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ミステリの祭典

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私の頭が正常であったなら

作家 山白朝子
出版日2018年02月
平均点7.00点
書評数5人

No.5 7点 まさむね
(2023/02/10 21:12登録)
 このサイトでの評判が良かったことから手にしてみたのですが、読んで正解でした。主人公の多くは大切な何かを失った方でしたが、救いのようなものも感じることができて、結構沁みましたね。マイベストは「首なし鶏、夜をゆく」ですが、他の短編もイイです。

No.4 6点 蟷螂の斧
(2023/01/07 10:32登録)
①世界で一番、みじかい小説 5点 幽霊を見るようになった夫婦・・・レストランでの食事が仔羊の肉だったので、例のものかなと思ったら鱈でした。思わず苦笑い
②首なし鶏、夜をゆく 7点 叔母から虐待を受けている少女は首無し鶏を飼っている。やがて少年と仲良くなるが・・・叔母の残虐性
③酩酊SF 6点 Nの彼女は酩酊すると過去や未来が見えるという。Nが血だらけで倒れているのが見えた・・・解決に奔走するN
④布団の中の宇宙 5点 スランプの小説家。中古の布団を購入し寝ると足元で何かが触れる感覚。やがて・・・新作発表後○○現る
⑤子どもを沈める 7点 女子高時代、いじめのメンバーだった3人がそれぞれ生んだ我が子を殺した。いじめにあって自殺した女生徒に赤子が似てきたからという・・・加担していた私の赤子は?
⑥トランシーバー 6点 震災で妻と幼い息子を失った男性。玩具のトランシーバーから息子の声が聞こえてくる・・・幻聴?
⑦私の頭が正常であったなら 5点 元夫が無理やり娘を連れ去ろうとした時、交通事故に遭ってしまい二人とも死亡。その後夫人は「ママ・・・」という声を耳にするようになる・・・幻聴?
⑧おやすみなさい子どもたち 7点 船の事故で亡くなった少女。走馬燈の記憶は他人のものだった・・・天国での自分探しと船に残った子供たちを助ける手段

No.3 7点 メルカトル
(2022/12/17 22:48登録)
最近部屋で、おかしなものを見るようになった夫婦。妻は彼らの視界に入り込むそれを「幽霊ではないか」と考え、考察し始める。なぜ自分たちなのか、幽霊はどこにとりついているのか、理系の妻とともに謎を追い始めた主人公は、思わぬ真相に辿りつく。その真相は、おそろしく哀しい反面、子どもを失って日が浅い彼らにとって救いをもたらすものだった――「世界で一番、みじかい小説」。その他、表題作の「私の頭が正常であったなら」や、「トランシーバー」「首なし鶏、夜をゆく」「酩酊SF」など全8篇。それぞれ何かを失った主人公たちが、この世ならざるものとの出会いや交流を通じて、日常から少しずつずれていく……。そのままこちらに帰ってこられなくなる者や、新たな日常に幸せを感じる者、哀しみを受け止め乗り越えていく者など、彼らの視点を通じて様々な悲哀が描かれる、おそろしくも美しい”喪失”の物語。【解説:宮部みゆき】
Amazon内容紹介より。

乙一の様でありながら乙一ではない、それが山白朝子。何と言うか、読者に生理的な嫌悪感を催させる描写が結構こってり詰め込まれている感じでしょうか。だから、切なさとか泣かせると云うコンセプトとは違う気がします。
『首なし鶏、夜をゆく』『子供をしずめる』が最も印象に残りました。他にも『トランシーバー』『世界で一番、みじかい小説』も良かったですね。駄作はないものの、書下ろしの『おやすみなさい子どもたち』はちょっと普通でいらなかったかな。贅沢ですが。

流石にわざわざ別名義で書いているだけあって、作風が微妙に違いますね。私はこちらも好きですよ。『エンブリヲ奇譚』もかなり面白かったですし。それはそれとして、乙一たまにはミステリ描いてくれないものかねえ。『GOTH』よ今一度。

No.2 7点 VOLKS
(2018/07/23 17:23登録)
インパクトのあるストーリーが多く、短編集にしては心に残る作品ばかりだった。
切ない内容だったけれど「首なし鶏、夜をゆく」
あぁ、よかったね…と思えた「子どもを沈める」
こちらもホッとすることが出来た「トランシーバー」
などが印象に残った。

前の方の書評…
「おっ、いちページ目から…」
「おー、ついちからが…」
「甲乙、一編たりとも…」
って、思いっきりじゃないですかー(笑)↓↓↓

No.1 8点 虫暮部
(2018/07/12 04:34登録)
 私の気が確かなら、山白朝子というのはそれなりの知名度を持つ作家の別名義なのだが、さて一体それが誰であったか、とんと思い出せないのだ……。
 おっ、いちページ目からそそる展開だ。語り手が!妻と!!暮らしているマンションに!!!
 おー、ついちからが入り過ぎていらぬネタバレをするところであった。妻の無駄に論理的なキャラクターが可笑しい「世界で一番、みじかい小説」、結末で示される因果関係についての可能性が色々示唆的な「酩酊SF」、悲惨なホラーになるかと思いきや感動的な「子どもを沈める」等々々、まことに付け難きは甲乙、一編たりとも流し読み出来ない充実の作品集。

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