろうか。
とても読みやすく、被害者(家族)に感情移入しやすい。
そうだー、そこそこ突っ込んでハッキリさせちゃえー!
の、ノリで読んでしまえるちょっと軽い二時間ドラマっぽい感じはあるものの、面白かった。


No.321 8点 ナミヤ雑貨店の奇蹟
東野圭吾
(2018/07/16 09:55登録)
「すっごい!」です。
さすが東野圭吾だなー、という作品でした。
短編の一つ一つがうまいことリンクしていて、ほんわかしたり、ぎゅーっとなったり、ほぉーっ!っと息をついたり、とにかく心が揺すぶられました。
映画はまだ観ていないですが、観てみたいな、と思いました(映像になるとがっかりかな?(笑))
でも、この作品は、映画だったら5~6時間は必要なんじゃないかな(笑)


No.320 9点 追憶の夜想曲
中山七里
(2018/07/13 21:30登録)
読ませられました。
一気読みです。
どんでん返しが幾つも用意されていて、見事でした。

御子柴、やっぱり過去が闇過ぎる(病み過ぎる、でもいいかも)。
なので、まだ手放しで好きにはなれませんが…
人は過ちをおかすもの
人は悔い改められるもの
本当の意味で反省をしやり直そうと努力をしている人がいたら、やはり社会はその人を受け入れなければいけないの、かもしれない
そんな社会の縮図を見ているような気がする。
果たして、自分の周りに、身近なところにそんな人がいたとしたら、受け入れることが出来るだろうか…
御子柴のような人がいたとしたら、色眼鏡で見ないでいられるだろうか…
そんな疑問が湧いてきた。

とりあえず、これはフィクション。
次回作も楽しみです。


No.319 5点 悪いものが、来ませんように
芦沢央
(2018/07/13 13:38登録)
女性二人の描写、不自然なところがあちこちにあり、しかしそこはあえて気にせずに読み進めることにした。
後半過ぎ、やはりそこがポイントでしたか、という感じ。
ラストのオチは良かったけれど、だよね、だってそう書いてあったよね?そこ、読み解けるよね? という感じで、ちょっと残念でした。


No.318 7点 死神の浮力
伊坂幸太郎
(2018/07/10 11:23登録)
疲れた(笑)
肩に力が入ったまま読んでいたのか、とにかく疲れた(笑)
それだけ物語に、いや千葉に?、いや山野辺ににも、魅力があったように思う。
山野辺の父親との関係、父子の会話、父から息子への吐露のくだりがとても良かった。
を、踏まえての今の山野辺なんだなー、という設定も丁寧に感じた。

娘を殺された夫婦の心情そのままの復讐劇では重すぎるところ、とにかく的外れな千葉に何度も救われた(笑)


No.317 8点 贖罪の奏鳴曲
中山七里
(2018/07/09 08:33登録)
「最初から犯人解ってる呈での読み物なのねー」という単純な思考回路でスタートしてしまったので、実はあまり読むスピードも気分も上がらず…
更には御子柴という人物にあまり好感も持てず…
しかし、途中から「これはもしかして?」とワクワクしている。
しかも、気付けば御子柴のことが好きになっている(笑)
まんまと作者のペースにハマり、それが楽しめる作品だった。
面白かった。

少年院のくだりは、御子柴という人物を表現するにあたり、必要不可欠な部分だったのか、と改めて感じた。


No.316 6点 排除
今野敏
(2018/07/04 14:31登録)
まるで漫画を読むかのようにスラスラと読めてしまった(笑)
佐伯と新市の戦い、今回の舞台はマレーシア。
東京に残っている内村は内村の仕事を、マレーシアでは佐伯と景子が、それぞれ適材適所で仕事をこなし暴力団の壊滅に奮闘する。
格闘シーンの立ち回りが丁寧に書かれているけれど、私はそこを読み解くのが苦手でどうもすっ飛ばしぎみに読んでしまったが、好きな人にはたまらないのだろうな~と感じた。


No.315 7点 ささらさや
加納朋子
(2018/07/03 20:12登録)
ほんわか日常ミステリーというのは、非常に読みやすい文体であるか、もしくは情緒的に読み手にピタッとはまってくれる文体で書かれていないと飽きが来る。
この作品は私にとって、とても楽しかった。
一気に読ませてもらった。
時折、涙が溢れてしまうほど夢中になることか出来た。
読んで良かった~。


No.314 5点 遠きに目ありて
天藤真
(2018/07/03 19:59登録)
短編集の割には軽く読めない、というか、関係者が多かったり、こみいっている設定だったりで、それなりに頭を使いました(笑)
事件はどれも地味なのでインパクトには欠ける読み物ですが、丁寧に書かれているので好感はありました。


No.313 6点 転迷
今野敏
(2018/06/25 20:50登録)
社会人であれば、竜崎のように振る舞うことはまず難しいし、総スカンを喰らう危険性も考えられるし、だからこそ竜崎ファンとなるか、はたまた「有り得ないだろう」と受け付けないか。
でも、自分がなれないまでも、もしもこんな上司がいたら…と思うと、やっぱり竜崎の振る舞いは気持ちがいい。
3つの事件を絡めた締め括りはうまいと思った。

そういえば、ドラマを見た記憶がある。
テレビ朝日版とTBS版があったけれど、記憶にあるキャストは杉本哲太と古田新太だったので、TBS版だったらしい。
読んでいる最中、何度も竜崎の台詞が杉本哲太の声で聞こえてくる気がした(笑)


No.312 7点 毒殺魔の教室
塔山郁
(2018/06/24 19:31登録)
主人公、と言えるのかな… その人が事件のことを回想しながら真相を求めていく課程での思考回路が少しまどろっこしいというか、くどい感じもあったけれど、考えてみれば自分が同じ立場になったらきっともっとぐちゃぐちゃに悩むかもしれない…と思うと、とても人間らしく親しみがあり好感が持てた。
ただ、あまりに大人な、いうか、狡猾な6年生達で恐ろしい。
恐ろしかったけれど、なかなか面白くて一気読みだった。

351中の書評を表示しています 21 - 40